No.36 2007年6月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (49)

アカゲラ(キツツキ科) Dendrocopos majoa

アカゲラ♂(撮影地:秋ヶ瀬公園)
アカゲラ♂(撮影地:秋ヶ瀬公園)

アカゲラはキツツキの仲間でもコゲラに次いで身近に感じる鳥の一つです。黒い翼に大きくて白い斑紋が目立ちます。雄は頭部と腹部の下の方が赤いのが特徴です。雌は頭部の赤色がありません。鳴き声はキョッキョッ、飛びながらケレケレケレという鋭い声を出します。普段は山地に生息していますが、冬になると都市の公園や民家の庭先に飛来する事があります。川口市内では冬期に赤山、西立野、差間などで時々観察されていますが、鳩ヶ谷市内でも1960年代には旧旭町で民家のカキの木に飛来、1996年12月12日には中央病院のサクラの木に止まっていたのが観察されています。

自然の記録:

 6月 1日  ルリハムシが枯れたオオアラセイトウの葉にとまっていました。

 6月 3日  今年始めてクロアゲハが庭に飛来し、梅の木の回りを何度か飛び回っていた。マルガタゴミムシ、オカダンゴムシ、ミミズなどが庭を動き回っていました。

 6月 4日  キマダラセセリ、キマダラヒカゲ、ハラビロヘリカメムシ(クコ、ホオズキ、などに多数繁殖)、チャバネサルハムシなどが庭に飛来した(桜町6丁目)。

 6月 5日  市民の方の情報「見沼代用水と毛長川合流点付近でアオサギ、毛長・見沼合流点の上手でウシガエルの鳴き声を聞きました(5:39)。2匹で鳴き交わしていました。姿はずいぶん前から見かけていましたが、鳴いたのははじめてです。」を頂きました。市内ではカエルの姿を見るのも稀になってきました。ウシガエルは外国産の輸入種であり、生息域が広がることはあまり喜ばれることではありませんが?

近年はカエルツボカビ症という両生類(カエル、イモリ、サンショウウオ、等)の皮膚に寄生するカビによる病気が発生しています。見た目には解りませんが症状が出てから2〜5週間くらいで死亡する病気です(人を含むほ乳類・鳥類・爬虫類・魚類には感染しません)。

 6月 6日  坂下町の自転車店の軒下にあるツバメの古巣が修繕されていました。数日前までは古巣のままでしたので、2番子を育てるためにリフォームを開始したツバメがいるようです。上手く繁殖してくれると良いのですが。その一方で桜町5丁目民家のツバメの巣は8時頃見た時には問題なかったのですが、10時30分頃通ると巣が壊されていました。恐らくカラスの仕業ではないかと思われます。雛が無事に巣立つたのか確認出来ずに終わってしまいました。毎年殆どのツバメの巣がカラスに襲われて失敗しています。同じ町内で民家の松の木にハシボソガラスが営巣しています。

 6月11日 雨上がりの夕方、カノコガが庭を飛び始めました。

 6月17日 コンフォール鳩ヶ谷1号棟で11日頃より巣作りに励んでいたツバメの巣が完成しました。昨年は糞が落ちて汚いという理由で管理者により破壊されたと聞いていましたが、今回は巣の下に糞受けを設置していました。無事巣立つと良いですね。

桜町5丁目の民家の軒下で5羽のツバメが飛び回っていたが巣は作りかけで、昨年もあったのか巣台が作られていました。(30日現在巣は作られていませんでした。)

川口高校の裏を流れる見沼代用水沿いで山桃が熟れた実をつけて、ムクドリやヒヨドリが集まっています。人間は食べないのでしょうか。木の下の道路はヤマモモの赤い果樹で染まっていました。

庭では今年最初のヒメハンミョウを観察しました、これから増えることでしょう(桜町6丁目12)。

ヤマモモの実 アカバナユウゲショウ
アメリカフウロ 死んだヤモリに群がるシデムシ、
ダンゴムシなど

 6月18日 ビン・カン入れの容器の陰にヤモリが2匹、容器内にアオオサムシが落ちてもがいていた。丁度ビンカンの資源ゴミ回収日であったことからアオオサムシも命拾いをしたようだ。午後6時過ぎ家の庭でカラスが騒いでおり、巣立ちしたばかりの子ガラスが庭を歩いていました。

近所の女子高生が来て家の庭で繁殖したが飛べずに落ちたようなので、巣に戻してあげたいと言ってカラスの雛を手づかみで持っていったと家内から報告がありました(桜町6丁目)。巣立ったのは安行慈林住宅の庭木のようだといっていました。今の時期、カラスやムクドリの雛が一斉に巣立つ時期です。野鳥の雛はそのままそっとしておくのが原則ですが、昨年は巣から落ちてネコの食べられてしまったというので、巣に戻したいとのこと。巣は民家の松の木に営巣しているのを確認しました。

 6月19日 コンフォール東鳩ヶ谷1号棟前のイチョウの木で1羽のカラスがオナガにモビングされていました。オナガの巣がイチョウの木にあるらしく、カラスはオナガの雛か卵を狙ってきたようです。巣と思われる場所にカラスが入ったが6羽のオナガにしつこく追われていました。他のカラス3羽もその様子を見ていたがオナガに追われて飛び去りました。

外来種であるアメリカフウロやマツヨイグサの仲間のアカバナユウゲショウが町内でも所々で見かけるようになった。コンフォール東鳩ヶ谷の広い空き地ではエノコログサやハルシャギク(春車菊:北米原産の外来種)が蔓延っていました。市内ではこれだけ広い空き地はありません。現状の空き地の間だけでも子供達の自然観察の場に有効活用できると良いのですが?

 6月21日 湧き水公園で1時間ほど自然観察をしてきました。5人ほどの釣り人と菖蒲田を手入れしている人がいましたが、もう少し公園内の自然環境を整えれば良いなと感じました。昆虫類はアオスジアゲハ、ナミアゲハ、クロアゲハ、ツマグロヒョウモン、モンキチョウ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、ショウジョウトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、コシアキトンボ、ホシハラビロヘリカメムシ、ヒメカメノコハムシ(だ円形で、体の中央部は黒褐色、周縁部は半透明薄褐色のハムシの仲間。イノコヅチ、イヌビユ、アカザ、ヒユなどの葉を食べる。)、チャバネツヤハムシ、ヒラタアブ、フタモンアシナガバチ、アメンボ、カナブン、アシナガグモ、ヨツデゴミグモ、野鳥はスズメ、ヒヨドリ、ムクドリ、ツバメ(菖蒲園の水路で巣材集めヲしていました)、植物はヒルガオ、ドクダミ、ヘクソカズラ、シロツメクサ、セリ、アメリカセンダングサ、ブタクサ、カタバミ、ヨシ、スギナ、クズ、ツルマメ、ハコベ、交雑タンポポ、チチコグサモドキ、アメリカフウロ、アカバナユウゲショウ、ヒメジオン、シロザ、ノゲシ、クコ、オヘビイチゴ、ヤブミョウガ、オオイネノフグリ、ツユクサ、林の縁にクサギ、アカメガシワ、等がありました。

巣材を銜えて飛び立つツバメ ヒメカメノコハムシ
巣材を銜えて飛び立つツバメ ヒメカメノコハムシ

 6月23日 カラスの雛の保護(続き)

先日女子高生が保護していったカラスと思われる雛が22日の雨の中メジロ籠に入れて、自治会の物置の上に置かれていました。雛はずぶぬれになっていたが親鳥2羽が餌を運んできていました。とりあえず、籠の上部にビニールシートをかぶせておいたところ、夕方には傘がさしかけてありました。物置に「ヒナを拾わないで」のポスターを添付しておきました。

23日の朝、同じ場所に置かれており、親鳥が頻繁に餌を運んでいました。近所の人と話をしていると女子高生が来たので、小さな籠に入れておくと飛翔力がなくなるので巣に帰すように話をするとともに、巣が高いところにあることから近所にリホームに来ている工事の人に頼んで返すように話をしました。このヒナは松の木の巣から枝づたいに歩いていたが、落下してドブの中に落ちていた所を女子高生が助けたとのことでした。子殺しや虐待などがマスコミを賑わす時代、カラスの子育てを見習いたいものです。

 6月24日 相変わらずカラスのヒナが屋根の上におかれたままなので再度保護した家に行き話を聞いたところ、大工さんから巣のある場所が高すぎるのでハシゴがとどかないのでヒナを巣に帰すのは無理だと言われた。ビールびんの箱に布を敷き詰めてヒナを置いたが、そこから出て溝へ落ちてしまい、ネコにやられてはと思い、また籠に入れたとのこと。カラスは埼玉県を始めとして駆除する方向にあるため、ヒナの保護施設もありません。従って、動物愛護と有害鳥獣との板挟みになりますが自然のままに置くことが一番よい選択です。

 6月25日 カラスを保護した家族に話をして、安行の林にカラスのヒナを放鳥しました。放鳥後、羽づくろいをしたり、落ち葉をひっくり返したりしていましたが、声を聞いて他のカラスが集まってきました。巣立ち後は集団塒で生活しますので仲間と上手く生活していくことでしょう。シジュカラの巣立ち雛が庭の柿の木に飛来しました(桜町6丁目)。

ヒナに餌を運ぶハシボソガラスの親 カラスの巣
ヒナに餌を運ぶハシボソガラスの親 カラスの巣

桜町6丁目の自宅庭では、ツマグロヒョウモンの雌、コミスジ、ナミアゲハ、スジグロシロチョウ、ヤマトシジミ、などが飛来しました。

 6月27日 サザンカに発生していた沢山の毛虫はチャドクガの幼虫で、今日は成虫が2頭ブロックに張り付いていました。刺されると痛いし、鱗粉が触れてもかなり晴れることがあります。この様な時には抗ヒスタミン剤を塗布すると良いようです。桜町6丁目の美容院の花壇にツマグロヒョウモンの雄が飛来していました。

 6月28日 キマワリ、クロツヤハダコメツキ、ツチカメムシ、ヒラタシデムシ、マルガタゴミムシ、スジクワガタが庭のビン・カン容器の中に落ちていました。また、マユミの木ではコンポストに集まるアメリカミズアブがクモに捕らえられていました。

ここ数年、どうしても解らなかった庭の花の名前が解った。パソコンで調べていたら同じように名前が解らなくて苦労したことが書かれていました。近年、新しい外国産の植物が二次野生化して分布を広げており、今までの図鑑では対応できなくなりつつあります。ハゼランというなの植物ですが線香花火のような花で別名コーラルフラワー(サンゴ色をした花)、三時花あるいは三時草(午後三時頃に開花する)など色々な名が付けられている南アメリカ原産の植物です。

ハゼランにからみつくヤブガラシ
ハゼランにからみつくヤブガラシ ハゼランの花