No.23 2006年5月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (36)

アマサギ(サギ科) Bubulcus Ibis

アマサギ

夏鳥として渡来し北海道以南で繁殖する。市内で見かけるコサギよりも小さい。白いサギの仲間では珍しく夏羽になると頭から首にかけてと背から腰にかけて美しいオレンジ色の装いとなる。以前はショウジョウサギとも呼ばれていた。松並木が変電所周辺に存在していた頃、三ツ和から八幡木、里地区などの水田では春から夏にかけて少なからず見ることが出来た。野田の鷺山が消失し、鳩ヶ谷市の環境が変化し始めた頃には、アマサギを見ることは出来なくなってしまった。主にカエルやバッタなどを捕らえ、他のシラサギの仲間に比べ水の中よりも乾燥した場所や草地を好む。テレビの映像などでアフリカではゾウやスイギュウ、東南アジアなどでスイギュウなどの傍にいて飛び出してくる昆虫類を待っている。日本では耕耘機の後について歩いている姿を見かける。

自然の記録:

 5月 6日   テントウムシ、ナナホシテントウがマユミの木に飛来した(桜町6丁目)。

 5月 7日   オナガが久し振りに庭へやってきて、騒がしく鳴いていた(桜町6丁目)。

 5月11日 チャバネツヤハムシPhygania fuluipennis 6番がクコの羽の上で交尾をしていた。ハルジオンの花には全身が黒色で小型のルリマルノミハムシ Nonarthra cyanea が飛来し、一日中花を移動していた。

 5月12日 頭部と頸がオレンジ色で羽が黒いクロウリハムシ Aulacophra nigripennis がノイバラの羽の上を移動していた。ナミアゲハがハルジオンの花に飛来した。昨年、桜町6丁目の住宅にツバメが営巣・繁殖したが、今年も飛来したらしく車のボンネットの上に段ボールが敷いてあり、その上に糞が落ちていたので繁殖の可能性が大きい。しかし、鳥の姿が見えないのが気になる。

 5月14日 旧東公団および桜町6丁目でウグイスの囀りを聞く。

 5月15日 旧東公団通りでクロアゲハ、ナミアゲハを観察、シジュウカラの囀り。ラクダ坂および本町3丁目付近の江川沿いでコヒルガオの花が開花していた。

 5月17日 江川と見沼用水の合流点でカワウ1羽、毛長川の八幡木中学付近でカルガモ3羽、八幡木中学校付近でウグイスの囀り、八幡木中学付近の毛長川はガマなどの植物が生育しており、上流部に比べ多少水が透き通って見えた。毛長調節池付近の道路および谷下公園に布団や粗大ゴミなどが廃棄されており不衛生な状態であった。市の管轄である公園などは定期的に巡回する必要があるのではないだろうか。

毛長川調節池周辺ではヒルガオ、コヒルガオ、チガヤが開花していた。チガヤは本町のヤクルト販売店裏の駐車場でも開花していた。

桜町6丁目では久し振りにカワラヒワが囀っていた。ノイバラの花にオオスズメバチ、ヨーロッパミツバチ、マルハナバチなどが飛来した。

 5月19日 霧雨の降る中、テイカカズラの葉の上にアカスジキンカメムシの幼虫とヒメカメノコテントウがじっと止まっていた。オナガがしきりに庭を訪れる様になった(桜町6丁目)。  

ツバメの営巣調査

5月15日昭和橋より北側を調査、5月27日芝川より北側を調査、5月中の調査では4巣で繁殖を確認した。年々減少していく感じがする。

No 営巣場所 備考
建材業むさし(桜6) 改装中で営巣なし(4年連続営巣)
中山歯科(桜6) ツバメの姿を見たが古巣2のみ(4年連続)
民家(桜6-12) 5/15 抱卵中(2年目)
福祉センター(桜6) 5/15 抱卵中(30年目)、5/26雛3羽確認
民家(桜5) 5/26 ガレージの下に糞が落ちていた
青木信用金庫(本6) 5/15 巣作り中(今年初)
花岡写真展 5/15 古巣のみ
星野豆腐店(坂下) 5/15 古巣のみ

 5月20日 カナヘビ、ヤモリがブロック塀に、ナミアゲハ、クロアゲハがサンショウなどの回りを飛び回っていた。昨日見つけたアカスジキンカメムシの幼虫がテイカカズラの同じ位置に止まっていた’(桜町6丁目)。今年のウグイスの囀り確認場所は、桜町6丁目、旧東公団付近、三光稲荷、御岳神社および八幡木中学校付近の5ヶ所であるが、このまま越夏するかどうか楽しみである。

 5月22日 クロヒカゲがテイカカズラの廻りを飛び回っていた(桜町6丁目)。21日に出かけた栃木県民の森(標高約1000m)でもクロヒカゲを見たが、標高差が異なっても同じ時期に観察できたのは不思議である。山ではようやく新緑が美しくなった時期である。これも温暖化の影響があるのか?

 5月27日 小雨降る中でミカドガガンボが柿の葉に止まり交接していた(桜町6丁目)。

 5月28日 午前中は雨が降っていたが午後になってから明るくなったので、庭に出てみると青藍色をしたクワハムシ、カバイロコメツキEctinus seviceus 、ホソヒラタアブなどが観察できた。また、ミノムシが隣家から大幅に侵入してきたツタにぶら下がっていた。ミノムシを見る機会が少なくなったので感激であった(桜町6丁目)。

 5月30日 今年始めてシマヘビを観察した。30cmほどの長さであるが、そばへ寄ってみると顔はしっかりとした蛇の顔であった。

      タンポポ調査 :2回目

調査地 カントウタンポポ セイヨウタンポポ 交雑タンポポ
坂下町・駐車場 0 0 50
里中学校 0 500 0
八幡木・台公園 19 11 1
八幡木・谷下公園 59 18 0
八幡木・平柳公園 10 24 15
合計 707 88 553 66

        今年のタンポポ調査ヶ所は24ヶ所で、1325株について調査した。坂下町の駐車場では2004年の調査では、セイヨウタンポポが200株であったが、今年の調査では全て交雑種に変わっていた。昨年春に駐車場の草取りを見かけたが、その後変化したものと考えられる。また、鳩ヶ谷中学校付近(本町4丁目)の空き地では、カントウタンポポが優先していた。今年度の調査結果は現在纏め中である。