No.81 2011年3月 |
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ウミネコはカモメの仲間で、鳴き声が猫の鳴き声に似ているところから「海猫」という名がついています。また、地方によっては「ゴメ」と呼ぶところもありますが、カゴメを略して呼んでいる名前です。海の掃除やさんとも言われ、悪食で残飯から魚の死骸まで食べています。
夏羽は頭から首、腹にかけて白色。背と翼の上面は濃青灰色で、初列風切の先は黒い。尾は基部が白色で先は黒色。その先端には白く細い帯があります。嘴は黄色に黒色、赤色の斑がある。足は黄色で虹彩は赤い。 冬羽は頭から首にかけてわずかに褐色みを帯びています。若鳥は濃い褐色で顔に白味を帯びて、嘴と足は肉色で嘴の先は黒色。
各地の沿岸線、漁港、防波堤、砂浜、漁船の周り、市街地の川などに生息する。繁殖期になると、成鳥は繁殖地周辺だけにしか見られなくなります。
鳩ヶ谷市内では、冬期に新芝川で時々観察されます。八戸の蕪島はウミネコの大繁殖地と知られており天然記念物に指定されています。今回の東北大地震ではこの辺りも大きな被害にあったようです。
3月4日 冷たい風が吹く中、庭のナズナ、ホトケノザが開花しました。ホトケノザは最近になって外来種であるヒメオドリコソウに居住権を奪われているようで、鳩ヶ谷市内でもホトケノザの群落を見る機会が少なくなりました。
3月5日 市内のモクレンやコブシの芽が膨らみ、サンシュウ、マンサク、ロウバイ、ウメ等の花が開花してきました。草花ではオオイヌノフグリが蕾を持ち始めました。
3月7日 朝から冷たい雨が降っているなと思っていたところ、雪に変わりましたが地面をうっすらと覆う程度で、すぐに融解してしまいました。
3月8日 庭を耕していたところ、チョコレート色をしたスズメガの仲間の蛹がいくつか見つかりました。
3月9日 本町2丁目にある水道施設のフェンスの周りで3cmほどに伸びたツクシが数本ありました。コンクリートの隙間から毎年顔を出しますが、そろそろ春だという感じがします。
3月11日 葛西臨海公園に行きましたが、まともに地震の影響を受け東京難民になるところでした。葛西臨海公園は海の上に立地しているため揺れがまともに来ました。観光客は、歩くことが出来ずその場に立ちつくすか、大きな木にしがみついていました。臨海公園内のホテルに泊まろうと思いましたが、津波の影響を考慮してホテルへの立ち入りは禁止、警察官の誘導で歩いて葛西駅へ行きました。そこからバスで秋葉原まで2時間かかりました。秋葉原からは王子まで歩いて、23時半頃に南北線が動くとの情報で鳩ヶ谷まで帰り着きましたが、10時間かかりました。昨日の歩行距離数は25km程でした。王子へ来るまでのホテルは全て満杯でした。葛西の友人宅へ宿泊をしようと思いましたが電話も通じませんでした。浦安や舞浜地区などは粥状現象による大きな被害がありましたが、葛西地域は殆ど影響がなく歩くことが出来ました。
3月12日 午前10時頃と午後2時30分頃の2回、我が家の上空をハイタカが通過しました。初めはオオタカかなと思いましたがカラスより小型で尾が長かったのでハイタカと判断しました。
3月13日 安行慈林の公園で液状化現象が起きていました。マンフォールが若干上昇し、地面が陥没しています。現在この公園は立ち入り禁止となっています。この公園は水田でしたので地盤が緩かったのではないかと思いますが、今回の地震の大きさを物語っています。
毎日暗いニュースばかりですが、ウグイスの初鳴きを聞きました。
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黄色のテープ内が液状化区域 |
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3月15日 市内のあちらこちらでモモ、ジンチョウゲ、ボケ、サンシュウ、ミモザ等、色とりどりの花が開花してきました。
3月17日 ここの所、続発する地震や計画停電などの影響で殆どのスーパーや小売店では防災用品・乾電池・米・野菜などが品薄になってきました。トイレットペーパーやティッシュペー等は一人一個と表示されています。買いだめする人が多いのでしょう?
毛長川ではキンクロハジロ・オナガガモ・カルガモ・ツグミ・ハクセキレイなどが採餌していましたが、羽のある彼らは簡単に移動できるので羨ましいなと思います。被災生活をしている人たちを思うと、考えさせられることが多いですね。
3月19日 庭のキケマンが開花し、モンシロチョウが飛来しました。また、本町2丁目8番地付近の道路上をウラギンシジミの雄が飛んでいました。共に初認です。市内各地でナノハナ、ムラサキハナナ、ユキヤナギなどの花が開花してきました。
3月20日 16時過ぎに天気がよいので湧水公園へ出かけました。初めての記録となるカワセミが池から保存樹林へ飛去しました。その他、アオサギ、ツグミ、ヒヨドリ、ハシボソガラス等が観察され、セリやオランダガラシが発育していました。
家の裏で白い小さなマエアカスカシノメイガが飛んでいました。
3月22日 本町3丁目の民家の庭では茎高30cmほどに伸びたフキノトウが数十本開花していました。
3月23日 弁天池付近の路傍でノボロギクが開花しました。
3月28日 コンフォール東鳩ヶ谷の敷地内ではノボロギクやタンポポが開花しています。
江川沿いの路傍ではオオイヌノフグリやカラスノエンドウが開花しました。
シジュウカラやジョウビタキが庭の周囲で採餌していました。古くなった布団を埋めておいたところ、綿の一部が地上に出ていたところを目ざとくハシブトガラスが見つけて巣材用に運んでいきました。
3月30日 三光稲荷の歩道脇でヤマシギが採餌しており、地蔵院方面に飛去。ヤマシギの記録は市内では3例目で、数十年ぶりの記録となりました。
中央病院の斜面林ではアカハラ、シロハラ、上空をカワウが旋回していました。
地蔵院の林ではウラシマソウの芽がのびて、ヤブジラミの白い花が開花し始めました。隣接する植木畑ではベニアセビ(馬酔木と書いてアセビ、有毒植物で馬がこの葉を食べると苦しむといわれています)やミツマタの花が満開となり、周辺ではモンシロチョウ、キタテハ、ツリアブの仲間、ニホンミツバチなどが飛んでいました。
3月31日 家の裏の軒下に小さな蜘蛛の巣がかかっていました。ギンメッキゴミグモの巣に2mmくらいの大きさのクモがいました。また、ツツジの根元には体黒色で、赤褐色の紋があるキボシアシナガバチがいました。漸く昆虫類の活動も活発になってきそうです。
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ミツマタの花 | ベニアセビの花 | ウラシマソウ |
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ダイミョウセセリ(セセリチョウ科)
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一見すると蛾のように見えますが、全身黒褐色の地に白い斑点が目立つ小型の蝶です。翅を完全に開いてとまることが多く、地方によって羽の模様に違いがあり、東京付近には白帯がはっきりしない「関東型」が、関西付近では後趐の白帯が明瞭な「関西型」が多いと言われています。主に雑木林の周辺で見られ、各種の花によく飛来します。幼虫はヤマノイモ、オニドコロあるいはサルトリイバラなどを食草としています。幼虫は葉を巻いたり綴ったりしてその中に潜んでいます。鳩ヶ谷市内では少なくなりましたが、我が家の庭では毎年に1〜2回程度飛来してくれます。
西新井宿の里山(川口市)
人工50万人といわれる川口市内では里山と言うに相応しい場所は全て開発済みです。現在残っているのが、ぞくに斜面林といわれる場所です。このような場所は台地林と言われる里山の平らな部分が開発されて残った場所が斜面林だったという感じの場所です。それでも何とか里地里山という感じで残っている場所が、国道122号線西側に位置し、グリーンセンターと道路を挟んで隣接した場所に川口市でも最後の里山といわれる松山地区にある斜面林です。両側を斜面林で囲まれた低地部は谷地状になり、埼玉県のトラスト候補地にも名が掲げられていますが、可能性はゼロに近いくらいです。 埼玉高速鉄道の新井宿駅より徒歩約10分程の場所であることから墓地(川口フォーシーズンメモリアル)や廃棄物の処理施設などが斜面林周辺の緑地を減少させています。このまま放置しておくと、いずれは更なる墓地の拡大になり、自然環境は殆どなくなる可能性がある場所です。
斜面林の林内に入ると昼間でも薄暗く、地球温暖化といわれて35〜6℃を越えるような暑さの日でも、この中にはいると涼しいくらいです。温暖化対策にはこのような自然豊かな雑木林を保存するのが一番ですが行政にはこのような場所を保存しようと言う考えは全くないと言って良いでしょう。林内には色々な樹種の植生があり、各種の生物も豊富で生態系が豊かな場所です。野鳥だけでも60種類以上が記録されており、昆虫類も豊富で猛禽類を初めとした素晴らしい生態系が成り立っています。最近になって、外来生物のソウシチョウの群れが観察されるようになりました。最近では珍しくなったコジュケイもまだ細々ではありますが生息しています。谷地を流れる水は清涼な湧き水で、メダカやドジョウなども生息しています。
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谷地を流れる清涼な湧き水 | 松山の雑木林 |
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マルバスミレ | ソウシチョウ(外来種) |
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