No.71 2010年5月 |
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夏鳥として全国の山林に飛来し、繁殖します。鳴き声は美しくウグイス、コマドリと共に日本三鳴鳥の一つになっています。
この沢やいま大瑠璃のこえひとつ 水原秋桜子 と謳われているように、沢沿いの斜面林の梢などで「ピーリリー、ピーリリー、ポイヒ−ピピ、ジェジェ」というような声で囀ります。以前は声が美しいことから密猟されて、飼育されていましたが今は禁止されています。
オオルリの雄は頭から背中にかけて光沢のある美しい色をしていますが、雌は地味な灰褐色をしています。鳩ヶ谷市内では春と秋の渡りの時期に時々通過しますが、近年はあまり見られなくなりました。我が家の庭にも何度か立ち寄ったことがありますが、他の場所で見た時とは全く違う感覚で、心がうきうきします。
5月 1日 庭の草むしりをしていたところ、草の根元からコガネムシの仲間の幼虫2匹と共にクリイロコガネとオオシデムシが出てきました。また、羽化したばかりのスジグロシロチョウがシャガの葉に留まっていました。クコの葉にはニジュウヤホシテントウが数匹集まっていました。
5月 3日 18時頃、庭のソメイヨシンノの葉にスグリゾウムシが留まっていました。スグリゾウムシは毎年この時期になると何頭か見つかります。
5月 4日 南2丁目の中居公園で今年初めてのクロアゲハが飛んでいました。我が家の庭ではナミアゲハが柑橘類の葉に産卵していました。木々の下に傘を拡げて昆虫類の観察をしたところ、ジョロウグモ、ウロコアシナガグモ、ササグモ、デーニツエハエトリグモ、ギンメッキゴミグモ等のクモ類や各種のハムシ類が観察できました。
クンシランの葉にケバエ、シャガの葉でキベリクビボソハムシ、クコの葉上でチャバネツヤハムシ、サクラの葉にスグリゾウムシ、ホソヘリカメムシ、カキの枝にはマルカメムシが55匹も集まっていました。その他にヤモリ、カナヘビ等が見つかりました。
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クンシランの葉に留まるケバエ | ホソヘリカメムシ |
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5月 5日 昨日に続いて我が家の庭で昆虫の観察をしました。急に暖かくなってきたので昆虫類も毎日新しいものが見つかります。クロアゲハ、ヤマトシジミ、スジグロシロチョウが飛来し、ヤサガタアシナガグモ、ギンメッキグモや緑色をしたツユグモ等のクモ類、ホオズキカメムシ、ホソハリカメムシ、マルカメムシ等のカメムシ類、その他マルハナバチ、オオスズメバチ、マガリムシヒキ、ヒラタアブ、メスアカケバエ、グンバイの仲間、ニジュウヤホシテントウ、テントウムシ、等が飛び回っていました。
5月 6日 柿の木の下草にハイイロヤハズカミキリがいました。普通は竹のあるところに多い種類ですが、我が家の庭では初記録です。
10時〜12時まで湧水公園とふるさとの森で生物調査をしたところ、ふるさとの森でウラシマソウや、市内ではなくなったと思っていたキランソウ、フタリシズカ、ヤブタビラコ等が見つかりました。
その他、サルトリイバラ、イラクサ、ヤワラスゲ、マスクサ、ムシクサ等を含め70種類近くの植物を観察しましました。残念なことにアヤメを栽培している人が雑草を全て抜き取ってしまうために貴重な植物までもが抜かれていました。
湧き水の水路ではカワラヒワが数羽で水浴びをしていました。今日は暑かったので見ている方が気持ちよさそうでした。また、アヤメの草陰から小型のクサガメが出てきました。
ラクダ坂脇の樹林では、樹林を覆い隠すようにヤマフジが見事な「滝藤」を見せていました。これだけのフジは県南部では見られないのではないかと思います。
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5月 7日 午後からの強い雨の中、ジャガイモの葉にツマグロヒョウモンとヤマトシジミが休んでいました。クサイチゴの葉にキイチゴトビハムシという小さな虫がいました。後ろ足が長く触れると20cmほど跳躍をし、数ミリ程度の大きさの虫のジャンプ力に驚きました。
5月 9日 玄関の前に大きさ1cm程度の見慣れない蛾の仲間がいました。写真を撮ってから調べてみるとソトウスグロアツバという種類の蛾でした。
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クロハネヒゲナガの仲間 腹部側 | 背中側 |
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5月10日 毎日のように異なった種類の昆虫たちが庭を訪れるようになりました。中には図鑑と比べても名前を特定するのが難しいものもいて、楽しさ苦しさ一杯です。サビキコリ、ウリハムシ、クロウリハムシ、キベリクビボソハムシ、トホシクビボソハムシ、ヒラタハナムグリ、ヒメマルカツオブシムシ、そして極めつけは体の4〜5倍はありそうな白い髭をゆらゆらと草の間を飛び回るクロハネシロヒゲナガとホソオビシロヒゲナガという蛾の仲間です。長い髭が草にかかると大慌てで体を震わせていました。虫の世界はまだまだ知らないことが多いですね。
5月12日 午前7時30分と午後2時30分にミスジチョウが飛来しました。我が庭での飛来は数年振りのことです。その他、ルリシジミ、クロアゲハ、アオスジアゲハ、ナミアゲハ等が飛来しました。また、ドクダミの葉にヤマイモハムシが留まっていました。
庭隅ではヤブジラミの小さな花が開花しました。
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ソトウスグロアツバ | キモントガリメイガ |
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5月14日 シロスジクチブサガという小さく細長いが蛾いました。飛んで草むらにはいると何処にいるのかわかりにくい程です。家のカーテンにはコメツキムシが留まっていました。
5月16日 マガリケムシヒキ、サキグロケムシヒキといったアブの仲間が良く訪れています。
5月17日 落ち葉の下からアカシマサシガメが出てきました。
5月21日 アカクビボソハムシ、クロウリハムシ等が各所で飛び回っています。
5月22日 ツマキクビボソハムシという長たらしい名前のハムシも庭の新住人です。
5月25日 茶色で、後脚が長い、スマートなホソヘリカメムシがプランターに植えてあるスナックエンドウとサヤエンドウに3匹もいました。このカメムシはエンドウ、インゲン、ダイズなどを食害すると言われています。ここ数日の雨で沢山のナメクジによる被害が出ているところに、新たに害虫の出現です。
5月26日 クシコメツキとチャバネクシコメツキが雨水が溜まったバケツに中に落ちていました。今日は4匹のコメツキムシを見つけました。また、30年以上も住んでいる我が庭でキランソウが見つかりました。戦前に祖父と父とで開墾した土地なので土壌の移動がなく、隣家との境には昔の種子が残っていたものが発芽してきたものと思われます。
5月29日 ゲッケイジュの葉にキモントガリメイガという1cmほどの小さな蛾が留まっていました。羽を扇のように広げ後ろ足立、頭と尾を後ろに反らせていました。
5月30日 庭隅にシダ植物の仲間のカニクサが生えてきました。カニクサの名前はこのツルでカニ釣りをしたからということのようですが、小さな庭でも発見があります。
もう6月になるというのに、ここ数日は冷え込んでおり、昆虫類の活動も不活発です。
今日は、マダラガガンボが数カ所で交接しており、キイロホソガガンボが2頭草むらをゆっくりと飛んでいました。
5月31日 久し振りに暖かくなり、ヒラタアブが花の間を飛び回り、ダンダラテントウ、ニジュウヤホシテントウ等がジャガイモやミツバの葉に留まっていました。また、アリグモの雌がエノキやバラの葉上を歩いていました。アリと見間違えるほどよく似ていますが動きが早いので違いがわかります。
本町郵便局のバス停付近のタンポポの花にハラナガツチバチが留まっていました。
鳩ヶ谷から消えた生物・消えつつある生物 35
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大和撫子のような日本的な植物という感じがする花です。名前の由来は、花が群がり幾重にも重なっている姿が十二単を着た女性にたとえたもの、といわれています。丘陵や林、農道の脇などに自生していた、普通の植物でしたが開発の波にさらされた鳩ヶ谷市内では、現在見ることが出来なくなっています。法性寺・三光稲荷・大龍寺山・権現山・諏訪山・浅間山と呼ばれていた市内の里山の自然が荒廃したのが大きな原因です。
この仲間にはツルを出して株を増やし、青紫色の花をつけるセイヨウジュウニヒトエがありますが全くの別ものです。
調節池とビオトープ
越谷市大吉公園(大吉調節池)
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土手の下は広い湿地が池になっています |
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バンが繁殖しています | 池のそばまで建物が造られています |
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大吉公園はすぐ横を流れる新方川(にいがたがわ)の氾濫を防ぐ目的で作られた調節池公園です。
新方川は明治末期まで千間掘と呼ばれていました。江戸時代初めに農業用排水路として開削されたのが起源です。しかし、近年は周辺地域の急激な都市化の影響で、地面の保水遊水能力が極端に減少したため、排水能力を上回る水が新方川に流れ込んで、たびたび氾濫するようになったそうです。そのために、大吉貯水池は新方川の水量をコントロールするために作られました。池には2つの島があります。島の形は、市の鳥シラコバトをイメージして作られているとのことですが、平面的にはわかりません。水面が広いのと緑が多いことから、風が吹くと涼しい風がきますので、周辺の民家も町中に比べて、温度差があるのではないかと思います。
この湿地内では、湿性植物が繁茂しておりカルガモ、バン、カイツブリなどの水鳥が繁殖し、アオサギやゴイサギの憩いの場所となっています。
この公園には、オーストラリアのキャンベルタウンより寄贈された多くの野鳥がフライングケージ内で放し飼いされています。