No.55 2009年1月

Loading

  鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (68)

カルガモ(カモ科) Anas poecilorhyncha

カルガモは一年中私たちの身近で生活していることから通し鴨、夏も生息していることから夏鴨などと呼ばれています。皇居のカルガモとしても報道されて有名になっています。本州中部以南で夏に見られるカモは本種ですが、近年は越夏するカモがいるので注意が必要です。また、他のカモ類と異なりカルガモは雌雄同色、全身褐色で黒褐色の斑があり、足は奇麗なオレンジ色をしています。また、黒い嘴の先は黄色く、野外識別点となります。翼を広げると、翼鏡と呼ばれる翼の中央が奇麗な青い色をしています。飛ぶと翼下面の白と黒のパターンが目立ちます。鳩ヶ谷市内では、水田が減少しましたが毎年見沼代用水周辺で繁殖し、沢山の子鴨を連れたカルガモを見ることができます。


自然の記録:

 1月 5日 辻のKさんより久し振りに野鳥の情報を頂きました。旧芝川でカルガモ、オナガガモ、マガモ(♂1)、コガモ、ジョウビタキ(♂1)、コサギ(1)、ヒヨドリ、ハクセキレイ(2)、新芝川ではユリカモメ(少ない)、ダイサギ(1)、アオサギ(2)、カワラヒワ(1)、ホオジロ(♀1)、キンクロハジロ(♂4♀6)、ゴイサギ(3)、ツグミ(1)などが観察されました。

 1月 7日 環境市民会議のメンバーと鳩ヶ谷市内を散策し、約40本の保存樹木の確認とふるさとの森4ヶ所を見て回りました。見沼歩道沿いの保存樹林の斜面ではタチツボスミレが数株開花し、コンフォール東鳩ヶ谷の敷地ではスズメノエンドウやカラスノエンドウ、コオニタビラコが10cmほどに伸びており、ハルノノゲシがロゼットの中心で開花していました。三光稲荷への歩道脇ではナズナが開花し、湧き水公園ではセリも見られました。今日確認できた野鳥は、キジバト、ヒヨドリ、ハクセキレイ、モズ、メジロ、シジュウカラ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラスの11種類でした。我が家の庭に生えてきたクコの葉にマルカメムシが3匹かたまって寒さをしのいでいるようでした。

今日は、七草の日でしたが市内散策でセリ、ナズナ、ハコベ、コオニタビラコ(ホトケノザ)の4種類を見ることができました。

開花し始めたナズナ 落ち葉の間からタチツボスミレが開花

 1月 8日 江川と毛長川を歩きましたが、今年はカモ類が少なく、江川でカルガモ11羽、毛長川遊水池付近でカルガモ(7)、オナガガモ(♂2)、カワウ(2)、ハクセキレイなどでした。八幡神社ではキジバト、ムクドリ、ヒヨドリ、オナガの群れが落ち葉の中を歩いて採餌していました。市内各所で紅梅、白梅、ロウバイ、スイセンなどが開花し初春を思わせる雰囲気です。

 1月 9日 氷雨降る中、柿の木のヘタを求めてヒヨドリ20羽、オナガ、ハシブトガラス、等が集まり一日中入れ替わり立ち替わり賑やかでした。ツグミも柿の木の下で採餌していました。

 1月10日 江川から見沼代用水を散策、江川でオナガガモ(♂6、♀3)、カルガモ(15)が採餌していました。

江川のオナガガモ ホバリングするカワセミの雄

 1月13日 今朝はかなり冷え込んで、庭に5cmほどの高さの霜柱がたちました。水たまりには氷も張っており冬景色となりました。自転車で旧芝川へカモ類の観察に出かけましたが日中はかなり暖かくなりました。カモ類はカルガモ(4)、コガモ(52)、オナガガモ(57)、ハシビロガモ(3)、キンクロハジロ(1)と先月に比べ半減していました。カワセミは愛想が良く3羽も出てくれて、2羽は近距離でカメラマンの被写体になってくれました。他には、ジョウビタキ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ムクドリ、スズメ、キジバト、ツグミ、ヒヨドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、アオサギ、コサギ、ドバトなど。新芝川ではユリカモメ、バン、ゴイサギ、アオサギ、カワウ、カルガモ(7)、キンクロハジロ(20)、コガモ(8)、等が観察されました。また、早くもピンク色のホトケノザが開花していました。

旧芝川は、立て看板の表示によれば、今月から3月27日まで、水辺再生100プラン推進のための工事を行うようです。底泥の浚渫と低水護岸の整備のために94,500,000円をかけた工事が実施されます。家庭の雑排水や工場の排水が奇麗で汚泥が溜まるような水が流入しなければ、これほどの金額もかからないのでしょうが?

散策していてもゴミが多いのが気になります、今日はマットレスも廃棄してありました。川をゴミ捨て場と考えている人もいるようで、流れてしまえば問題なしと思っているのでしょうか?

 1月14日 16時30分に江川の傍を通ったところ、見沼用水から北に向かってカワセミが飛んでいきました。ここでカワセミを見るのは久し振りのことです。

 1月16日 桜町6丁目と本町2丁目のゴミ収集場所付近で15羽のハシブトガラスが集まって騒いでいました。網掛けしてあるところのゴミは問題なかったのですが、網の中にきちんと入れずに置いた人がいるらしく四方八方にゴミを食い散らかしていました。近所の方が出てきて掃除をしてくれましたが、マナーを守らない人がまだまだいるようです。

先日ある会合で鳩ヶ谷のゴミ捨てのマナーはずいぶん良くなったと言っている人がいましたが何を根拠に良くなったと言っているのか解りませんが、5年前に調査を行った時に比べ多少は網掛けの状態などもよくなっていますが、網の外へ置く人が結構いるようです。

 1月19日 地蔵院の境内でオナガ約20羽が群れていました。市内では減少しているオナガですが20羽近くの群れを見るのは珍しいことです。本町2丁目にある生産緑地の樹林ではコゲラとシジュウカラがそれぞれ2羽づつ採餌しながら移動していました。

庭のスノードロップが一輪開花しました。昨年は1月16日でしたが、2005年までは2月7日頃に開花していましたので、ここ数年は半月以上開花が早くなっています。

枯れ木を突いて餌を探すコゲラ 庭に来たツグミ

 1月21日 鳩ヶ谷中央病院の敷地林にスミレ(園芸種?)が沢山開花していました。まるでお花畑のようでした。隣家の道路際に落鳥したばかりのメジロの遺骸がありました。外傷はなく体も奇麗でしたが、庭に埋葬しました。

 1月22日 久し振りにジョウビタキの雌が庭に飛来しました。小雨降る中頻りに尾を振っていました。

 1月23日 午前中雨、ツグミ、ヒヨドリ、メジロ、スズメ、ハシブトガラスが僅かに残ったカキのヘタを食べに来ています。本町2丁目のセンダンの実にヒヨドリが群がっていました。おそらく、数日内に実が無くなることでしょう。

 1月24日 今日は、今年初めて粉雪がぱらつきました。その影響か、庭にシジュウカラ2羽とメジロ1羽が枯れたヘクソカズラの実を頻りに食べていました。ツグミ2羽、ヒヨドリ、ハシブトガラスも飛来しました。

庭に飛来したメジロとシジュウカラ

 1月26日 見沼歩道の一部にオオイヌノフグリが開花していました。小さな青い花が冬空の下、光り輝いて見えました。


鳩ヶ谷から消えた生物・消えつつある生物 19

ト ビ(タカ科) 

 トビは翼と尾が長い大型のワシタカの仲間ですが、体重は軽いようです。日本のワシタカの仲間で尾の先が凹尾なのはトビだけです。昔からトンビがくるりと輪を描いたと謳われているように非常に身近な存在で、トンビ凧などとしても知られています。鳩ヶ谷市内でも50年ほど前までは湿地や水田が多く、上空をトンビが輪を描きながら飛んでいた姿が思い出されます。

 残念ながら、現在の鳩ヶ谷市内では、歌の文句のような景色を見ることはできません


地球温暖化を考える(11)

ラムサール条約に登録された豪州有数の湿地帯が「存亡の危機」、最近数年間の干ばつに加え、過剰な灌漑などの影響で水位が低下、渡り鳥の数も減少しているとのこと。アデレード郊外にあるこの湿地へ出かけたのは2004年6月でしたが、この時にはこれほどひどくはありませんでしたが、多少の傾向はありました。アデレードから約100kmのマレー川河口。琵琶湖の2倍強に相当する面積約1400平方キロの湿地帯でペリカンやコクチョウなど多くの野鳥の楽園として知られていました。

しかし、昨年から水位が海面の高さよりも低下して、海抜マイナス50cmとなり、湿地全体の5/1が干上がったそうです。近年の異常気象は年毎に変化が大きくなっています。先日の新聞報道でもオーストラリアでは40℃を越える日が続き、19人が熱射病で亡くなったとの報道がありました。日本においても、昨年の夏には35℃を越す日が多くありました。

オーストラリアペリカン マレー川河口湿地帯
湿地帯の保護区  

2008年夏に環境省が行った、いきものみっけ「温暖化意識チェック」夏の意識調査の結果を見ると以下のような結果でした。多くの人が以前に比べ暑いと感じ、温暖化しているという意識を持っているようです。

Q1: あなたは今、温暖化していると感じていますか?

   はい:93%  いいえ:7% 

Q2: 梅雨の前なのに、蚊に刺されるようになった。

    はい:54%  いいえ:46%

Q3: 夜、暑くて、寝苦しい日が増えた。

   はい:79%  いいえ:21%

Q4: 以前にくらべ、冷房をつける日が増えた。

   はい:67%  いいえ:33%

 

この様な意識を、少しでも行動に移していける人が多くなるとよいのですが。