No.175 2019年1月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (188)

チュウシャクシギ(シギ科)Numenius phaeopus

 

畦で休むチュウシャクシギ 飛ぶと腰が白い
              

ユーラシアの北部、アラスカ、ハドソン湾西海岸などで繁殖し、冬は南へ渡る。日本には旅鳥として春と秋に多数渡来する。春の渡りの時には水田地帯などではキョウジョシギ、ムナグロなどとともに群れていることが多い。嘴は長くて下に曲がっている。体は褐色で黒褐色の縦斑があり、腰の部分は白い。干潟や海岸の草地で、カニ、貝、バッタなどを採って食べる。干潟では、より大型のホウロクシギやオオソリハシシギと混群をつくり、飛び立つときや飛翔中に、ピピピピピピピッと7回笛を鳴らすように鳴くのが、英語の異名seven whistlerの由来である。川口市周辺では、芝川第一調節池が工事中の頃に観察されたが、近年の記録はない。

自然の記録:

 1月 1日 庭の植物はロゼット状態で緑を形成しています。ロゼットとは本来はバラの花の形を現す言葉のようです。また、植物の葉(根生葉)が平面的に放射状・円盤状に広がった様子をいい、ロゼット葉と呼ばれます。特に前年の終わりに発芽し、冬を越して春から成長する越年草には、ロゼット葉をつける例が多い。我が家の庭ではノゲシ、ウラジロチチコグサ、交雑タンポポ、コオニタビラコ等があります。このようなロゼット葉は、餌が乏しくなった時期にはヒヨドリなどがつついて食べています。

ノゲシ ハルジョオン ウラジロチチコグサ

 1月 4日 久しぶりに自転車で見沼田んぼにある見沼自然公園まで行ってきました。往復3時間かかりましたが、公園に来た人たちから餌をもらっているヒドリガモやオナガガモ、カルガモ、オオバン等に混じりトモエガモの雄がいました。トモエガモは珍しいので望遠レンズで写真を撮る人に混じって、携帯電話などで写真を撮っている人もいました。このトモエガモは人馴れしていて、ベンチに座っておにぎりを食べていたら、ヒドリガモの群れに混じって足元まで寄って来ました。湿地のアシの影にはクイナ、水辺ではアトリの小群等がいました。ロウバイの花もほぼ満開状態でした。

 1月 7日 今朝は七草粥を食べました。セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ春の七草ですが、今日は五節句の1つにあたります。昔は七草粥を調理するときに「草なずな 唐土の鳥と 日本の鳥と 渡らぬ先に」と歌われたそうです。午前中は旧芝川を散策、カモ類はコガモ、カルガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ(合計77羽)で年末から個体数は変わりませんでした。他の野鳥も19種類と少なく、カワセミだけが元気に飛び回っていました。帰宅後、カキの木にヒヨドリの群れが来ていましたが、その中にツグミに混じってシロハラが1羽飛来しました。

春の七草 アトリの雌
ロウバイの花 トモエガモとヒドリガモ

 1月12日 豊田の森で初仕事、切り出してあった太い枝や枯れ枝などを薪にするために搬出、斜面林を登り降りするのは、かなり重労働でしたが車3台分を搬出、冬の竹林は風通しがよく、終了後は小雪がちらつき始めていました。

 1月15日 ここのところ風が強く、近所の落ち葉が庭に吹き寄せてきてビニール袋15袋にもなりました。ぎっしり詰めて押し込んでもいくらでも入る感じです。お蔭でプランター用の堆肥作りが出来、大型のプランター10個分ぐらいは土の確保が出来たので、今年もトマト栽培が出来そうです。

 1月27日 鳩ヶ谷五山を案内してほしいという人がいたので2時間ほど散策してきました。権現山(コンフォール東鳩ヶ谷)〜大龍寺山(中央病院周辺)〜三光稲荷〜湧水公園〜法正寺山〜風の森キッチン迄、昨年歩いた時に比べると数か所の林や畑が切り払われて宅地化していました。特に中央病院周辺は南側の斜面には家が林立状態で、以前は遠方に文化放送の鉄塔を見ることが出来るほど景色がよかったのですが全く見ることが出来なくなりました。中央病院の敷地内にあった竹林やサクラの古木も伐採されて、大龍寺山の象徴であった大龍寺稲荷もどこかへ移設されてしまいました。唯一残っている三光稲荷と元屋敷園の植木畑が緑地としてまとまっているだけとなりました。元屋敷園の植木畑でオナガ10数羽が水を飲みに集まってきていました。オナガが去るとシロハラが交代でやってきました。いずれも全く声も発せずに水を飲んで飛び去りました。スダジイの落ち葉の中ではカワラヒワ2羽が採餌していました。三光稲荷の植木畑では数10羽のヒヨドリが群れており賑やかでした。湧水公園ではキジバト3羽が飛来して寛いでいました。 

 1月28日 旧芝川を散策、各所で工事中でしたが、散歩をする人も多くみられました。暖かかったので、野鳥が活発に動いていました。水鳥類はカワウ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、オオバン、バン、コサギ、ユリカモメなど。小鳥類はカワラヒワ、ウグイス、シジュウカラ、アオジ、ジョウビタキ、キジバト、ヒヨドリ、ツグミなど25種類でした。

地球温暖化を考える(127)

旧芝川の河川浄化

東京のベッドタウンとして開発が進み完全にベッドタウンと化した川口市の中心部を流れる旧芝川は、清流ルネッサンスの事業化で河川改修工事が進みました。芝川は、桶川を起点として江戸時代に掘られた農業用の排水路で、かつては江戸へのコメや農産物を運ぶ船の道でした。しかし、幾度かの大洪水が起きたために、40年ほど前に新たに(新芝川)芝川放水路が作られてからは、旧路は青木水門によって閉じられてしまいました。流れがせき止められ、わずか5.5kmとなった旧芝川には、生活の雑排水や工場排水が放流されて、悪臭が漂うドブ川になっていました。10年ほど前から旧芝川再生事業(綾瀬川清流ルネッサンス)の候補となり再生事業が行われています。以前には宇宙船地球号の番組でも紹介されたことがあります。旧芝川再生事業では、水質浄化のためのウェットランドや親水空間としてワンドなどが一部整備され、水辺に親しめる場がつくられています。ウェットランドは、集水排水路の水を導入して沈殿・接触・植生の3つの浄化を行ってから本川に流すシステムで、接触材として炭素繊維水質浄化材ミラカーボンが活用されています。定期的に河川の植物除去や浚渫などを行っていますが、家庭や工場などの排水が大量に流入していることから、いたちごっこの様相を呈しています。改修前に比べると川の臭気や濁りなどはずいぶん改良されて生息する生物の種類も増えてはいますが、清流を取り戻すまでは並大抵の事ではありません。橋の上から自転車を投入したり、大きなゴミ袋を投げ入れたりする人が後を絶ちません。それぞれの橋の区間ごとの自治体などがごみ拾いや花を植えたりして環境美化に努めていますが。

新芝川と旧芝川を隔てる青木水門
(1/28 水門にカメラを設置工事)
旧芝川に合流する堅川

家庭雑排水?工場排水?
の排水口
マスの中にはヘドロ
が堆積
手前の流れが排水溝からの流れ
川の中の堆積物の除去作業(1/28)
炭素繊維に汚れが付着 綺麗な流れ(左)、汚染水(右) 植物を使った浄化実験区域