No.152 2017年2月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (165)

ミコアイサ(カモ科) Mergus albellus 

ミコアイサ 雄

冬鳥として九州以北に渡来し、湖沼や池、河川などに生息するが北海道では少数が繁殖している。雄の成鳥は頭から胸にかけて真っ白で、頭上に冠羽がある特徴的な色合いをしており、見間違うことはない。その白い姿から「巫女秋沙」の名がついた。また、眼の周りが黒いので俗にパンダガモの愛称で呼ばれている。雌は栗色の頭で顔は黒くて頬から前頸が白い。渡ってきたばかりのエクリプス羽の時は雄も雌とよく似ているので誤認しやすい。アイサ類の特徴である嘴は細く、先がカギ型に曲がって、縁にぎざぎざがある。潜水は巧みで、小魚や甲殻類などの動物質を捕る。

県内では各地の湖沼や河川に飛来するが個体数は多くはない。川口市内では芝川第一調節池が唯一の定期的な飛来地となっており、多いときは数10羽の群れで飛来することもある。

自然の記録:

 2月 1日 川口市役所より、旧芝川を散策し新芝川にかかる鳩ヶ谷大橋から変電所のバス停まで、その間に観察された野鳥は30種類でした。カモ類の個体数が多少増加しており、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、ホシハジロに加え旧鳩ヶ谷市内では初記録となるスズガモの雄が2羽、その他の水鳥類ではカモメの第一回冬羽が初記録となりました。その他、アオサギ、コサギ、オオバン、バン、カイツブリ、イソシギ等、小鳥類ではシジュウカラ、モズ、スズメ、メジロ、ムクドリ、ヒヨドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス等、新芝川の青木水門付近では久しぶりにホオジロ2羽などが観察されました。今日は風が強かったけれども、オオイヌノフグリが開花していました。

スズガモ オオイヌノフグリ

 2月 2日 今日は北風が強く寒い一日でした。年末から少しずつ開きかけてきた鉢植えのクリスマス・ローズが開花しましたが、地植えのものはまだロゼット状でようやく新しい葉が萌出してきたところです。

 2月 3日 北風が強く寒い一日でした。自転車が押し戻されることが何度かありました。鳩ヶ谷支所での確定申告の帰り道で遠回りをして毛長川沿いを走ってきました。八幡木中学校付近の毛長川でハシビロガモ雄5雌1羽、カルガモ8羽、コガモ雄雌各1羽、ハクセキレイ雄1、雌5羽、ツグミ、ムクドリ、スズメ、ヒヨドリ等、鳩ヶ谷支所のサザンカの植え込みではメジロの群れがいました。市内各所では紅梅や白梅が満開に近くなっているところがありました。

カモメ 1年目冬羽 地植えと鉢植えのクリスマス・ローズ

 2月 4日 立春となり、市内各地でマンサク、サンシュウの花が開花し始めた。我が家の庭では小鳥類が運んできたマンリョウが各所で発芽しています。

 2月 6日 今日は暖かい一日となりましたが、風が強く自転車で走っていると時々押し戻されるようになりました。そんな中でハンノキの花が咲き始めていました。近くの木の枝ではカシラダカが数羽と水たまりでカワラヒワが水浴びをしていました。

カシラダカ ハンノキの花序 カワラヒワの水浴び

 2月15日 今日は晴れて暖かかったので旧芝川周辺を歩いてきました。土手や河川敷にはオオイヌノフグリ、タネツケバナ、ナズナ、ホトケノザ等が開花しており、すでに春の気分です。

野鳥も34種類と多く見ることができました。カンムリカイツブリ、カイツブリ、カルガモ、コガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、スズガモ(雌)、ヒドリガモ、クイナ、バン、オオバン、アオサギ、ゴイサギ、コサギ、ユリカモメ、セグロカモメ、キジバト、イソヒヨドリ、カワセミなど、スズガモは前回は雄が2羽でしたが、今回の雌も旧鳩ヶ谷市内では初記録です。その他、交雑種と思われるミシシッピアカミミガメとミシシッピアカミミガメとが並んで日向ぼっこをしていました。 我が家の裏庭にあるコンポストの堆肥置き場ではウグイスが頻りに堆肥を啄んでいました。

イソヒヨドリの雄 クイナ スズガモの雌
庭のウグイス タネツケバナ開花 ミシシッピアカミミガメ

 2月17日 ここ数日暖かい日が続き、今日は強風が吹いて春一番とのこと、気温も日中は20℃を超える暖かさと言うよりは暑いくらいであった。そのために菜の花やサクラなどが開花しており、庭のしだれ梅も3分咲きとなりました。

菜の花開花 サクラも開花(種類不明) 庭のしだれ梅

 2月20日〜28日まで、大阪に出かけていたので、大阪府内で見た主な野鳥を紹介します。豊中市の服部緑地公園および大阪大学敷地内(待兼山)、吹田市の万博記念公園、堺市の大泉緑地公園、など、いずれも2時間程度の散策でしたので多くの種類を見ることはできませんでした。

服部緑地公園のヒヨドリ 淀川河川敷のハッカチョウ
服部緑地公園のイカル 万博記念公園のルリビタキ
大泉緑地公園のカラアカハラ雌 万博記念公園のビンズイ
万博記念公園のネコヤナギ グンバイナズナ

 

地球温暖化を考える(105)

とよなか四季彩園&服部ビオパーク(大阪府豊中市)

とよなか四季彩園は、伊丹空港発着陸の騒音の影響で市域の広域を緑地化した場所で、市街地にありながら多くの生き物が暮らせるようにする場所として、体験や学習の場として公園の一部に3年前に設置されました。豊中四季彩園は豊中市が施設したものですが管理は全てNPO法人豊島北ビオトープクラブが運営管理しています。常に5〜6名で運営し、高齢化の問題も出ているとか。ここでは水生生物を始め、野鳥や昆虫などの楽園となることを目指しています。また園内にある自然学習センターでは、自然環境に関連した各種講座を開催して体験学習施設として運営しています。

四季菜園の中には、林がないが周辺の公園にある樹木が生長することにより、四季菜園の環境を生かしてくれるものと思われます。隣接するスポーツセンターの屋上も緑化していました。

川口市と合併する前の旧鳩ヶ谷市時代には、このようなビオトープ構想がありましたが合併により実現できませんでした。

ビオトープの全景 ビオトープのセンター
田んぼと西の小川
西の小川 野鳥とトンボのサンクチュアリ
広域緑地全景 服部地域の緑地 隣接するスポーツセンターの緑化