No.180 2019年5月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (193)

コジュリン(ホオジロ科)  Emberiza yessoensis

夏羽 冬羽

コジュリンは、スズメくらいの大きさの小鳥で、ホオジロの仲間です。同じような環境に生息しているオオジュリンとよく似ており夏羽は頭部が頭巾をかぶったように黒いことから、「鍋被り」と呼ぶ地方もある。雄の夏羽は頭部が黒いことから簡単に見分けがつくが、冬羽や雌は目立った特徴がないために識別が難しく見逃されている場合が多い。冬羽ではホオジロ、ホオアカ、オオジュリンなどとの識別に注意が必要である。本州の東北・関東地方では平地の草原、中部地方では高原で繁殖する。  

茨城県の霞ケ浦の浮島や千葉県の利根川下流域にあるコジュリン村(広大な葦原)等がコジュリンの集団繁殖地として知られている。越冬期には芝川第一調節池や彩湖などの草地で時々記録されている。

自然の記録:

 6月 1日 庭の叢にシロオビノメイガ、スカシノメイガ等が潜んでおり、草むしりをしている時に足元より飛び立ちボタンクサギの葉裏等に止まりました。これらの小型の蛾の仲間は飛翔が早く、葉裏に止まることが多いので写真をとりにくい。

 6月 2日 雨戸をあけていると青い小型のハチの仲間が止まりました。最初はセイボウの仲間かと思っていましたが、よく見ると体長の4倍ほどの長さの針のような尾がありました。オナガバチの仲間に詳しい方に問い合わせたところ、オナガコバチの仲間の雌であることがわかりましたが、それ以上は解らないとのことでした。夜になってから洗濯機の蓋上に7〜8mmの大きさのコハナコメツキがいました。見た目はクロゴキブリの幼虫のようでしたが近づいてみたところ羽が固そうなので触ってみるとコメツキムシでした。

 6月 4日 庭ではコクワガタ、オオチョウバエ、セグロカブラバチ、ウリハムシ、クロウリハムシ、オオクシヒゲコメツキ、セスジナミシャク、クロハグルマエダシャク、ウメエダシャク、モンシロチョウ、ナミアゲハ等が見られました。セスジナミシャクの羽の模様は白い部分がまるでカラスウリの花が開いたような模様をしています。

 6月 9日 雨が小やみになったので庭に出たところ、アシブトクチバという茶褐色と灰褐色の屋根型に翅を閉じたシタバガの仲間がいました。

セスジナミシャク オナガコバチの仲間 アシブトクチバ

 6月12日 庭のサクラの枯れ木にタマムシが飛来しました。久しぶりの記録で旧鳩ヶ谷市内では珍しくなっている昆虫の1つですが、美しい光沢を放っており好きな昆虫の1つです。また、同じ木でキマワリが交接をしていました。庭隅で、何時の間に発芽したのかカボチャの花が咲いており数匹のウリハムシが花を食べていました。

タマムシ ウリハムシ オオウンモンクチバ

 6月13日 朝、雨戸をあけるとプランターに植えたトマトの支柱にクワカミキリが止まっていました。我が家での初記録です。雨天続きなので昆虫の方から庭に来てくれると嬉しいですね。

 6月14日 川口グリーンセンターのショウブ園のまわりにアジサイの花が開花していました。紫色、青色、ピンク色、白色、等、見ごろでした。低木のシモツケの花も開花し始めていました。ブーケ上に開花し細かい花をつけます。雨上がり跡の路上ではアオスジアゲハが吸水していました。家の庭ではカノコガ、サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、オオシオカラトンボ(雌)が飛来しました。

紫色のアジサイ 白いアジサイ 吸水中のアオスジアゲハ
ピンク色のアジサイ 咲き始めたシモツケの花

 6月16日 庭のゲッケイジュの葉裏にカバイロトガリガという小型の蛾の仲間が止まっていました。カキの葉裏にはワタノメイガという小型の蛾の仲間がいました。

 6月22日 豊田の森で作業中にノコギリカミキリ3頭を見つけました。作業を行っていたために2頭は林内を飛び回っていましたが、1頭は竹の皮を齧っていました。かなりの竹の皮に齧られた跡があったので、今年は個体数が多いようです。旧鳩ヶ谷市内では珍しくなったカミキリムシですが、まだ少なからず生息しているようです。ノコギリカミキリの名は各節が鋸歯状の輪郭を形成する触角の輪郭に由来している。林内ではルリタテハも飛び回っていました。

 6月26日 今日は良く晴れて暑い日となった。庭先でクロコガネの遺骸が落ちていました。ボタンクサギが蔓延って多くの花をつけています。その合間を縫ってオレンジ色に黒が入ったベッコウクモバチ(別名キバネオオベッコウ、キバネオオクモバチ、ベッコウバチ)が飛び回っていました。東京外環自動車道のガード下の通路にアズマモグラの遺骸が落ちていました。たまたま通りかかった主婦が珍しいと言って写真を撮っていきました。

 6月28日 台風一過といっても今回の台風はあっという間に過ぎ去って、このあたりでは風雨もあまり強くなく済みましたが、裏庭に落ち葉がかなり落ちていたので掃いていたところタケトラカミキリ1頭が出てきました。今年は庭の竹の発育がよく15本以上発芽していました。枯れた竹もあるので、このあたりから発生してきたのか?我が家の庭では6月13日のクワカミキリに続いて初記録となりました。

タケトラカミキリ アズマモグラ クワカミキリ

地球温暖化を考える(132)

埼玉県の気温上昇

埼玉県の気温は近年上昇傾向にあり、その上昇率も関東地方では東京に次いで高いものとなっています。このような気温上昇は、地球温暖化の影響だけではなく、ヒートアイランド現象による影響も大きいと考えられています。近年、埼玉県では都市中心部の気温が郊外に比べて高くなるヒートアイランド現象が顕在化し「熱汚染」として大きな社会問題になりつつあります。ヒートアイランド現象の原因は、水田・畑地・植木畑などの農地の減少、駐車場などの地表面被覆のアスファルトやコンクリート化、工場排熱やエアコンの室外機などからの人工排熱により大気が暖められることによって引き起こされますが、地域スケールでの気象条件や市街地の広がり、河川の暗渠化や緑地面積の減少などの影響も受け複雑に変化します。また、必ずしも人工排熱の多いところが高温域になるとは限らず、都市部から風下方向に高温域が移動する現象などもしばしば発生しています。昨年は記録的な暑さにより、熱中症による5〜9月の救急搬送人数が、統計開始以来最大数を記録したようです。環境省では熱中症発症者数の増加が見込まれる初夏から夏季を中心に、夏の熱ストレスを一人ひとりの工夫で低減できる暑さ対策として、暑さ指数の低減効果が比較的高い「日傘」の活用を推進しています。平成23年度に環境省が行ったヒートアイランド現象に対する適応策の効果調査では、上着を着用して歩行するケースに比べ、上着を着用しないクールビズを実施するケースの熱ストレスは約11%低減し、さらに日傘を併用すると合計約20%低減できること、街路樹がないケースで日傘をさす効果は、10m間隔で街路樹を形成する効果に匹敵すること等、熱ストレスの観点からは男女問わず日傘を活用することが望ましいとのことですが、街路樹や街中の緑、公園緑地などを増やすことの方が効果はさらに上がると思います。( http://www.env.go.jp/press/106813.html )