No.53 2008年11月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (66)

コサギ(サギ科) Egretta garzetta

普通、シラサギと呼ばれるサギの仲間では一番小型のサギです。全身が白く、夏になると頭に冠羽、胸部と腰には飾り羽がでてきます。そして目の周りの裸出部がピンク色に染まります。足は黒く足指は黄色いソックスを履いたように見えます。シラサギの仲間では、足の先が黄色いサギはコサギのみです。昔から私たちの身近にいる鳥でしたが警戒心が強く、なかなか人を寄せ付けません。しかし、最近は釣り人が釣りあげた餌をもらおうと釣り人のすぐ傍で待っているようなサギも現れました。水田があった頃は結構個体数が多く鳩ヶ谷市内でも多くの個体を見ることができましたが、ずいぶん少なくなりました。

自然の記録

11月 1日 気温が下がってきたためか、流石に散策していても昆虫類の姿を見かけることが少なくなりました。庭の日溜まりにルリタテハ、キチョウ、ヤマトシジミ、ツマグロヒョウモンなどが飛来しました。ブロック塀に大きなハエの仲間のベッコウバエが止まっていました。ハエの仲間とは思えないほどきれいです。前翅の地色は黄褐色で、複数の黒紋があります。

11月 2日 ブルドック・ソース工場付近の民家の柿にアカタテハが飛来していました。今年は、例年になくアカタテハを見る機会がありました。

11月 3日 Ha氏より江川と見沼代用水の合流点で、久し振りにカワセミを見たとの情報がありました。夏の間は見ることができませんでしたが移動途中の個体か、または以前に観察されていた個体が戻ってきたのかわかりませんが楽しみが増えました。

ベッコウバエ コクワガタの雄

11月 6日 日溜まりの柿の葉にキイロテントウが張り付いていました。また、台所の周りでオオヒラタゴミムシが走り回っていました。今年は例年に比べモズがよく庭に飛来します。                               

11月 9日 昨日の強い風の影響で、庭の梅の枝に絡んでいたヤマノイモの蔓からムカゴが落ちていました。以前は食べる人も多かったようですが最近は稀に店頭で見かけると珍しいなと思うほどです。

11月14日 ダイコンの葉にナノクロムシ(菜の黒虫:カブラハバチの幼虫)が目立つようになりました。昨日も今日もサザンカの同じ場所にベッコウバエが止まっていました。江川から毛長川を歩いたところ、江川ではカルガモが9羽、普段は汚れた毛長川が水量が多く、オナガガモ29羽、カルガモ22羽、コガモ10羽などが調節池周辺で群れていました。コサギが7cm程のアメリカザリガニを採って食べていました。

11月15日 庭のヒヨドリジョウゴが消えたと思っていたら、隣家との境のヤブの中に大きく育ったヒヨドリジョウゴを見つけました。実が熟し真っ赤になったのでわかりましたが、我が家にはみ出ている枝だけでも1m以上の大きさですので全体ではかなりの大きさのようです。ピラカンサやノイバラも赤い実をつけていますのでしばらく小鳥類で賑わうことでしょう。

ヒヨドリジョウゴ ピラカンサ ノイバラ

11月17日 庭の朽ち木を崩していたところ、コクワガタの雄がのっそりと出てきました。この朽ち木の中で成虫のまま冬越しをする予定なのでしょう。写真を撮った後、朽ち木の上に置いてやると、いそいそと朽ち木の中へ潜り込んでいきました。来年の春に再開できると良いのですが。キチョウやキタテハが時々庭に飛来し、ジョロウグモも相変わらずいくつもの網を張っています。昨日、月下美人を寒さよけのために室内に入れたところ、コカマキリとマルカメムシ数匹が這いだしてきました。マルカメムシは鉢の中で冬越しをするつもりだったのかも知れません。コカマキリは鎌の下方が、赤、白、黒の3色旗のような模様をしています。体は枯れ草色で目立ちませんが、近くで見ると色々とめだった特徴があるのがわかります。

コカマキリの鎌と頭部 マルバスミレ(園芸品種)  オニノゲシ
見事に黄葉したイチョウの木 ドウダンツツジの紅葉 オギの白穂の波(本町2丁目)

11月19日 桜町周辺の秋を探しに出かけました。中央病院の大きなイチョウは見事に黄葉、近くの植木畑ではドウダンツツジが紅葉、ハナミズキが真っ赤な実をたわわにつけていました。2ヶ所で10mほどの茶の垣がありましたが白いツバキのような花が満開でした。県指定のふるさとの森が解除になった三光稲荷は保存緑地となりましたが、まるでジャングルを思わせるようなフジ蔓が垂れ下がり、斜面には、早春を思わせるかのように一面にノビルが生育していました。クサギの葉にムラサキシジミも飛来しました。本町2丁目の林ではヤブミョウガが紫黒色の実をつけていました。

三光稲荷の保存樹林 ノビルの群落

11月20日 歯医者へ行くついでに坂下町あたりをぶらついていたら数カ所の民家でテイオウダリアの見事な花が開花していました。メキシコ原産の花ですが落ち葉の時期に美しい花を咲かせてくれます。眺めていたら通りがかりの奥さんが帝王ダリアとか皇帝ダリアとか言う名前ですと教えてくれました。帰宅する時に隣家の玄関前にも見事な花が咲いているのに気がつきました(灯台下暗しでした)。12時半頃にカキの枝に小鳥が来た気配がしたので覗いてみるとツグミでした。今冬の初記録となりました。過去の記録では11月6日〜12日が初記録でしたが今年は1週間ほど確認が遅くなりました。

テイオウダリア ひっそりと咲くビワの花 アケビコノハ

11月24日 午後から雨天となりましたが、午前中は少しの晴れ間がありダイコンの葉上にオンブバッタが3匹日向ぼっこ。カキの枝に太い黒帯を持った雄のシジュウカラが飛来しました。

11月25日 昨日の雨の影響か、アケビコノハの成虫が通路に落ちていました。上翅は枯れた木の葉のような形と色をしていますが、下翅はオレンジ色の中央に黒い曲玉模様があり、曲玉を囲むように太い黒線がある奇麗な蛾です。

11月30日 庭の片隅にハラビロカマキリの死骸があり、台所の窓に卵塊がありました。葉が落ちた梅の木に今冬初めてのウグイスが飛来し、5羽のスズメを追い払いました。江川にはカルガモ6、オナガガモ3、毛長調節池付近でもオナガガモ7羽が採餌していました。

鳩ヶ谷から消えた生物・消えつつある生物 17

シマヘビ

 シマヘビはアオダイショウやヤマカガシ等のヘビと共に以前は普通に見ることができましたが、近年はずいぶん少なくなりました。我が家の庭には、稀に出現します。恐らく隣家の庭が放置されているので、そこから侵入してくるのでしょう。ヘビが生息しているのは餌である昆虫や小動物が豊富であることの証です。写真を撮った後は自由にしてもらっていますが、いつの間にか庭から消えています。

 

地球温暖化を考える(9)

コスタリカの雲霧林の減少

ケツアール雌 ケツアール雄

 手塚治虫の「火の鳥」のモデルと言われるケツアール(カザリキヌバネドリ)が生息する雲霧林も開発が進んでいます。モンテベルデでは鬱蒼とした雲霧林内に細い遊歩道があり、自然公園の入園料を支払うと共に人数制限があり、エコツアーとして一般の人も簡単に出会うことが可能です。しかし、雲霧林の周辺は開発が進み、山肌が露出しているところが多く見られます。

 一方、サベグレと言う場所でもケツアールが生息していますが、ここはエコツアー用のコテージが沢山並び、モンテベルデ以上に開発が進んでいます。原生林が消失するたびに何百種、何千種という生物が絶滅していきます。

サベグレの環境

熱帯雨林は地球上の陸地面積の1割にも満たないが、生物の約半分は熱帯雨林に生息していると考えられています。まだ発見されていない生物が生息している可能性があります。それほど熱帯雨林は豊かな森なのです。人間がほとんど手を加えずに昔の姿のままの熱帯雨林はまだ残っていますが、貴重な熱帯雨林、このままでは近い将来消滅するのではないかと言われています。

豊かな熱帯雨林が減少しているのはなぜか、その理由は国により事情が異なりますが、

  1. 現地の人々が火を燃やす「まき」として使っている。
  2. 森林を焼いて灰にし,灰を肥料として農業を営む「焼畑農業」が盛んに行われている。
  3. 急激な人口増加により,「まき」としての利用や「焼畑農業」の広がりが、森の再生能力を超えてしまった。
  4. 先進国(豊かな国)向けの農作物やゴムを作るプランテーションをつくるために,森林を伐採している。
  5. 熱帯林を伐採し諸外国に木材を売ることによって重要な外貨獲得(お金儲け)の手段となっている。
  6. 生活の貧困のための違法な伐採が後を絶たない。

等があります。