No.91 2012年1月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (104)

ヨシガモ(カモ科) Anas Falcata

ヨシガモ(葦鴨)はナポレオン帽子を被ったような頭をしていると形容されますが、ナポレオン帽子といっても知らない人の方が多い。と言っても、なかなか美味い形容の言葉が見つからないが?後ろ髪をオールバックに伸ばしている感じの頭で額から頭頂部は焦げ茶色をしている。顔から後ろ髪にかけては光沢のある緑色をしています。尾羽の上を飾るように伸びている羽は三列風切というものです。雌は全体に地味な褐色系の色をしているので、慣れないとヨシガモの雌であると識別するのが難しい場合があります。雄と一緒に泳いでいれば何とか、あれがヨシガモの雌かと識別することが出来るでしょう。鳩ヶ谷市内では見る機会はあまりありませんが稀に記録されます。


自然の記録:

 1月 1日 庭の寒椿と乙女ツバキの間に大きな網を張ったジョロウグモが風に吹かれながらじっと耐えていました。昆虫類のいない時期に網にかかる獲物も少ないと思いますがじっと待っているのがいじらしい。ユズの実がへこんだところに同じ色をした小さなキイロテントウがいました。こんなところで冬越しをしているとは思いませんでした。

 1月 2日 江川沿いのいつもの道を散策、カルガモ(21羽)、オナガガモ(雄雌各1羽)、コガモ(雌3羽)、コサギ(2羽)等がいましたが、例年に比べて飛来数が少ない感じがします。

 1月 3日 相変わらず残り柿にムクドリ、ヒヨドリそれぞれ30羽以上、スズメ15羽ほどが集まってきて騒いでいます。ギュルギュル、ピーピーが美味い美味いと聞こえるのは私だけでしょうか。寒さが厳しいのか、とにかくもの凄い食欲です。

 1月 8日 良く晴れた一日でしたが風が強く寒かったためか、柿の木には諸鳥の集まりが悪かったようですが、殆どの柿は丸みがなく、かすが残っているという感じでした。江川ではオナガガモ(雄1,雌3羽)が泳いでいましたが、何となく寒そうな感じでした。

 1月 9日 庭の日溜まりで早くもヒメオドリコソウとハコベが開花しました。家の中にいても手がかじかむような気がしますが、数十年前に比べ冬の温度が暖かくなっているのは確かなようです。「ヒメオドリコソウ」は、明治の中頃に日本に入ってきたヨーロッパ原産の帰化植物です。花の付き方などが日本在来の「オドリコソウ」とよく似ていて、小さいという意味を表す「ヒメ」を付けてヒメオドリコソウと呼ぶようになったそうです。オドリコソウの名前の由来は花笠音頭を踊る踊り子に似ているところからつけられたようです。最近では、おなじような環境に生育するホトケノザに取って代わるほど勢力を広げているようです。

 1月10日 周辺の柿の木にはスズメ、ムクドリ、ヒヨドリ、キジバト、オナガ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、メジロ、シジュウカラ等が飛来しています。毎年、常連となっているウグイスが今年は全く姿も地鳴きも聞こえません。隣家の邸宅の木を全て伐採し藪が無くなったのが我が家へ来なくなった原因かなと思っています。隣家は以前にコリーの養犬場をしていたので庭の広さも500坪以上あります。殆ど自然状態のままの庭で我が家へも色々な生物が訪れる要となっていました。

 1月14日 毛長川調節池脇の毛長川でキンクロハジロ(雄2、雌7羽)、ホシハジロ(雌2)、八幡木中学校脇ではハシビロガモ(雄2、雌1羽)、オナガガモ(雄4、雌1羽)、カルガモ(2羽)、江川と東縁見沼代用水合流点付近ではカルガモ(8羽)、オナガガモ(雄2、雌5羽)のカモ類が観察できましたが、例年に比べるとまだまだという感じです。その他、ハクセキレイが見られましたが、こちらも個体数が少ないのが気になります。家の裏でジョウビタキの声が聞こえていましたが姿が見えません。

 1月16日 今年も庭のスノードロップが開花しましたが1株のみ、他はシャガの群落により消失したようです。

 1月19日 湧水公園に行きましたが、ヒヨドリの声のみが賑やかに聞こえ、シジュウカラ、スズメ、キジバトが地上で採餌していました。池の表面にはコウホネやアマゾントチカガミの枯れたものが腐敗してヘドロ状になっていました。

 1月20日 例年に比べ17日遅れの初雪ということであったが、水分を多く吹くんだ雪のため積もることはありませんでした。冷たく寒い雨交じりの雪の中、柿のヘタに付いた乾燥状態の残り柿をムクドリの群が突いていました。

 1月24日 昨晩よりの降雪は3cmほどの積雪となりましたが、陽の当たる道路上は昼頃までに融解しました。今年二度目の降雪でしたが餌の少ない時期で、ムクドリ、ヒヨドリ、オナガなどが飛び回っていました。

 1月25日 積雪が所々に残り凍結している場所が多く見られました。旧芝川へ野鳥の観察に行きましたが、鳥が少ないのに驚きました。新芝川の汐入橋付近の土手でヒドリガモ(雄6、雌16羽)が積雪のある土手で緑色の草を食べていましたが、対岸であったため何を食べているかは解りませんでした。旧芝川ではカルガモ、オナガガモ、コガモ、キンクロハジロの4種類のカモ類、ハクセキレイ、カワセミ、ジョウビタキ、ウグイス、ムクドリ、ヒヨドリ、ハシボソガラス等、天神橋付近の新芝川ではカワウ、ダイサギ、アオサギが葦原の陰で休んでいました。

 1月28日 ようやく我が家の庭にウグイスが訪れました。ツツジの植え込みの中を動く影が見えたので近づいてみるとウグイスの雌でした。一声も発せず陰のみが動いているので見過ごすところでした。

 1月30日 1月23日に降った雪は市内各地の日陰で残っており、土のあるところでは霜柱の融解と重なり靴が重くなるほどどろんこになりました。本町4丁目の斜面林の日溜まりではタチツボスミレとコオニタビラコが開花していました。また、桜町6丁目の民家の庭では紅梅が2分咲きになっていました。立春を前に春先取りという感じです。

湧水公園では池の表面が結氷していました。カワセミも餌がとれないので、ここの所出現していないようです。

残雪の一部と結氷した湧水公園の池 枯れたコウホネと結氷したコウホネ池

鳩ヶ谷から消えた生物・消えつつある生物 55

   ヨツスジトラカミキリ

アシナガバチにそっくりなカミキリムシです。アシナガバチに擬態することで、外敵から身を守っているのかも知れません。本種の模様には変異が多く、写真のようにヨツスジにならずスジがくっついてしまっている個体も多い。非常に見事な擬態で、カミキリムシであることに気付く人は少ない。図鑑等の記載では、本種はさまざまな広葉樹から発生可能なので個体数が多く、全国に普通に見られる、と書かれていますが実際には見る機会が殆どありません。写真のような朽ち木を好むため、このような朽ち木のある林が少ないのが原因と思われます。 この写真を写した時には、3匹の個体がいたので容易に見つけることが出来ました。


地球温暖化を考える(46)

仮称・はとがやの湧き水の里に関連して(8)

昨年の5月7日に要望書を提出しましたが、この時はまだ鳩ヶ谷市でしたので合併後に都市計画の中で検討するとのことでした。合併後2か月が経過しましたので12月2日と1月2日に川口市長宛に「はとがや湧き水の里公園」の早期実現に向けて要望書を提出しました。その結果、1月16日に、市役所の関係者(都市計画部の公園課およびみどり課)と湧水公園について話をしました。 

  • はとがや湧き水の里公園化構想に関しては、川口市における緑地環境保全・整備に関する全体像の都市計画の中で考える。
  • 既存の法性寺および湧水公園の斜面林の地権者には、2月中に保存樹林としての川口市の考え方を伝える予定。
  • 既存の湧水公園に関しては、関係部署が幾つにも別れているため、関連部署員が現地を視察した上で今後のことを考えたい。

既存の公園整備に関しては公園課が行う。

  1. 壊れている池の中の橋に関しては、工事用の柵を含めて早急に撤去を考えている。
  2. 来年度の予算(4月以降)がとれれば、池全体の整備を考えたい。橋の新設および池周囲の整備・安全面を考慮しての柵の設置。
  3. 湧き水渇水期を考慮して、現在のポンプアップは維持したい。
  4. 池の整備を行う場合、コウホネのある部分の池の整備に関しては、一時的にコウホネを移植して、池を空にして工事をしたい。
  5. いずれにせよ工事を行う時には、工事の時期を含め再度相談したい。
  6. 現在の公園で、ユスリカや悪臭などの問題はないか。

● 要望

現在、湧水公園は「はとがやに里山をつくる会」が主になって、市民に対する環境教育および浮き草の撤去などを行っている(現在までの経緯を話しました)。

1に関しては

出来るだけ早く実施してほし。

2に関しては

  • 池の周りに高い柵を作るのは止めて欲しい。
    もし作るのであれば、池の内側に作る、また、池の縁の強化には10cm程度までのくい打ちにして欲しい(子供達がザリガニ釣りなどを出来るように)
  • 安全策のみを考えるのではなく、埼玉県でも進めている生物多様性政策に考慮した考え方を、今後は取り入れるよう要望。
  • さらに、予算がとれて実際の工事を行う場合は、「はとがやに里山を作る会」の意見を聞きながら進めて欲しい。

6に関しては

ユスリカの問題はない。

悪臭の問題は、以前は夏のアオコの大発生があったが悪臭までは到らなかった 昨年はアマゾントチカガミが増殖しすぎたので、「はとがやに里山を作る会」で3回に亘って除去したため、問題ない。


ということで、少なくとも既存の公園管理整備に関しては、市民の安全面を考慮して早急に対処したいとのことでした。

既存公園の整備されることによって、毎年行われている環境講習会の野外活動の場所が広がるので、今まで以上の活動が出来ます。


1月19日 アマゾントカガミとコウホネが腐敗しヘドロ状になって開水面を覆っていたので、排水溝付近約5m程の範囲のヘドロを除去しました。

1月23日 数日間の降雨の影響で開水面が大分奇麗になりました。また、2時間ほどの作業でコウホネ池のヘドロが除去されました(菖蒲田の作業をしている方)。

市民の努力で湧水公園が何とか維持されています。