No.127 2015年1月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ(140)

アカハジロ(カモ科) Aythya baeri

アカハジロはコガモより大きめのカモで嘴も長めである。雄の頭部は緑色の光沢があり、胸は栗色をしている。目(虹彩)の色が白いことから、よく似ているメジロガモと誤認されることもある。また、稀に同じ仲間のホシハジロなどとの交雑個体が飛来することもある。冬鳥として全国に飛来するが個体数は少なく珍鳥の部類に入るカモの仲間です。

近年は都市公園の池等で観察され、人が与えるパンくずなどを他のカモ類と争って食べ、あるいは得意の潜水技術を生かして数分間水に潜って採餌をする。

埼玉県ではさいたま市の別所沼や戸田市の彩湖などでの観察記録があるが、川口市では1999年2月13日の芝川第一調節池の工事中に創出された池で観察された記録がある。

 

自然の記録

1号から126号までの11年間で記録された生物は、昆虫類(483種)、鳥や動物など(155種)、植物(395種)、合わせて1033種類となりました。旧鳩ヶ谷市の狭い地域ではありますが、意外と多くの生物がいることがわかります。

 

 1月 6日 朝からかなり強い風が吹いていたが気温は15℃程度、午後2時頃より強い雨が降り出しました。雨が降り出す直前に庭のコンポストを移動させるために穴を掘ってコンポストを外したところ、ドブネズミが掘った大きな穴が2か所見つかりました。コンポストの中はかなり暖かい様子で、ハエの蛆が沢山蠢いていました。

 1月 7日 今日は小寒、その名の通り強い風の吹く寒い一日でした。我が家周辺のカキの実やピラカンサが全て野鳥に食べつくされたので、ミカン4個を木の枝にさしておいたところ、ムクドリが来てヒヨドリに追われ、ヒヨドリが仲間割れして激しく鳴きあっていました。シロハラも顔を出しましたがヒヨドリの勢いに押されて早々に姿を消しましたが、メジロはすきを狙って御相伴にあずかりました。

近所の庭では早くもロウバイの黄色い花やエリカの可愛いピンク色の花が目立ち始めました。

雌のジョウビタキ ヒヨドリ 逆さに止まる

 1 月 8日 散歩のついでに湧水公園に寄り道したところコサギが飛んで電線に止まりました。何本もある電線の合間にうまく止まるものだと感心しました。池の周りではアオジ、ツグミが採餌していました。また、斜面林ではカワラヒワ6羽が盛んに採餌していました。旧鳩ヶ谷市内ではアオジもカワラヒワも最近では珍しくなってきました。

 1月12日 ミカンを桜の枝にさしたところ早速メジロ2羽、ヒヨドリが来てバトルになりました、シロハラの姿も時々見えますが野良猫がいるために中々地上には降りてきません。

 1月13日 庭の片隅でスノードロップの花が開花しました。他の植物におおわれて見えにくかったのですが、風が吹いて小さな白い花が見えたので確認できました。キケマン、ウラジロチチコグサ、ナガミノヒナゲシ、ヒメオドリコソウ、ハルジオン、ノビル等の芽もだいぶ伸びてきました。バスに乗って天神橋の上から眺めたところカイツブリが1羽泳いでいました。市内では今年の初認となりました。

 1月14日 朝日環境センターへ出かけた帰り道、新芝川の土手沿いに自転車を走らせているとオオバン(9羽)、ヒドリガモ(雄6、雌8羽)、ホシハジロ(雄1羽)が群れていました。以前は、このあたりの水域には多くのカモ類がいたのですが近年は少なくなりました。

 1月15日 冷たい雨が降る中、近所のアカマツに営巣したハシボソガラスの巣を覗いているとヒヨドリが10数羽集まって雨宿りをしていました。

 1月16日 近所を散歩していたところヒイラギナンテンの黄色い花が開花していました。ヒイラギナンテンは台湾や中国に分布する常緑性の低木で、葉っぱがヒイラギ、実の付き方がナンテンに似ているためこの名前があります。光沢のある葉は美しく、姿も低くまとまるので、庭木や植え込みに広く利用されています。その他、シナマンサクの黄色い花も開花し、大輪ミツマタやコブシの花芽がかなり膨らんでいました。家の玄関の隅ではカタバミが咲いていました。寒い寒いと思っていても、このあたりは暖冬なのかもしれません。

膨らみ始めたコブシ 大輪ミツマタ ヒイラギナンテンの花

 1月20日 今日は大寒でしたが、今年初めての旧芝川の散策です。風はかなり冷たかったのですが、河川敷に降りたら意外と暖かく散策する人たちの多いこと。野鳥も暖かいと行動が活発でした。見られた鳥はカワウ、ダイサギ、アオサギ、コサギ、ゴイサギ、オオバン、バン、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、イソシギ、セグロカモメ、ユリカモメ、カワセミ、キジバト、ハクセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、アカハラ(亜種オオアカハラ)、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト等31種類でしたが。日当たりのよい岸辺では大きなミシシッピアカミミガメが日向ぼっこしていました。

大寒は一年で最も寒さが厳しいころのことで、日が次第に長くなり、春に向かう時期でもあります。日本には24の節季と72候もの季節がありますが、最近の暦では、冬至や大寒などという言葉も表記されないもが多くなりました。1月20日は20日正月ともいわれ、新年の家事で働き通しであった女性が体を休めるために里帰りなどをする慣習があったようです。

 1月21日 朝から時々小雪がちらついていたが、途中から雨になりました。庭のカキの木にオナガやメジロが来ていたが餌がないために、すぐに移動してしまった。近所の家の庭ではヤツデが白い花をつけていますが、いずれもヒヨドリが運んできた種子から芽生えたものです。

 1月23日 近所の庭の紅梅が咲き始め、コンフォール東鳩ヶ谷の道路沿いにあるヒカンザクラが3回目の花をつけました。10月、12月そして1月と開花しているので不思議な気がします。

 1月28日 寒風の中、家の周りのアスファルトの隙間から生えてきたノゲシが数本開花し始めました。我が家の庭と隣家の庭を行き来してシロハラが、餌を探しています。

 1月30日 今年初めてのまとまった降雪となった。我が家の周りでは積雪5pほどになったが道路上は1時間もしないうちに溶けてしまった。雪が降って餌がないのか窓外ではヒヨドリの声のみが聞こえていた。植木鉢に積もった雪の間から、今まで気が付かなかったクリスマスローズの花芽が顔を出していました。コンポストの中では相変わらずドブネズミが来ている様子でコンポストの設置場所を変えても地中に穴を掘ってくるようです。

地球温暖化を考える(80)

魚にやさしい川----千 里 川----

千里川は大阪府箕面市内の箕面山から流れ出し、箕面市萱野4丁目・船場西1丁目の藤原橋付近で芋川と合流し、豊中市の北西部を流れて豊中市利倉西(園田競馬場付近)で猪名川に合流して、淀川に流入している10.7q(流域面積14㎢)の一級河川である。一部では高層ビルの立ち並ぶ北緑丘団地(写真4)の中央を流れており、三面コンクリート舗装工事や堰などが数か所に設置されていましたが、河川を回収し自然のアシ原(写真1)や魚道の設置(写真2.3)などによりコイをはじめ、多くの魚が見られるようになりました。もっとも周辺環境は30年前に比べて大きく変化しましたが。たとえば、ヒメボタルの生息地であった竹やぶや畑地が消滅して3階建ての家が立ち並んでいます(写真5)。それでも現在、川沿いの樹木などはそのまま残っているのと、ヒヨドリやムクドリなどの排出した種子が生育して野鳥の好む木が多くあることから、そのまま残しているようです。

遊歩道には鳥の絵が描かれたタイルが数か所に設置され、北緑丘団地の松林の脇には掲示板が設置されて、市民が撮影した自然の写真が掲示されています。

20年以上に亘って年末年始に帰阪する時は必ず散策しますが、毎年1月2日に、豊中市上野3丁目より北緑丘団地の上流までの往復5kmで観察された野鳥は約40種類になります。

今年はヌートリアという外来種の大きなネズミの仲間親仔3頭と出会いました。河川敷に生えている色々な植物を食べていましたが、散歩をしている人たちが近くにいても逃げる気配がありませんでした。ヌートリアは関西以南に多く分布していますが、大阪で見たのは初めてです。ヌートリアに似たマスクラットという大型の齧歯類がいますが、こちらは東京都の水元公園などで時々見られています。

写真1 写真2 写真3 写真4
北緑丘団地周辺の千里川の環境
写真5 歩道のタイル板 ヌートリアの親仔 生物の掲示板