No.161 2017年11月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (174)

クロジ(ホオジロ科) Emberiza variabilis

ホオジロの仲間で、雄は全体が暗い灰色、雌は褐色で、雄雌ともに背・翼には黒褐色の模様がある。嘴は三角形に見え、植物の種子を食べる。ホオジロの仲間には、尾羽の両側あるいは両端に、白羽あるいは白斑があるが、クロジにはありません。無いことがクロジの特徴になっています。日本以外ではカムチャツカ・千島列島・サハリン等に分布している。日本では北海道と本州の、主に落葉広葉樹林とその上の針広混交林の、下層にササ類の茂った林等で、繁殖しています。一般的には漂鳥ですが、冬になると国外から渡来してくる。囀りはフイーチヨチーという感じで「熱いお茶を飲んだ時のように」フィーアチチと聞きなされる。名前のジは、ホオジロの仲間をシトドと呼んだ古い鳥の名前の名残りといわれている。クロシトドが縮まってクロシ、クロジになった。シトドの由来は、鳴き声の「シッ」と鳥がなまったトット、「シッと鳴く鳥」の意味と言うのがもっぱらの説です。クロジ、アオジ、キアオジという鳥はいるが、アカジという鳥はいない。

川口市内では過去に越冬期から春先にかけての移動の時期に数例の記録があるが、最近の記録はない。

自然の記録:

11月 1日 旧芝川を散策、エンマコオロギが良く鳴いていました。アカタテハ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、キタテハ、キタキチョウ、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ等がキバナコスモスの花に集まっていました。カモ類の渡来は少なく、コガモ雌4羽、キンクロハジロ、ホシハジロ雄1羽、ジョウビタキは雄4羽、雌1羽で、各所で雄が縄張り争いをしていました。

11月 7日 今日は立冬、近所の路地でオニノゲシ数株が黄色い花をつけています。庭を歩いていたところ、庭隅に置いてあるプランターの下へヒバカリが入っていきました。ここで冬眠に入るのか、まだ活動するのか気になるところです。

11月 8日 朝7時30分、曇り空の中でカキの実を求めて小鳥類が集まっていました。コゲラ(1羽)、メジロ(10羽)、シジュウカラ(2羽)の混群、ムクドリ(10羽<)、ヒヨドリ(5羽)、オナガ(10羽<)、ハシボソガラス(2羽)等が賑やかにカキを食べており、人が通行するたびに飛散していますが、すぐに戻ってきます。コゲラが飛来したのは1年ぶりです。カキの時期になると混群に交じり1〜3羽が飛来します。

11月 9日 八幡木2丁目でコジュケイの声を聞く、旧鳩ヶ谷市内でもまだ生息していることが確認できた。近年は宅地化の影響でコジュケイが生息できるような藪がなくなっており、飼い猫や野良猫が多く、コジュケイが安心して生息できる場所が限られてきました。     

家のプロパンガスボンベの周りをナガサキアゲハの終齢幼虫が歩いていました。そろそろ、越冬のために蛹化するようです。11月に入ってから観察したのは初めてでした。

シジュウカラ ムクドリ コゲラ
メジロ スズメ クロメンガタスズメの幼虫

11月13日 今朝、ようやくツグミの声を聞きました。10月初旬に見られたところもあるようです。

大量に落ちた落ち葉を掃き集めていたところ、落ち葉の中からナガサキアゲハの幼虫が出てきたので落ち葉の山の中に入れてやりました。近所の庭ではツワブキの黄色い花、ヤツデの白い花が目立っています。コンフォール東鳩ヶ谷バス停近くのカンヒザクラが満開となりました。

11月14日 近所の庭隅でスイセンの発芽を見たのが2週間前、茎は30cmほどに伸びて花芽をつけていました。今月中に開花しそうです。

11月17日 旧芝川を散策、キバナコスモスやキクなどが咲いていましたが、流石に蝶の数は減少しヒメアカタテハ、キタテハ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、ベニシジミ等でした。

野鳥はカモ類の飛来が少なく、コガモ、カルガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ等約30羽、朝日橋付近でイソヒヨドリの雌が今年も飛来していました。ここ数年、越冬期には雄か雌が継続して飛来しています。バンやイソシギも青木水門付近の干潟で採餌していました。新芝川の干潮時には数メートルの幅で干潟がでることがあるので、そのような時にはサギ類やカモ類の群れが集まってきます。

鳩ヶ谷大橋の上流域の芝川は護岸工事中で生育していたヤナギなどの木が全て根元から伐採されていました。

11月20日 雨戸をあけていると大きな鳥影が横切ったので空を見上げるとカワウが1羽飛んで行きました。上空を飛んで行くのを見るのは3度目です。我が家のカキの実は残り少なくなってきましたが隣家のカキの実が数百個以上残っているのでスズメの群れが集まっています。

ヒメアカタテハ ジョウビタキ カワセミ

11月24日 庭のカキの木にツグミが2羽飛来し、シジュウカラ、メジロ、スズメ、ムクドリ、ヒヨドリ、ハシボソガラス等も交代で飛来しています。近隣の数か所にあるカキの木を巡っているようです。

11月29日 今日は暖かい一日でした。旧芝川を歩きましたが、モンシロチョウ、ルリタテハ、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ等の蝶が飛んでおり、オンブバッタやテントウムシも元気でした。野鳥の方は相変わらずカモ類の飛来が少なく、カルガモ2羽、ホシハジロ雄1羽、キンクロハジロ雄3羽、雌1羽、オナガガモ雌1羽、コガモ雄4羽、雌6羽でした。その他の野鳥はダイサギ、コサギ、ゴイサギ、カワウ、カイツブリ、イソシギ、オオバン、バン等の水鳥類、ウグイス、シジュウカラ、スズメ、ジョウビタキ、ムクドリ、ヒヨドリ、オナガなどでした。川沿いのネズミモチにはドバト、ピラカンサにはスズメ、ヒヨドリ、ムクドリ、ジョウビタキ等が飛来していました。タネツケバナ、コセンダングサ、コオニタビラコ等の花が咲いていました。ミシシッピアカミミガメやイシガメなども日向ぼっこしており、釣り人は居眠りしていました。釣り人の傍でダイサギやコサギがクチボソなどの小魚を取っていました。

夜になり廊下の壁にマダラカマドウマとナミテントウが止まっていました。

ところで、モンシロチョウが見られなくなる時期が年々遅くなっているような気がしますが、昭和33年発行の「日本の季節動物編」によれば、モンシロチョウがいなくなる時期は、北の地方ほど早く東北地方では10月末までに見られなくなり、11月の末になれば日本の大部分の地域で姿を消す。姿を消す時期の朝方の気温が5.9℃、現れる時期の気温は2.5℃で、姿を消す時期の頃の方がかなり暖かいと記載している。

昭和33年頃の記録では、モンシロチョウは春から秋にかけて年に数回発生し、発生の回数は暖地ほど多く、北海道では年2回くらいだが、南の方では数回発生していたが、近年の温暖化により関東地方でも年に数回発生するようになった。

       

             舞もつれ吹きもつれつつ蝶二つ    たけし

       

クコの実 ネズミモチを食べるドバト 餌をとるバン

11月30日 町中ではサザンカやヤツデの花が満開となり、ニシキギ、ドウダンツツジ、モミジなどの赤が強くなってきました。鳩ヶ谷中央病院の敷地内ではモミジとドウダンツツジの紅葉が真っ盛りです。旧市内では、紅葉が見られる場所も少なくなりました。

          

          山茶花の垣一重なり法華寺  夏目漱石

 

地球温暖化を考える(114)

世界のCO2 濃度が過去最高に

2017年10月31日の読売新聞の記事によれば、世界のCO2 濃度が過去最高になったとのこと。

世界気象機関(WMO)は10月30日に、温室効果ガスの1つである二酸化炭素(CO2 )は2016年の大気中の世界的平均濃度が403.3ppmに達し、観測史上の最高値を更新したと発表した。同様に温室効果ガスとして知られるメタンや一酸化二窒素も最高値を更新した。CO2 濃度は15年に比べて3.3ppm増と、例年に比べて急激に上昇。WHOによると、地質学的な記録に基づく推定で、300万年〜500万年前に、今と近いCO2 濃度の時代があり、当時は気温が今よりも2〜3℃、海水面も10〜20m高かったという。各国の研究チームによると、産業活動に伴う世界のCO2 濃度は、今年の排出量は前年比2%増の約370億トンに達する見込みとなった。これは、世界の排出量の約3割を占める中国が前年比で3.5%増と大幅に伸びたことによるとのこと。

 CO2 濃度は、南米ペルー沖の海面水温が上がるエルニーニョ現象の発生時に増加する傾向があり、世界気象機関は、16年まで続いたエルニーニョ現象による影響が大きいとみている。