No.163 2018年1月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (176)

オオハクチョウ(カモ科) Cygnus cygnus

成鳥         オオハクチョウ       若鳥

オオハクチョウはユーラシア大陸やアイスランド等で繁殖し、日本には10月頃に飛来する冬鳥です。全長は140p程度で翼を広げると250pの大型の鳥で、冬鳥として約3万羽が日本に飛来する。成鳥は全体的に白く、足は黒色、あごが長いのが特徴です。一年未満の幼鳥は淡褐色を帯びた灰色で、嘴基部も灰色で頭部、頸から上面にかけても薄い墨色をしています。2、3年で成長となる。奈良時代には「くぐひ」の名で知られ「しらとり」「おおとり」などと呼ばれ、平安時代には「こう」ともよばれた。オオハクチョウは雑食で、水草、地下茎などや昆虫なども食べます。川口市周辺では、芝川第一調節池で毎年数羽が越冬しているが、観察するには距離が遠くて見にくいのが難点である。因みに、新潟市の市の鳥は「ハクチョウ」が指定されている。

        大白鳥大和島根に来て餌づく  堀口星眠

自然の記録:

2017年までの14年間に、鳩ヶ谷博物誌に記録した旧鳩ヶ谷市内の生物は動物(哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・クモ類等を含む168種類、昆虫類545種類、植物430種類で、合計1143種類となった。2015年に1033種類でしたから2年間で観察記録が110種類増えたことになります。

ちなみに、旧鳩ヶ谷市の植物は、昭和8年に鳩ヶ谷高等尋常小学校理科部が調査した目録では351種類が報告されており、平成15年に鳩ヶ谷市が行った環境基本計画の動植物補足調査では316種類が挙げられている。1995年より2011年までに筆者が行った調査(鳩ヶ谷の植物目録暫定版2012年10月)では701種類で、更に新しく追加されている。同様に、動物・野鳥に関しては平成15年の調査では、96種類が報告されているが、2017年までに観察された野鳥だけでも124種類が記録されている。昆虫類に関しては、平成15年の調査では303種類が報告されているが、1000種類を超えているものと思われる。自然環境が減少している身近な自然の中で、どのような生物が見つかるか楽しみです。

 

 1月 1日 家の上空をコサギが飛んで行きました。雲一つない青空に陽の光を浴びて、白い翼が煌いていました。庭に来た鳥はスズメ、ヒヨドリ、メジロの3種類でした。夜になりトイレの中でマダラカマドウマが跳ねていました。

 1月 5日 今年初めての旧芝川散策、カモ類が増えてきて、マガモ2羽、カルガモ16羽、コガモ23羽、オナガガモ12羽、ヒドリガモ75羽、キンクロハジロ22羽、ホシハジロ11羽の合計161羽になりました。オオバンも50羽に増えて土手に生えている草を食べていました。ユリカモメも40羽の群れとなり、珍しくアカハラも観察できました。今日観察された野鳥は29種類でした。最近は中国人が野草積みに来ています。特にカラシナが芽吹く頃は人数が多くなります。

オナガガモ  雄 キンクロハジロ 雌

 1月 8日 買い物のついでに、新芝川を天神橋から吾妻橋まで自転車で走りました。この間の河川敷は、護岸に生えていた樹木やアシなどの草を全て除去し護岸工事が進んでおり、工事が行われていないところではオオバンやヒドリガモ等が草を食んでいました。川の中ではキンクロハジロやホシハジロの小さな群れが泳いでおり、岸のコンクリート面ではカワセミやセグロセキレイなどが見られました。市内でのセグロセキレイの観察は久しぶりでした。20年ほど前よりハクセキレイの個体数が多くなり、セグロセキレイの姿を見る機会がめっきり減少しました。

 1月15日 今日も買い物のついでに、旧芝川を散策しました。カモ類の個体数がさらに増加し、7種154羽になりました。観察種数も31種類でした。久しぶりにゴイサギを観察、高さ20mほどの樹上で昼寝中でした。

 1月17日 23年前の今日は、大阪に在住中で阪神淡路大震災に遭遇しました。

前野宿川調節池でカルガモ、ハシビロガモ雄4羽(2羽はエクリプス)、雌1羽、コガモ雄4羽、ハシブトガラス、ツグミ、ヒヨドリ、スズメ等が観察されました。

 1月18日 家の庭にモズが飛来しました。モズが庭に来たのは数年ぶりですが、町内に生息していることがわかり安心しました。モズが来るとメジロの群れが右往左往し飛び回っています。

 1月22日 昨日の暖かさがウソのようで、今日は大雪となった。朝から霙交じりの小雪がちらつく、15時頃には本降りとなり、19時頃に外を見ると隣家の瓦屋根には20p以上の積雪、スレート上の屋根では10pほどの積雪で屋根の状態により積雪量にかなり差があることを知った。

今年は20日が大寒であったが、暦の上では「フキの花が咲きはじめるころ」と言われている。

雪の枝垂れウメ 屋根からツララ カラスの行水

 1月23日 昨日の降雪は、34年ぶりとのこと。庭の積雪は多いところで30cmを超え、長靴でも歩くのに苦労しました。スズメもハシブトガラスも餌が獲れないようで雪の積もった木の枝に集まっていました。

 1月26日 先日の積雪はかなり道路上に残っており、日陰ではアイスバーンになっているところが多い。高齢者が多く、雪かきも出来なくなっている家が多いようである。どこでもスズメの群れが雪の上で採餌している。

 1月27日 今日で連続6日間連続氷点下の気温が続いている。配管の凍結や破裂も各地で起こり、我が家の洗面所の配管も詰まってしまった。23年使用した配管の蛇腹部分が横に配置されていたので動脈硬化の状態であった。夜になり、洗面所にマダラカマドウマがいました。おそらく工事中はドアが解放されていたので、侵入したようです。

 1月28日 今日も一日中寒くどんよりとしており、野鳥も餌探しに大変なようです。残雪が多く餌となるものが雪の下にあるのでスズメなどは苦労しているのがわかります。普段は庭のスズメも10羽程度ですが、ここ数日は20羽を超えることもあります。オナガの群れも飛び交っていますが、中々餌にありつけないようです。

ギシギシの葉を食べるヒヨドリ 青木橋水門付近の雪景色 アオサギの若鳥

 1月29日 積雪の旧芝川を散策、アオサギが大きなボラを捕らえたダイサギを500m近くも追っていきました。工場のスレート屋根に2羽が止まっていましたが、餌の横取りをできたのかどうかわかりませんでした。その後、別のアオサギが飛んできて川の中に入ったと同時に30cmほどもあるボラを捕獲し、あっという間に飲み込んでしまいました。丁度居合わせたカメラマンが良い写真がとれたと喜んでいました。アシ原では珍しくオオジュリン3羽がメジロと共に飛び回っていました。残雪の影響で野鳥の姿が見やすく、32種類の鳥を見ることが出来ました。暖かかったのでミシシッピアカミミガメやイシガメ等が甲羅干しをしていました。

遊歩道はあちらこちらの日陰でアイスバーン散歩する人たちもこわごわ歩いていました。

 1月30日 買い物の途中で江川沿いに走っていたところ、今年初めてコガモが泳いでいました。コガモの雌とカルガモ4羽の混群でした。

 1月31日 今日も旧芝川を散策、カワセミ狙いのカメラマンが各所で陣取りしていました。今年はカメラマンの数も多くなりました。常連のカワセミは雄2羽と雌1羽が青木水門から青木橋までの間で縄張りを持っているようです。新芝川が工事中のためか、カモ類は青木水門の周辺に集まっています。観察できた野鳥は32種類で、今季初めてセグロカモメ成鳥2羽を見ることが出来ました。天気が良いと各所でカメの仲間が甲羅干しをしており、イシガメ、ミシシッピアカミミガメ、交雑種と思われるカメも時々見かけます。

今夜は良く晴れており、赤銅色に変化した皆既月食を見ることができました。冷え込んでいるので、ちょっとだけ見て家の中に飛び込みました。

ボラを捕らえたアオサギ イシガメとミシシッピアカミミガメ

地球温暖化を考える(116)

未来のために 今選ぼう COOL CHOICE(賢い選択)

1月12日新宿御苑の新宿門の外にある、インフォメーションセンターではVR(バーチャルリアリティ)を使った「COOL CHOICE アプリ」の体験ができる特別ブースが設置されていました。「COOL CHOICE」は、地球温暖化の進行を防ぐために、低炭素型商品・サービスの利用を拡大するための国民運動です。具体的には、地球環境に優しい「次代の暮らし方」のために、車、家電、エネルギーなどを賢く選択していく、というのがコンセプトにあります。現在その活動は、環境大臣を長とする『クール・チョイス推進チーム』を軸に政府が推奨して行われていますが、2017年2月にその活動の一環として、地球温暖化に関する情報を発信するスマートフォン&タブレット端末用アプリ「COOL CHOICE」がリリースされました。このアプリを利用すると、自分のライフスタイルに合わせた「おすすめ地球温暖化対策プラン」を提案してくれたり、地球温暖化に関する様々な情報をまとめた百科事典として活用できます。また、VRの機能もあり、このまま地球温暖化が進むと将来私たちの身近な生活はどうなるのかを360°の画面で体験することもできます。環境問題や温暖化対策などというと難しく聞こえますが、私たちが今すぐにできることが沢山あります。食べ物を残さずに食べる、エコドライブでCO2排出を削減、省エネで長寿命のLED照明に切り替えるなどを行うなど、良い例ですね。

4月から中核都市となる川口市では、3月いっぱいで地球温暖化防止センターが廃止となるとのこと、5年で終了とは、時代に逆行していますね。自然保護を面に出している市長の市政とも思われません。