No.68 2010年 2月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (81)

ハヤブサ(ハヤブサ科) Falco peregrinus 

ハヤブサの飛翔

以前は速いものの代表として特急電車の名前にも使われていたハヤブサです。重い体に尖った翼、翼の先が尖ったように見えるのはハヤブサ科の鳥の特徴でもある。頬には涙を流したような髭状の黒斑が目立ちます。冬鳥として渡来するものが多いが、近年は高層ビルが増加してきた影響で繁殖するものがあり、時々新聞等のニュースでも報道されるようになってきました。

鳩ヶ谷市周辺で見るハヤブサは、鉄塔に止まっていたり、ドバトやムクドリなどの群を追っているところを多く見かけます。

市内で見ることは稀ですが、気をつけてみれば秋から冬にかけては上空を跳んでいる姿を見る機会があるかも知れません。

 

自然の記録:

 2月 1日 曇り空から雨になり、17時過ぎには降雪となりました。今朝から咲き始めたスイセンの花がうっすらと雪化粧をしました。どうしたことか今年は一輪咲いただけで花芽がありません。

 2月 2日 昨夜からの雪は止んでいましたが、2〜3cmほどの積雪になっていました。咲き始めたスイセンの花は雪の重みで途中から折れていました。

本町3丁目付近の江川では、雪解けの冷たい流れの中でカルガモ4羽が頻りに餌を採っていました。

 開花直後のスイセン              積雪の庭

 

 2月 4日 1日に続いて、昨夜から早朝にかけて降雪があり1cmほどの積雪となりました。6日に市内の探鳥会があるので下見を兼ねて旧芝川周辺を散策しましました。川の周囲はうっすらと雪化粧をしていて、工事中の汚れを隠してくれました。

観察された野鳥は、カワウ、コガモ、カルガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、コサギ、ダイサギ、イソシギ、ヒヨドリ、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、ジョウビタキ、アカハラ、ツグミ、シジュウカラ、スズメ、等が観察できましたが旧芝川では低河川敷の工事のため大型の重機が動いており、カモ類は殆ど見ることができませんでした。何時もカワセミがいる葦も刈られてしまい、近くの柳の枝に止まりましたが、すぐに飛び去りました。

最近は、カメラマンのカワセミ撮影スポットになっており、超望遠レンズをセットした人たちが頑張っている姿を見るようになりました。

 2月 6日 今日は、鳩ヶ谷市環境対策課主催の環境講習会で芝川の探鳥会を行いました。参加者は市関係者を含め大人20名、小学生3名。9時30分11時30分までの間に観察された野鳥は、21種類でした。カイツブリ、カワウ、コガモ、カルガモ、オナガガモ、ヒドリガモ。アメリカヒドリ×ヒドリガモの交雑種、キンクロハジロ、オオバン、セグロカモメ、等の水辺の鳥とキジバト、ヒヨドリ、ツグミ、ムクドリ、ハクセキレイ、カワラヒワ、シジュウカラ、メジロ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、等でした。

参加者は鳩ヶ谷市内でも多くの野鳥が観察されるのかと驚いていました。探鳥会時は天気が良かったのですが終了後、風が強くなってきましたので午前中でなく助かりました。

帰宅途中に江川と見沼代用水の合流点付近でオナガガモ雌雄各3羽が採餌していました。この辺りで見るのは久し振りです。

      カルガモのペア        下見では常連のカワセミも

 2月 9日 今日は暖かく、桜町小学校校庭付近でジョウビタキの雌が頻りに飛び回っていました。桜町周辺数カ所でノボロギクが開花しました。

 2月10日 昨日は、日中の気温が20℃を越えたようですが、今日はずいぶんと冷え込みました。

ジョウビタキの雌が頻繁に庭を訪れました。近所に餌が無くなってきたのか、今の所マンリョウの実はまだかなり残っています。ヤブランの実は大きすぎるかと思っていましたがヒヨドリが食べているのか少しづつ減っています。

 2月13日 朝からミゾレ混じりの小雪が降りました。今年3度目となりましたが積雪はなさそうです。

 2月15日 冷たい雨の中、メジロが1羽庭隅の植え込みの中で採餌していました。

 2月17日 本町4丁目付近の江川で、ダイサギとコサギが採餌していました。ここでダイサギを見るのは久し振りです。

 2月18日 明け方から降雪、9時過ぎには止んで道路の雪はとけていました。庭のダイコンも奇麗に雪化粧しました。市の鳥「キジバト」も美しく見えました。

羽の模様が美しいキジバト 雪かぶりのダイコン

 2月19日 本町4丁目付近の江川で、ダイサギ、コサギ、カルガモ(4羽)、オナガガモ(雌雄各1羽)、セグロセキレイ、ハクセキレイ等が採餌していました。

 2月20日 久し振りに暖かい日となって、周囲のウメの花が開花し始め、近所の庭でアワユキエリカの花が満開になりました。小粒のピンク色の花ですがまとまって咲くと見応えがあります。特に花の少ない時期ですので足を止めてみていく人も多いようです。

 2月28日 一週間ほど留守をしていた間に、我が家の垂れ梅が3分咲きとなりました。朝の内は冷たい雨にうたれていましたが、午後になって太陽が顔を出すと多少梅の香りも漂ってきました。マルバスミレも紫色の綺麗な花を咲かせていました。

 

鳩ヶ谷から消えた生物・消えつつある生物 32

アカガエル

昭和30年代頃までは鳩ヶ谷市内の水田では、夏になるとうるさいくらい蛙の鳴き声が聞こえていました。この頃は、アカガエルはイナゴと同じように大事な食料にもなっていました。ニホンアカガエルは、きちんとした冬眠をせずに真冬の2月に産卵する習性をもっています。産卵場所は冬でも水がたまった湿地ですが、2月下旬〜3月初めの水田や小川に寒天状の卵塊が沢山ありました。暖かくなると卵塊から出てきたオタマジャクシの群れで真っ黒になるほどでした。

 

 

地球温暖化を考える(24)

調節池とビオトープ 

足立区の桑袋ビオトープ公園

綾瀬川と伝右川の合流点に出来たビオトープですが、元は小学校でした。綾瀬川・伝右川・毛長川の3川合流地点の北側に位置する桑袋小学校跡地約1.3haの敷地に、約1800uのため池やハス田が造られ、約360本の樹木が植栽されています。地域に適した生態系を呼び戻すことを目的として創られました。

国土交通省の桑袋浄化施設が併設され、汚濁の激しい伝右川の水のBOD(生物化学的酸素要求量)を75%削減した水を毎分12t綾瀬川に放流し、そのうちの10%は園内の池に活用されているそうです。

また、園内には情報発信施設として「あやせ川清流館」という綾瀬川の水質や環境、ビオトープなどについて学習できる教育施設が併設されています。定期的に園内及び周辺地域の自然観察会やイベントを一般に向け開催するほか、小・中学校における総合学習など自然体験学習への対応も行われています。昨年9月に行った時は池の「かいぼり」が行われ、アメリカザリガニの駆除や水生動物の捕獲調査が行われました。雨の中で家族連れや小学生が楽しんでいました。この様な公園施設が身近にあることが羨ましくなります。多少人工的な施設が多いのが気になりますが、自然に親しみ、生物の多様性、外来生物あるいは池や緑が気候温暖化に与える影響など子供達が身をもって体験できることは素晴らしいことです。

池にはカルガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ等のカモ類やサギ類、セキレイ類やカワセミなどの野鳥が訪れて市民の憩いの場ともなっています。

浄化槽 伝右川と排水機場 2009年9月撮影
浄化槽の側面  浄化槽脇の空き地
カモが来る池 2009年1月撮影