No.162 2017年12月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (175)

コクマルガラス(カラス科) Corvus dauuricus

淡色型 暗色型

日本に飛来するカラスの仲間で一番小さい。全身が黒い羽毛で覆われ、側頭部に灰色の羽毛が混じる。頚部から腹部の羽毛が白い淡色型と、全身の羽毛が黒い黒色型がいる。嘴は細く短い。淡色型は白と黒の配色からパンダガラスなどとも呼ばれています。40年前くらいまでは鹿児島県の出水地域(荒崎)周辺でミヤマガラスの群れに交じって越冬していました。30年ほど前に大阪周辺でミヤマガラスが越冬するようになり、同時にコクマルガラスも見られるようになってきました。そして、10年ほど前からは見沼田んぼでも見られるようになりました。ミヤマガラスの大きな群れの中には必ずと言ってよいくらいコクマルガラスが数羽混ざっています。川口市内では、芝川第一調節池で一度記録があります。この時もミヤマガラスと共に行動していました。さいたま市の見沼田んぼでは毎年少数が飛来し、越冬しているようです。

自然の記録:

12月 4日 鳩ケ谷本町3丁目にある御嶽神社の斜面ではスイセンが開花し、近くの駐車場では外来種のオニノゲシ、ハキダメギク、コセンダングサ、シロバナセンダングサ(シロノセンダングサ・コシロノセンダングサ)等が開花しています。外来種は寒さにも強いようです。

鳩ヶ谷中学校のサクラの木にキカラスウリの実が100個以上ぶら下がり風に揺れていました。

12月 7日 庭隅でホトケノザのピンク色の花が開花しました。冬枯れの時期にはピンク色の小さな花でもとても目立ちます。コンフォール東鳩ヶ谷のバス停付近ではカンヒザクラが満開です。春に咲く花が厳寒の時期に開花するようになり、季節感がなくなっていくような感じですが、寒さは厳しくなりそうです。

12月10日 安行慈林地域に隣接した前野宿川調節池の工事が終了し、現在は前野宿川の工事を行っていますが調節池内ではカルガモ4羽、ハシビロガモの雄3羽、雌2羽が、人が近づけないのでのんびりと泳いで、採餌をしていました。家の近くの路上を毛むくじゃらの真っ黒なケムシが歩いていました。シロヒトリの幼虫のようです。

12月12日 久しぶりに我が家の上空をアオサギが飛んで行きました。カキの実が少なくなり小鳥類の飛来も減ってきましたが、スズメ、メジロ、ヒヨドリ、ムクドリ、ハシブトガラスは常連で、ハシブトガラスは番いのようです。

12月15日 寒い一日でしたが、旧芝川を散策。漸くヒドリガモの群れが飛来し55羽になっていましたが、他のカモ類はまだ少なく、カルガモ、コガモ、オナガガモ、キンクロハジロ等、合わせても30羽程度でした。その他の野鳥はユリカモメ、オオバン、バン、ダイサギ、コサギ、アオサギ等の水鳥類、カワセミ、アオジ、ジョウビタキ、スズメ、ムクドリ、ヒヨドリ、キジバト等25種類でした。流石に昆虫類の姿は見えませんでした。

12月16日 朝晩の冷え込みが激しくなってきましたが、庭ではサザンカやバラの花が開花して、ユズの実がきれいな黄色になってきました。今年はかなり収穫できそうです。家の中ではハエトリグモの仲間のネコハエトリが忙しく動き回っていました。

カワセミの雄 カイツブリ
羽繕いするツグミとハクセキレイ

12月18日 川口駅へ出かけたついでに、徒歩で川口市役所に近い青木橋から天神橋までの旧芝川を散策、メジロ、シジュウカラ、ジョウビタキ、カワセミ、アオジ、ツグミ等の小鳥類やカモ類など27種類の野鳥を観察、五右衛門橋付近の浅瀬でボラの稚魚1000匹以上の群れが行ったり来たり、見事に統制をとって泳いでいました。この川でボラの稚魚を見たのは初めてでした。

ネコハエトリ 餌を銜えたカワセミ 水辺で採餌するアオジ

12月20日 前野宿川調節池ではカルガモ(7羽)、ハシビロガモ(雄1羽)、オオバン(1羽)が泳いでいましたが、オオバンは初めての飛来でした。昔は川口市内にも多くの池や沼がありましたが、埋め立てられて宅地化されてしまいました。新しく調節池ができると水辺に生息する野鳥が飛来してくれます。現在造成している赤山歴史自然公園でも大池ができると多くの野鳥の飛来が期待できそうです。

12月24日 プランターのミニトマトがまだ収穫できています、年越しせずに処分する予定ですが、半年間も収穫できて毎日食べることが出来ました。これも温暖化の影響かなと思っています。ムベにいたアケビコノハの幼虫が蛹化していたようで剪定の途中で見つけましたが、残念ながら蛹化した後で寄生蜂にやられたのか空の状態で見つかりました。夜になって、ササグモが廊下を歩いていました。 

12月26日 夕方、オナガの声が聞こえたので外へ出ると25羽のオナガが家の周りを飛び回っていました。今年見た最大羽数のオナガの群れでした。数年前までは30羽〜50羽の群れを見ることが出来ましたが、最近は群れを見る機会が減りました。しかし、まだ旧鳩ヶ谷市内に群れがいることが確認できて嬉しくなりました。

12月27日 隣家で野良猫に餌を与えているので、我が家の庭にハシブトガラスやオナガ、スズメなどが集まっています。今日はウグイスも来ましたが、すぐにどこかへ移動しました。

ピラカンサにはヒヨドリが集まり、毎日来ていますが、人が通るたびに飛んでは戻るという行動を繰り返しています。餌の無い時期は鳥も大変です。

12月29日 旧芝川の土手ではハルジオンが開花、新芝川の護岸工事が年末年始は休工中で、ユリカモメやヒドリガモの群れが集まっていました。民家の屋根の上にはアオサギやダイサギが置物のように止まっていた。ヒドリガモは個体数が増えて59羽が土手の上で草を食べていました。今日の観察種数は23種類といつもより少なめでした。新芝川が満ち潮のため、葦原周辺の干潟が消えていたため鳥の集まる場所が無くなっていたので鳥の集まる場所がなかったようです。

珍しく見沼代用水に集まってきたコサギ ユリカモメの群れ
休息するダイサギ 開花したハルジオン

地球温暖化を考える(115)

みんなで出来るエコライフ

日本の温暖化効果ガス排出量が3年連続で減少しているが、昨年の減少率は前年比で0.2%の横ばいで13億2200万dであったという。再生可能エネルギーの導入など発電による二酸化炭素の排出減が続く一方で、冷蔵庫などに使われている代替フロンの排出量が増えたことや火力発電所が挙げられている。温室効果ガスの9割超を占める二酸化炭素の排出量は、前年比0.5%減の12億2200万dという。パリ協定での目標値は、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ2度未満に抑える「2度目標値」を掲げている。例えば3℃上昇すると、北極圏にあるグリーンアイランドの氷床は解けて再び凍ることが出来なくなり、大量の水が溶けだすことで海水の塩分濃度が薄まる。それによって、世界中の気候を変える恐れがあり、海面上昇や作物の生産に影響が出て来る可能性があるという。

今年の6月11日に行われたエコライフDAY2017では、川口市の参加者数が107553人で、一日に減らせた二酸化炭素の総量は110,401,884gであった。ブナの木1本の1日当たりの二酸化炭素の吸収量は約30gと言われている。ブナの木に換算すると368,006本分の二酸化炭素が減らせたことになります。一方、埼玉県の参加者は443251人で4288,330,96gでしたので、ブナの木1429443.6本分の二酸化炭素を減らしたことになります。

エコライフDAYは毎年、夏と冬に行われており、小学生から大人まで多くの人が参加して行われています。できるところから、身近なところでのエコライフの実践は家計にも優しいエコライフになります。


2017年度に観察された生物

野鳥: アオサギ、アオジ、アカショウビン、アトリ、イソシギ、イソヒヨドリ、イワツバメ、ウグイス、オオタカ、オオバン、オナガ、オナガガモ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、カワセミ、カンムリカイツブリ、キンクロハジロ、クイナ、ゴイサギ、コガモ、コゲラ、コサギ、コジュケイ、シジュウカラ、ジョウビタキ、シメ、シロハラ、スズガモ、スズメ、セグロカモメ、ダイサギ、チュウサギ、ツグミ、ツバメ、ツミ、ハイタカ、ハクセキレイ、ハシビロガモ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、ハヤブサ、バン、ヒドリガモ、ヒヨドリ、ホシハジロ、ホオジロ、ムクドリ、メジロ、モズ、ユリカモメ、ドバト(53種類)

 

動物:アライグマ、アブラコウモリ、イシガメ、ミシシッピアカミミガメ、ヒバカリ、ウシガエル、ヤモリ、トカゲ、カナヘビ、アカテガニ、クロベンケイガニ、コイ、アユ、ボラ、オニグモ、ギンメッキゴミグモ、ジグモ、ジョロウグモ、シラヒゲハエトリ、ネコハエトリ、ササグモ(21種類)

 

昆虫類:アオカナブン、アオスジアゲハ、アカアシクロコメツキ、アカシマサシガメ、アカスジツチバチ、アカボシゴマダラ、アキアカネ、アトモンサビカミキリ、アブラゼミ、ウスバキトンボ、ウメエダシャク、エビガラスズメ、エンマコオロギ、オオウンモンクチバ、オオシオカラトンボ、オオハキリバチ、オオスカシバ、オスグロハバチ、オンブバッタ、カタジロゴマフカミキリ、カツオゾウムシ、カネタタキ、カノコガ、カブトムシ、キイロスズメバチ、キアゲハ、キシタバ、キタテハ、キマワリ、キバラルリクビボソハムシ、キマエアオシャク、キマダラセセリ、キンケハラナガツチバチ、クマゼミ、クロアゲハ、クロウリハムシ、クサギカメムシ、クルマバッタモドキ、クマバチ、クロオビクロノメイガ、クロコガネ、クロスジギンヤンマ、クロビロードコガネ、クロフヒゲナガゾウムシ、クロメンガタスズメ、コガタスズメバチ、ゴマダラカミキリ、コミスジ、サビキコリ、シオカラトンボ、シオヤアブ、シマサシガメ、シモフリスズメ、ジャコウアゲハ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、シロオビノメイガ、シロヒゲナガゾウムシ、シロヒトリ、スジモンヒトリ、セグロアシナガバチ、セスジナガキマワリ、セボシジョウカイ、セマダラコガネ、セマダラナガシンクイ、ツクツクボウシ、ツツジグンバイ、ツマキヘリカメムシ、ツマグロオオヨコバイ、ツマグロヒョウモン、ツマキチョウ、ツマジロエダシャク、トラハナムグリ、ナガサキアゲハ、ナカジロシタバ、ナガメ、ナナホシテントウ、ナガゴマフカミキリ、ナガサキアゲハ、ナミアゲハ、ナミテントウ、ニイニイゼミ、ニジュウヤホシテントウ、ノシメトンボ、ハグロケバエ、ハグロトンボ、ハスオビエダシャク、ハラオカメコオロギ、ハラナガツチバチ、ハラビロカマキリ、ハラビロトンボ、ヒカゲチョウ、ヒゲブトクロアツバ、ヒメコガネ、ヒメハラナガツチバチ、フタモンアシナガバチ、ホソヒラタアブ、ビロードツリアブ、ベッコウバエ、ベニシジミ、ホシホウジャク、マダラカマドウマ、マドガ、マメコガネ、ミカドガガンボ、ミツカドコオロギ、ミツテンノメイガ、ミンミンゼミ、モンキチョウ、モンクロシャチホコ、モンシロチョウ、ルリシジミ、ルリタテハ、ヤマトクロアリ、ワタヌキノメイガ、ヨツスジノメイガ、ヨモギエダシャク、中国南部産のセミ(仮称:タケオオツクツクPlatylomia pieli kato,1938 )(127種類)  

植物 :アメリカイヌホオズキ、アメリカオニアザミ、アメリカフウロ、アレチノギク、アンギョウヒカンザクラ、イヌムギ、ウマノアシガタ、ウラシマソウ、ウラジロチチコグサ、エノコログサ、オオアレチノギク、オオイヌノフグリ、オオカワジシャ、オオバコ、オランダハッカ、コオニタビラコ、オニノゲシ、オランダガラシ、オランダフウロ、カキネガラシ、カタバミ、カラスウリ、カラスノエンドウ、カラスムギ、カワジシャ、カンナ、カンヒザクラ、キカラスウリ、キクイモ、紅梅、ギシギシ、キツネアザミ、キヌガサタケ、キュウリグサ、キンミズヒキ、グンバイナズナ、コニシキソウ、コハコベ、コヒルガオ、コブシ、コメツブツメクサ、サザンカ、サンシュウ、シキミ、シャガ、シロツメクサ、シロノセンダングサ、スギナ、スベリヒユ、セイタカハハコグサ、セイヨウカラシナ、ゼニアオイ、タガラシ、ソメイヨシノ、タチアオイ、タチイヌノフグリ、タチツボスミレ、タネツケバナ、チチコグサモドキ、ツタバウンラン、ツワブキ、ナガミノヒナゲシ、ナズナ、ニリンソウ、ニワゼキショウ、ネアポリタナム、ネズミムギ、ノハカタカラクサ、ノボロギク、白梅、バイモ、ハキダメギク、ハナニラ、ハハコグサ、ハルジオン、ハルシャギク、ハルノノゲシ、ヒナキキョウソウ、ヒナタイノコズチ、ヒメジョオン、ヒオウギズイセン、ヒメツルソバ、ヒルガオ、ヒルザキツキミソウ、ヒュウガミズキ、ヘラオオバコ、ホソムギ、ボタンクサギ、ホトケノザ、マンサク、ミズヒマワリ、ミチタネツケバナ、ミモザ、ムベ、ムサシアブミ、ムシトリナデシコ、ムラサキケマン、ムラサキツメクサ、モクレン、モモ、ヤツデ、ヤブガラシ、ヤナギハナガサ、ユウゲショウ、ランタナ(145種類)