No.20 2006年2月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (33)

キセキレイ(セキレイ科)Motacila cinerea

キセキレイ
 

キセキレイは黄鶺鴒と書き、スマートな体に長い尾が特徴、背中から翼上面が灰色をおび、胸から お腹が黄色い美しい鳥である。写真は冬羽なので黄色みが少ないが夏羽は鮮やかな黄色となる。

キセキレイはハクセキレイやセグロセキレイ同様に長い尾を上下に降ることから、俳句等ではこ の仲間は古来よりイシタタキの名でよく詠われている。餌は主に昆虫類を食べる。大きなガガンボ や蛾なども捕らえることがある。夏は山間部などで繁殖している。 鳩ヶ谷市内では毎年11月から3月頃まで観察できるが個体数は少ない。毎年定期的に渡来しているのは、桜町6丁目の中央病院から武蔵野会町会付近でよく見かけることがあるが、地上に降りている姿よりも、鳴きながら飛んでいる姿を見ることが多い。地上に下りているのを観察できなくなったのは井川へ流れ込む側溝を塞いで暗矯化したことにより、水辺がなくなったのが大きな原因である。環境の変化に敏感な鳥である。

自然の記録:

 2月 2日   岡田博氏より寄贈して頂いた30年ほど前の「郷土はとがや」に鳩ヶ谷から失われたもの、の記録が載っていた。それによると、特定の種名の記録はなかったがガン類やシギ類の記録があった。また、鳩ヶ谷八景として三ツ和(南町)の田圃では「五反田の落雁」(実正寺門前の碑)という記載があり、江戸時代から大正時代にはガン類が飛来していたことが伺われた貴重な記録である。残念なことにいずれの記録も種名の記載がないのが惜しい。おそらく種名にこだわらず、全てガン類として記録されていたのであろう。

 2月 6日   夜から降雪、7日朝は庭や屋根に3cmほどの雪が積雪し、ツグミが餌探しに苦労していた。今年3度目の積雪となった。

 2月 7日   積雪の中、スノードロップの花が開花した。2月5日にバンクーバーのエリザベス庭園で開花していたが、気温が殆ど同じくらいなのであろう。昨日の雪は午後には完全に解けてしまった。

 2月10日 境橋付近でシジュウカラが囀っていた。そろそろ春の兆しか。

 2月12日 今日はかなり強い北風が吹いて寒く、カラスが飛ばされていた(桜町6丁目)。

 2月13日 枇杷の白い花が満開になっていた(本町の御獄神社付近の民家)。

 2月14日 久し振りにオナガが鳴きながら飛んでいた。ツグミ、ムクドリ、スズメは常連で庭の付近に訪れる。早咲きのレンギョウが一輪開花した(桜町6丁目)。

 2月16日 雨の中、シジュウカラ2羽、メジロ2羽、ツグミ1羽が、庭中を飛び回っていた(桜町6丁目)。

 2月18日 フユシャクの雄が玄関の扉に張り付いていた。シャクガと呼ばれるガの幼虫は、長さを測るようにユーモラスに歩く様子から尺取虫(しゃくとりむし)、寸取虫(すんとりむし)などと呼ばれ、親しまれています。フユシャクの仲間は、気温の低い冬から早春にかけてしか成虫が姿を見せない小さなガで、日本には36種類いて、通常成虫は1月から2月の厳冬期を除く冬に発生します。気温が11℃程度に上昇したので現れたのか、玄関の直に見られるとは思わなかった。冬に成虫が現れるフユシャクの仲間は、寒さに強そうに見えますが、以外と寒さに弱く、雄はマイナス6度、雌はマイナス7度くらいが活動できる気温の限界と言われています。

 2月19日 ラッパズイセンの蕾が膨らみ始めた(桜町6丁目)

 2月20日 雨の中、江川でコサギが餌を採っていた。

 2月21日 天井裏で時々物音がするので入ってみると、セグロセキレイの翼や羽毛が散乱していた。ネコはイタチがくわえてきて食べたようである。

 2月22日 ラッパズイセンが開花した。今年は遅いと思っていたが以外と早く開花し始めた(桜町6丁目)。

 2月23日 ここのところコサギ1羽が桜町6丁目周辺や慈林薬師寺の龍灯の池などで観察されている。

 2月28日 垂れ梅の蕾がかなり膨らみ始め、2輪開花した(桜町6丁目)。