No.149 2016年11月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (162) 

ハマシギ(シギ科) Calidris alpina

ハマシギ 冬羽

ハマシギは漢字で書くと浜鷸、普通に見ることができる灰褐色のシギである。名の由来は「羽まだらシギ」が略されてハマシギにという説がある。古来、浜千鳥ともよばれていました。

ユーラシアから北米大陸にわたる北半球に広く分布します。夏は高緯度地域(北極圏)で繁殖、冬は温暖な温帯、亜熱帯地方で越冬する渡り鳥ですが、日本の各地で越冬する群れもよく観察されます。従って、ハマシギは「冬鳥」でもあり「旅鳥」でもあります。海岸の砂浜、河口域といった、浅瀬の海水域から汽水域に生息し、砂浜や浅瀬で採餌しますが、海岸から離れた水田などの淡水域にも飛来します。餌はゴカイ類や小さめの貝類を採る姿がよく観察されます。 

羽色は夏羽と冬羽では、色と模様が大きく異なります。夏羽の特徴は、お腹に黒い斑があること。そして頭頂部と背中が褐色で、その中に黒色の斑が見えます。冬羽では全体として白っぽい褐色となり、お腹の黒斑は消え、その部分は真っ白となります。季節の変わり目には、まったくの冬羽のままの個体と、夏羽に換羽してしまった個体とが混在することも珍しくありません。

集団でいるときよく鳴き交わし、「ビュルツ」とも「ジュイー」とも聞こえる、濁った鳴きかわしをする場合と、まったく澄んだ声で「ピーィ、ピーィ」と鳴くこともあります。

 

ハマシギの群れ飛ぶ様は見事なり右に左に統率ありて

 

自然の記録:

11月 2日 鳩ヶ谷中央病院敷地内にあるカキにメジロ23羽、ヒヨドリ、スズメなどが集まってきました。どこでもカキの収穫をしなくなって鳥にとっては恵みの食べ物となっています。

11月 3日 朝方まで雨が降っていたが6時過ぎには止んで暖かくなってきました。庭のエノキの枝を剪定していたところ、ルリタテハ、キタテハ、ヤマトシジミなどが飛来しました。

湧水公園ではアキアカネ数頭が池の周りで休んでおり、冬羽のキセキレイも見られました。

11月 5日 庭のカキにムクドリ、スズメ、ヒヨドリ、ハシブトガラス等が集まり、シジュウカラも姿を見せました。アカタテハ、キタテハは相変わらず熟しカキに集まってきます。

キセキレイ冬羽 アカタテハ ルリタテハ

11月 9日 木枯らし一番が吹いて寒い一日となりましたが、庭の日だまりではルリタテハ、モンシロチョウ、イチモンジセセリ等が羽を休めていました。近所のブロック塀では数日前からシジュウカラが飛来しています。今頃巣作りとは思えませんが?キジバトなどは冬でも繁殖するものがいるので、もしかしたらと期待しています。

11月12日 路傍のアメリカセンダングサ(北米産)の花にモンシロチョウ、モンキチョウ、キチョウ、キタテハ、ヒメアカタテハ、ウラナミシジミ等が集まっていました。9日の木枯らしの寒い日とは一変して小春日和となりました。庭ではルリタテハ、クビキリギス等が見られました。

11月12日 庭ではヤマトシジミ、ベッコウバエ、キイロテントウ、ホソヘリカメムシ、ツマグロオオヨコバイ等が飛び回っていました。

クビキリギス 尾が長いウラナミシジミ 後翅が切れたヒメアカタテハ
モンキチョウ ビワの葉に止まるベッコウバエ 開き始めたハマユウの花

11月15日 今年のカキは雨が多かった影響か実が熟しても水っぽい感じのものが多く、どこの家でもほとんど収穫せずに木にぶら下がっており、鳥の姿が目につきます。我が家の庭でも、今朝はメジロ9羽が飛来し、カキと月桂樹の木を行き来していました。ヒヨドリ、ムクドリ、ハシブトガラスも飛来して賑やかです。

11月18日 今日は暖かい一日となり、近所のモミジやドウダンツツジもかなり赤くなってきました。

モンキチョウ、モンシロチョウ、キタテハ、ツマグロヒョウモン、ウラギンシジミ等の蝶も飛んでいました。

紅葉してきたモミジ ドウダンツツジ

11月19日 一日中冷たい雨が降っていましたが。庭の柿の木は賑やかでした。ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、メジロの群れが集まり、カキのへたをシジュウカラのペアが啄んでいました。寒いときは野鳥も食欲が進むようです。近所の庭ではハマユウの花が開化しはじめ、白や赤のサザンカも開花しました。また、コンフォール東鳩ヶ谷バス停付近のヒカンザクラ2本が満開を過ぎて散り始めていました。このサクラは年に3回ほど開花します。

11月21日 大阪から送られてきたハクサイの中に沢山の糞が落ちていたので何枚か葉を外したところヨトウムシの終齢幼虫が出てきました。このようにして運ばれて分布する昆虫も多いようです。

11月23日 今日は勤労感謝の日、以前は新嘗祭と呼ばれる収穫を祝う祝日でした。一日中寒く、ヒヨドリの声のみがよく聞こえていました。

11月24日 昔の24節気では今週あたりはが小雪と呼ばれ、そろそろ雪の降る季節ということですが、今日は54数年ぶりに11月に雪が降りました。朝7時頃前までは雨でしたが、7時過ぎる頃から霙とり、その後は降雪そして積雪です。残っているカキの実にはスズメが鈴なりになっていました。庭のサザンカも2輪開花しました。雪の中の赤い花は目立ってきれいでした。クリスマスローズも雪で覆われました。

サザンカの花 雪化粧したカキ クリスマスローズ

冬の訪れと供に各地で冬鳥の情報があります。特にマヒワやアトリなどの群れが出ているようです。マヒワは冬の使者ともいわれています。カワラヒワによく似ているので誤認されることもあるようですが、よく観察すると違いがわかります。ヒワ類は平安時代の昔から「ひわ」の名前で知られていたようです。俳句ではカワラヒワは春の季語、秋の季語のひわ(鶸)はマヒワやベニヒワを指します。どちらも、晩秋から冬にかけて枯れ木に色を添えてくれます。

     鶸の影すぎしと思う霧深し  水原秋桜子

     雀ほど鶸鳴きたててて山淋し 正岡子規

ハクサイのヨトウムシ アトリ マヒワ

11月27日 門扉にコバネイナゴが止まっていました。北風に吹かれて吹き飛ばされないように、時々体の位置を変えていました。

11月30日 今日は、久しぶりにコゲラが飛来しました。メジロ、シジュウカラと共に飛来して柿の木についている小さな昆虫類などを捕っていました。ムクドリ、ツグミ、ヒヨドリも飛来して一日中賑やかな庭となりました。

 

地球温暖化を考える(102)

赤沢自然休養林(信州木曽・上松町 小川入り国有林)

赤沢自然休養林は、信州木曽路にある上松町西部の標高1,080メートル〜1,557メートルに位置し、日本三大美林の一つである。樹齢およそ300〜350年の木曽ヒノキの森で「森林浴発祥の地」として知られています。面積は約728ヘクタールで「21世紀に残したい日本の100選」「環境省かおり風景100選」に選ばれ、2006年には「第1期森林セラピー基地」に認定されました(中部森林管理局)。赤沢自然休養林は、樹齢300年以上の天然木曽ヒノキが林立していますが、原生林ではありません。1600年代の半ばに、当時の尾張藩が厳しい森林保護政策をもって護り始めたのが、この森の始まりです。渓谷沿いに森林鉄道が走り、8つの散策コースがあり、車椅子利用が可能な散策コースも整備され、木曽ヒノキの森の中で新緑、渓流、紅葉と春から秋にかけて森林浴を楽しむことができます。

江戸時代に尾張藩がこのような森林保護政策をとったことが、現在の森林保護につながっています。このような豊かな自然林があることによって、この地域の生物多様性も保たれています。

● 11月3日に発表された、国連環境計画(UNEP)の報告書によれば、各国の現行目標では、2030年の温室効果ガスの排出量が二酸化炭素(CO2)換算で年間540億〜560億dに達すると試算。気温は3.4〜2.9度上昇すると分析しています。
 11月4日に発効したパリ協定は気温上昇を2度未満に抑える目標を掲げており、「2度目標」の達成には、30年の削減量を現行の目標よりも120億〜140億d上積みする必要があると指摘していています。

森林鉄 道川本谷
車いすも通れるふれあいの道 途中のトイレ
中立橋付近 森林鉄道乗り場付近

● 今年の夏期に行われた埼玉県のエコライフDAYの報告によれば、418,202名が参加して、375061545gのCO2 の削減であった。CO2 (二酸化炭素)の排出量を具体的にイメージするために、木の中でも特に身近な『杉の木』に換算して表現していますが、大きく成長した杉の木(50年で、高さが約20〜30m)は1年間で平均して約14kgのCO2 を吸収するとされています。CO2 を375061545g削減できたということは、『杉の木約2696472.5本』の効果と表せるわけです。CO2 削減量を杉の木の本数で表すことで、具体的にイメージしやすくなります。