No.174 2018年12月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (187)

ハシビロガモ(カモ科)

 

ハシビロガモはヨーロッパ、シベリア、北アメリカなどの全北区で繁殖し、温帯からアフリカ、インド、中央アメリカなどに渡り越冬することが知られている。日本でも冬には普通にみられる種類で淡水の沼や川などに渡来し、北海道では繁殖するものもある。嘴が長く先がショベルのように幅広く、側方の櫛状の歯板が発達している。円を描きながら水面採餌する習性があり、水生小動物を主食とする。雄は頭部が緑黒色、胸と背が白く、わきから下胸が栗茶色で翼の雨覆部は淡青色である。虹彩は黄色、足は橙色である。雌はカモ類に共通の茶褐色系の色をしており、目つきが鋭く感じる。

自然の記録:

11月 3日 旧芝川を散策、ようやくヒドリガモの小群(雄成鳥8羽、幼鳥羽2羽、雌5羽)が飛来し、カルガモ、コガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、ホシハジロの6種類がそろいました。ユリカモメが2羽今期初飛来、ウグイスも葦原で地鳴きが聞こえ、種類数は20種類でした。アキアカネ、ツマグロヒョウモンもまだ健在でした。オートレース場裏では数か所でタヌキの体臭がしていました。野生化したトマトやオシロイバナが開花し、ワタの花も開花し始めました。川の中には外来種のミズヒマワリが繁茂して、場所によっては川面を埋め尽くしていました。ミズヒマワリは中央・南アメリカ原産の植物で特定外来生物・緊急対策外来種に指定されています。大量に増殖すると水路の水の流れが悪くなり、在来の水生植物との競合などの影響が出てきます。しかし、水辺に生息するカモ類やクイナの仲間にとっては良い休憩場所であり、餌場となっているようです。

羽繕い 足を使って魚を追い出す 魚を捕える

11月 7日  赤山歴史自然公園の池の周りを散策、工事中の場所が多く水鳥類は少なめであったが、カルガモ、マガモの雌、オオバン、バン、アオサギ、ダイサギ、コサギ等がいました。安行の興禪院ではモミジが盛りを過ぎていましたが、緑の苔の上に落ちている赤いモミジがきれいでした。墓地の奥まで行くと大きな木の根元に“木の根地蔵”がありました。年月とともに、木の根が成長して小さな地蔵様を包む様に取り込んでしまったようです。体全体を圧縮されるように包まれている地蔵さんは苦しそうにも見えました。

興禪院正門入り口付近  木の根地蔵 苔の上のモミジ
工事中の池 (赤山歴史自然公園)  奥の池
マガモの雌 餌を探すダイサギ コサギ

12月 8日 はとがやに里山をつくる会の会員6名で、豊田の森で竹の間伐作業を行いました。20本ほどの竹を間伐し竹林内を整備しましたが、駐車場から投棄されたペットボトルやコーヒーの空き缶などが沢山落ちていました。竹林にはいるたびに拾い集めていますが投棄は続き治まることはないでしょうね。

間伐作業 篠竹除去後の斜面 整備後の竹林内

12月10日 カキの木にスズメが集まり、熟柿を食べていましたが、いつの間にかコゲラも仲間入りをしていました。

12月14日 庭のノゲシの背丈が1m近くになり、黄色い花をつけはじめました。ホトケノザも開花、近所の家ではスイセンが開花していました。まだ、モンキチョウも飛んでいました。

12月15日 昨日から流星群が見られる可能性があるというので楽しみにしていたが、昨日は曇天で星がほとんど見えず。夕方に灯油を売りに来たので待っている間に空を見上げていたところ、かなり遠方で細い流れでしたが、数分の間に流れ星を3回見ることが出来ました。

12月16日 我が家のカキの木と隣家のカキの木が5本、まだ熟柿がたくさん残っており、メジロ、シジュウカラ、スズメ、ムクドリ、オナガの群れが毎日集まってきますが、メジロ>スズメ>オナガ>ムクドリ>ヒヨドリの順位があるようで、常に追いつ追われつ、を繰り返しています。カキの実は充分にあるが、常に優先順位があるようです。

熟したカキの実 ムクドリに追われるオナガ カキを食べるメジロ

12月21日 鳩ヶ谷大橋から青木水門の間の新芝川で、今季初記録のカンムリカイツブリの冬羽が1羽泳いでいました。潜水、羽繕いなどをしながら泳いでいたので、散歩途中の人たちが珍しげに見ていました。カモ類の個体数が増えてきましたが、6種類69羽と例年に比べて少なめでした。

羽繕いをするカンムリカイツブリ ジョウビタキ 雄

地球温暖化を考える(126)

在来生物の保護のために

私たちの身の回りで見かけることの多い、セイヨウタンポポやセイヨウミツバチ、ブルーギル、ブラックバス、ウシガエル、ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)など、これらは全て日本の生態系には存在しなかった外来生物です。島国でありながら独自の生態系を保護する対策をみんなの危機感が薄かった事もあり、外来生物が大量に生息し在来生物の多くが絶滅してしまいました。例えば、ペットショップなどで販売されているミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)やメダカ等を飼いきれなくなって池や川に放してしまうことは、外来生物を自然の生態系の中に入れてしまうことになります。生き物を飼うときは、最後まで責任を持って飼うことが在来生物の保護に繋がります。外来生物とはいえ、生きものがいるのならよいではないかとう人もいます。しかし、外来生物は、(1)在来生物を食べる、(2)在来生物と交雑して雑種をつくる、(3)在来生物の生息環境や餌を奪う、(4)在来生物の生息環境を荒らす、(5)寄生虫や感染症などを持ち込む、等といったことにより生態系へ悪影響を与えます。外来生物の侵入によって、在来生物の種類や数が減少してしまうこともあるのです。外来生物も生きものですが、本来の生息地ではない場所で繁殖すると、その地域固有の生態系にとって好ましくありません。また、在来生物でも、生息している地域によって性質などが異なることもあり、もとの生息地ではない場所へ持ち込むことは好ましくありません。庭で育てている植物でも、種子や根などを廃棄すると野外で増加するので好ましくはありません。この程度ならと軽い気持ちで放棄すると大変なことになります。

キバナコスモスの群生 ツタバウンラン オッタチカタバミ
ヒメフウロ ウシガエル ミシシッピアカミミガメ

2018年度に観察された生物

野鳥:アオサギ、アオジ、アカハラ、イソシギ、イソヒヨドリ、ウグイス、オオジュリン、オオセグロカモメ、オオバン、オナガ、オナガガモ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、カワセミ、カンムリカイツブリ、キジバト、キセキレイ、キンクロハジロ、クイナ、ゴイサギ、コガモ、コゲラ、コサギ、コチドリ、コムクドリ、シジュウカラ、ジョウビタキ、スズメ、セグロカモメ、セグロセキレイ、ダイサギ、チョウゲンボウ、ツグミ、ツバメ、イワツバメ、ハイタカ、ハクセキレイ、ハシブトガラス、ハシブトガラス、バン、ヒドリガモ、ヒヨドリ、ホオジロ、ホシハジロ、マガモ、メジロ、ムクドリ、モズ、ユリカモメ、ヨシガモ、ドバト(52種類)

 

動物: アライグマ、ハクビシン、ヒバカリ、ヤモリ、アブラコウモリ、イシガメ、ミシシッピアカミミガメ、クロベンケイガニ、アカテガニ、ボラ、コイ、カダヤシ、クロコウガイビル、ギンメッキゴミグモ、ササグモ、シラヒゲハエトリ、ナカヒラハエトリ、ネコハエトリ、ミスジハエトリ、ワラジムシ(20種類)

昆虫類:ザトウムシ、アトジロサビカミキリ、カブトムシ、ヒラタハナムグリ、ツマグロオオヨコバイ、クロウリハムシ、ウリハムシ、ツユクサハムシ、ハンノキハムシ、キイロテントウ、ニジュウヤホシテントウ、ナナホシテントウ、アカスジキンカメムシ、ブチカメムシ、クモヘリカメムシ、ハリカメムシ、ホソハリカメムシ、ナガメ、ビロウドツリアブ、コクワガタ、カナブン、アオハナムグリ、コハナムグリ、オオウバタマコメツキ、オオヒラタシデムシ、シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリ、スジコガネ、ヒゲブトハナムグリ、マルガタゴミムシの仲間、トラフコメツキ、ヒメアシナガコガネ、キマワリ、サビキコリ、サビクチブトゾウムシ、キイロトラカミキリ、トウキョウヒメハンミョウ、マダラカマドウマ、クワカミキリ、ケラ、オオハナアブ、シオヤアブ、ニホンミツバチ、ヨーロッパミツバチ、マダラガガンボの仲間、メスアカケバエ、ニホンカブラハバチ、クロムネハバチ、ヒメバチの仲間、マルカメムシ、ヨコヅナサシガメ、ヨツスジトラカミキリ、アオスジアゲハ、アカタテハ、アカボシゴマダラ、イチモンジセセリ、キアゲハ、キタテハ、キチョウ、キマダラセセリ、キマダラヒカゲ、クロアゲハ、コミスジ、ツマキチョウ、ツマグロヒョウモン、ナガサキアゲハ、ナミアゲハ、ヒメアカタテハ、ヒメウラナミジャノメ、ベニシジミ、ムラサキシジミ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ルリシジミ、ルリタテハ、ヤマトシジミ、ウスオエダシャク、ウメエダシャク、ウスグロツヅリガ、オオウンモンクチバ、オオスカシバ、カノコガ、シロオビノメイガ、シロマダラノメイガ、キイロスズメ、クロメンガタスズメ、クワコ、スカシノメイガ、スジベニコケガ、ナカグロクチバ、ニセリンゴハマキ、マダラマルハヒロズコガ、モンクロシャチホコ、ワタノメイガ、ヒゲブトクロアツバ、ヨトウガ、ヨモギコヤガ、キアシナガバチ、キンケハラナガツチバチ、セグロアシナガバチ、コガタスズメバチ、オオスズメバチ、オオモンクロクモバチ(オオモンクロベッコウ)、ヒラタアブ、チョウバエ、アジアイトトンボ、ウスバキトンボ、ギンヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ハグロトンボ、クサカゲロウ、ウスバカゲロウ、ホリカワクシヒゲガガンボ、アブラゼミ、クマゼミ、ツクツクホウシ、ニイニイゼミ、ミンミンゼミ、アオマツムシ、ウスグモスズ、エンマコオロギ、オオカマキリ、ハラビロカマキリ、オンブバッタ、クルマバッタモドキ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ、ヒシバッタ、ハラオカメコオロギ、マダラノミバッタ、クサキリ、 (136種類)  

植物:イヌキクイモ、アケビ、アメリカアゼナ、アメリカスミレサイシン、アメリカセンダングサ、アメリカハナミズキ、アメリカフウロ、アリウム・ネアポリタナム、アレチウリ、イヌガラシ、ウラシマソウ、ウラジロチチコグサ、エゾノギシギシ、エノキ、オオオナモミ、オオアラセイトウ、オオイヌノフグリ、オオカワジシャ、オオブタクサ、オッタチカタバミ、オニタビラコ、乙女ツバキ、オニグルミ、オニノゲシ、オランダガラシ、オランダミミナグサ、カキドオシ、カラスノエンドウ、カントウタンポポ、カワジシャ、ギシギシ、キバナコスモス、キュウリグサ、キンミズヒキ、クサイチゴ、クワ、ゲンペイコギク、コオニタビラコ、コセンダングサ、コハコベ、コブシ、コメツブツメクサ、交雑タンポポ、皇帝ダリア、紅梅、枝垂れウメ、サンシュウ、シャガ、シュロ、シロダモ、シロツメクサ、スノーフレーク(スズランスイセン)、セイタカアワダチソウ、セイバンモロコシ、セイヨウタンポポ、セイヨウカラシナ、セイヨウナノハナ、ソメイヨシノ、タガラシ、タコノアシ、タネツケバナ、タマガヤツリ、ツクシ、ツユクサ、ドウダンツツジ、ナガミヒナゲシ、ナズナ、菜の花、ニリンソウ、ノカンゾウ、ノシラン、ノボロギク、白梅、バイモ(アミガサユリ)、ハナカイドウ、ハナニラ、ハナミズキ、ヒガンバナ、ヒメオドリコソウ、ヒメリュウキンカ、ヒュウガミズキ、ヒヨドリジョウゴ、フキ、ボケ、ホトケノザ、マンサク、ミズヒキ、ミチタネツケバナ、ムベ、ムラサキツメクサ、モクレン、ヤエムグラ、ヤツデ、ヤブラン、ヤナギ、ヤマブキ、ヤマボウシ、ユウゲショウ、ユキヤナギ、ライラック、レンギョウ(99種類)