No.154 2017年4月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (167) 

スズガモ(カモ科) Aythya marila

スズガモ ♂(左)、♀(右)

カモ類は脇腹の羽毛の内側に翼をたたみ、上から背羽で蓋をするようにする。水に対する効率的な羽の使い方である。特に、潜水採餌ガモと呼ばれるスズガモなどは大切な羽毛を守るのには適しているようだ。スズガモの名の由来は飛ぶときに鈴を振るような羽音を立てるカモと言うことのようであるが、他のカモでも似たような音を立てることがある。

スズガモの雄は頭と頸が光沢のある緑黒色、胸は黒く腹は白い。背には白と黒の細かい虫食い状の斑がある。雌は頭から上面が茶褐色をしており、嘴の後ろの顔の部分が丸く白いのが特徴である。この白い部分は個体差がありかなり大きく白い個体も稀にいます。

北半球の高緯度地方で繁殖し、冬鳥として日本の河川や内湾などに飛来する。

旧鳩ヶ谷市内では、今年の2月1日に初めて新芝川の新鳩ヶ谷大橋付近で雄2羽が観察されたのが初記録で、2月15日〜3月5日まで雌が1羽滞在していたのが初記録となった。

 

自然の記録:

 4月 1日 雨が止むと同時にスズメの声がするので、覗いてみると50羽以上の群れが柿の木に群れていました。こんなに沢山来たのは初めてです。

 4月 3日 ソメイヨシノは市内でも開花し始めて、3分〜5分咲きまで色々です。法勝寺や見沼代用水の斜面林では市内でも少なくなったタチツボスミレが開花していました。道路の脇ではノボロギクの花が咲いていましたが、すでに種子が飛び始めているものもありました。

 4月 5日 春爛漫という感じですが、町中でツクシを見ることが少なくなりました。昔は何処にでもあった植物ですが、ツクシはもちろんスギナも少ないなと思っていましたら、道路脇にツクシを見つけました。スギナの菜は食べられることを意味しています。葉がスギの葉に似ているところからスギナですが、胞子茎(ツクシ)は食べられるので菜がついています。中国では接続草と呼ばれているようです。ニリンソウの花も咲き出しました。

豊田の森では、ウラシマソウが開花しました、ウラシマソウも旧鳩ヶ谷市内では消滅寸前の植物です。

 4月 9日 我が家の雑草園では、キュウリグサ、クサイチゴ、シャガ、ハルジオン、カタバミ、ナズナ、ヒメオドリコソウ、ノゲシ、ニリンソウ、ムベ等の花が開花中です。スズメが頻繁に何かの幼虫を嘴に咥えているのでなんだろうと思っていたところ、1羽が枝から落とした幼虫を見るとヨトウムシでした。

コンフォール東鳩ヶ谷の敷地内では、ナガミノヒナゲシ、ユウゲショウ、アメリカフウロ、カラスノエンドウ、ノボロギク、カントウタンポポ、ノゲシ、シロツメクサ、ハナニラ等が花盛りでした。

家の近所でもツバメの姿も見られるようになってきました。毎年来ている近くの民家では今年も営巣しそうで安心しました。この家では一階が駐車場になっており、駐車場の壁に営巣しているのでカラスに襲われるためにネットがかけてあり、ツバメが通過する程度のメッシュなのですがツバメはネットと屋根の間をすり抜けて出入りしています。

ツクシの小群落 ニリンソウの花
木の根元に生えたタチツボスミレ 道路脇のノボロギク

 4月15日 豊田の森でタケノコ掘りとシュロの除去を行った。タケノコ掘りは8日にも行う予定であったが、今年は伸びが遅く6日の下見で3本しか出ていなかったので中止した。今日もタケノコ掘りは中止の予定であったが、下草や落ち葉の間から出ているものが10本以上あったので掘ることができた。3月に入り2週間ほど寒かったのが影響しているのか?

竹林の中も温暖化の影響が進んでおり、竹林上部の高台がコンクリートで覆われて雨水が竹林へ浸透しにくくなり湧き水の水量が減少してきたことも影響しているようで、枯れた竹が目立ってきた。シュロは850本ほど除去しましたが、2015年1875本、2016年625本でしたので、3年で3350本除去しました。これが全て生育したら竹林はシュロ林に変わってしまいます。

林内ではシャガ、ウラシマソウ、ムラサキケマン、ハナニラ、ノハカタカラクサ(南アメリカ北部原産の重点対策外来種)、ショカッサイ(ムラサキハナダイコン)等が開花していた。

今春初記録のナミアゲハも飛んでいました。 

家の庭ではホソヒラタアブ、クロウリハムシ等が飛んでおり、ビロードツリアブも飛び始めました。

 4月17日 気温が上昇し昨日から日中は25℃を超えている。植物の方も春爛漫、家の周辺でもハハコグサ、ウラジロチチコグサ、キケマン、ナガミノヒナゲシ、ヒメツルソバ(その他の総合外来種)、ヒメフウロ、ツタバウンラン、オニタビラコ、ドウダンツツジ、アメリカハナミズキ、ツツジなども開花しました。夜になって家の廊下をクサギカメムシが歩いていました。 

 4月19日 旧芝川を散策してきました。五右衛門橋から下流の青木橋までの間が黄色いカラシナの花で埋め尽くされていました。これだけ見事なカラシナが見られる場所は少ないでしょう。モンシロチョウ、モンキチョウ、ツマキチョウ、ナミアゲハ、クロアゲハ、ヤマトシジミ、ベニシジミ等のチョウやクマバチ、ナガメ、ニジュウヤホシテントウ等の昆虫類も集まっていました。野鳥はカンムリカイツブリ、セグロカモメ、ユリカモメ、コサギ、カルガモ、コガモなどの水鳥類、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ムクドリ、カワラヒワ、シジュウカラなど18種類でした。ミシシッピアカミミガメ(60<)も甲羅干し、ウシガエルもいました。 カラシナ以外の植物も開花して、オオカワジシャ、オランダガラシ(クレソン)、カキネガラシ、ハナニラ、ハルジオン、ヒメツルソバ、ユウゲショウ、オオイヌノフグリ、ヘラオオバコ、ウラジロチチコグサ、ナガミノヒナゲシ、ムラサキツメクサ、シロツメクサ(クローバー)、アメリカフウロ、アイノコセイヨウタンポポ、コメツブツメクサ、ヒメオドリコソウ、ミチタネツケバナ、等の外来種、市内では珍しくなったキツネノボタンやカワジシャ(希少種)等でした。キツネノボタンやカワジシャなどは鳩ヶ谷に田んぼがあった時は普通に生育していた植物でした。希少種のカワジシャは昨年見つかりませんでしたが、オオカワジシャの陰に隠れていたものが今年は100株以上見つかりました。しかし、開花植物のほとんどが外国からの移入種というのはちょっと寂しい気がしました。

ウシガエル オオカワジシャの群落 クサギカメムシ
コイの集団 魚を捕らえたユリカモメ キツネノボタン

 4月21日 花の開花とともに少しずつ昆虫類の活動も目立ってきました。今日の庭ではハグロケバエ、ベッコウバエ、ハスオビエダシャク(小さな蛾の仲間)、ツマグロオオヨコバイ、クロヤマアリ等が目立ちました。シジュウカラも盛んに囀り雄の活動も活発で、頻繁に餌を運んでおり、近くで営巣しているようです。家の道路脇ではオニノゲシ、ノゲシ(ハルノノゲシ)、カントウタンポポ、カタバミ、ナガミノヒナゲシ、オニタビラコ、チチコグサモドキ、ウラジロチチコグサ、等が花盛りです。

 4月22日 先週に続いて豊田の森でタケノコ堀り・枯死した竹の間伐作業を行いました。15日には土の上にようやく頭を出していたものが多かったのですが、今日は50p以上の背丈に伸びているものもいくつかありました。枯死した竹の間伐を行うことにより竹林内も明るく綺麗になりました。フキもかなり太くなっていたので持ち帰った人もいました。

タケノコの収穫とごみ拾い 旧芝川のセイヨウカラシナの群落

 4月27日 コンフォール東鳩ヶ谷敷地内の植物調査を行ったところ、カントウタンポポの群落があり、その近くにセイヨウタンポポとの交雑種であるアイノコタンポポが数本混じっていました。ハハコグサ、チチコグサモドキ、ウラジロチチコグサ、キュウリグサ、ナガミノヒナゲシ、ノゲシ、ユウゲショウ、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、オランダミミナグサ、オニタビラコ、ヒメツルソバ、オッタチカタバミ、ハルジオン、ヒメオドリコソウ、コハコベ、ノボロギク、シロツメクサ、アメリカイヌホオズキ、等が開花していました。

敷地内で毎年営巣しているツバメも17日に飛来して、すでに巣作りが終わっていました。庭ではハラナガツチバチが活動しはじめ、風呂場の窓脇に巣くっていたドロバチが出たらしく、小さな穴が開いていました。

 4月28日 昭和橋バス停近くの山田輪業の軒下にはツバメの古巣が2つありますが、1つにツバメが座っていました。旧鳩ヶ谷市内で3カ所目の営巣です。今年は何巣を営巣してくれるか?

 4月29日 我が家のブロック塀に沿ってオニノゲシ、ノゲシ、オニタビラコ、コオニタビラコ、交雑タンポポ(アイノコタンポポ)、ナガミノヒナゲシ、キュウリグサ、等が咲いており春のお花畑的ですが、近所の方が花が咲いている間は除草しないでおこうと言っていました。道を隔てた隣家は長い間空き家となっていますが、庭はオニタビラコ、ナガミノヒナゲシ、ノハカタカラクサ等が満開、ナミアゲハやモンシロチョウなどが飛来していました。

オニノゲシ ノゲシ オニタビラコ

地球温暖化を考える(107)

大阪府吹田市 万博記念公園

1970年3月15日(日曜日)から9月13日(日曜日)までの開催183日間に亘って、大阪万博が行われましたが、その跡地は万博記念公園として市民の憩いの場になっています。1970年に開催された日本万国博覧会の跡地は、博覧会を記念する「緑に包まれた文化公園」として整備されることとなりました。博覧会終了後、林立していたパビリオンは取り壊され、更地になった土地から公園づくりは始まりました。自然文化園地区を外縁から中心部に向かって、「密生林」「疎生林」「散開林」に区分し、この地域本来の自然植生を再現し、「自立した森」に導こうというものでした。「自立した森」とは、多様な動植物と共存し安定している森のことです。

なかでも「密生林」は、この地域の森林を再生するためシイ・カシ類を中心とした常緑広葉樹の植栽が行われました。※「密生林」とは、自然林の再現を目指したもので、四季を通じて薄暗く閉鎖的な空間をつくると共に、外周道路からの騒音、排気ガスなどを遮る機能を持たした林。「疎生林」とは、自然文化園に点在する見所空間において、四季の景観変化を演出した林。「散開林」とは、広大な芝生を主体として、修景と緑陰を演出した林。当初の計画どおり緑の量としての森は実現できたものの、多くの種類の常緑樹等を植えたにも関わらず一部の樹木以外の生長は緩慢となり、高木層のみの単層林となっています。このため、中木・低木・草本層が消滅している状態にあるなど、森としての質においては問題を抱えています。

公園中心部の流れ 公園の池
管理された竹林 遊歩道 植生復活中
林を通るメイン道路 林内にある池 林内の流れ