No.107 2013年5月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (120)

チョウゲンボウ(ハヤブサ科) Falco tinnnunculas

チョウゲンボウ、なんですか?お坊さんの名前ですか?40年も以前の探鳥会で参加者から質問された事があります。英名ではEurasian Kestrelという小型のハヤブサの仲間です。主にバッタやトカゲなどを捕らえて食べています。大きさはドバト大で尾が長いのが特徴です。目の下に黒い涙が流れたように見える斑があるのも特徴の一つです。以前は険しい崖などで集団繁殖などをしていましたが、近年では高層ビルや鉄橋などで繁殖するものが増加しています。よく似た仲間に亜種であるチョウセンチョウゲンボウ、別種ではコチョウゲンボウ、アカアシチョウゲンボウ、ヒメチョウゲンボウなどが日本で記録されています。

 

自然の記録:

 5月 1日 湧水公園のカルガモは大分人馴れしてきた様子で2mほどのところで作業をしていても飛びたつけはいがない。今年も何処かで巣作りを行う可能性が出てきました。オランダガラシは満開となりタコノアシも10cmほどに生育してきました。約1時間の作業中に観察できた野鳥はカルガモ、ツバメ、ムクドリ、ヒヨドリ、オナガ、キジバトの6種類でした。

 5月 2日 毛長川調節池で今年初めてのキアゲハを確認しました。鳩ヶ谷本町2丁目の樹林縁でマムシグサ5株を観察しました。旧鳩ヶ谷市内では絶滅したと思っていましたが、毎日のように歩いている道端に残っていたのには驚きました。

 5月 3日 辻の農家の庭先でキアゲハとアゲハが飛んでいました。また、竹林に狸の溜め糞と思われる糞が山積みになっていました。湧水公園では菖蒲田でアゲハ3頭が吸水していました。

 5月 4日 庭のツユクサの葉がボロボロになっていました。葉裏を見るとツユクサハムシがいました。エノキの葉も同様で、こちらはクロウリハムシによるものです。エノキの方は毎年ウリハムシやクロウリハムシが寄生します。16時過ぎに上空をアブラコウモリが2頭飛び回っていました。今年初記録です。以前は20頭ほどの群れが飛び回っていましたが、減少しているようです。坂下町にある山田輪業のツバメの巣は産卵後すぐにカラスの被害にあって落とされてしまったとのこと。6卵あったのに残念ですと店の方が言っていました。ここでは毎年巣の周りに金網の囲いをしていましたが、今年は囲いをする前に被害にあったようです。

庭ではカラスビシャク、ヒメジオン、ゲンペイコギクの花が開花中です。両方共に花の感じがよく似ていますが、ヒメジオンは夕方になると花を閉じますが、ゲンペイコギクは真っ直ぐに立てますが閉じることはありません。

ヒメジオンとゲンペイコギクの花の比較

 5月 6日 市内でも、ようやく色々なチョウが飛び始めました。モンシロチョウ、モンキチョウ。ヤマトシジミ、ベニシジミ等の早くから観察されていたチョウ以外にキタテハ、ダイミョウセセリ、ギンイチモンジセセリ、ヒメウラナミジャノメ、アゲハチョウ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、ジャコウアゲハ等、ジャコウアゲハは幼虫の食草であるウマノスズクサに産卵していました。ジャコウアゲハの卵は奇麗なオレンジ色です。

開花しているミズキの木にはニホンミツバチを初めとして各種のハナバチやクマバチなどに混じって、ベニカミキリも数匹飛来していました。

 5月 7日 湧水公園では相変わらずアゲハチョウが吸水に来ていました。ツマグロヒョウモンも初認しました。カルガモは2羽で池の周りでくつろいでいる様子ですが、今年は巣が見つかりませんので何処か別の場所で繁殖しているのかも知れません。

スズメノテッポウを食べるカルガモ マムシグサ ダイミョウセセリ

 5月 9日 湧水公園でアオコの除去作業をしている時に、シオカラトンボを初認しました。池の水位が下がっているためにツバメが水を飲んだり、巣材の土を採取したりと頻繁に来ていました。アオコに混じってアメリカザリガニやヌカエビなどが多く採取できましたが、全て放流しました。これらの生物にとってはアオコも隠れ場所には良いのかも知れません。

 5月10日 家の裏の路上にハスモンヨトウの成虫(蛾)が一日中同じ場所に留まっていました。

ウマノスズクサにジャコウアゲハが飛来し、頻りに産卵していました。茶色味のあるオレンジ色の卵です。陽の光を浴びて輝いていました。ジャコウアゲハは人がいても警戒せずに目の前で産卵を続けています。数年前には昆虫マニアによって、殆どの幼虫が持ち去られました。

 5月12日 少しずつ昆虫の動きも目立つようになりました。庭ではブチヒゲカメムシ、ハラビロヘリカメムシ、ツチカメムシ等が目立ってきました。ニジュウヤホシテントウも羽化しました。

 5月13日 月下美人の鉢の土を入れ替えていたところ、クロゴキブリの幼虫がたくさん出てきました。ツチカメムシ、オカダンゴムシ、ヤスデ等も、鉢の中にも生態系が息づいていました。

 5月14日 今日は夏日となり30℃を越えました。庭ではアカシマサシガメが目立ちます。隣家の屋根裏に営巣したムクドリは巣立ちの時期に近づいたらしく賑やかです。最近は家のリフォームが目立ち、スズメやムクドリが営巣するような屋根が無くなりつつあります。古い家では軒のベニヤ板が風雨にさらされ、剥がれているところが多くこれらの野鳥にとっては絶好の場所となっています。

 5月16日 庭隅でムラサキエンマコガネを見つけました。どうやら堆肥置き場から出てきたようです。湧水公園では5月7日に移植したアサザが開花しました。今年は除去されずに根付いたようです。

 5月22日 庭の日陰でヒカゲチョウとウラナミジャノメが飛んでいました。共に今年初認です。ジャガイモの葉上にニジュウヤホシテントウがたくさん発生し、穴だらけになりました。カナヘビ3頭も葉上で日光浴をしていました。

 5月23日 湧水公園の菖蒲田ではアゲハチョウ3頭が吸水していました。斜面林際ではルリシジミが飛び回り、カワラヒワやムクドリなどが採餌していました。

 5月24日 庭のドクダミ、ウラジロチチコグサ、ヒルガオが開花し、久し振りにツマグロヒョウ モンが飛来しました。

 5月25日 湧水公園では移植したアサザがたくさんの黄色の花を咲かせていました。水辺ではカワラヒワ、ムクドリ、スズメ、シジュウカラなどが集まっていました。

 5月25日 庭のネズミモチの下に黒い糞がたくさん落ちていると思ったらセスジスズメの幼虫がいました。旺盛な食欲で、見ている間に葉1枚があっという間に食べ尽くされました。

産卵中のジャコウアゲハ 葉の裏に産み付けられた卵

 5月28日 今年は庭のジャガイモの花が、かなり咲いたなと思っていたところミニトマトのような実がなりました。10年以上に亘ってジャガイモを栽培していましたが実を付けたのは今年が初めてです。ジャガイモの種類によっては実の付きやすい品種もあるようですが、4月〜5月頃の気温が高い年は実が付くこともあるようです。ヘタを見ないと本当にミニトマトと言ってもわからないくらい似ています。この実は黄色くなると食べられるとのこと、美味しいかどうかは疑問ですが?まだ試食したことはありません。

トマトの果実(ヘタが大きく上に反っている)  ジャガイモの果実

 

地球温暖化を考える(62)

ツバメの初認調査から(バード・リサーチ調査による)

 5月に入り、旧鳩ヶ谷の市内でもツバメの姿がちらほらと見られるようになってきました。

バード・リサーチが全国に呼びかけて毎年の行なっているツバメ前線の調査結果を以下に引用しました。関東と東北できれいな差があります。

 バードリサーチのツバメ初認記録は,巣のある住宅地など巣のある場所のそばで見られた時で,川や池などでみられたものは含めていません。朝は寒いものの日中は暖かくなっていますので、ツバメの飛翔も活発になります。

 川口市内では40年前まで市内全域で多くのツバメが営巣していましたが、水田や畑などが消失して、かなり減少しました。旧鳩ヶ谷市内でも27年前には160巣ありましたが、現在は毎年10巣程度で推移しています。ツバメは昔から人の近くに巣を造ることによってヘビやカラスなどから雛を護っていると言われていましたが、現在では折角造った巣も人やカラス等による被害が絶えません。店の入り口に巣を造るツバメは殆どが巣を撤去されています。巣台を作って保護をしている家もありますが、落とされることの方が多いようです。長年に亘って営巣している家では、車のボンネットに布や新聞紙を敷いたり、箱をおいたりして見守っているところもあります。

● 旧鳩ヶ谷市内で毎年調査を行っていますが、10か所前後で推移しています。

桜町:ムサシ、民家2軒、コンフォールはとがや、福祉会館、ライオンズマンション

坂下町:山田輪業(育雛中にカラスに巣を落とされて雛6羽が犠牲になった)、農協

八幡木:民家1軒