No.114 2013年12月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (127)

カケス(カラス科)Garrulus glandarius

カケスは、漢字で書くと懸巣であるが、ドングリが好物であるところから樫鳥(橿鳥)とも呼ばれています。英名はJayで鳴き声が由来である。ジャージャーというような声で鳴くが、他の鳥の鳴きまねがうまい。ドングリを貯食する習性があるが、隠したドングリが発芽して植林?をしてくれているものもいる。

頭部は白く、ごま塩のような黒い班がある。翼の一部にある青と黒の模様が目立つ。基本的には留鳥であるが、冬季には暖かい地方の低地林に移動する。鳩ヶ谷周辺でも時々見ることがあるが、以前に比べてみる機会が少なくなった鳥の一つである。稀に鳩ヶ谷中央病院や法性寺の社寺林などで見ることがあります。

 

枝ひくく橿鳥とまる泉かな 飯田蛇笏

 

自然の記録

12月 2日 旧芝川を青木水門から青木橋まで散策がてら探鳥をしてきました。カモ類はまだ4種類(カルガモ、コガモ、オナガガモ、ヒドリガモ)84羽と少なめでしたが、他の水鳥は、カイツブリ、オオバン、イソシギ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、ユリカモメ、セグロカモメ、カワウ等、小鳥類も少なめで冬鳥はジョウビタキのみでした。合計24種類。

川の中には大きなコイが集まっていました。

天気が良く暖かかったので皇帝ダリア、キク等の花がきれいに咲いていました。

隣家のアンテナに今年初めてのツグミが飛来しました(市内での初認です)。

セグロカモメ(冬羽) ユリカモメ(冬羽)

12月 3日 紅葉が過ぎて葉が落ちてミヤマシキミ、マンリョウ、クロガネモチ、センリョウ、ナンテン等の赤い実が目立ってきました。

ダイサギが大きな獲物を捕らえましたが、何とか飲み込みました。

12月 4日 各地の民家で採らずに残っているカキの実にオナガ、ヒヨドリ、ムクドリ、メジロ、シジュウカラ等が飛来して賑わっています。

12月 5日 豊田の森の斜面林で孟宗竹の間伐を行いました。林内に生えているシロダモに赤い実が沢山なっておりヒヨドリが騒いでいました。いずれはシロダモの苗が市内各地で広がることでしょう。

12月11日 西川口駅よりバスで天神橋を通過する時に、新芝川でオオバン3羽が泳いでいました。

12月12日 12月も中旬というのにヤナギの幹でハラビロカマキリが冷たい風に吹かれながら止まっていました。

12月13日 ムベの葉裏にアブラゼミの抜け殻がありました。つい今しがた脱皮したごとくの雰囲気でしたが、数か月はたっているものと思われます。今日もカキの実にはオナガ、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメなどが群れていました。

ミヤマシキミ クロガネモチ
葉の下に実がつくマンリョウ 葉の上に実がつくセンリョウ

12月16日 今日は北風が強く寒い一日でした。晴れていたので旧芝川を散策しました。久しぶりにアシ原から出てきたバンを観察。ハシビロガモの雌雄が今冬ようやく飛来しました。カモ類はカルガモ、コガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロの5種類でした。風が強いためか小鳥類の姿が少なめでした。土手の陽だまりではアメリカセンダングサと丈の低いセイタカアワダチソウが咲いていました。

12月17日 16時丁度に玄関を出て空を見上げたところハシブトガラスに追われるように飛んでいる大型の猛禽が目に入りました。家の真上に来た時にミサゴとわかりました。我が家の敷地内から確認した野鳥は53種類目となりました。もちろん旧鳩ヶ谷市内では初記録となりました。見沼田んぼの芝川第一調節池ができてからは、ここ数年時々確認されていますが市内で見るのは初めてでした。

12月19日 昨夜からの雨が降ったりやんだりの一日であったが、都心では霙も降ったということでした。

12月20日 昨日の雨の影響か、庭の植物は表面が霜に覆われて真っ白でした。近くの畑では霜柱も見られました。湧水公園も霜が溶けてぬかるみ状態でしたが、人が近づかなかったのでムクドリ、ハクセキレイ、ヒヨドリなどがにぎやかに採餌していました。また、珍しくモズの姿も確認できました。池の水がかなり減少し、たくさんのモツゴや大きなコイ7尾が泳いでいました。隣の駐車場スペースは、今まで放置されていましたが駐車場として整備されていました。今までの草ぼうぼうの草地状の駐車場とは全く変わりましたので、今後は昆虫類の観察などができなくなりました。鳩ヶ谷市時代に計画された公園化構想が川口市によって握りつぶされたことにより、地権者も整備せざるを得なくなったものと思われます。

残りカキを食べるスズメ まるで生きているような空蝉

12月24日 昨日の寒さとことなり、日中は直射日光にあたっていると20℃を超え、かなり汗ばみました。カキの実もだいぶ野鳥たちに食べつくされてきましたが、いくつか残っているカキの実を巡ってスズメとムクドリが熾烈な戦いを演じています。普段は見かけなくなったスズメですが、どこからともなく集まってきます。今年は庭のキカラスウリの実が100個以上ぶらさがっているので厳冬期にはヒヨドリが強さをはっきすることでしょう。

12月26日 一日中どんよりとした日でしたが、ムクドリ、スズメ、ヒヨドリ、シジュウカラ等が飛来してにぎやかでした。今冬、初めてのウグイスの地鳴きを聞きました。俗にいう笹鳴きですがようやく来てくれたかという感じです。

 

地球温暖化を考える(68)。

樹齢400年を超える大イチョウ

はとがやに里山をつくる会が作業をしている豊田の森には、樹齢400年を超すと言われている大イチョウがあります。地上高は20m以上になります。川口市の保存樹林となっている斜面林の中にあるために外から見ただけでは、このような大樹があるとは思われませんが中に入ると大きさがわかります。イチョウは落葉樹で防火樹としても知られており、長寿であり成長すると巨木になります。そのため、各地に巨木イチョウが残っており、巨樹となっているのは殆どが雄株で、銀杏に養分を消費されてしまう雌株は巨樹になりにくいと思われますが、豊田の森のイチョウは枝を大きく広げて、高々とそびえています。今年は大きな台風が続いてきた影響で大枝が3本折れました。かなり太い枝であったことから処理するのに手間がかかりましたが、カブトムシ増殖用の材料になりました。10月中ごろからたくさんの銀杏が落ち始めて12月中旬過ぎまで落ちてきました。バケツ3杯ほど拾いましたが、落ちている銀杏の数はほとんど変わらないような感じでした。

豊田の森の上には旧鎌倉街道が通っています。大イチョウは江戸の昔より鳩ヶ谷の歴史を見続けてきた貴重なものです。これらの巨木を中心に法性寺の社寺林が地域の気温の調節をしてくれています。37℃を超す真夏日でも林内は30℃以下に保たれており涼しさを感じます。今、各地で巨木の価値が見直されてきていますが、温暖化対策を進めるにはCO2ばかりに目を囚われるのではなく、ヒートアイランド現象を緩和するために、このような保存樹林の維持管理や街路樹および公園緑化の推進、街の中の緑をつなぐ施策が必要です。

豊田の森の大イチョウ 枝が繁茂している大イチョウ
拾いきれない銀杏    豊田の森の竹林

2013年度に観察された生物

野鳥:  カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、アオサギ、コサギ、ダイサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、ミサゴ、ツミ、ユリカモメ、セグロカモメ、バン、オオバン、イソシギ、キジバト、フクロウ、コゲラ、ヒヨドリ、カワセミ、モズ、ツバメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、シジュウカラ、ヤマガラ、ジョウビタキ、アカハラ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、メジロ、マヒワ、カワラヒワ、オオジュリン、アオジ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト(49種類)

 

動物:  アライグマ、タヌキ、クマネズミ、アブラコウモリ、アオダイショウ、シマヘビ、ミシシッピーアカミミガメ、ヤモリ、カナヘビ、ヒキガエル、ウシガエル、トウキョウダルマガエル、ナマズ、コイ、ニゴイ、ヘラブナ、モツゴ、メダカ、カダヤシ、クロベンケイガニ、アカテガニ、ヌカエビ、アメリカザリガニ、ササグモ、ギンメッキゴミグモ、ジョロウグモ、ジグモ、ヤスデ、ムカデ、オカダンゴムシ(31種類)

 

昆虫類: アオドウガネ、アオスジアゲハ、アオマツムシ、アケビコノハ、アゲハチョウ、アゲハヒメバチ、アカシマサシガメ、アジアイトトンボ、アシブトクチバ、アトアオゴミムシ、アトボシゴミムシ、アブラゼミ、アメリカミズアブ、アメンボ、イエバエ、イチモンジセセリ、イチモンジチョウ、ウスグモスズ、ウスバキトンボ、ウスベニナミエダシャク、ウメエダシャク、ウラナミジャノメ、ウラギンシジミ、ウラナミシジミ、ウリハムシ、エビガラスズメ、エンマコオロギ、オオカマキリ、オオシオカラトンボ、オオスカシバ、オンブバッタ、カノコガ、カブトムシ、カマドウマ、カラスアゲハ、キアゲハ、キイロテントウ、キタテハ、キチョウ、キバラツチバチ、キボシカミキリ、キマダラヒカゲ、キマワリ、ギンヤンマ、クロアゲハ、クロゴキブリ、クロスジギンヤンマ、クワイクビレアブラムシ、コガネムシ、コキマワリ、コクゾウムシ、コクワガタ、コノシメトンボ、コバネイナゴ、コフキコガネ、ゴマダラチョウ、コミスジ、コンボウヤセバチ、シオカラトンボ、シオヤアブ、ジガバチ、シモフリスズメ、ジャコウアゲハ、ショウジョウバエ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、スジグロシロチョウ、セグロアシナガバチ、セスジスズメ、タマムシ、チャバネアオカメムシ、ツチカメムシ、ツチバッタ、ツマキチョウ、ツマグロヒョウモン、ツユクサハムシ、トウキョウヒメハンミョウ、トビイロスズメ、トホシクビボソハムシ、ナガゴマフカミキリ、ナツアカネ、ニイニイゼミ、ニジュウヤホシテントウ、ハスモンヨトウ、ハラオカメコオロギ、ハラナガツチバチ、ハラビロカマキリ、ハンノキハムシ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ヒシバッタ、ヒメアカタテハ、ビロードコガネ、ブチヒゲカメムシ、ハラビロヘリカメムシ、ベッコウバエ、ベニシジミ、ベニスズメ、ブドウスズメ、ホウシゼミ、ホシホウジャク、マイコアカネ、マダラカマドウマ、マドガ、マメコガネ、マルガタゴミムシ、マルハナバチ、ミスジチョウ、ミンミンゼミ、ムラサキエンマコガネ、モンキチョウ、モンクロシャチホコ、モンシロチョウ、リスアカネ、ルリシジミ、ヤマトシジミ、ユスリカsp.(119種類)

 

植物:  アオガヤツリ、アオビユ、アカカタバミ、アカツメクサ、アキノエノコログサ、アキメヒシバ、アセビ、アミガサユリ、アメリカオニアザミ、アメリカイヌホオズキ、アメリカセンダングサ、アメリカフヨウ、アレチノギク、イヌガラシ、イタドリ、イヌタデ、イヌホオズキ、ウラシマソウ、オオイヌノフグリ、オオカワジシャ、オオケタデ、オオジシバリ、オオキバナカタバミ(オキザリス)、オオバコ、オオニシキソウ、オオブタクサ、オシロイバナ、オッタチカタバミ、オヒシバ、オミナエシ、ガガイモ、カタバミ、ガマ、カラスノエンドウ、カラスウリ、カラスビシャク、カラムシ、カワジシャ、カントウタンポポ、キカラスウリ、キケマン、キキョウ、ギシギシ、キュウリグサ、キバナコスモス、キンミズヒキ、キンモクセイ、クサイチゴ、クチナシ、ゲンゲ、ゲンノショウコ、ゲンペイコギク、紅梅、交雑タンポポ、コオニタビラコ、コスモス、コニシキソウ、コブシ、サクラソウの仲間、サンカクイ、枝垂れ桜、シャガ、ジャガイモ、ジュズダマ、シロダモ、スイセン、スズメノエンドウ、スズメノテッポウ、スノードロップ、スベリヒユ、スミレ、セイタカアワダチソウ、セイヨウカラシナ、セリ、センダン、センダングサ、センニンソウ、ソクズ、タカサブロウ、タケニグサ、タチアオイ、タチツボスミレ、タネツケバナ、タマガヤツリ、タマスダレ、チカラシバ、チョウジタデ、ツクシ、ツユクサ、ツルマメ、ドウダンツツジ、トラノオ、ネコヤナギ、ナガミノヒナゲシ、ナズナ、ニオイスミレ、ニラ、ニリンソウ、ノゲシ、ノブドウ、ノボロギク、ハキダメギク、ハクモクレン、ハナニラ、ハハコグサ、ヒガンザクラ、ヒナタイノコズチ、ヒメガマ、ヒメジオン、ヒメムカシヨモギ、ヒュウガミズキ、フキ、フジ、フジバカマ、ブッソウゲ、ブッドレア、フトイ、ピラカンサ、フクジュソウ、ヘビイチゴ、ホウキギク、ホウチャクソウ、ホシアサガオ、ホトケノザ、ボントクタデ、サンショウ、センダン、ノシラン、ヘクソカズラ、ホウチャクソウ、マムシグサ、マルバアサガオ、マンサク、マンリョウ、ミズヒキソウ、ミソハギ、ミゾソバ、ミツバアケビ、ミツマタ、ムベ、メヒシバ、ムラサキハナナ、モモ、ヤブカンゾウ、ヤブジラミ、ヤマブキ、ユウガオ、ユウゲショウ、ユキヤナギ、ヨシ、ヨウシュヤマゴボウ、ラベンダー、レンギョウ、ロウバイ(152種類)