No.141 2016年3月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (154) 

クロジ Emberiza variabilis (ホオジロ科)

クロジ 雄

クロジは漢字で書くと黒鵐でホオジロの仲間です。よく似た仲間にアオジ(青鵐)がいます。クロジもアオジも体の色が由来です。とくに、クロジの雄は全体に黒く、その名の通りです。

名前の“ジ”は、ホオジロの仲間をシトドと呼んだ古い鳥の名前の名残りと言われています。シトドの由来は、鳴き声の「シッ」と鳥がなまったトット、「シッと鳴く鳥」の意味と言う説があります。 

生息地が日本周辺の狭い地域に限定されているため、世界的には珍しい鳥とされる。 主に北海道や本州の日本海側、国外ではカムチャッカ半島南部からサハリン、千島列島で繁殖し、冬期は関東地方から九州、南西諸島に移動します。クロジの生息数は徐々に減少しており、地域によっては「準絶滅危惧種」に指定されるなど生存が危ぶまれています。これは、自然林の減少などによりクロジの生息環境が悪化しているためと考えられています。特にクロジは繁殖地が限られており、そこでの環境悪化が直接生息数に影響を与えてしまうのです。45年ほど前に野鳥の会主催の尾瀬ヶ原探鳥会に参加した折に、クロジの聞きなしクイズを行い、熱いお茶を飲んだ時のような感じで、フイーアッチ、チと書いた所、特選となり会津の“曲げわっぱ“を頂いたことがあります。

 

自然の記録:

 3月 1日 今日は風が強く寒い1日となりました。隣家から吹き飛んでくるカキやクリの落ち葉が溜まって、大型のビニール袋3杯になりました。来年まで放置しておけば良い堆肥になりそうです。

午前中に旧芝川を歩いてきましたが、カモ類の姿が少なく北へ旅立ったようです。ヒドリガモ(雄33、雌34羽)、オナガガモ(雄2、雌2羽)、コガモ(雄7、雌10羽)、ホシハジロ(雌4羽)、カルガモ、カワウ、アオサギ、コサギ、イソシギ、オオバン等の水鳥類、ジョウビタキ、ハクセキレイ、キジバトなどで20種類でした。

 3月 4日 実家の前を側溝が流れていますが、数十年前に暗渠化されて歩道になっていました。自転車やバイク程度の通行だけならば問題なかったのですが、最近は小型車が普及されてきたこともあり、強引に通過するようになり事故の危険がありました。実家のブロック塀は何度か車がぶつかり破損しましたが、車は逃げ去っていました。8月に自転車同士がぶつかる事故があり、市に依頼してカーブミラーを設置してもらいましたが、車の侵入は阻止できませんでしたので、再度お願いしたところ車が侵入できないようになりました。自転車も通過するにはちょっと不便ですが付近に住んでいる方々は高齢者が多いので歩行はしやすくなったようです。

 

 3月 5日 旧芝川に流入する堅川でモンシロチョウ3頭を観察したとの情報がありました。庭では、ハコベ、ツメクサ、ナズナ等の白色系の花が開花しました。暖かくなったのでユスリカもたくさん飛び始め、コンポストの中ではショウジョウバエが数えることが難しいほどふたを開ける顔中ショウジョウバエに囲まれます。

 3月 8日 近所の庭ではコブシ、ギンヨウアカシアやフキノトウが開花して、モンシロチョウを初認しました。早くもショカッサイの花が蕾を持ち始めているところもありモンシロチョウがたくさん飛ぶのも近いことでしょう。

 3月13日 市内ではヒガンザクラ、ハナニラ、アミガサユリ等が開花し始めました。

 3月15日 昨日降雨があったので旧芝川を歩いてきました。カモ類はかなり個体数が減少していました。カラシナが咲き始め、モンキチョウやモンシロチョウが飛んでいました。ミシシッピアカミミガメが11頭甲羅干しをしていました。野鳥は20種類でしたが、今年初認のカイツブリとオオジュリンが見られました。三ツ和公園ではシメも残っていました。

自宅庭のゴミ籠の中にマダラカマドウマが落ちていました。昨日の雨でかなり弱っていたようです。

 3月16日 安行花と緑の振興センターへ花見がてら出かけました。ツバキやサクラの仲間がかなり満開状態で人の出も多かった。赤やピンク系の花はヒガンザクラ、安行寒緋桜、ゲンカイツツジ、黄色い花は中国産の大輪ミツマタ、サンシュウ、トサミズキ、ヒュウガミズキ、ヒイラギナンテン、レンギョウ、ナニワズ(チンチョウゲの仲間)、キズイセン、ラッパズイセン、ヒメリュウキンカ、フクジュソウ、白い花ではアセビ(アシビ:馬酔木)、コブシ、ミヤマガンショウ(オガタマノキの仲間)が盛りでした。野鳥もいつもに比べて賑やかで、安行寒緋桜にはヒヨドリが50羽以上、メジロも来ていました。その他、エナガ、シジュウカラ、シロハラ、シメ、カワラヒワ、ムクドリ、ハシブトガラス等、流石に昆虫類は少なくヒメヒラタアブ、越冬したのか小型のハラビロカマキリの遺骸がありました。この時期にカマキリの仲間を見るのは初めてでした。ところで、アセビは万葉集ではよく歌われており、

     吾が背子に吾が恋ふらくは奥山の馬酔木の花の今盛なり(10・1903)

     池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入れな(20・4512)

ヒメリュウキンカ アセビ ナニワズ
安行桜で吸蜜するヒヨドリ 成虫で冬を越したテングチョウ

 3月18日 安行原の密蔵院では、安行桜が満開となり、折からの風で桜吹雪にあいました。隣接する安行原の川口野鳥の森の湿地ではアズマヒキガエルの卵塊が開水面全体に産みつけられ、数匹のアズマヒキガエルの遺骸もありました。草地ではツクシ(スギナの胞子茎)も伸びていました。昔はツクシを卵とじ、天婦羅、つくだ煮などにして食べていました。ツクシは英名ではhorsetail(馬のしっぽ)と言います。林内では5mmほどの白いハマキガの仲間がいました。桜の花びらが破れて飛んできたのかと思いましたがハマキガの仲間でした。

 3月19日 我が家の庭では早くもシャガが開花し、ヤブカンゾウやニリンソウが発芽しました。本町2丁目の水道局の貯水槽周辺ではスギナが多く、ネコヤナギも開花しました。近くの竹やぶではウグイスとシジュウカラが囀っていました。

 3月20日 今日は暖かく、林の中の日溜りではテングチョウ、キタテハ、アカタテハ、フユシャク等の蝶や蛾の仲間が飛び回っていました。

 3月21日 風呂場の窓枠に泥蜂の仲間の巣がありました。すでに穴が開いているので昨年中に出ていたようですが、今まで気が付きませんでした。巣とはいってもハチが住んでいるわけでなく、ハチの幼虫の餌となる昆虫類の幼虫が入っていて、ハチの栄養分となりハチが出ていけばただの泥の塊です。窓の網戸にはトラフコメツキという小型のコメツキムシの仲間が止まっていました。3月から4月にかけて発生します。庭ではキュウリグサ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、カキドオシ、クサイチゴ等が開花しました。

 3月22日 隣家の庭で菜の花が花盛りとなりました。モンシロチョウもたくさん飛び交い、そのうちの一部が御裾分けのように我が家の庭にも飛来します。

ハマキガの仲間 トラフコメツキ ドロバチの巣 シャガの花

 3月26日 コンフォール東鳩ヶ谷 の敷地内では、ナガミノヒナゲシ、カラスノエンドウ、カタバミ、キュウリグサ等が咲き、小さな花畑になっています。サクラはソメイヨシノが一分咲き、ヒカンザクラも2度目が開花し始めました。庭のイチジクの木ではテッポウムシ(キボシカミキリの幼虫)が枯れ木の中から粉を飛ばしていました。今年もカミキリムシが出てきそうですが、イチジクの太い枝は完全に枯死しました。

 3月28日 庭のシャガの花が大分開いてきました。その合間を縫ってヒラタアブが飛び交い、ナナホシテントウやツマグロオオヨコバイなどが飛んでいました。昨日は、東京の一部で雹が降ったというニュースがありましたが、今頃の天候は変化が速いので対応が難しいですね。

 3月30日 庭のキケマンとソメイヨシノが開花しました。雨戸をあけたところ腕の上に冷たいものが落ちてきたので見ると7p程の大きさのヤモリでした。ヤモリもびっくりしたらしく手の甲の上でじっとしていました。カナヘビも走り始め、ヤマトシジミも飛んでいました。

 3月31日 朝、目の前で小さなアブの仲間が飛んでいたので近づいてみるとビロードツリアブでした。街中ではカラシナ、ミズナ、アブラナ等の菜の花が各所で咲いているので、モンシロチョウが目立ちます。

新芝川にかかる鳩ヶ谷大橋の下の芝地でヒドリガモ31羽が草を食んでいました。すでに旅だったと思っていましたが、まだ残っていました。

 

地球温暖化を考える(94)

赤山歴史自然公園

 火葬場建設起工式は終わったが

川口市が整備を目指す仮称「赤山歴史自然公園」に隣接して建設される同市火葬施設の起工式が21日、建設予定地で建築関係者や奥ノ木信夫市長らが出席して行われたようです。火葬施設は鉄筋コンクリート造りの地上2階地下1階建てで、延べ床面積約7833平方メートル。火葬炉10基を整備するほか、4基分の予備スペースを設け、告別・収骨室7室、待合室13室、待合ホールなどを整備する。駐車場は約90台分設置する予定。平成29年12月の完成を目指し、30年4月に稼働する予定。事業費は約48億円とのことです。実際に施工が今後どうなるのか見通しは?

本命の歴史自然公園の方は、2月末に大池の掘削が始まり、3月22日には島になる部分に植栽が始まりました。カントウタンポポ、交雑タンポポ、ヘビイチゴ等が開花し、オカヨシガモ、コガモ、ダイサギ、アオサギ等の水鳥類やツグミ、アカハラ、カシラダカ、キジバト、カワセミ等に加え、夏鳥のコチドリ2羽が飛来していました。更地が広がっているので今年も繁殖が期待出来そうです。この更地も1か月もすれば緑の草原になることでしょう。

奥の道路は首都高速 大池の中の島を造成中(3/1)
大池の概要 底部の地固め作業が行われている(3/1)
大池の中の島 大池から北の池の環境(3/21)
北の池からの全景 コチドリの繁殖環境 渡ってきたコチドリ