No.123 2014年9月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (136)

キジ(キジ科)Phasianus colchicus

暑い日なたを走るキジの若鳥

キジは日本の国鳥であるとともに、狩猟鳥でもある。頭部から腹にかけて緑色光沢のある黒色をしており、顔は赤く、背は光沢のある黒色をしています。尾は長く灰褐色で黒い横斑があります。

雌は雄より少し小型で尾も短めで全体に黄褐色をしています。冬枯れのアシ原などに伏せていると完全に保護色になります。繁殖期には倒木の上や畑の高見で羽搏きながら、ケンケーンと鳴くので存在がわかります。川口市内では見沼田んぼの差間地区周辺で繁殖しており、特に春になるとキジの声や姿を見る機会が多くなります。足の蹴爪を使い雄同士で戦い、一夫多妻で強いものがより多くの雌を得ることが出来る。

 

自然の記録

 9月 1日 隣家のカキの木にムクドリの群れが集まり、その中に数羽のコムクドリが混じっていました。オナガが激しく鳴くので見ていたのですがムクドリの群れと何かを取り合っていたようです。

 9月 2日 湧水公園の池ではガマ、サンカクイ、オモダカ、コウホネ、ショウブ、タコノアシ等が繁茂して、クロスジギンヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ等が止まっていました。池のまわりでは白花のミズヒキが開花していました。今まで見たことがなかったのですが誰かが植えたのか、鳥が運んできたのか?道路脇のアカメガシワの木の下にオオホシカメムシという赤色の綺麗なカメムシな仲間がいました。

 9月 5日 湧水公園の池でクロスジギンヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ハグロトンボ、アジアイトトンボ等が頻りに飛んでいました。池の縁にはアライグマとイタチの足跡がいくつか鮮明に残っていました。近所の民家の庭でナガサキアゲハ、の雌がしきりに産卵していました。庭ではウラナミジャノメ、アゲハチョウ、クロアゲハ、アオスジアゲハ等が飛来しました。ミンミンゼミやアブラゼミも健在です。

 9月 6日 家の周りの側溝に生えている雑草の除草をしていたら、アカヒラタゴミムシ、オンブバッタ、セスジスズメの幼虫、オオモンシロナガカメムシ、カナヘビ等が出てきました。雑草も除草はしたくなかったのですが、道行く人が除草ぐらいしたらよいのにと言いながら歩いていく声が時々聞こえてくるので致し方なく抜いた次第です。

 9月 8日 庭の門扉にシモフリスズメの成虫が止まって交接していました。朝9時過ぎから14時頃まで同じ場所で止まっていました。ボタンクサギの葉を食べる幼虫は毎年数多く見かけますが、成虫を見る機会はあまりありませんでした。

交接中のシモフリスズメ ツルマメに止まるアブラゼミ 整然と並んだチャドクガ

 9月 9日 朝のうち雨が降っていましたが8時過ぎから晴れ間が出てきましたので市内を2時間ほど散策しました。濡れた草が多かったので昆虫類が表に出ていて見やすかったこともありますが、ヒメシロコブゾウムシ、ヨツスジトラカミキリ、等の甲虫類、アゲハチョウ、キアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、ツマグロヒョウモン、ミスジチョウ、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ、モンシロチョウ、イチモンジセセリ等の蝶類、ヒメシロモンドクガ、チャドクガ等の蛾の幼虫、ヒシバッタ、オンブバッタ、クルマバッタモドキ、エンマコオロギ、オオカマキリ等、ハラナガツチバチ、キンケハラナガツチバチ、セグロアシナガバチ、オオスズメバチ等のハチの仲間が見られました。ミンミンゼミ、アブラゼミ、ホウシゼミ等も盛んに鳴いていました。

夜になって「スーパームーン」が大きく輝いていました。月が地球に近づくことにより普段より大きく見えるようですが、8月11日にも満月でした。まるで、四方八方に手足を伸ばす如く光が伸びているように見えました。思わず、名月や----という言葉が出そうなお月さまでした。

 9月13日 湧水公園の池の周りはイネ科の植物に覆われています。ギンヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、コシアキトンボ、アジアイトトンボやホソオビアシブトクチバという綺麗な蛾の仲間、等が元気に飛び交っています。湿潤した地面にイタチの足跡がきれいに残っていました。

コシアキトンボ(♂) オオシオカラトンボ(♂)

 9月16日 そろそろカモ類の渡来があるかと思い、旧芝川を歩いてきましたがカモ類は留鳥のカルガモが12羽のみでした。その他の野鳥も少なく、スズメ、ムクドリ、シジュウカラ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、キジバト、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト。久しぶりに土手の叢ではタヌキが見え隠れしながら歩いていました。その他、トカゲ、ニホンイシガメ、ミシシッピアカミミガメ、クロベンケイガニ、ウシガエル、トウキョウダルマガエル、ライギョ、コイ、ボラ、タップミノー等、昆虫類はアゲハチョウ、アオスジアゲハ、クロアゲハが湿った土の上で吸水しており、ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、モンキチョウ、モンシロチョウ、コミスジ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、マドガ(多い)、ギンヤンマ、シオカラトンボ、コフキトンボ(オビトンボカタの雌1)、ウスバキトンボ、アオモンイトトンボ(多い)、トノサマバッタ、ツチイナゴ(多い)、ナナホシテントウ、ウリハムシ。開花中の植物は、ツユクサ、ホシアサガオ、イノコヅチ、オオケタデ、ホウキギク、アレチノギク、オッタチカタバミ、アレチウリ、ヤブガラシ、アキノエノコログサ、ノゲシ、タカサブロウ、キンエノコロ、イヌキクイモ、ユウゲショウ、ヒガンバナ、ハギ等が目立ちました。

庭のイチジクにキボシカミキリが飛来しました。イチジクの幹はカミキリムシの幼虫によって傷ついていますが、新しい枝が伸びてきています。 

コフキトンボ(♀)オビトンボ型  アオモンイトトンボ タヌキ

 9月24日 安行慈林のマルエツストアー横を流れる前野宿川にゴイサギがいました。以前からときどき見かけていたのですが、どうやら100mほどの範囲で採餌をしているようです。この川にはドジョウが多く、ウシガエルのオタマジャクシ、アメリカザリガニ等が多いので餌には困らないようです。

9月25日 庭の植木鉢を移動したところ小さな巻貝が見つかりました。オカチョウジガイ(略してオカチョウジとも呼ばれる)という左巻きの細面の貝の仲間です。周りをよく見ると死んで白色化した貝が沢山ありました。

今年は、蛾の幼虫類が少なく目立ったのはチャドクガ、シモフリスズメ、セスジスズメ、ヨトウガ等、毎年見かけたクロメンガタスズメやアケビコノハの幼虫は全く見ることが出来ませんでした。昨年はクロメンガタスズメの幼虫がセグロアシナガバチにやられてしまったので蛹になることが出来なかったのかもしれません。セグロアシナガバチは幼虫を生きたまま小さな肉団子にして銜えていき、何度も往復していました。アケビコノハの幼虫もオオカマキリの餌食となりました。カナヘビもかなりの頻度で餌を捕らえているようですが、野良猫にやられているようです。

 9月28日 庭のウマノスズクサの葉にヒトリガの幼虫がいました。ジャコウアゲハを期待して植栽してあるのですが、中々望み通りにはいかないようです。

コンポストには毎日のようにハクビシンが来ているようですが、地中から穴を掘ってコンポストに入ってくるために姿を見ることが出来ません。ちょうど暑い時期なのでコンポストの中に土を運び入れて被せてくれるので、生ごみの臭気もなく助かっています。

林の中を歩いていたところ白いサッカーボールが落ちているのかなと思って近づいてみるとまん丸い形をしたオニフスベというキノコの仲間でした。このキノコは食用になるそうですが、蹴り飛ばされてみじめな姿になっているものをよく見かけます。以前は、我が家の庭にも生えてきたことがありましたが最近は見かけません。 

サッカーボール大のオニフスベ ガガイモに集まるヒメジュウジナガカメムシ

  

地球温暖化を考える(76)

夏の湧水公園。

湧水公園改修後2年目の夏、池や周辺に多くの植物が生えてきました。見た目には自然豊かな環境になりつつあります。池の中には従来からあるコウホネが繁茂し、植栽したオモダカ、サンカクイ、ヒメガマが小群落を形成してきました。これらの植物はトンボの仲間の休息所となり、メダカやモツゴの稚魚の隠れ場となっています。池のわきの水路では、アシ、サンカクイ、ヒメガマ、オモダカ等が繁茂しています。池の周囲はジュズダマ、タカサブロウ、ヒメシバ、オヒシバ、チカラシバ等が繁茂して昆虫類の生息場所となりました。今年、夏休みの期間中に湧水公園を訪れた人たちは子供たちを中心に600名を超えます。小さいながらも、川口市の中心部で唯一の自然環境があり、子供たちのザリガニ釣りや魚取りのできる場所となっています。今後は、このような環境を市内各所に増やしていくことによって、みんなで緑の都市のあり方を考えるきっかけになる場所づくりが必要ではないかと思います。在来種の森を、鳥や虫のオアシスを市の中心部へ増やしていくことが温暖化防止の一助にもなるのではないかと考えています。

公園入り口付近からの風景 奥の池から公園入口方面の風景
オモダカとサンカクイ ヒメガマの小群落 池のアオコ
吸水するクロアゲハ、アゲハチョウ、アオスジアゲハ ツマグロヒョウモン
ハグロトンボ 9月になってモズも飛来しました