No.26 2006年8月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (39)

コゲラ(キツツキ科) Dendrocopos kizuki

コゲラ

コゲラは日本に生息しているキツツキの仲間では一番小型の種類です。背中は白と黒褐色の縞模様、雄は後頭部の両側に橙赤色の斑があるが通常は見えません、しかし風が吹いたりした時に見えることがあります。以前は主に山地に生息し、冬になると都市公園などに移動してくる漂鳥でしたが、30年ほど前から鳩ヶ谷市内でも繁殖するようになりました。東京都でも同じ頃に都市公園などで繁殖していることがわかりました。枯れ木の中や地衣類などに隠れている昆虫類を捕らえて食べます。キツツキ類特有の木を叩く時に出すドラミングの音は枯れ木を叩いている時には以外と大きな音に聞こえます。また、姿は見えにくいこともありますがギィー、ギィーといった特徴のある声で鳴くので存在がわかります。市内では桜町6丁目(旧大龍寺山:中央病院周辺)、法勝寺山・八幡木中学校周辺などの比較的緑の多い地域で観察されています。特に秋から冬にかけてはシジュウカラやメジロと共に混群をつくって移動し、桜の木などの古木に穴を掘り、営巣して子育てをします。桜町6丁目の民家の庭では毎年繁殖し、巣立ちビナが飛来してきます。

自然の記録:

 8月 1日   キンミズヒキが開花し、アゲハチョウが頻りにユズの葉に産卵していた(桜町6丁目)。

 8月 2日   トマトの茎にホシハラビロカメムシの幼虫が数十匹から百数十匹群がっていた、昨年まではアシタバの茎に群がっていたがアシタバが枯死したためトマトで産卵したようだ。アブラゼミがようやく夏本番のように鳴きだし、ウスバキトンボが飛来し始めた。

ヒラタアオコガネが隣家から伸びてきたツタの葉を食べていた、多くのツタが同じように食べられているところから、何匹かいるようである。

ホシハラビロカメムシの幼虫 ツバメの巣立ち
ホシハラビロカメムシの幼虫  ツバメの巣立ち

 8月 3日   クロアゲハとナミアゲハが毎日同じ時間帯に飛び交っている。旧東公団付近でミンミンゼミの初鳴きを聞いた。また、東公団バス停付近でカナヘビがアスファルトの上を歩いていた。

 8月 4日   本町3丁目の山下医院付近でカッコウの声を聞く。今の季節としては珍しいが南の国へ帰る途中であろうか。市内では過去に何回かカッコウの記録はあるが殆どが5月終わりから6月頃の記録である。久し振りにキマダラヒカゲが庭を訪れた(桜町6丁目)。

 8月 5日   アカビロードコガネ(1)、ヒラタアオコガネ(1)、ナミアゲハ、ヤマトシジミ、アブラゼミ、オンブバッタ、アオイラガ、ヒメハンミョウなどが今日のお客様。ヤモリもゴミ箱の陰から逃げ出した。久し振りにオナガの声を聞いた(桜町6丁目)。

 8月 7日   台風7号の影響で早朝に強い雨が降ったが、その後は涼しくなった。昨夜家の中に入ってきたキマダラヒカゲが台所にいたので窓を開けて放蝶した。夕方、茜空となった夕焼け空をバックにイエコウモリが飛んでいた(桜町6丁目)。

 8月10日 ミンミンゼミ、アブラゼミが毎日賑やかに鳴いている、セミの騒々しい声がようやく夏本番を感じさせる。今日は相当暑かったようで熱射病になって倒れた人のニュースが続く、家の中で熱射病になる人が多いようである。水分補給が一番。

ヘクソカズラやヨウシュヤマゴボウが開花し始めた、例年より遅いか(桜町6丁目〜本町2丁目)?

 8月11日 台風の後、コウガイビル、カナヘビ、ヤモリなどが元気に活動していた(桜町6丁目)。江川が台風がもたらした雨のため、透き通った綺麗な水が流れていた。何時もこの様な流れであると川というイメージが湧いてくる。30年前まではこの様な綺麗な川であったのではあるが。

 8月14日 コミスジチョウが飛来し、夕刻にヒグラシが鳴き出した(初認)、見沼代用水沿い(本町4丁目)の保存樹林および三ツ和2丁目の桜並木ではこの夏最高のアブラゼミのセミ時雨を味わった。江川沿いでツバメが2羽飛び交っていたが、そろそろ渡りの季節である。ジムグリがゴミ箱の陰に隠れていた(桜町6丁目)。

 8月15日 シジュウカラの2番子が巣立ちしたらしく、柿の木に数羽が来て毛虫を食べて行った(桜町6丁目)。

 8月16日 朝から雨が降ったり止んだり、シジュウカラの親子が隣家のサルスベリの木で頻りに毛虫をついばんでいた、キジバトの夫婦か恋人か電線で雄が求愛の仕草をするが雌は吾関せず。雄は雌の前を行ったり来たり、細い電線で暑い視線を送っていた。久し振りのオナガの声、アブラゼミとミンミンゼミが賑やかである(桜町6丁目)。

 8月17日 鳩ヶ谷小学校裏門付近の民家のプランターでツマグロヒョウモンの雌が飛び回っていた。元々は南方系のチョウであるが幼虫がパンジーやスミレなどを食草としており、温暖化などの影響を受けて北上していると言われている。

ハラビロカマキリが柿の木に、カナブンがトマトに飛来し、コガネムシが柿の木の下で死んでいた(桜町6丁目)。

 8月20日 ツマグロヒョウモン雌、キマダラヒカゲ、ゴマダラチョウがエノキに飛来、お腹の大きくなったハラビロカマキリが柿の木とエノキに止まっていた。アブラゼミ、ミンミンゼミに混じりツクツクホウシの声が賑やかになってきた(桜町6丁目)。 

 8月21日 アオバハゴロモがエノキの枝に鈴なりになって止まっていた。ドウガネブイブイ5匹がコヒルガオに群がっていた。また、ベッコウハゴロモ、アミガサハゴロモ、トビイロウンカ、カノコガ、オオハラナガツチバチ、オンブバッタなどが庭で観察された、19時過ぎから今年初めてのツズレサセコオロギの声を聞く(桜町6丁目)。

 8月24日 コゲラが久し振りに家の庭に飛来した。一時的な降雨のあとでツマグロヒョウモンの雌が飛来(今年は市内で3度目の観察)、ドウガネブイブイ、カナブン、ヤマトシジミなども飛来した(桜町6丁目)。

 8月28日 カワウが毛長川で水浴びをしているところが観察された。 

 8月29日 ウラギンシジミの雄がクチナシの葉に止まり、トマトに移動した後飛び去った。キタテハは隣家の壁に止まったり、庭に落ちた柿の実が腐ってきたので甘いのか頻りに吸っていた。サンショウの若木にアゲハの仲間の幼虫が数匹いたが、クロアゲハかナミアゲハか、もう少し大きくなればはっきりするであろう。 

 8月31日 コミスジ、ヤマトシジミ、ナミアゲハが飛来、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクホウシは相変わらず賑やかに鳴いている。ヒグラシは8月14日の夕方に鳴いたきりで今年は終わりか。アオオサムシ、センチコガネがゴミ箱に落ちていた。18時過ぎから今年初めてのアオマツムシが鳴き始め、季節は秋になった(桜町6丁目)、ラクダ坂付近でミズヒキソウが開花。