No.85 2011年7月  

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (98)

ウグイス(ウグイス科)  Cettia diphone

春告げ鳥、経読み鳥、花見鳥 等と呼ばれるウグイスは、日本国中何処にでも分布しています。

ウグイスといえば誰でも名前ぐらいは知っていますが、実際に姿を見てウグイスとわかる人は少ないようです。サクラ餅・ウグイス餅というくらい一般的な名前ですが実際の鶯色というのはメジロの羽色を示しています。従って“梅に鴬ホーホケキョ”と声が聞こえれば問題ないのですが、ウメの木に鶯色の小鳥が来たよと言うだけではメジロの可能性が大きいようです。短歌や俳句の中でも時々、おやっと思うような歌がありますが、色の識別というのは難しいものがありますね。

ウグイスは春の鳥あるいは春告げ鳥といわれていますが、ウグイスは春にならなくても冬の間も家の周りにいて関東地方ではウメの花が咲く頃の1〜2月は厳冬期でもありホーホケキョとは鳴きません。この頃は地鳴きあるいは笹鳴きと言われるチャッ、チャッ、チャッという声で鳴いているのが一般的です。この声は11月中頃から市街地の庭などでも聞くことが出来ます。

 

自然の記録:

 7月 1日 湧水公園でトンボの観察をしましたが、シオカラトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボの3種類でした。15時過ぎ頃に激しい雷雨があり、大変涼しくなりました。庭先をウメエダシャクが優雅に飛んでいました。近所の空き地ではヒメジオンの花にベニシジミが飛来していました。

 7月 3日 桜町のE氏より自宅庭でヒキガエルを見たとの情報をいただきました。市内では減少したものの年に何度かの情報が得られています。このような普通の生物が普通に見られる街にしたいですね。ヒキガエルも正面から見ると愛嬌のある顔をしています。

我が家の庭では20株ほどのボタンクサギがピンク色の花をつけました。鳩ヶ谷市内ではあまり見かけない外来種ですが。3年ほど前から増え始めました。外来種なので除去をしていたのですが、クロメンガタスズメ(蛾)の食草となっているのでおいてあります。

 7月 5日 本町1丁目郷土資料館傍の交差点に昨日降った雨の水たまりがありました。その水たまりにオオシオカラトンボが産卵に来ていました。頻繁に産卵していましたが、2時間後に同じ場所を通った時には水たまりは跡形もありませんでした。

 7月 6日 市役所の環境対策課から里の交差点付近でタヌキの礫死体を環境センターで収容したとの連絡をいただきました。ここ2年ほどタヌキの礫死体の報告はなかったのですが、また貴重な命がなくなりました。桜町のE氏よりキイトトンボを撮影したとの情報をいただきました。鳩ヶ谷市内では見る機会がなかったのですがまだ生息していたのですね。キイトトンボは生息環境の整った水場があれば生きていけるので、探せばまだ見つかるかも知れません。

アズマヒキガエル キイトトンボ(いずれもE氏撮影)

 7月 7日 庭のジャガイモの茎が皆枯れて土がむき出しになってきましたが、オオモンンクロベッコウ(オオモンクロクモバチ)やオオシロフベッコウ(オオシロフクモバチ)の2種類が飛び回っていました。また、付近の草むらではスズメバチかと見まがうばかりのキバネオオベッコウ(ベッコウバチ)がいました。いずれもクモ狩りバチの仲間です。また、久し振りにウズキコモリグモという卵嚢を体につけて歩くコモリグモの仲間を観察しました。数十年前までは畑や空き地の草むらや堆肥置き場などでは普通に見ることが出来たクモですが最近では珍しくなりました。敷石の上ではトウキョウヒメハンミョウが数匹跳ねていました。夕方になりプランターのトマトの葉でツマグロヒョウモンの雄が羽を休めていました。

八幡木2丁目のN氏より、お孫さんが庭でモンキアゲハを採集したとの連絡をいただきました。鳩ヶ谷市内でのモンキアゲハの記録は非常に少なく、50年ほど前に何度か三光稲荷付近で捕獲した経験があるのみで、最近は聞いたこともありませんでした。

 7月 8日 今日も一日中暑い日でしたが、庭先でセスジスズメの幼虫が転がっていました。どうやらスズメに突かれたのか内臓の一部が漏出していました。

 7月 9日 SR鳩ヶ谷駅のダブ会議室で行われた埼玉県生態系保護協会・教育委員長をしている井田太久磨氏の講演を聴講しての帰り道、桜町6丁目6番地付近でナガサキアゲハの雄また、本町2丁目の民家の庭先で珍しくトラノオの花が咲いていましたがキアゲハが飛来、我が家の庭ではアオスジアゲハとアゲハチョウが飛び回っていました。

 7月10日 江川の合流点付近でカルガモ9羽、カワラヒワ1羽、ツバメ3羽等が水浴びをしていました。35℃を越える真夏日でしたので涼しそうでした。

3日ほど前に三ツ和2丁目のHさんから、近所の庭のサボテンから竹のようなものが伸びているとの連絡をいただき、確認に行ったところ正確な名前は解りませんでしたがリュウゼツランの仲間のようでした。

 7月11日 安行慈林の住宅の路上に撒き水がしてあり、そこへカラスアゲハが飛来していました。近年ではカラスアゲハは珍しい種類となりましたが、ついでにコクサギがある別の場所へ行ってみると2頭のカラスアゲハが飛んでいました。この林ではナガサキアゲハ、ウラギンシジミ、ヒカゲチョウ等が飛び回っていました。また、林の巡りに作られた木道では大きな薄黄色のキノコ(ヤマブキハツ?)が生育し、キノコムシの仲間も見つかりました。

夜になり我が家の月下美人が2つ花をつけました。今年は玄関の外側においてあるので香りは漂ってきませんが、毎年綺麗な花を咲かせてくれます。

リュウゼツランの仲間  カラスアゲハ 月下美人の花

 7月13日 連日の猛暑の中でも、蝶は元気に飛び回ってます。アゲハチョウは柑橘類の葉の各所で産卵、クロアゲハとモンシロチョウは色々なところを飛び回っています。5月4日に安行慈林の植物園で撮した幼虫の名前が漸く解りました。アゲハチョウの仲間の幼虫によく似ていますがお尻の近くに突起があるので蛾の幼虫かと思っていましたがクワコの幼虫でした。

 7月16日 19時30分頃から庭先でジーッ、ジーッと鳴く声が聞こえてきました。一瞬ニイニイゼミかと思いましたが単調な声でしたのでクビキリギスのようです。

 7月18日 庭隅でドウガネブイブイがクモの餌食となり、コフキコガネの遺骸をアリが取り囲んでいました。

 7月19日 台風の強い雨の中、シジュウカラが2羽飛来し青いイモムシの仲間を銜えていきました。

 7月20日 家の網戸にアブラゼミが止まっていました、4時間ほどじっとしていましたが柿の木に移動しました。この間一声も鳴きませんでした。今年初認のセミでした。桜町1丁目のSさんからもアブラゼミの声を聞いたとの情報を得ました。同じ日に数カ所でアブラゼミが羽化したようです。

鳩ヶ谷博物誌を書き始めてからのアブラゼミの初認記録を見ると、平年並みの記録のようです。ただ、ニイニイゼミの声がまだ聞こえないのが気になります。早い年には7月初旬に声が聞こえています。

アブラゼミの初認日
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
7/18 7/27 7/24 7/19 7/21 7/20 7/29 7/20

隣家のウメの木にコムクドリの雄が飛来しました。繁殖が終わって秋の渡りに入ったようです。

 7月21日 朝から涼しい日で室内でも24℃でした。今日もアブラゼミが庭で羽化しました。フヨウの葉にはドウガネブイブイが飛来して休んでいました。

 7月22日 坂下町1丁目の見沼代用水遊歩道でニイニイゼミの羽が落ちていました(初認)。

我が家の庭では、今年もゲンノショウコの花が開花しました。エノコログサも大分穂を伸ばしてきました。シロテンハナムグリもここ数日庭を飛び回っています。

 7月23日 今日も比較的過ごしやすい日で連続4日目、これだけ涼しいと節電効果も抜群のことでしょう。温室効果ガス25%削減が無理などという安易な考えが新聞をにぎわせていますが、何の努力もせずに無理というのもおかしな話です。そんなこととはお構いなしに、ツユクサの葉上ではブルーの宝石のようなキバラルリボソハムシが数匹一生懸命葉に穴を空けていました。彼らが食べた後のツユクサの葉には白くなった噛み後が沢山残っています。昨年選定したアオギリの枯れ枝にナガゴマフカミキリが飛来しました。ヒナタイノコヅチの葉陰ではキタテハとアゲハが羽を休め、門柱にはノシメトンボが止まっていました。

庭隅の草むらではオンブバッタが孵化したようで1cmほどのバッタが数匹跳ねていました。その近くには5cmほどの大きさに育ったハラビロカマキリがいました。

 7月24日 湧水公園の池ではシオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ハラビロトンボ、ショウジョウトンボ、オニヤンマなどのトンボ類が飛んでいました。ピンク色のミソハギも満開となりモンシロチョウが数頭飛来していました。見沼代用水の遊歩道ではムクゲの花が咲き、ニイニイゼミが良く鳴いていました。

クワコの幼虫  ヤマブキハツ ニホンカブラハバチ

 7月25日 今年も我が家の庭にミスジチョウが飛来しました。毎年一度だけですが来てくれるので楽しみにしています。

 7月28日 毎年大根の葉や小松菜などの葉に真っ黒なニホンカブラハバチの幼虫が沢山発生しますが、成虫を見る機会が殆どありませんでしたが、漸く写真にとることができました。

夕方になり、近所の庭でミンミンゼミの初鳴きを聞きました。

コンフォール東鳩ヶ谷の敷地内ではワルナスビの小群落がありました。離れてみていると奇麗ですが、これも外来種です。

 7月29日 夜になって、室内の灯りを求めてコガネムシが飛来しました。恐らく日中の出入りの時にでも玄関から一緒に入ってきたのかも知れませんが窓を開けて放しました。また、同じ頃台所の窓にヤモリが訪問してくれました。真っ直ぐに体を伸ばしているので測ってみると12cmもありました。

 7月30日 湧水公園で環境対策課主催の自然観察会を行いました。

観察された生物はアゲハチョウ、キアゲハ、クロアゲハ、アオスジアゲハ、ツマグロヒョウモン、キタテハ、ヒメアカタテハ、モンシロチョウ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、オオスカシバ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウスバキトンボ、アキアカネ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ、キイトトンボ、アジアイトトンボ、クビキリギス、ツユムシ、サトオカメコオロギ、オンブバッタ、ヒシバッタ、イナゴ、アブラゼミ、ニイニイゼミ、キバラヒラタアブ、ルリハナアブ、シマハナアブ、セイヨウミツバチ、フタモンアシナガバチ、キイロスズメバチ、アメンボ、ブチヒゲカメムシ、ホソハリカメムシ、ブタクサハムシ、ツマグロヨコバイ、コモリグモ等、開花植物はミソハギ、ヘクソカズラ、ヒメジオン、ヤブミョウガ、アカバナユウゲショウ、ツユクサ、エノコログサ等でした。帰宅途中、本町2丁目の空き地の草原でナガコガネグモが網を揺すっていました。また、ラクダ坂横の樹林縁ではカラスウリの白い花が咲いていました。

夕方になり庭の枯れ枝置き場に30cmほどのシマヘビがいました。毎年何度か庭で見かけますが1m以上の長さのヘビは見られません。

 

鳩ヶ谷から消えた生物・消えつつある生物 49

キスジトラカミキリ(カミキリムシ科)

 ちょっと見にはスズメバチのようにも見えますが、人には危害を加えないカミキリムシの仲間です。元々鳩ヶ谷市内で多く見られる種類ではありませんでしたが、見る機会が少ない昆虫の一つです。黒色の体に2本の黄色い帯があり、足は飴色で全身に細かい毛がはえています。雑木林の周辺の花に来ることが多い。ハチの仲間に擬態していると言われるが、体型、色合い、動きも素早く、スズメバチの仲間によく似ています。幼虫はケヤキ、サクラ、カキなどいろいろな樹木の伐採木を食べる。

 

地球温暖化を考える(40)

 

仮称・はとがやの湧き水の里に関連して(2)


湧水公園がクールスポット100選に

鳩ヶ谷市湧水公園および法性寺林



登録された環境 池への石積み作業(7月24日)  

小さな公園ですが、現在、周辺の緑地を含めた“はとがや湧き水の里”計画が進行中です。そして、法性寺の社寺林及び湧水公園斜面林は鳩ヶ谷市指定樹林地にとなっており、都市化が進んだ鳩ヶ谷市としては唯一自然環境が整った場所です。また、傍を流れる東縁見沼代用水には緑道があるので市民の散策コースとしても利用されています。

 


 東日本大震災の影響を受け、今年の夏は電力の供給不足が予測される中で、私たちは節電への取組が求められています。そこで夏の電力需要の最大ピーク時に家庭から地域の涼しいところへ移動することにより、家庭のエアコンの電気使用量を減らすことを目的として「彩の国クールスポット100選」を実施しました。

クールスポットとは、夏の午後、近くの涼しく(クール)過ごせる空間や場所(スポット)のことをいいます。例えば、水辺、川べり、公園、公共施設などを想像してください。 今回このような趣旨のもと、近くのクールスポットを募集しましたところ、約450件の応募をいただきました。ありがとうございました。

有識者の選定委員会にて、今回県内276件のクールスポットを選定いたしました。  多くの身近なクールスポットを紹介することが本来の目的であるため、今回は寄せていただいたクールスポットは、複数の応募箇所等を除くなどの作業を行い、ほとんど掲載させていただきました。今回は初めての試みのため、県内全てを網羅しているわけではありませんので、当サイトのツイッタ―をご利用いただき、さらに多くのクールスポットの情報を気軽にお寄せください。

たまに行くクールスポットや毎日行くクールスポット、珍しいクールスポットなど県内各所のクールスポットです。是非ご利用いただき、県内の隠れたスポットに実際に足を運んでいただき、涼しさと共に夏を楽しんでいただければ幸いです(埼玉県のサイトより)。