No.183 2019年9月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (196)

アカガシラサギ(サギ科) Ardeola bacchus

コサギよりも小型のサギで、中華人民共和国中東部等で繁殖し、東南アジアへ南下し越冬する。英名は中華人民共和国で繁殖する事に由来する。秋田県熊本県千葉県では繁殖例がある。数少ない旅鳥または冬鳥として各地で記録がある。夏期は頭部から頸部が赤褐色、胴体上面は青みがかった灰黒色、胸部が紫褐色の羽毛で被われることから、和名の由来になっている。似た種類にジャワアカガシラサギとインドアカガシラサギがおり、ジャワアカガシラサギは石垣島や沖縄本島で数例の記録がある。インドアカガシラサギは福岡で1例の記録がある。また、アカガシラサギとコサギの交雑種も確認されている。

川口市周辺でのアカガシラサギの記録は、芝川第一調節池で1996年6月17日、2003年6月4日、2004年6月13日(夏羽1羽)、2006年8月6日、2013年12月3日、2015年11月1日(冬羽1羽)、11月3日、2017年10月6日(1羽)等の観察記録がある。

自然の記録:

 9月 1日 近所の電線には巣立ち後のツバメが止まっていました。今年も市内数か所でツバメが営巣しましたが、そのほとんどはカラスの被害により巣立ちまで行きませんでした。市内でのツバメはカラスやヘビによる影響で巣立つことが少なくなっています。夜になり、エンマコオロギにかわってツヅレサセコオロギが鳴きだしました。数か所で鳴いているようでかなり賑やかです。
ツバメの若鳥 シモフリスズメの終齢幼虫 シモフリスズメ

 9月 4日 早朝からハラオカメコオロギが賑やかに鳴きだし、夜にはカキの木でアオマツムシが鳴きだしました。ここ数日は夜が涼しいので鳴きだしたようです。カネタタキ、エンマコオロギ、ツヅレサセコオロギ、ハラオカメコオロギ、アオマツムシと秋鳴く虫の合唱です。

 9月 6日 剪定した枯れ木から蛾が飛び立ち隣家の植え込みに飛び込んだので探してみると、セスジスズメの成虫でした。ボタンクサギやネズミモチでは毎年のように幼虫が見つかりますが、成虫はなかなか見つかりませんでした。セスジスズメはスズメガ科ホウジャク亜科の蛾で、よく見かけるスズメガの仲間です。成虫は翅の模様が直線に近い筋のようになっているのと背中の2本の白い筋があるので簡単に識別できます。

開花後のキカラスウリと果実(冬には黄色くなる) ハギ開花

 9月 8日 一日中、雨が降ったりやんだりでした。雨の合間にナミアゲハ、ヤマトシジミが飛び交い、久しぶりにゴマダラチョウも飛来しました。アカボシゴマダラは良く飛来しますが、ゴマダラチョウは市内でも少なくなりました。昭和40年代以降に旧鳩ヶ谷市内から消えた蝶の仲間は、ヒオドシチョウ、オオムラサキ、ミドリシジミ、ジャノメチョウ、ゴイシシジミなどがある。これらの蝶は普通に見ることが出来たものであるが、近年はコムラサキなども見る機会が少なくなった。

 9月 9日 旧芝川を散策、カモ類の飛来はまだ。チョウゲンボウが1羽久しぶりに上空を旋回、青木水門でイソシギ、その他の鳥は普通種のみ10種類。土手には草が生い茂り北アメリカ原産のマメアサガオが蔓延っていました。マメアサガオは1955年に東京近郊での帰化が報告され、関東地方以西で道ばたなどに普通に生育している。似た種類にホシアサガオがある。

 9月10日 庭のボタンクサギは、何度か刈り取ったが根が方々に伸びているようで、次から次へと生育してくる。そのうちの数本で10pほどに成長したシモフリスズメの幼虫が葉を食べており、幹だけとなっている株もいくつかあります。

 9月13日 イチジクの木が大分枯れてきました。原因はキボシカミキリの幼虫による食害です。幼虫(鉄砲虫)が幹の内部を食べるために毎年数本の枝が枯死しています。

キボシカミキリ 被害にあったイチジクの木 イチジク

 9月14日 庭のカキの木にハシボソガラス、オナガ、ムクドリ、スズメなどが集まり、この秋初めてのメジロ11羽の群れも飛来、近所で繁殖しているらしくキジバト2羽も常連です。お目当てはカキの実ではなくカキの木にいる色々な昆虫が目的のようです。

 9月15日 イチジクの木にキボシカミキリの雄と雌が止まっていました。これから続々と成虫が出てきそうです。

 9月16日 また一つ鳩ヶ谷の歴史ある建物が消失しました。鳩ヶ谷本町3丁目にある御岳神社が消失して更地になりました。本町銀座通りから草加道へと抜ける道沿いにありましたが時代の流れか、古きものは全て消失せざるを得ないようです。数十年前までは木曽御嶽神社の百草丸などを買う人達が訪れていました。午前中に雨が止むと同時にアブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシが鳴きだしました。

 9月19日 サトオカメコオロギとカネタタキが裏庭の落ち葉の上にいました。両者とも全く動かずにじっとしていました。

 9月20日 芝川第一調節池を歩いてきました。まだ、カモ類の渡来には早かったようですがコガモ約100羽、ミサゴ、トビ、ハイタカなどのワシタカ類が出てくれました。ハイタカはミサゴを執拗に追いかけていましたが、ミサゴは相手にせず、飛びながら見つけた魚めがけてダイビング、失敗しましたが流石に良い目をしているなと感心しました。

囀るホオジロ トビ ミサゴ

 9月23日 台風の影響か一日中強風が吹いていました。買い物の途中で前野宿川公園に立ち寄りましたが、池の中はカワウ2羽とアオサギ1羽のみでした。林の中ではオオタカに捕食されたものと思われるアオサギの若鳥の羽毛が散乱していました。林内にはキノコの仲間が数種類生えており、シロノハイイロシメジが目立ちました。朽木の上ではキマワリによく似たオオユミアシゴミムシダマシが歩いていました。

 9月24日 夜になり風呂場の窓からヒカゲチョウが飛び込んできました。外ではカネタタキやサトオカメコオロギが鳴いていますが、今年はアオマツムシの声が少ないようです。

 9月27日 ツクツクボウシがまだ元気に鳴いています。川口医療センター前の道路でホタルガが干乾びていました。

 9月30日 赤井の氷川神社ではヒガンバナが満開となり境内入り口周辺を彩っていました。

地球温暖化を考える(135)

見沼通船掘り公園と通船掘

見沼通船掘は見沼田んぼの最南に位置し八丁堤で仕切られており、見沼通船掘り公園はJR武蔵野線の東浦和駅から約5分の場所にあります。平成元年3月にオープンした敷地面積6600平方メートルの公園で、大間木公園に隣接しており、そのまま進めば木曽呂の富士塚まで。公園に沿って見沼通船堀西縁が公園の一部となっており、通船堀の南側には遊歩道が整備されている。公園の大部分が竹林で、竹林内の立ち入りは禁じられているがきれいに木道が整備されている。近年、竹林の整備はどこでも人手不足で荒れている場所が多いが、竹林らしさがあります。通船掘りの散策路のところ処に住宅があるものの全体的には緑に囲まれて静かで散策しやすい。見沼通船掘りから東縁見沼代用水沿いに歩くと川口自然公園、川口自然の家、芝川第一調節池へと続くハイキングコースにもなっている。見沼通船堀公園のすぐ横を見沼代用水西縁が流れているが、見沼代用水は上尾市の瓦葺伏越付近にある西縁と東縁の分水点から、さいたま市を経て川口市小谷場元西福寺前分水口(芝分水口)までを流れる用水路。享保13年(1728年)、幕府の役人であった井沢弥惣兵衛為永が新田開発のために、利根川から取水し、武蔵国に普請した灌漑農業用水で、埼玉・東京の葛西用水路、愛知県の明治用水とならび、日本三大農業用水に数えられています。八丁堤から南側は開発著しく、水田はほとんどなくなり都市化が進んでいます。通船掘り公園内の林では20年ほど前までは小型のフクロウの仲間のアオバズクが繁殖していましたが、現在は全く飛来しなくなりました。昆虫類が少なくなってきているのも気になります。

見沼通船掘り公園の案内図 東浦和駅前を望む 公園入り口
公園内の竹林 見沼通船掘りの案内図 竹林内に整備されている木道
通船掘に沿った遊歩道