No.22 2006年4月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (35)

コガモ(カモ科) Anas crecca

コガモは日本に渡来するカモの仲間では一番小さいカモで、ごく普通に見ることが出来る。雄は茶色の頭に、緑のサングラスをかけ、黄色いパンツをはいているダンディなスタイルであるが、雌は全身褐色で目立たない。飛んだ時に翼の翼鏡と言われる部分が鮮やかな緑色をしている。
 周囲に林や葦原などのある静かな池や川に好んで生活するが、広い開水面にも生息する。警戒心が強く、草陰にいると見つけにくいが、ピリッ、ピリッと交通整理にお巡りさんの笛を吹くような声で鳴くのでその存在がわかる。

鳩ヶ谷市内では主に毛長川遊水池、見沼代用水あるいは芝川に生息し、カルガモやヒドリガモなどと一緒にいることもある。芝川はコンクリートの護岸となってしまったが、時折護岸の上で日向ぼっこをしている姿を見かける。

自然の記録:

 4月 1日   ムラサキダイコン(ムラサキハナナ)の花が開花した。どこから運ばれたのか今年は多くの花が咲いている。これだけあると食草とするスジグロシロチョウが今年は期待できそうである、セイヨウタンポポも背丈は低いが開花し始めた(桜町6丁目)。桜の花が市内各地で満開となり、特に見沼用水縁、三ツ和公園、中央病院周辺、東公団への道路沿いなどが特に見事である。

 4月 3日   キジバト、ツグミ、スズメが垂れ梅の枝に止まっていた。強風のため避難していたようだが、花が落ち新芽が出ていないのでまともに風を受けていた。ハハコグサ、チジミザサの芽が急に伸び始めた(桜町6丁目)。

 4月 5日   市内で今年始めてのツバメを観察した、シャガが開花した(桜町6丁目)。

 4月 7日   コガモ約20羽が中居公園前の芝川護岸で休息していた。ハルジオンのつぼみがふくらみ始めた(桜町6丁目)、江川で冠毛が伸びたコサギを観察した。そろそろ繁殖期に入る頃である。

 4月 8日   桜町6丁目でタンポポの調査、セイヨウタンポポ12株、カンントウタンポポ4株、両種の交雑種2株、キュウリグサ、タチイヌノフグリ、ミミナグサが開花した。

 4月 9日   本町ラクダ坂付近の植木畑でオナガ2羽、湧き水公園の林でウグイスが囀っていた。

タンポポ調査:(4/9〜4/19)

下表に示したように18ヶ所、611株調べたところ、カントウタンポポ37%とセイヨウタンポポが37%、交雑タンポポが約23%の割合であったが、場所によりカントウタンポポが優勢のところがあった。5月に入ってから南部地域を調査する予定である。

調査地 カントウタンポポ セイヨウタンポポ 交雑タンポポ
桜町1丁目用水縁 0 31 7
桜町4丁目公団下 0 21 0
桜町6丁目12付近 5 40 2
桜町6丁目公園 26 9 15
桜町5丁目公園 1 4 4
湧き水公園 5 11 8
埼玉リソナ銀行入り口 0 1 0
本町1-11駐車場 10 5 0
本町2丁目路地裏 0 0 3
本町2丁目駐車場 3 28 11
本町3-8付近 2 2 4
本町3-13付近 9 0 3
本町・御獄神社 18 77 6
本町3-19駐車場 0 4 21
本町3-20付近 14 4 32
本町4鳩中周辺 122 1 9
辻バス停付近 0 5 0
本3・ガーデンヒルズ鳩ヶ谷 0 14 14
合計(611) 215 257 139

ムラサキケマンが桜町6丁目の公園、湧き水公園の林、法性寺、埼玉植物園、本町4丁目みのり幼稚園前の道路際、などで開花していた。桜町6丁目の公園で見つけた時は驚いた。法性寺ではタチツボスミレ60株、スミレ2株が開花していた。

  「春の野に菫採みにと来し吾ぞ 野をなつかしみ一夜寝にける」     山部赤人

外国産の花が多くを占める街の中で、和の花を見つけた時は嬉しいものである。
 福祉センンターに毎年営巣しているツバメの巣に新しいツバメの糞が付着していた。今年も戻ってきたようである。桜町6丁目でナナホシテントウがコンクリの上を歩いていた。ニリンソウが開花した、昨年に続いて2度目の開花である。ツマキチョウが庭を飛んでいた(今年初認)。

鳩ヶ谷駅前にまた高層ビルが1棟建った。東京砂漠が鳩ヶ谷にも押し寄せてきた。これから高齢化社会になるというのに高層マンションや自動車道路、等全てコンクリートの鳩ヶ谷市となるのは時間の問題である。

タチツボスミレ(法性寺)  ニリンソウ(桜町6丁目)
ウラシマソウ(桜町6丁目)  ニリンソウに止まるヨコジマオオヒラタアブ

 4月10日 ウラシマソウ2輪が開花した。毎年開花しているが増えもしないし、減少もしないでいる、昨年までなかったが今年はキケマンが1株開花した、鳥が運んできたのか、風が運んできたのか、最近は園芸品種のキケマンを育てている所もあるので野生種との区別が見た目では難しい(桜町6丁目)。

 4月11日 ニリンソウの葉にヨコジマオオヒラタアブが止まっていた(桜町6丁目)。

 4月12日 雨の中、天神橋付近の芝川の川面をツバメが飛んでいた。ハルジオンが開花した(桜町6丁目)。

 4月13日 ハハコグサ開花、カワラヒワが久し振りに上空通過(桜町6丁目)、ラクダ坂付近の植木畑脇の斜面でヤマブキの花が開花した。市民農園で今年始めてのモンシロチョウを観察した。

現在我が家の庭での野草は、ハルジオン、キケマン、ハコベ、ミミナグサ、キュウリグサ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、ハハコグサ、ニリンソウ、タチイヌノフグリ、カキドオシ、クサイチゴ、カントウタンポポ、カンサイタンポポ、交雑タンポポ、ノ15種類。ヤエムグラ、チジミザサ、ヤブカンゾウ、カタバミ、コオニタビラコ、等の芽が大分伸びてきた。

 4月14日 カタバミ、コオニタビラコ(春の七草の一つ:旧名ホトケノザ)が開花した、ツグミの声も渡りの時期が近づいたのか某か高い声になってきた(桜町6丁目)。

 4月15日 カワウ1羽が本町4丁目のみのり幼稚園上空を飛翔、クサノオウ2株が本町3丁目の御獄神社の傍で開花した。ムラサキカタバミも埼玉植物園の傍らで開花した。本町4丁目8の駐車場ではカラスノエンドウ、みのり幼稚園付近でヘビイチゴが開花した。

 4月16日 チュウレンジバチが家の中を歩いていた。頭部・脚部は黒色、腹部はオレンジ色の小型のハチで羽根は黒い。幼虫はバラ科植物の葉を食べ、地中の繭で冬を越すと言われている(桜町6丁目)。

 4月17日 タケイフナガタハナノミがチューリップの葉やレンギョウの葉の上を歩いていた、腕の上に載せると軽く跳ねて逃げさった。マルカメムシ2匹がツツジの葉に止まっていた、また孵化したばかりのハラビロカマキリが1匹歩いていた。コンポストの中でアメリカミズバエ(アメリカ原産の帰化昆虫)のウジが発生し始めた。成虫は体全体が黒色で細長く、触角が扁平で大きい。幼虫はゴミ溜めや腐廃物などで育つ。柿の木の近くにアミガワダケが今年も顔を出した(桜町6丁目)。

 4月19日 ラクダ坂付近の林でアオジ(1羽)およびシジュウカラ、ウグイスの囀りを聞く。変電所付近の芝川上空をセグロカモメの成鳥が飛翔していた。

 4月20日 ミツバチ(1匹)の死骸、アオオサムシ(1匹)がゴミ箱に入り出られなくなっていたので放出した(桜町6丁目)。

 4月21日 ツマキチョウの雄が飛来した。カラスビシャクが開花した、毎年数は少ないが庭の何処かで開花している(桜町6丁目)。