No.179 2019年5月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (192)

オグロシギ(シギ科)  Limosa limosa      

オグロシギの由来は尾が黒いことですが、羽を閉じた状態では風切羽先端に尾の部分が被われて、尾が見えないが翼を開くと尾の部分は黒、尾の付け根から上尾筒上部は白く、黒と白のコントラストがよく目立ちます。よく似ているオオソリハシシギとの違いは、オオソリハシシギは嘴が上に反っているが、オグロシギはまっすぐであること。ただし、見る角度によって直線か曲線か分からないこともあり、見方によっては反っているようにも見えることがあります。春と秋の渡りの時期に日本を通過するが、海岸や開けた湿地、水田などに飛来する。川口市内では芝川第一調節池を造成中にできた浅い干潟状の湿地に飛来した記録がある。 

自然の記録:

 5月 3日 グリーンセンター近くの雑木林で夏鳥のキビタキ、センダイムシクイ、エゾムシクイ等が囀っていました。コンフォール東鳩ヶ谷の敷地にあるサクラの林でもセンダイムシクイが囀っていました。丁度、夏鳥の移動日に当たったようです。樹高が高いので、かなり高いところで囀っているため姿を見つけることが出来ませんでしたが、囀りを聞いただけでも良い気分になりました。

 5月 6日 安行の雑木林では芽吹きが鮮やかな緑になってきました。林床では市内でも珍しくなったキンラン5株が開花していました。高木の梢ではキビタキが囀っていました。イチリンソウの自生地では年々株数が減少しているようです。最近は、希少な植物の乱獲が多くなってきました。

 5月 8日 見沼自然の家周辺にあるハクウンボク(エゴノキ科)の花にエゴシギゾウムシ、コイチャコガネ、ハナアブの仲間、等色々な昆虫が集まっていました。エゴシギゾウムシは体長6mm程度、口吻が大変長く、エゴノキ科の花に集まるが見る機会が少ない昆虫です。

エゴシギゾウムシ ツバキシギゾウムシ

 5月 9日 庭の叢にマガリケムシヒキ、ルリチュウレンジ、ナナホシテントウ、ニジュウヤホシテントウ等が飛来しました。

 5月10日 湧水公園と竹林の際に積んである古木から多くのシロアリ飛び立っていました。池の上ではギンヤンマやツマグロヒョウモンが飛んでいました。法性寺の墓地ではコミスジ、ナガサキアゲハ、ナミアゲハ等が飛んでいました。

 5月15日 見沼自然の家の付近で、クビアカトラカミキリ、キスジトラカミキリ、キイロトラカミキリ、エグリトラカミキリ等のトラカミキリの仲間が伐採木の貯木場で活発に動き回り、産卵や交接をしていました。シロオビアワフキ、クロボシツツハムシ、バラルリツツハムシ等の昆虫類が集まっていました。

エグリトラカミキリ クロトラカミキリ キイロトラカミキリ
キスジトラカミキリ クビアカトラカミキリ アオカミキリ

 5月17日 安行の花と緑の振興センターで満開のヤブデマリの花に沢山のハナムグリ、アオハナムグリ、ハナアブの仲間が集まり、ベニカミキリも飛来しました。前野宿川調節池に隣接する雑木林ではフタテンオエダシャクやキイロトラカミキリが間伐材に来ていました。

 5月22日 見沼自然の家の付近で、15日と同様にクビアカトラカミキリ、キスジトラカミキリ、キイロトラカミキリ、エグリトラカミキリ、クロトラカミキリ等のトラカミキリの仲間、約40頭が伐採木に集まっていました。たまたま出会った業者に聞いた所、東京の某所で伐採した木を持ってきて、この場で処理をしているとのことでした。カミキリムシの観察をしているというと、今日は処理するのをやめておくよと言ってくれたのでゆっくり観察することができました。その他、ムネアカナガタマムシという非常に小型のタマムシの仲間、コクゾウムシ等がいました。

 5月26日 アオスジアゲハ、クロアゲハ、ナミアゲハ、モンシロチョウ、ツマグロヒョウモン、コミスジ等の蝶やクロツヤコメツキなどが庭を飛び交い、クロウリハムシ、トホシテントウ等がキカラスウリの葉に集まっており、葉が穴だらけになっていました。

 5月27日 見沼自然の家の周辺で、ツマグロヒョウモン、アカボシゴマダラ、コミスジ、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ(幼虫)、ヒメウラナミジャノメ、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ、モンシロチョウ、モンキチョウ、ルリシジミ、マエアカスカシノメイガ等の蝶や蛾の仲間、シオカラトンボ、ウスバキトンボ、コシアキトンボ、チャイロコガネ、キイロテントウ、テントウムシ、ナナホシテントウ、ニジュウヤホシテントウ、マルカメムシ、チャバネアオカメムシ、ヒゲナガカメムシ、エゴシギゾウムシ、コクゾウムシ、ハナムグリ、セボシジョウカイ、アオカミキリモドキ、ツマグロオオヨコバイ、ツマグロヨコバイ、シロオビアワフキ、アカイエカ、ヒトスジシマカ、等の昆虫類、アオオビハエトリ、ネコハエトリ等のクモ類等が観察できました。グランドワークの人たちが色々と作業をしていましたが、蚕を飼育している人がおり、久しぶりに沢山の蚕を見ることが出来ました。このあたりは野生化したクワが増殖しており、ちょうど結実の頃で多くの人がクワの実を獲りに来ていました。先週カミキリムシが沢山いた、伐採木の置き場では産卵が終わったのか、カミキリムシの仲間を全く見ることが出来ませんでした。

 5月28日 久しぶりに風が吹いて涼しい一日となりました。風で飛ばされてきたのかキイロテントウやキマワリが庭に落ちてきました。

 5月29日 庭隅の落ち葉だまりにヘビの仲間のヒバカリいました。毎年、庭のどこかで30cmほどの長さのヒバカリが観察されています。庭のどこかで繁殖しているようです。クサイチゴの赤い実が沢山ついて緑の庭で目立っています。

 5月30日 家の周りで、ヒロオビトンボエダシャク、オオスカシバ、ツチカメムシ、ホソハリカメムシ、ホオズキカメムシ、ハグロケバエ、クロオオアリ、クロヤマアリ等が観察できました。

 5月31日 花と緑の振興センターおよび興禪院の川口野鳥の森を散策、ツバキ化の白い花にツバキシギゾウムシやハナムグリの仲間、ようやく咲き始めたクリの花にアオカミキリ、アオカミキリモドキ等が飛来しました。

カイコ イオウイロハシリグモ ハンノキハムシ
ヒバカリ フタテンオエダシャク 熟したクサイチゴ

地球温暖化を考える(131)

桜町湧水公園の管理作業

 5月18日、鳩ヶ谷に里山をつくる会のメンバ5名で湧水公園周囲の草刈りや湧き水の水路の整備作業を行いました。湧水公園は年に数回、市の依頼で造園業者が木の選定、他を行っていますが、菖蒲園は管理していた方がなくなったために放置されていました。菖蒲園は、元々葦原であったものを、菖蒲園を管理していた方が、約30年前に自主的に菖蒲を植栽して今に至っています。菖蒲園の管理作業が行われなくなってから約8か月、100株以上のハンノキの若木やヤナギ、エノキ、等の若木が発育しており、ヨシ、クサヨシ、ガマ、タコノアシ(希少種)、ミコシガヤ、エゾノギシギシ、セリ等が繁茂して、良好な湿原となっていました。オオタカの餌食になったのかアオサギの若鳥の羽毛が散乱、カナヘビ、イオウイロハシリグモ、クサキリ、アメリカザリガニ、ヌカエビ、ギンヤンマ、シオカラトンボ、アカボシゴマダラ、ナミアゲハ、ナガサキアゲハ、ハンノキハムシ等の生物がいました。

上の池ではコウホネが池面を埋め尽くしており、昆虫やザリガニ取りに来ていた小学生4人が手の届く範囲のコウホネを切ってくれたので助かりました。

豊田の森から見た湧水公園
タコノアシの芽生え ハンノキの若木