No.30 2006年12月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (43)

スズメ(ハタオリドリ科) Passer montanus

求愛ダンスをするスズメ 木についている虫を食べる
求愛ダンスをするスズメ 木についている虫を食べる

人と一番身近な鳥と言われるスズメ、誰でも知っているはずのスズメである。しかし、頭の色は、ほっぺたは、尾の形は、等と聞かれると即座にこうだよと答えられる人は少ないのではないだろうか?

日本中、人家のあるところスズメのいない場所はないと言われてきたスズメであるが、近年スズメが減少している様に感じる。特に鳩ヶ谷市内では水田や畑が無くなったためか、100羽、200羽とまとまった群れスズメを見ることは郊外でも行かないと見られなくなってしまった。

日本には普通のスズメと冬に渡ってくるニュウナイスズメ、さらにごく稀な記録としてヨーロッパをはじめとして世界中に分布を拡大しているイエスズメが記録されています。

スズメは稲を食べる害鳥と言われていますが、一方では繁殖期には多くの昆虫類を捕らえて雛の餌として動物蛋白質を供給している益鳥です。

年が改まった朝にスズメを見ると何故か新鮮な感じがするところから「初雀」と俳句の季語になっています。

臥す母の前に髪梳く初雀   野沢節子

自然の記録:

12月 2日 オナガ10羽+、ツグミ、ヒヨドリがタチバナモドキの実を食べに来て賑やかである(桜町6丁目)。

12月 3日 オナガ数羽が本町3丁目の見沼用水沿いの斜面林で、ヒヨドリと共に採餌していた。この斜面林も鳩ヶ谷市の貴重な林である。

12月 4日 熟し柿の残っている柿の木に、ハシボソガラス、ヒヨドリ5羽、ツグミ3羽、メジロなどが次々と訪れている。甘みが増して美味しいのであろう。キセキレイが鳴きながら上空通過(桜町6丁目)。

12月 6日 夜明け前、東の空が赤みをましてきた頃にオナガの群れが飛来した。柿の実を食べに集まってきたのだ。シルエットで10羽いるのがわかった。この群れは安行慈林方面と桜町6丁目周辺を行動域にしているようだ。

天神橋付近芝川にユリカモメ12羽の群れが飛来し、水に浮かびながら頻りに採餌していた。

12月 8日 一日中雲の多い日であったが、本町4丁目の江川でカルガモ7羽、見沼用水沿いに咲いているサザンカにメジロ2羽が来ていた。

12月10日 鳩ヶ谷東公団バス停付近の枇杷の木にメジロとスズメが来ていた。ここ数日市内を歩いていると、メジロの姿をよく見かけるようになった。それと共に家庭で飼養しているメジロ・ヒガラ・ホオジロ・ウグイスなどの籠の上や近くに落とし籠を置いてメジロを捕獲しようとしているのをよく見かける。これは鳥獣保護法から言えば違法である。“やはりのにおけスミレ草”ではないが、野鳥は自然の中にいてこそ美しいものである。

12月12日 雨の中コサギとキセキレイが上空を通過した。ウグイスが笹鳴きを始め、久し振りにモズの声を聞いた。

12月18日 柿の実が無くなり、タチバナモドキの実も全て食べ尽くしてしまったため、柿のヘタの残りなどをツグミが食べていた。残っているのはマンリョウ、ヒヨドリジョウゴの赤い実が少々、ウグイスも日参、オナガも良く飛んでくるが流石に餌がないため通過してしまう。隣家の栗の葉が毎日落ちてくる、2日日間でゴミ袋3袋分程度、コンポストと庭の堆肥に。毎年、落ち葉とコンポストの堆肥のお陰でジャガイモとダイコンの出来が良くなってきた。隣家の落ち葉もバカにしたものではないと思っている。

12月20日 天神橋付近の芝川でコガモ3羽が泳いでいた、草陰にはもう少しいたのかも。

12月21日 三光稲荷ふるさとの森を散策、ヒヨドリの声のみしきりと聞こえた。歩道脇にヒヨドリによって運ばれた100株以上のシュロの木が芽生えていた。これも温暖化の影響と言われている。50年ほど前にはこれほど多くのシュロの木を見ることはなかった。庭の柿の木に久し振りにジョウビタキの雌が飛来した(桜町6丁目)。

12月24日 冷たい風の中をキセキレイがいつものように上空を通過した。

12月27日 昨日の強い雨の後、今日は大変暖かい日であったためか、ノゲシ2株が短い茎を伸ばして開花した。キセキレイは毎日のように上空を通過した。ウグイスもほぼ毎日のようにやってくる。


2006年度(No.19〜28)に記載した生物の記録

野鳥    カワウ、コサギ、ゴイサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、イソシギ、セグロカモメ、ユリカモメ、カッコウ、キジバト、コゲラ、ジョウビタキ、ツグミ、ヒヨドリ、モズ、ツバメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイ、シジュウカラ、ウグイス、メジロ、オオジュリン、アオジ、カシラダカ、カワラヒワ、ムクドリ、スズメ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(33種類)

動物    タヌキ、ハクビシン(二次野生化)、イタチ、チョウセンシマリス(二次野生化)、アオダイショウ、ジムグリ、カナヘビ、ヤモリ、コウガイビル、ジグモ、シラヒゲハエトリ(10種類)

昆虫    ウスバキトンボ、ギンヤンマ、アキアカネ、ノシメトンボ、ヨコジマオオヒラタアブ、ホソヒラタアブ、チュウレンジバチ、オオモンクロベッコウ、ルリチュウレンジバチ、フタモンアシナガバチ、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、オオマルハナバチ、ヨーロッパミツバチ、アメリカミズバエ、ハラビロカマキリ、ウスバカマキリ、コバネイナゴ、ツズレサセコオロギ、カネタタキ、シバスズ、オンブバッタ、ミカドガガンボ、ヤマトクロアリ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ニイニイゼミ、ホウシゼミ (28種類)

蝶類:ナミアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、キアゲハ、アオスジアゲハ、ナガサキアゲハ、ゴマダラチョウ、ミスジチョウ、コミスジチョウ、ルリタテハ、キタテハ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、モンキチョウ、ツマキチョウ、モンシロチョウ、キチョウ、ヤマトシジミ、ウラギンシジミ、クロヒカゲ、ヒカゲチョウ、キマダラヒカゲ、(22種類)

蛾類:フユシャク、ミノガ、カノコガ、マエキエダシャク、ウメエダシャク、ホタルガ、コトラガ、イラガ、フユシャク、(9種類)

甲虫類:キイロテントウ、テントウムシ、ナナホシテントウ、ヒメカメノコテントウ、ニジュウヤホシテントウ、ヒラタアオコガネ、カナブン、アカスジキンカメムシ、ホシハラビロカメムシ、キバラヘリカメムシ、マルカメムシ、ホンハラビロカメムシ、オオヒラタゴミムシ、クロビロードコガネ、アカビロードコガネ、マルガタゴミムシ、コアオアマルガタゴミムシ、アオオサムシ、カバイロコメツキ、クワハムシ、タケイフナガタハナノミ、ヒメハンミョウ、マルモンサビカミキリ(23類)

植物    ビワ、レンギョウ、ソメイヨシノ、ウメ、ハクレン、クコ、スノウドロップ、ラッパズイセン、シャガ、ノボロギク、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、キュウリグサ、ハハコグサ、ハルジオン、チジミザサ、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、セイヨウタンポポ、カントウタンポポ、(交雑タンポポ)、ノゲシ、キクイモ、ホトケノザ、クサイチゴ、ヤブカンゾウ、ニリンソウ、ムラサキケマン、キケマン、タチツボスミレ、スミレ、ハコベ、ミミナグサ、ヤエムグラ、イシミカワ、ヤブガラシ、カラスウリ、ニガウリ、カタバミ、ムラサキカタバミ、クサノオウ、ヘビイチゴ、カラスノエンドウ、タケニグサ、カラスビシャク、ヒルガオ、コヒルガオ、チガヤ、オヒジワ、メヒジワ、カヤツリグサ、チカラシバ、オギ、テイカカズラ、ツユクサ、ネジバナ、アマエリカオニアザミ、ベニバナボロギク、ヨウシュヤマゴボウ、ヘクソカズラ、ヒガンバナ、アレチウリ、スベリヒユ、イタドリ、イヌタデ(63種類)

キノコ類:アミガサタケ(1種類)