No.33 2007年3月

Loading

鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (46) 

カワウ(ウ科) Phalacrocorax calbo

カワウの仲間は日本では4種類が生息していますが、カワウ以外は海岸や港湾などに主に生息しています。主に魚類を主食とし、1日に300g〜500gを食べると言われています。

1971年までは3000羽以下にまで減少し一時絶滅の危機に瀕したことがありますが、現在は増えすぎて(5万〜6万羽)、漁業や林業に影響を与え始めており、カラスと同じように大きな問題を抱えています。長良川や宇治川の鵜飼いで知られるウはウミウですが、両種ともよく似ています。鵜飼いにはウミウが使用されていますが、中国ではカワウが使用されています。

以前、新聞で埼玉県や東京近郊で雁の群れが飛んでいたと報道されたことがありますが、写真を見るとカワウの群でした。

カワウもガン仲間と同じように竿になり鈎になりして編隊飛行を行いますので誤認されやすいようです。

特徴は体全体が黒く見え、首がヘビのように細長い。成鳥は繁殖期になると足の付け根に大きな白色斑が出ます。鳩ヶ谷市では主に芝川や見沼用水などで時々観察されます。

自然の記録:

 3月 1日 江川沿いの土手にはオオイヌノフグリ、ノゲシ、ナズナ、オオアラセイトウ(諸葛采、花大根)の花が開花し、ハクセキレイ2羽が飛び交っていました。桜町6丁目では未熟ながらもウグイスの囀りが聞こえ、季節は既に春到来です。

 3月12日 桜町6丁目内の民家では、園芸植物のチンチョウゲ、サクラソウ、ムシカリ、クロユリなどが開花し、我が家の庭でオランダミミナグサが開花し、大根の花芽がついてきました。

 3月14日 隣家のコブシが咲き乱れ、ヒヨドリが数羽訪れて花蜜を吸っていた(桜町6丁目)。

 3月15日 毛長川の内側土手にカラシナの黄色、オオアラセイトウの紫、ナズナの白、ホトケノザの桃色が綺麗に咲き乱れていた。川の中にはカルガモのペア、コサギ1羽が採餌していた。道路脇には背丈が低いもののロゼッタから茎を伸ばしたセイヨウタンポポが咲き始めた。家の庭ではレンギョウが咲き、アリが活発に活動し始めた。今まであまり目立たなかったアリの巣穴が庭の各所に見られたことから、地面の下はアリの世界になっているのかもしれない。

自転車で1時間ほど市内を廻ったが、キジバトが見られたのは小渕公園近くの民家の庭で1羽観察したのみであった。市の鳥キジバトもかなり個体数が減少しているようだ。

 3月20日 芝川の天神橋付近でキンクロハジロ30羽が浮かんでいた。そろそろ、北帰行か?

 3月21日 桜町6丁目の橋元さんからカワセミの詳細な観察レポートが届きました。

「今朝、散歩の途中、前回と同じ場所でカワセミを観察しました(2007/03/21 6時50分から数分間)。見沼と毛長川合流点の見沼の下流側です。散歩の時は下流右岸側から静かに接近して観察するようにしています。

見沼の湧き出し口のトンネル状になった部分。出口に水平の桟があって、内部のコンクリート壁に黄色い足場(左岸側)が何段かあります。この最上段がカワセミのお立ち台でした。お立ち台はトンネル内部なので暗く肉眼でも見落とすくらいです。

しばらく観察していると、まず、カワウが水面から飛び出してきました。潜水していたようで気づきませんでした。次に、反対側から人が近づいてきたので、カワセミもトンネルから飛び出し、眼前を通過して、川下の右岸へ移動し、次に左岸に移動、やがて飛び去りました。飛び去ったあと、トンネルに近づいて見ると、お立ち台のコンクリート壁には何条もの白い糞のあとが見えました。」

 3月22日 カワセミの情報を聞いて、9時、10時30分、13時、16時の4回現地へ出かけたがカワセミは見られなかった。帰宅後、今日は7時頃に確認されていました。

毛長川調節池ではコガモ9羽、ツグミ、ハクセキレイを観察、道路上には不法投棄のゴミが山となっていました。おそらく車で廃棄しているものと思われる。公園や公共施設に隣接した場所を定期的に ゴミ回収車で回収することが出来ればよいと思うのであるが?

鳥インフルエンザを正しく理解しましょう
 @ 強毒性の鳥インフルエンザは、特殊な状況でしか発生しません。
 A 野鳥から人への感染例はありません(基本的には人には感染しません)。
 B日本にやってくる渡り鳥が強毒性ウイルスを運んでいる証拠はありません。
 C 野鳥を怖がる必要はありません。

2004年1月に日本で79年ぶりに鳥インフルエンザの発生が確認された時から、多くの報道がなされた影響か、ウイルスの運搬者としての注意が野鳥ばかりに向き、その他の可能性が考慮されない傾向があるようです。アジアと日本では、人や物の移動が年々多くなっているため、様々な経路で国内にウイルスが入る可能性があります。

 3月23日 快晴で窓際に温度計を1時間置いておいたところ、10時半には44℃を示した。直射日光の温度は凄いなと感じたが、まだ、3月である。ツマグロヨコバイ、マルカメムシが活動し始めた。庭を少し掘り返したところ、大きな甲虫類の幼虫が10匹以上転がり出てきた。レンギョウの花が満開であるが、根元にはいくつものジグモの巣が作られており、大きいものでは口径1.5cmのものがあった。隣家から広がってきたオオアラセイトウの花が庭のあちこちで開花し、セイヨウミツバチが集まり蜜を集めていた。

 3月24日 八幡木小学校付近の芝川でヒドリガモ2羽、毛長川調節池でコガモ(2)、カルガモ(2)が休んでいた。

江川の岸(本町4-13)ではタンポポが開花していたので今年最初のタンポポ調査を行ったところ、カントウタンポポ(30株)、交雑タンポポ(6株)、見沼用水と江川の合流点付近(坂下町3-26)ではカントウタンポポ12株、交雑タンポポ1株、桜町6丁目ではセイヨウタンポポ(3株)がありました。

 3月26日 ここ数日ウグイスの囀りがよく聞こえるようになった。まだ、上手とは言えないが谷渡りも披露するようになった(桜町6丁目)。 久々にキセキレイが自宅上空を通過した、そろそろ帰る時期かな。ゴミ箱の裏側にアオオサムシが隠れていた、昨年は3月27日が初認であった。我が家の庭では現在、カキドオシ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、セイヨウタンポポ、ノゲシ、コ オニタビラコ、ハハコグサ、カタバミ、ナズナ、オランダミミナグサ、ノイバラなどが開花している。

クコの葉ではチャバネツヤハムシが交尾を開始した。昨年の観察では5月11日が初認であった。見沼用水沿いでは桜の花が開花した。

 3月27日 オナガ4羽が久し振りに庭を通過した。カルガモ2羽が江川で採餌、ハシブトガラスは巣材運びに忙しい。ホトケノザの花にナナホシテントウが飛来した(桜町6丁目)。

 3月28日 見沼代用水にかかる北谷橋付近で大きな錦鯉が2尾泳いでいた。投網を持った人が捕まえようと待っていたが、橋の下へ潜り込んで出てこなかった。何処から逃げてきたのか?

 3月29日 ウリハムシ、テントウムシが壁に張り付き、ヤマトシジミが飛翔していた、いずれも今年始めての確認(桜町6丁目)。

 3月30日 朝からの雨も止んで、日中は暑くなってきた。ヒヨドリは残り少なくなったコブシの花を啄んで、大きな声で鳴いている。ビロードツリアブ(2)、ツマキチョウが庭を飛び交い、ツチカメムシも顔を出した。

タチイヌノフグリ、ハルジオンが開花した。タチイヌノフグリはオオイヌノフグリと同じような色、形の花であるが花が小さいので見逃してしまいそう。

 3月31日 桜の開花は市内でも場所によりばらつきがあり、見沼代用水沿いのサクラは7〜8分咲き、コンフォール東鳩ヶ谷の東側斜面のサクラは葉が出始めていた。コンフォール東鳩ヶ谷の外周道路の植え込みにカラスノエンドウ、スズメノエンドウの群落があり、開花しているものが見られた。おそらく、植栽された植木や土と共に運ばれてきたのであろう。これらの植物も市内では当たり前に見られた植物であるが、近年は少なくなってしまった。(生憎の寒空であったが、川口駅西口前のリリア公園では桜が満開となり、花見客で賑わっていた。いずれ桜の名所になるかもしれない。)

鳩ヶ谷から絶滅した生物、絶滅しつつある生物

ツバメ

関東では通常早くても3月中旬に見られるツバメですが、バードリサーチの調査によれば今年は1か月以上も早く記録されたようです。3月27日川口市の差間付近では2羽のツバメが観察されました。鳩ヶ谷市内では3月29日に坂下町で雄1羽を観察しました。過去の初認記録を見ると、2000年3月27日、2001年4月13日、2004年3月29日、2006年4月15日でした。

桜町5丁目の民家の古巣(車庫の裏側)にはツバメが戻ってきた様子。車のボンネットの上にツバメの糞が蓄積されていた。ちなみに、昨年、市内で繁殖が確認されたツバメの巣は10巣でした。

(下図はバードリサーチ調べ)


親に餌をもとめる雛