No.24 2006年6月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (37)

アオサギ(サギ科) Ardea cinerea

アオサギ

アオサギなのに青くないとよく言われるが、漢字では青鷺ではなく蒼鷺と書き、国内で見ることが出来るサギの仲間では最大、時々ツルと間違われることがある。また、光線の具合によって遠く から見ると全体が白く見える事があり、同じような大きさのダイサギと間違われることもある。
 集団繁殖地は北海道などに散在し、関東以南でも見られるが繁殖が確認されている地域は少ない。 鳩ヶ谷市内では芝川で時々観察されるか、上空を飛翔している姿が見られる程度で個体数は少ない。武蔵野線を境にした北側に広がる芝川第一調節池の工事が進められているが、この地では1 0羽以上のアオサギが観察されることもある。

主に魚を食べるが、バッタやザリガニ、カエルあるいはカメ等も食べる。カメの甲羅のような硬いものを飲み込んでいることがあるが、人間の胃とことなり砂嚢があるので少しずつすりつぶして不要物はペリットとして吐きしている。葛西臨海公園ではエイを捕らえていたが飲み込むことが出来ずに苦労していた。

自然の記録:

 6月 4日   鳩ヶ谷中学校体育館付近でチョウセンシマリスを観察した。数日前にも本町3丁目の山下医院付近で観察した主婦がいる。鳩中通りを中心に活動しているらしく、体育館脇のドブや周辺民家の排水溝などを自由に出入りしている事から活動範囲は広そうである。シマリスは北海道のみに分布・生息しているが、チョウセンシマリスは現在外来生物として問題となっている。通りがかった中学生が喜んで観察していたが、本来生息していない生物を放鳥・放獣する事は厳に慎むべきである。

ツチカメムシ、オオモンシロナガカメムシ、マルカメムシが庭を徘徊し、モンシロチョウ(2)が飛び回っていた。また、カナヘビは日向ぼっこでマユミの枝でじっと動かず。
  ドクダミの花が咲きだし群落化してきた、4月に開花したキケマンとは別に小さな株が開花し始めた(桜町6丁目)。

 6月 5日   昨日チョウセンシマリスを観察した付近で民家のブロック塀の隙間からシジュウカラ2羽が、それぞれに何かの幼虫をくわえて飛び出した。近くで営巣し子育て中なのであろう(本町3丁目)。

 6月 6日   カナヘビが3匹ジャガイモの葉の上で日向ぼっこをしていた(桜町6丁目)。

 6月 7日   久し振りにヤモリが台所の窓にへばり付いていた、灯りに集まる昆虫を狙っているようだ。

 6月 8日   アオオサムシが長い間交接していた。クロビロードコガネが地上を歩いていた(桜町6丁目)

アオオサムシの交接 カルガモの親子
アオオサムシの交接 カルガモの親子

 6月 9日   一日中雨もよいの天気であったが、16時過ぎに雨が止んでコゲラ4、5羽、メジロ、シジュウカラの群が栗の木の回りを飛び回っていた。コゲラは桜町の町内で繁殖したようだ。また、ウグイスが囀っており越夏の可能性がある(桜町6丁目)

 6月10日 夜、廊下の壁をマルモンサビカミキリPterolophia cngusta が歩いていた。手で捕まえたら2回ほど噛みつかれた。このカミキリムシは全国に分布し、エノキやクリなどに寄生する体調9mm位の小さな錆色をしたカミキリムシである。昨年も庭で1匹観察したが、庭のエノキまたは裏の栗の木から飛来したものと思われる(桜町6丁目)。

 6月12日 本町4丁目でコオニタビラコの花にスジグロシロチョウ、ノゲシの花にモンシロチョウが飛来していた。桜町6丁目の民家の門柱にヤモリの子がへばり付いていた、また、キマワリが長い足で歩き回っていた。野生化したナガミヒナゲシの花が終わり、上から見ると印鑑のような形をした実花が市内各地で目立つようになった。

 6月13日 庭の草むしりをしていてホンハラビロカメムシ、マルガタゴミムシ、テントウムシ、カノコガ、ミノムシ、ジグモなどを観察した。ツユクサが開花(桜町6丁目)

 6月14日 旧東公団に今年初めてツバメが営巣したが、下を通る人の迷惑になるということで公団再生機構の人が巣を落としてしまったと、市民よりの情報があった。繁殖中のツバメの巣を破壊することは鳥獣保護上および愛護思想上も問題である。鳩ヶ谷市内ではツバメの営巣率が減少しているため、せめてツバメの繁殖が終わるまで待つべきであり、糞が落下しないような方策を考えるべきであったと考える。

 6月19日 毎日雨が降り続いていたが、今日は昼頃から良い天気になったので昆虫類も活発に動き出した。オナガが柿の木で蛾の幼虫をくわえていたが近くで繁殖している様子。ヒヨドリがオナガの後に巣立ちビナを連れて柿の木で餌を与えていた。毛虫が多くなってきたなと思っていたので、良いことである。

毎年マユミの木で繁殖しているキバラヘリカメムシが今年も交接をはじめ、今日は5匹を確認した。カノコガも数匹飛び回っている(桜町6丁目)。 

 6月23日 カノコガ数匹が庭を飛び回り、ビロードコガネが逆さまになって暴れていた(桜町6丁目)。

 6月24日 ウグイスが相変わらずホーホケキョーと囀っている、何処かで繁殖をするとよいのであるが(桜町6丁目)。

 6月25日 ヒカゲチョウがクズの葉に止まっていた。また、白地に灰色の縞模様が入った小型の蛾マエキエダシャクScopula nigropunctata がツユクサの葉に止まっていた。隣家から伸びてきたクズが屋根を覆っており、色々な蛾の幼虫が現れる。ここの所、ウメエダシャクを何度か見かける (桜町6丁目)。

 6月28日 コアオマルガタゴミムシAmara chalcophaea 5〜6mm程度の大きさで、マルガタゴミムシに似ている。ヒメハンミョウが一度に羽化したらしく10匹以上の成虫が庭を飛び回っていた。春、庭に沢山の小穴を開けていたニラムシが無事成虫になったのである。
 毎年庭に生えてくるヤブカンゾウは未だかつて花をつけたことがないが、今年は数本が蕾を付けている、もしかしたら開花するかもしれないが開花前に昆虫類に食べられてしまうかもしれない。先日はサボテンの花芽がついて、もうじき開花という時期に3本とも食べられてしまった(桜町6丁目)。

 6月30日 ヤマトクロアリ、ヤマトシジミ、キバラヘリカメムシ、ヒメハンミョウ、ナミアゲハなどが活発に活動している。ウメ、カキ、ツバキに各種の毛虫が繁殖して、糞と食べ落としの葉が沢山落ちている。それを狙ってヒヨドリ、スズメが頻繁に訪れている。

一番子を育てたツバメが巣の近くを飛び回っていた。二番子を産むかもしれない(桜町6丁目12番)。