No.21 2006年3月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (34)

ノビタキ(ヒタキ科ツグミ亜科)Saxicola torquata

 

草木がやっと新緑をまとい始めた頃、芝川などの草地でノビタキを見かけることがあります。大 きさはスズメよりも少し小型。雄は頭と背が黒色、お腹は白く、胸の赤茶色の斑紋が日の丸のよう に、一際鮮やかな小鳥です。雌・若鳥および雄の冬羽は上面が褐色をおびた地味な色をしています。 漢字で書くと野鶲。世界共通の学名では「岩場に住む首飾りのある鳥」という意味の名前が付けら れています。中国では、黒喉石鶲と呼ばれ、昆虫類を好んで食べるところから益鳥とされているよ うです。

夏の間、北海道の草原や本州の高原地帯で繁殖し、9月中旬から10月下旬にかけて本州を通過 します。以前は、市内に農耕地が多く存在していたので、稲田の案山子やセイタカアワダチソウな どの穂先に止まったりして秋野風物詩にもなっていましたが、近年は姿を見ることが少なくなりま した。

秋の渡りの頃には、写真のように雌と同様の地味な色になります。あまり人をおそれないので、 かなり近づいて観察することが出来ます。しかし、自然環境の変化や農耕地が極端に減少したこと により、このような鳥達が安心して過ごすことが出来なくなっています。農地と共存した街作りが 出来なかったのかと、今の鳩ヶ谷の変化を見ると残念で仕方がありません。

自然の記録:

 3月 1日   雨の中ハシブトガラスが庭で餌を探していた、左の翼を痛めているらしく翼が下がっていた。

 3月 2日   オオヒラタゴミムシがゴミ箱の中に落ちていた。落ち葉のしたからはい出してきたのであろうか?昨日、今日と寒い日であったが(桜町6丁目)

 3月 6日   大塚家の庭でモズが鳴いていた(桜町6丁目)

 3月 8日   キタテハが飛んでいた。越冬個体と思われるが今日の温かさで飛んできたようだ。その近くの路肩にハルノノゲシが開花した。茎丈はまだ10cm程度。垂れ梅が6分ほどに開花し、メジロが集まってきた(桜町6丁目)。また、埼玉植物園ではオオイヌノフグリ、ノボロギクが開花した。

 3月 9日   ヤブカンゾウ、ニリンソウ、ヤエムグラ、等の芽が伸び始めてきた(桜町6丁目)。

 3月20日 ヒメオドリコソウ、ハコベが開花した。ウメ、ハクレン等の花々も各所で一斉に開花した。本町3丁目でウグイスの初鳴き。 

 3月21日 カキドオシの花が開花した、シュロが芽を伸ばし始めた、昨年全て抜いたと思っていたが、又発芽したらしい。ヒヨドリが飛び回っているので糞を落としていくのであろう。温暖化の影響か市内にもシュロが目立つようになった。(桜町6丁目)

 3月25日 桜町6丁目でウグイスの声を聞くが、まだホ−ホケキョとは聞こえなかった。

 3月26日 バラの花のようなクサイチゴの白い花が開花したラクダ坂付近及び桜町6丁目、この付近は以前、大龍寺山と呼ばれており春になるとクサイチゴやイチヤクソウ、シュンラン、ニリンソウ、ホウチャクソウ、アマドコロ、キンラン、ギンラン、などが咲いていたところである。いずれの植物も現在の市内では見つけることが難しくなっている

 3月27日 アオオサムシの初認、今年も庭で観察されるようになった。タチツボスミレも開花した。庭の踏み固められた土の至る所にヒメハンミョウ(ニラムシ)の穴があいており、ノビルの茎を差し入れると嫌々するようにノビルが動いた。つり上げるのは可哀想なので存在を確認するにとどめた。子供の頃は良く庭虫釣りを楽しんだものである(桜町6丁目)。

 3月28日 モンキチョウの雌雄10〜12頭が、三ツ和公園付近の芝川で飛び交っていた。三ツ和公園から新芝川大橋までを探鳥、オオジュリン4、コガモ♂3,♀3、ヒドリガモ♂5,♀3、ユリカモメ2、ハクセキレイ1、ハシボソガラス2,イソシギ1が鳩ヶ谷市域の芝川で観察された。三ツ和公園はソメイヨシノが5分咲きになり、露店や家族連れが多かった。芝川土手ではセイヨウタンポポ、ホトケノザが開花した。

カキドオシ ハルノノゲシ
カキドオシ ハルノノゲシ