No.41 2007年11月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (54)

カンムリカイツブリ(カイツブリ科) Podiceps cristatus 

カンムリカイツブリ(冬羽) 撮影場所(葛西臨海公園)

日本に生息するカイツブリの仲間では一番大きく、カラスぐらいの大きさがあります。頸と嘴が長く、頭に冠羽があるのが特徴です。夏羽は頭部に黒い冠羽があり、頬に赤と黒の飾り羽があります。

冬羽は頭から体の上面が黒褐色で前縁と肩、飛んだ時に次列風切がハッキリと白いのが特徴です。潜水は得意ですが、ヒレのついた足が体の後ろの方にあるので歩くのは苦手です。

日本では冬鳥として渡来するが、東北地方の湖沼では繁殖しています。1992年夏に大阪都心を流れる淀川の十三干潟付近で小さな雛を連れた家族が観察され、繁殖が示唆されました。翌年の夏には琵琶湖で繁殖が確認されました。鳩ヶ谷市内では1992年2月5日に芝川の境橋下流で1羽が観察された記録があるのみです。東京湾の葛西臨海公園付近の海岸では、冬期に1000羽以上の群れが集結します。

自然の記録:

11月 1日 物置の庇にミノムシが3つ並んでつり下がっていました。もう少し陽の当たる場所を選んだらよいのにと思ったのですが,冬の間あまり風の当たらないところを選んでいたようです。窓の外枠にはハラビロカマキリの卵鞘がついていました。また、ウメの枝先にはイラガの繭がありました。卵形をした繭ですが表面の模様は色々あるようです。他には数種類の蛾の卵塊やキイロテントウ、カメムシの仲間などが壁やブロック塀に付着していました。それぞれに冬越しの準備を始めているようです。枯れた栗の木の皮を剥がしたら多くのシロアリが蠢いていました。

隣家の柿には毎日のようにオナガ、ムクドリ、メジロが飛来しています。人が食べる前に美味しいところを味わっているようです。

辻のKさんより旧芝川で、カワセミ 延べ3羽(同じ個体が3回?)、ジョウビタキ(♂2、 ♀1)、モズ(♂1)、ホオジロ(♂1)、イソシギ(1)、コサギ(2)、チュウサギ(1)、マガモ(♂1、♀1)、タヌキ(2頭)、新芝川ではジョウビタキ(♂1、♀1)、アオサギ(2)、

バン(1)、ユリカモメ(2羽:今秋初めて見ました)等の情報を頂きました。

11月 2日 旧芝川を2時間程歩いてきました。昨日タヌキが出たとのことで今日もいるかなと思っていると、狸の糞があり、糞の中にカキや野草の種がありました。反対側の土手に     狸が1頭、そして草むらから1頭出てきました。自然が回復すれば動物も生活場所が出来、私たちも観察して楽しむことが出来ます、野鳥も種類や個体数が増加してきました。この場所では野鳥を観察する人も増えてきました。カワウ、マガモ、カルガモ、コガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、イソシギ、ウミネコ、キジバト、ヒヨドリ、モズ、カワセミ、キセキレイ、ハクセキレイ、ジョウビタキ、アオジ、ムクドリ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(23種類)、他には大きなウシガエルとコイがいました。

ハシヒロガモ 2匹のタヌキ
ハシビロガモ(♂) 市内111種類目の記録 2匹のタヌキ

11月 4日 南公民館での文化祭の帰途、旧芝川を散策しました。水量が多かったためか、潜水ガモ類のホシハジロ(雌雄)とキンクロハジロ(雄)が、今秋初記録となりました。

カワセミやイソシギも相変わらず飛び回っていました。アカタテハの写真が撮れたのが収穫です。市内では10月28日に観察したのが20年ぶりくらいでしたので市内で羽化したのか、他の場所から移動してきたのかわかりませんが記録が更新されました。新芝川ではコサギ4羽とゴイサギ1羽が川沿いの木に止まっていました。自宅の落ち葉を掃いていたところトビフタスジアツバ(淡褐色の翅に明瞭な二本の彎曲した線をもつ蛾)がいました。

アカタテハ
    アカタテハ  カラシナを食べるカブラハバチの幼虫

11月 5日 庭の桜の木や柿の木にコゲラ、メジロが飛来しました。裏の民家ではモズとジョウビタキが鳴いていました。サンショウの葉が落ちて、緑色のアゲハの幼虫がいたのでユズの木に移動しました。

11月 9日 今日も旧芝川を2時間ほど観察しました。野鳥はカワウ、マガモ、カルガモ、コガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、イソシギ、キジバト、ヒヨドリ、モズ、カワセミ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、ジョウビタキ、ウグイス、アオジ、ムクドリ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(23種類)、飛んでいた昆虫はツマグロヒョウモン、モンキチョウ、アカタテハ、ヤマトシジミ、アキアカネなど。タヌキが2頭ヤブの中でガサゴソ動いていましたが、草丈の低いところへ出てきて後足で立ち上がりました。川の中にはカダヤシが群れていました。

11月12日 見沼代用水と江川の合流点付近で40数年ぶりにヒオドシチョウを観察しました。恐らく川口市の赤井・新郷界隈で生息しているものが飛来したのではないかと思います。

八幡木中学校付近の毛長川でオナガガモ雄のエクリプス3羽、カルガモ5羽、コサギ2羽、ハクセキレイ、ジョウビタキ等が見られました。

11月19日 カキの落ち葉にアオバハゴロモがとまっていました。ダイコンとムラサキハナナの葉にはビロード状の真っ黒な色をした蝶の幼虫のような毛虫(1.5〜2.0cm)が沢山いました。これはカブラハバチというハバチの幼虫です。ダイコン、カラシナ、カブラなどの葉を好み、家庭菜園を台無しにしてしまう害虫です。成虫の姿は殆ど見たことがないのですが、いつの間にか大発生して、葉に触ると丸まって落ちてしまい、とても扱いにくいイモムシ(別名:菜の黒虫)です。

11月20日 我が家の屋根にシロハラ(ツグミの仲間)が落鳥していました。左右の風切羽根と尾羽がかなり欠損し、背部の羽毛もかなり乱れていました。おそらく、猛禽類にでも襲われて、何とか逃げ延びたものの落鳥したものと思われます。シベリア方面から遠距離の渡りをしてきて、これから日本で越冬と言う時に可哀想なことをしました。遺骸は庭隅に手厚く埋葬しました。

旧芝川ではカモ類6種類(マガモ・カルガモ・コガモ・ハシビロガモ・オナガガモ・キンクロハジロ)200羽が集まっていました。また、15時30分頃、江川の合流点付近でカルガモが11羽が採餌していました。

Ha氏より桜町6丁目でセンチコガネの遺骸とオビガの雌の写真が送られてきました。

      落鳥したシロハラ 飛ぶユリカモメ

11月24日 辻のKさんより、旧芝川付近の鳥の観察情報をいただきました 。ユリカモメ22羽、カモ類(マガモ、コガモ、オナガガモ、ハシビロガモ)、カワセミ、ジョウビタキ、カイツブリなど、これらの野鳥は今冬は安定して観察できそうです。

11月25日 自宅の庭で、キイロテントウ、ホソハリカメムシ、アオバハゴロモ、フタモンアシナガバチ、カノコガなどが日溜まりに飛来し、カブラハバチの幼虫が地上を這っていました。

隣家の庭でコゲラ、オナガ、ムクドリ、ヒヨドリ、スズメなどが柿の木に集まっていました。コゲラは柿の実を食べに来たわけではありませんが、同じ木にとまって鳴いていました。

11月26日 庭の柿の木と梅の木にメジロ、シジュウカラ、コゲラ、ジョウビタキ(雌)の混群が飛来しました。コゲラは柿の木のカイガラムシなどを啄んでいましたが、他の鳥は忙しく動いて数分で飛び去りました。冬になるとこの様に小鳥類が混群をつくって、時々我が家の見回りに来てくれます。隣家の庭では相変わらずヒヨドリとムクドリが柿の実を啄んでいます。

11月30日 18時頃、本町2丁目の道路上をゆっくりとヒキガエルが歩いていました。触っても逃げず、外気温が冷えてきたので動きが鈍くなったようです。通常は冬眠している時期なのですが?温暖化の影響でしょうか。車が通ると轢かれてしまうので、捕まえて近くの植え込みに放しましたが無事生き延びてくれれば良いのですが。

ジョウビタキ(雌) 柿の木に飛来するヒヨドリ
カイガラムシを食べるコゲラ