No.158 2017年8月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (171)

コアオアシシギ(シギ科) Tringa stagnatilis

コアオアシシギはアオアシシギによく似ているが、アオアシシギよりもかなり小さい。まっすぐで非常に細い嘴と緑褐色の脚が特徴。飛ぶと腰の白色が目立つ。上面は灰色であるが全体に白っぽく見え、なんとなく品のある可愛いシギである。鳴き声はピッピッピッと澄んだ声で鳴く。学名の「沼に住むクサシギの仲間」と名がつけられているように、渡りの時期には海岸の干潟などよりも休耕田や湿地などに渡来し数は少ないが、稀に20羽以上の群れを見ることもある。英名もMarsh Sandopiper。川口市周辺では、近年見ることは無くなったが、40年ほど前までは安行領家の休耕田(道の駅 樹里安周辺)では春と秋に普通に見ることができた。このような、小型のシギやチドリが飛来して休息する場所が川口市内では全くと言ってよいほど消失しました。

自然の記録:

 8月 4日 奄美地方にある迷走台風5号の影響で1週間以上に亘って涼しく曇天の日が続いている。その影響か、毎年聞いている庭の「蝉しぐれ」がなく寂しい気がします。お盆前には必ずといってよいほど賑やかだったアブラゼミ、今年はツクツクボウシの声が毎日聞こえています。

ボタンクサギにいたクロメンガタスズメの幼虫は蛹になるために全て消失しました。プランターのトマトにはホウズキカメムシとクサギカメムシが集まり、トマトが被害にあって腐ってしまいます。

 8月 6日 柑橘類にはナガサキアゲハとナミアゲハの幼虫が幾つかいますが、少し成長すると鳥にでもやられているのか、姿が見えなくなります。ツユクサにはツユクサハムシ、キカラスウリにはクロウリハムシが沢山来ています。 

 8月 7日 暦の上では立秋、夕方から台風5号の影響で降雨。クリスマスローズの葉上にモンクロシャチホコが止まっていました。コンフォール鳩ケ谷の敷地にあるエゴノキにゴマダラカミキリが止まっていました。10数本あるエゴノキを見てみるとすべてのエゴの木の幹からフラス(カミキリムシの幼虫の糞と木くず)が沢山落ちていました。

 8月 9日 台所の壁にキシタバという蛾の仲間がいました。羽を閉じると木の皮のような感じに擬態しますが、羽を広げると黄色と黒色の渦巻き模様の羽が見えます。ブロック塀の付近ではオオモモブトスカシバという蛾の仲間が飛んでいました。最初はスズメガの仲間のホウジャク類かと思っていましたが近づいてみるとスカシバの仲間でした。

クロメンガタスズメの幼虫とボタンクサギの花
オオモモブトスカシバ ヨモギの葉を纏ったオオミノガ タカサゴフヨウの花

 8月13日 久しぶりに旧芝川を歩く。アレチウリ、アメリカアサガオ等のツル性の植物が繁茂していた。開花植物はヒルガオ、コヒルガオ、アレチハナガサ、タカサゴフヨウ、ヨウシュヤマゴボウ、シマスズメノヒエ、アオガヤツリ、キクイモ、オランダハッカ、ミズヒマワリ等、昆虫類はギンヤンマ、シオカラトンボ、ウスバキトンボ、チョウトンボ、アジアイトトンボ、キイトトンボ、ナミアゲハ、キアゲハ、ナガサキアゲハ、クロアゲハ、アオスジアゲハ、ゴマダラチョウ、コミスジ、ツマグロヒョウモン、モンシロチョウ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、サビキコリ、アオコガネ、エンマコオロギ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ、クマバチ、セグロアシナガバチ等、その他、ミシシッピアカミミガメ、クロベンケイガニ、アカテガニ等が観察されました。野鳥は少なく、スズメ、ムクドリ、キジバト、ツバメ、ヒヨドリ、ハクセキレイ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、カワウ等でした。

 8月15日 朝、ごみ置き場へ行くとカブトムシの雌が歩いていました。カブトムシの生息できる環境が少なくなった鳩ヶ谷ですが、時々観察することがあるのがうれしいです。

夕方になり、庭隅でハラオカメコオロギが鳴きだしました。

 8月17日 久しぶりの晴れ間が出ました。庭のヤブガラシにアオスジアゲハが飛来し吸蜜していました。夕方になりエンマコオロギ、ミツカドコオロギ等が鳴きだしました。

 8月18日 TVニュースによると東京地方は連続18日間の降雨という。庭ではジョロウグモ、ギンメッキゴミグモ、オニグモ等が網や糸をはっており庭へ出るたびに顔や頭にクモの巣がかかる。

昔から、「朝のクモは縁起が良い・夜のクモは縁起が悪い」と言われている。クモは晴天になる日しか網を張らないので、朝にクモが網を張っているということは晴天になる。つまり、天気が良くて気持ちのいい1日になる。という印象が朝のクモは幸福を持ってくるようです。それとは逆に夜のクモは夜になって薄暗いところに網を張る、という悪いイメージから不幸を持ってくるようです。しかしながら、18日も雨の日が続くとクモも餌をとらなければならず、天候にかかわらず雨の日でも網を張っているようです。

庭の落ち葉を集めていたらヒバカリが出てきました。先月見たものか、それよりも少し小さい感じがしましたが毎年我が家に現れるので繁殖をしているのかもしれません。

 8月19日 前野宿川遊水地の公園を散策、ヒヨドリジョウゴの花と真っ赤になった実がありました。植物はムラサキツメクサ、サクラタデ、ミコシガヤ、アオガヤツリ、キンエノコロ、アキノエノコログサ、昆虫類はクロスジギンヤンマ、シオカラトンボ、ウスバキトンボ、ショウジョウトンボ、アオスジアゲハ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、ムラサキシジミ、ベニシジミ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ等、その他、ドジョウ、アメリカザリガニ、ナガコガネグモ、カルガモ、ハシボソガラス等がいました。帰途、安行慈林と桜町6丁目との境を流れる江川で数人の人が川の中を見ていたので近寄ると、アユがいるよと教えてくれました。昨年は11月頃まで見られたようですが、旧鳩ヶ谷市内でアユを見たのは初めてでした。

 8月21日 庭隅に伸びてきたネズミモチの下に沢山の糞が落ちていました。シモフリスズメの幼虫がいるのではないかと探しましたが見つかりませんでした。大きく成長すれば姿が見えやすくなるでしょう。夜になり、家の中を小さな昆虫が跳ねまわっていました。小さなマダラカマドウマでした。あまり小さいので、捕まえるとつぶしそうなので自由にしておいたところどこかに消失しました。

ヒヨドリジョウゴの花と実 キボシカミキリ

 8月26日 竹林で竹の間伐作業を行っていたところ、10m以上ある竹の枝先にカネタタキが止まっていましたが、切り倒した竹の枝先でしっかり止まっておりゆっくり歩いていました。その他、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、ツマグロヒョウモン等が飛んでいました。

 8月28日 庭ではハチの仲間が多くなりました。キイロスズメバチ、ハラナガツチバチ、キンケハラナガツチバチ、ヒメハラナガツチバチ、アカスジツチバチ、セグロアシナガバチ等、カノコガも多く飛んでおり、セスジスズメの幼虫が歩いていました。

 8月29日 庭のサクラの木に、ナガゴマフカミキリとクロフヒゲナガゾウムシがいましたが、両種ともに羽がすり減って別種のように見えました。夜はかなり涼しくなって、エンマコオロギとアオマツムシの声が強くなってきました。

 8月30日 午後からの強い雨の影響で、スジモンヒトリ、ヨツスジノメイガ、カノコガ等が草陰に止まっていました。

球温暖化を考える(111)

西新井宿の緑地帯

東京外環道南側に位置する緑地帯は、川口市立グリーンセンターの緑地と連続したグリーンベルト地帯で、川口青陵高校や外環道が出来る以前は差間地域まで連続した緑地が続いていました。現在は東京都の近郊緑地に指定され開発が規制されていますが、緑地周辺の徒歩5分以内に5か所の高齢者の介護施設があります。墓地も数か所出来ており、徐々に緑地が減少しています。何とかこの谷地の部分だけでも残ってほしいものですが、開発優先の川口市では、いずれ消失する可能性もあります。写真奥にある森の中に入ると昼でも薄暗く、夏はヤブカの襲来ですごいですが、涼しさは満点です。青陵高校ができる以前の林では毎年3000羽〜3500羽のカラスが塒にしていましたが、現在は、写真奥に見える松山とグリーンセンターの林にカラスの塒が移動しました。この周辺では、フクロウが繁殖しており、野生生物も多く生息しています。この林が、このまま残ってくれると良いのですが、周辺の開発が進んでいるので心配です。

外環道川口インター付近 南側を流れる小川 小川と竹林
農地から松山周辺地域 こんもりとした樹林帯