No.104 2013年3月

Loading

鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (118)

センダイムシクイ(ムシクイ科)

センダイムシクイの後ろ姿(頭に3本の白い線)

センダイムシクイはウグイスに似ていますがウグイスよりも小型す。この仲間は、昨年の10月まではウグイス科に所属していましたが、日本鳥類目録第7版でムシクイ科に変更されました。この仲間は姿形がよく似ていますが、鳴き声が異なります。焼酎一杯グイーと聞きなしますが、チヨチヨビーという感じに聞こえます。この声を聞けば間違うことはありませんが、鳴くのは春の移動の時期と繁殖期のみですので、秋の移動の時は殆ど鳴かないので識別が難しくなります。他の種類と異なるのは白色の頭央線があるところから識別が容易に出来ます。市内では春と秋に公園や林のある場所を稀に通過します。秋には殆ど声を出さないために見逃すことが多いのですが、春の渡りの時には囀りを聞けば見逃すことはありません。しかし、体が小さく行動が活発なために見つけるのに苦労します。

 

自然の記録:

 3月 1日 今日は春一番が吹きました。おかげで家の周囲は土埃で大変でしたが気温は18℃近くまで上昇しました。

 3月 5日 暦の上では啓蟄といいますが、冬越しをしたキタテハが飛んでいました。ウメの花が市内でも咲き始めましたが、花の蜜を求めてヒヨドリが集まっています。

 3月 6日 東縁見沼代用水緑道ではカントウタンポポが開花し始めました。茎の高さはまだ低いものの鮮やかな黄色が目立ちます。オオイヌノフグリの花も各所で目立ってきました。

本町2丁目の空き地ではネコヤナギの花芽が膨らんできました。

 3月 7日 市内の数カ所でミモザの黄色い花が開花し始めました。工事中の湧水公園ではツグミ、シロハラ、ムクドリ、ハクセキレイなどが採餌していました。

 3月 8日 キュウリグサが咲き始めました。八幡木2丁目のN氏の庭でキチョウが飛んでいたとの情報を戴きました。今年初めての記録ですが、これから暖かくなれば観察例が増えてくることでしょう。

 3月 9日 今日は25℃を越えたとのことですが、太陽の下では30℃を越えていたのではないかと思うほどの暑さになりました。おまけに黄砂と花粉が飛び交いマスクをしている人が目立ちました。林の日溜まりでは成蝶で越年したウラギンシジミやキタテハが飛んでいました。

今日は、久し振りに明治神宮の森を散策しました。池のそばでイトトンボの仲間が飛んでいたので写真に撮ってみるとホソミオツネントンボでした。低山地の水草の多い池などで見られるイトトンボで、トンボにしては珍しく、成虫のまま冬を越すので「おつねん」の名がついています。春になると体色が青くなりますが、冬の間は褐色なので、枯枝にまぎれて見つけにくい。普通のトンボの仲間はヤゴで冬越しをしますが、成虫で冬を越すトンボの仲間は少ない。

ロゼットの上に咲いたカントウタンポポ ホソミオツネントンボ(撮影:明治神宮)

 3月10日 寒冷前線が関東地方に接近して北西から強い風が吹いた影響で、昼過ぎに大気が煙のようにかすむ気象現象「煙霧」が発生しました。気象庁によると、煙霧は、土やちりが巻き上げられ、水平方向に見通せる距離が10キロ未満になる状態とのこと。最初は中国からの黄砂かなと思いましたが、関東地方の土ぼこりによるもので、中国大陸からの黄砂は観測されていないようです。

 3月11日 今日も強い風が吹いていますが、昨日に比べて和らいできましたが、どこからとも無く細かい土埃が入ってくるようで家の中にいても何となくほこりっぽい気がします。庭のレンギョウとスミレが開花しました。近所の庭ではサクラソウの仲間、ラベンダー、ムスカリ、モモ、オオキバナカタバミ(オキザリス)等も開花し始めました。法性寺の境内ではキジバト6羽、シジュウカラ6羽、ツグミ、シロハラ、ヒヨドリ、ハシブトガラスなどが見られました。境内の白とピンクの垂れ梅は花期が過ぎており、昨日の風で大分散っていました。枝垂れ桜は見事な枝ぶりになっていますが開花はまだ先のようです。ヒヨドリが綺麗な声で囀っていたのには驚きました。初めは聞いたことのない声なので珍しい鳥かなと期待をしましたが姿を見てヒヨドリであることを確認しました。

 3月12日 午前中は多少冷たい風が吹いていましたが陽射しは暖かでしたので市内を散歩してきました。地蔵院ではピンク色のアセビの花が開花していました。見沼代用水沿いの緑道ではユキヤナギが満開でした。八幡木中学校と氷川神社の間の細い路上でマヒワ5羽が採餌していました。過去に見たという記録はありましたが詳細不明でしたので鳩ヶ谷地域での正式な記録になりました。毛長川調節池ではモズの雄、そしてモンシロチョウがセイヨウカラシナの花の周りを飛んでいました。久し振りのカワウも毛長川上空をとんでいました。

ウラギンシジミ マエアカスカシノメイガ

 3月13日 今日も朝からかなり強い風が吹きまくり、各地で被害が出たとのこと。都内では瞬間風速27mを越えたようです。見沼代用水の緑道では枝垂れ桜が3分咲き、サクラの花も1分咲きになっているところもありましたが、ソメイヨシノとは異なるようでした。フキノトウもいつの間にか白色の花を付けていました。我が家の庭ではヤブカンゾウとニリンソウが発芽しました。

 3月14日 午前7時頃にミゾレ混じりの冷たい雨が降っていましたが、昼頃には暖かくなりレンギョウが満開となりました。ジョウビタキの雄も毎日飛来していますが、そろそろ旅立ちの時期のようです。

 3月15日 市内各地でヒュウガミズキ、ヒガンザクラ、ミツマタ、ムラサキハナナ、カタバミ、コオニタビラコ、ハクモクレン、コブシ、フクジュソウなどの花が開花しました。朝夕の寒暖の差はありますが植物は春の雰囲気です。共同病院付近では今年初めてのツバメを観察しました。

 3月18日 今日も一日中強風が吹き荒れていました。近所のコブシが満開となり、ノゲシや交雑タンポポなども開花し始めました。サクラの花も数種類が市内のあちらこちらで咲き始めています。鳩ヶ谷本町2丁目の空き地では10cmほどの長さに成長したツクシが数本見つかりました。

 3月19日 今日は暑くなりましたので、庭の日当たりに寒暖計をおいたところ10分もしない内に45℃を越えました。家の中でも25℃でした。温かさにつられたのかキチョウが飛来し、ウリハムシ、マルガタゴミムシ、マエアカスカシノメイガ、ササグモ等が観察できました。ツグミの動きも活発になってきましたので、そろそろお別れに時期に来たようです。

 3月20日 市内各地のソメイヨシノが2分咲きとなりました。我が家では数輪開花。モンシロチョウが庭で初認出来ました。

渡去間近のツグミ(黒味のある個体) ジョウビタキの雄

 3月21日 安行の密蔵院の桜が満開となりました。ソメイヨシノよりもピンク色が濃いサクラですがヒヨドリとメジロが群れていました。この境内ではタイワンヒガンザクラやコブシなども満開で見事でした。万葉の郷の斜面林ではキクザキイチリンソウが見頃でした。夕方になり我が家の庭が騒がしくなりました。猫の餌を狙って隣家に飛来してきたオナガ10羽が鳴き交わしていました。その他ツグミ、メジロ、キジバトが飛来し、上空をカルガモ2羽とコガモ3羽が通過しました。

 3月22日 我が家のオオアラセイトウ(ムラサキハナナ)も開花し、隣家の庭では満開になりました。ショカッサイとも呼ばれていますが、紫色の菜の花が奇麗です。鳩ヶ谷東公団バス発着所周辺ではハナニラ、安行桜、ソメイヨシノ、ヒュウガミズキが満開、コジマ電気とサミットの間の空き地ではナガミノヒナゲシが開花していました。

 3月23日 庭のキケマンが開花しました。シャガも1株が開花し、30本ほどの花芽を持った茎が伸びています。ジョウビタキの雄もまだ飛来しています。今年は市内でウグイスの囀りを聞いていませんが、3月15日に見沼田んぼの芝川第一調節池、17日に北印旛沼、22日に明治神宮の御苑で初鳴きを聞きました。レンギョウの花にヒヨドリが飛来し吸蜜していました。

 3月24日 17時頃に隣家のキンモクセイに集まるスズメを狙って小型の猛禽類であるツミが飛来しました。ツミは「雀鷹」と言われています。狩は失敗しましたが、隣家の屋根に止まった後で我が家の電線に留まってくれました。お腹が褐色の雄のツミでした。カメラを取りに行っている間に飛去しました。5年前に中央病院の敷地内で繁殖して以来の記録です。我が家の庭と上空を通過した野鳥の記録としては52種類目となります。

 3月25日 庭のソメイヨシノにオナガの群れが飛来しました。雨の中でも活発に飛び回っています。そろそろ繁殖期にはいるものと思われますが、まだ群れ行動をしています。しばらく見なかったキジバトも数日前から我が家の周辺で見かけるようになりましたので繁殖にはいるようです。電線にとまって仕切りに喉を膨らませて雄が鳴いていました。その他、ヒヨドリ、ツグミ、スズメ、アオジ、ムクドリ、ジョウビタキが飛来しました。雨の日はベランダ・ウオッチングをしていますが、8種類も来ることは珍しい事です。ムクドリが隣家の屋根の数カ所で繁殖を始めたようです。

サクラの枝に留まったオナガ ムラサキシジミ

 3月30日 19日に開花し始めた庭のソメイヨシノがまだ満開の状態です。クサイチゴやモクレンも開花しました。クサイチゴとキケマンは庭中にはびこっています。ソメイヨシノにはシロハラ、ツグミ、ジョウビタキが飛来しました。寒暖の差が激しいので野鳥もとまどっていることでしょう。近所のドウダンツツジも、いきなり満開です。

 3月31日 庭のソメイヨシノには相変わらず野鳥が集まっています。スズメ、ムクドリ、ツグミ、ヒヨドリ、オナガ等、20羽以上が集まり、花を散らしています。3月19日の開花から飛来した野鳥は、メジロ、シジュウカラ、アオジ、スズメ、ジョウビタキ、ムクドリ、ヒヨドリ、ツグミ、シロハラ、キジバト、オナガ等11種類でした。普段はあまり目につきにくい野鳥でも花や実がなる季節は以外と身近にいるものだなと思います。

 

地球温暖化を考える(60)

はとがやの湧き水の里に関連して(21)

 

 20年経った湧水公園ですがようやくリニュアール化されます。工事は予定通り進んでおり、住宅脇にあったネズミモチの植え込みは3月7日にウバメガシ70本と置き換えられました。外周の柵の工事も殆ど終了しました(19日に工事が完了しましたが、早速20人ほどの子供達が訪れました)。藤棚の下にはテーブルとベンチが設置されました。これから池の植生などを考えながら植栽をしていきます。少しでも生物にとって居心地の良い公園にしていきたいと思っています。

リニュアール間近の湧水公園
上の池の橋も形が出来上がってきました(3月19日に完成しました)
池の上下を分ける歩道と下の池の浅瀬部工事
植栽されたウバメガシ                               藤棚の下にテーブルとイスも