No.48 2008年 6月 |
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撮影場所:芝川 |
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ササゴイは夏鳥として日本に渡来し、九州地方では一部越冬するものもいるようです。ゴイサギに似ていますが、少し小型です。成鳥は頭上が黒く、背と雨覆は青緑色光沢のある灰黒褐色、下面は淡い淡灰色。足と目は黄色です。幼鳥は褐色で体中に白い斑点があるので、ゴイサギの幼鳥と誤認されやすい。
主に夜行性であるが、日中もよく活動して採餌をします。主に小魚などを捕りますが、アメリカザリガニなども好物のようです。以前、池の縁で座っていたらササゴイが目の前に降りてきて、いきなりアメリカザリガニを銜え、振り舞わして全ての足を取り除き頭から飲み込んでしまいました。その間数分の出来事でしたが、流石に飲み込む時だけは苦労していました。
ササゴイは池や川の畔で葉を銜えて水面に落とし、そこによってくる魚を捕らえるルアー釣りのようなことをする鳥としてニュースにもなりました。
夏の夜などは、キューキューキューというような声を出しながら飛んでいることもあります。声が特徴的なので姿が見えなくても、その存在がわかります。
6月 1日 久し振りに晴れ上がって暑くなってきたが、ツマグロヒョウモンが本町2丁目から3丁目付近で数匹飛び回っていました。鳩中の体育館脇、本町3丁目の宗教法人敷地内にオニノゲシ、本町2丁目のアパートの植え込みにアメリカオニアザミ3株、いずれもトゲのするどい葉の植物がありました。庭ではルリシジミを今年初めて確認しました。マダラガガンボがブロック塀で交尾、コメツキムシの仲間のオナガコメツキおよびクロツヤハダコメツキが柿の木の周辺で活動しています。
6月 2日 昨日に続いて、今年初めてのサトキマダラヒカゲが飛来して、物干しに止まりました。一日中雨が降りそうな天気であったが日中は降らずに済みましたが、隣家のアンテナでオナガが鳴いていましたが、昔からの言い伝えで“オナガが鳴くと雨が近い”という、生活の知恵から生まれた言葉ですが 観天望気(かんてんぼうき)先人の知恵や体験を伝承していくことは大事なことでしょう。オナガは家の近くで繁殖しているらしく、“抱卵斑”(お腹の毛がボサボサになった)が出来ていました。
6月 3日 今日から梅雨入り、一日中降雨。雨を避けてクズの葉裏にハラビロカメムシ2匹、マルカメムシが20匹ほど数珠繋ぎに並んでいました。いずれも豆科の植物を好むカメムシです。庭中にドクダミの白い花が咲き乱れています、雑草と抜いてしまう人もいますが十薬と呼ばれる薬草でもあり、昔は傷薬に今はドクダミ茶として汎用されています。イチリンソウやニリンソウと同じように愛でる人が少ないのは残念です。
群れて咲き見頃になりしドクダミの白き花々見る人もなく
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アンテナに止まるオナガ | サトキマダラヒカゲ | 雨に濡れるドクダミの群落 |
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6月 4日 久し振りに晴れて暖かくなったので、我が家の庭でも小さな昆虫類が活発に動き出しました。ナナホシテントウ、ニジュウヤホシテントウ、ルリクビボソハムシ、アトボシハムシ、トビハムシの一種、オオヨコバイなど、これらの餌を狙ってササグモ、ハラビロカマキリ、キイロホソガガンボなどが観察されました。
6月 6日 庭のクズにコフキゾウムシという5mm位の白っぽい個体と薄緑色をした個体が活発に活動していました。クズの葉裏ではハラビロカメムシが交接中、家の前の道路上にサトキマダラヒカゲの遺骸が落ちていました。
6月 8日 中央病院方面からウグイスの声が聞こえてきました。今年も越夏しているようです。 庭のトマトや月桂樹の葉にカノコガが2頭飛来しました。クマバチも日課のように花々に訪れています。クチナシの葉上でササグモがツマグロオオヨコバイを捕獲しました。その他、コアシナガバチ、ハグロケバエ、ハラビロカマキリ、マダラガガンボ、キイロホソガガンボ、クロフヒゲナガゾウムシ、コフキゾウムシ、ツノカメムシなどが飛来しました。月桂樹の葉にハラキンミズアブという体長4〜5ミリ、胸部は青緑色で金属光沢に富む美しいアブの仲間がいました(腹部はメスが藍青色、オスは橙黄色)。
川口市の中学生Ku君より、法性寺の境内で、モンシロチョウ、クロアゲハ、ルリシジミ、ミズイロオナガシジミ、ウラギンシジミ、サトキマダラヒカゲ等を観察したとの情報を得ました。このうち、ミズイロオナガシジミは平地林では普通に見ることが出来るシジミチョウの仲間でしたが、今では珍しい記録となりました。
6月 9日 雨の中、オカダンゴムシ、ナメクジ、ムカデ、オオミスジコウガイビル、オオヒラタシデムシ、ツチカメムシ等が元気で活動していました。雨が降ると喜んでいる生物も結構いるものです。お陰様で枯草・剪定枝やコンポの後処理をしっかりやってくれるので、生ゴミの日には“生ゴミや庭からの廃棄物”は全く出さずに済んでいます。
2年前に剪定した直径20cm、長さ2m程の丸太が完全に腐食し、クワガタ、コガネムシ類、カブトムシ等の幼虫がいました。
夕方、5時半頃に雨が上がり、庭へ出ると黒いイトトンボのような昆虫が飛んでいました。カメラをもって追いかけるとコデマリの枯れ枝に止まったので撮すことが出来ました。
先端が白い針のような産卵管をもち、後ろ足は筋肉もりもりの変わったハチの仲間で、コンボウヤセバチという寄生蜂の雌でした。このハチはハナバチの幼虫に卵を産み付けて寄生をするようです。市内にも変わった昆虫が生息していますね。
6月13日 晴れたので法性寺ふるさとの森へ。ナミアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、ヒカゲチョウ、ツマグロヒョウモン、モンシロチョウ、ルリシジミ、ヤマトシジミ、カナブン、シロジュウシホシテントウ、コシアキトンボ、ヤンマの一種(上空飛翔で識別不可)、シオヤアブ、セイヨウミツバチ、植物では開花後のギンラン5株、タケニグサなど。
湧き水公園では、ショウジョウトンボ、ギンヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ナミアゲハ、キアゲハ、クロアゲハ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、ベニシジミ、ルリシジミ、オオスカシバ、ヒラタハナムグリ、アメリカミズアブ、マガリムシヒキアブ、オオアメンボウ、アズマキシダグモ、ヤサガタアシナガグモ、メダカ、アメリカザリガニ、ウシガエル等が観察できました。
パンの上をツツジグンバイという相撲の行司が使う軍配に似た2mm位の大きさの昆虫が歩いていました。また、ツヤマルシラホシカメムシ(ムラサキシラホシカメムシ)が台所を歩いていました。
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クズの葉のコフキゾウムシ | サトキマダラヒカゲ | 孵化直後のコカマキリ |
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マルカメムシとアリ | ハラキンミズアブの雄 | コンボウヤセバチの雌 |
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ツマグロオオヨコバイ | ショウジョウトンボ | 湧き水公園 |
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6月15日 雨水を溜めた容器の中にクロフヒゲナガゾウムシが落ちていましたが、見つけるのが早かったので何とか歩くことが出来ました。庭隅ではカノコガが交接しており、ウメのアブラムシを求めてテントウムシやニジュウヤホシテントウの幼虫や成虫が沢山集まっていました。
6月17日 ブドウスカシクロバ(蛾)がイヌ走りの上で3時間近く交接していました。壁ではシラヒゲハエトリ(蜘蛛)が餌を探して歩き回っていました。倉庫の壁に緑色の葉のようなものがあるなと思い近づいてみるとアオスジアゲハの終令幼虫でした。通常はクスノキを食草としているのですが、恐らく月桂樹(クスノキ科)の葉を食草として成長したものと思われます。翌日の朝には蛹になっていました。折角葉のような擬態になっているのに、目立ち安いところで蛹にならなくてもと思いますが。
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若齢幼虫 2003.07.27撮影 | 終令幼虫 | 蛹 |
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6月21日 朝方に小雨が降った後で蒸し暑くなった。地上では原始の世界にもどったように、三葉虫に似たオオヒラタシデムシの幼虫があちらこちらで蠢いており、成虫も数カ所で交接中、オカダンゴムシ、ナメクジ、ムカデ、オオマルガタゴミムシ、カナヘビなど、まるで恐竜の世界です。昼過ぎてからヒカゲチョウ、キマダラセセリ、ナミアゲハ、ヤマトシジミ、ダイコンハムシ、テントウムシハムシの仲間、等が飛来しました。
台所のガスレンジの周りに1mm程度の昆虫が沢山歩いていたので、虫眼鏡で見ると頭と胴が飴色で腹部が黒いヒメアリでした。
6月23日 雨上がりの庭ではナミアゲハ、キアゲハ(今年、庭では初記録)、ヒカゲチョウ、ヤマトシジミ、ホシハラビロヘリカメムシ、ツチカメムシ、マルカメムシ、アカシマサシガメ、ナミテントウ、ニジュウヤホシテントウ、コフキゾウムシ、等が活動していました。初顔は、1cmにも満たないクロスジオトメマイマイ(カタツムリ)の仲間、ホウズキにいた5匹のスグリゾウムシ、体が緑色の小さなアシナガバエの仲間2匹、など賑やかな一日でした。また、ホウズキの葉裏にホウズキカメムシが沢山の卵を産みつけました。
6月24日 庭のヒナタイノコズチにヒメカメノコハムシが飛来しました。その他、セマダライエバエ、キンバエの1種、背中が人面型をした美しいウシカメムシの幼虫、などが我が家の庭では初記録です。
6月25日 庭の各種の植物に色々な昆虫が飛来しました。サキグロムシアブ、ハラナガツチバチ、オオクロバチ、ルリイロナガハナバチ、トウキョウヒメハンミョウ、ヤマイモハムシ等、ここの所、初めてのお客様が多く名前を調べるのも大変です。
6月27日 家の前の道路上をツマグロヒョウモンの終齢幼虫が歩いていたので、庭のスミレの葉に移したところむさぼるように葉を食べていました。庭ではダンダラテントウ、ナミテントウ、クサギカメムシの幼虫から成虫までの個体がボタンクサギ、ジャガイモあるいはクチナシなどに集まっていました。恐らく庭の何処かで孵化したものと思われますが、幼齢のカメムシを狙って、ハラビロカマキリの若い個体数匹が狙っていました。また、サキグロムシヒキがキイロガガンボを捕らえて体液を吸っていました。狭い庭でも弱肉強食の闘いが毎日行われています。家の中には小さなヒメカメノコテントウが入ってきました。
昨年は一株であったヤブカンゾウが今年は3株が蕾をもちました。
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サキグロムシヒキとキイロガガンボ | クロスジオトメマイマイの仲間 | ウシカメムシの幼虫 |
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鳩ヶ谷から絶滅した生物・絶滅しつつある生物 12
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撮影地:新座市平林寺 2008.05.21 |
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翅の色はオレンジ色ではあるけれどアカシジミという名がついています。平地林ではミズイロオナガシジミと共に比較的普通に見られる種類ですが、私が子供の頃でもそれほど多くありませんでしたが、近年鳩ヶ谷市内では全く目撃していません。
主に西公団や里地区などの林に生息していました。クヌギ、クリ、エゴの花などに飛来しますが、早朝には草の裏などに止まっていることもあります。
今回は、南米のエクアドルに所属するガラパゴス諸島からです。2008年1月にガラパゴス諸島の 現状を見たいと思い現地へ行って来ました。島に宿泊して毎日異なった島を散策しましたが、現地で の行動は全て専門の教育を受けたガイドが同行し、指定の場所以外は立ち入り禁止となっています。 ガラパゴスの生物は自然淘汰や適応を繰り返して今の地位を築き上げてきましたが、現在は人為的な 影響がかなり大きな問題となり、その一つがイグアナの交雑問題です。
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ウミイグアナ | リクイグアナ | ハイブリツド(交雑)・イグアナ |
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ガイドの説明によれば、ガラパゴス諸島のサウスプラザ島(South Plaza Island)に生息するハイブリッドイグアナは地球温暖化によって起こると見られる気候変動により海水温が大きく変化し、ウミイグアナの主な食料である海草が減少し、新たな食料を求めてウミイグアナが陸に住みつき、その中の一部の雄が雌のリクイグアナと交配して出来たものである。ウミイグアナは海岸の岩場に住みつき四肢には水掻きと爪が発達している。主に海中で海草を食べているが、潮の流れに流されないように鋭い爪で岩にしがみつき安定した姿勢で海草を食べることが出来る能力を持っている。一方、リクイグアナは海岸から離れた島の陸上に住みつき、ウチワサボテンなどを主な食料とするがウミイグアナと違い鋭い爪を持たずサボテンに自ら登ってそれを食べることが出来ず、自然に落ちてくるサボテンの花などを食べている。ところが、ハイブリッドイグアナは鋭い爪をもっていることからサボテンに上って直接食べることが出来るため、リクイグアナにとっては今後脅威となるのではないかと言っていました。