No.25 2006年7月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (38)

チュウサギ(サギ科) Egretta intermedia

チューサギ

日本には夏鳥として渡来するシラサギの仲間。シラサギと呼ばれるサギの仲間ではダイサギの 次に大きい。ダイサギと姿形、嘴の色などが大変よく似ている。特によく似ているのが大きさも 近いアマサギの冬羽である。

コサギやダイサギに比べ水辺の草地や水田等を好み、蛙やバッタ、イナゴなどを食べる。同じような習性を持つアマサギと一緒にいることが多い。野田の鷺山が健在であった頃は鳩ヶ谷市内でも夏から秋にかけて里や三ツ和などの水田地帯で観察することが出来たが、野田の鷺山の衰退と共に減少し、さらに市内から水田がなくなったため、チュウサギが好む生物が極端に減少し近年は見ることが出来なくなった。

自然の記録:

 7月 2日   黒い羽に白帯が目立つホタルガがカタバミの葉に止まっていた(桜町6丁目)

 7月 3日   最近市内でキジバトを見かけることが少なくなった。今朝は桜町6丁目から東公団バス停までの間で観察したキジバトは1羽、路上を歩いていて人を警戒していなかった。餌を採る場所が減少してきたのが原因か。いつの日か鳩ヶ谷市のシンボル・バードの名前を変更せざるを得ないかも、同様にオナガの個体数もかなり減少しており今年に入って市内で確認した群れは2群で20羽以内、おそらく鳩ヶ谷市内ではこれが現在の最高生息数であろう。コジュケイは完全に市内から姿を消してしまったようだ。水田の減少にともないツバメが激減、畑が無くなりヒバリの声が聞こえなくなって久しい。水辺のシンボルであるカワセミもトンボ公園消失にともない消えてしまった。高層住宅・アスファルト道路で都会化したように見える町、裏を返せばレイチェル・カーソンの「失われた春」となっていく。「人は自然無くして生きることは出来ない、食生活の源となる第一次産業無くしては生きることは出来ない」。

 7月 8日   ニジュウヤホシテントウがジャガイモ畑に発生、葉が穴だらけになっている(桜町6丁目)。

 7月 9日   マルモンサビカミキリが網戸に止まっていた、今年2度目の観察。ヒカゲチョウがドクダミの羽に止まっていた(桜町6丁目)。

 スキップシテイへ行く途中の芝川に架かる橋付近でカワラヒワ2、ハシボソガラス3、本町2丁目ラクダ坂付近で3羽のハシボソガラスがオナガ2羽に追われていた。オナガの巣にいる雛を狙ってきたらしいが、強烈なオナガの攻撃により流石のカラスも逃げざるを得なかったのか。しかし、道路上にオナガの雛の死体が落ちていたことから何羽かの雛が犠牲になった可能性がある。近くの林の路傍にアフリカ原産のベニバナボロギクが2株開花していた、市内では珍しい。鳩ヶ谷駅前のロータリーにネジバナが群生していた。芝川(里地区)土手でカントウタンポポ2株、交雑タンポポ5株の間をオオマルハナバチBombus hypocrita(黒と黄白色の毛で全身が覆われている)とホソヒラタアブが飛び回っていた。鳩ヶ谷駅周辺の空き地ではアメリカオニアザミが各所で見られた。

アメリカオニアザミ  アメリカオニアザミの花 
アメリカオニアザミ アメリカオニアザミの花

 7月10日 隣家から侵入してきたクズのツルを刈り取ったが、マルカメムシが沢山いたらしくカメムシの匂いが凄かった(桜町6丁目)。

 7月11日 本町2丁目ラクダ坂付近でオナガ13羽の群れ、アオスジアゲハ2、コミスジ1、桜町6丁目で何年かぶりにカラスアゲハを観察した、市内でもまだ生息していたのか。シジュウカラが柿に木に飛来し、毛虫を食べていた。

本町2丁目笠原駐車場でアカタテハが止まっていた。

 7月12日 本町4丁目〜坂下町にかけての見沼代用水でカルガモの成長した雛7羽と親鳥1羽が泳いでおり、10名ほどの人たちが観察していた。7月13日には鳩ヶ谷小学校付近の見沼代用水付近を泳いでいたが、雛7羽は水門を上がれず親が上流で鳴いていた。雛は12羽いたようだが5羽がカラスに襲われたと観察していた住民が言っていた。

 7月13日 氷川神社裏の林で今年初めてのニイニイゼミの声が聞こえた。

 7月14日 福祉センターで新しくツバメが営巣し2番子の雛が3羽、桜町6丁目の民家でも新しい巣を作り、ツバメが出入りしていた。

 7月15日 ツチカメムシが2匹連なって歩いていた。夜久し振りにヤモリが玄関の明かり取りに姿を現したが、今年生まれの若い個体であった(桜町6丁目)

 7月24日 ここの所雨天の日が多く、梅雨もまだ明けそうもない。これも温暖化の影響か。アブラゼミガ柿に木に飛来したが今年初認である。

17日より23日までアラスカの26氷河とデナリ国立公園の野生動物のエコツアーに出かけたが、氷河の後退は著しく場所によっては山頂近くまで地肌がむき出しになっている氷河も見られた。地球温暖化の影響はもの凄い早さで進んでいるのだと言うことを膚で感じてきた。氷河が溶ける時に岩を砕き、その岩が粉末状になったものが海底に堆積することにより海が浅くなり、広大な干潟が現れていたが、この干潟に人が足を踏み入れたら抜け出ることが不可能だという。年に何人かがヘリコプターで救出されるというほど危険な場所になっている。

 7月25日 キチョウ、アゲハチョウ、コミスジチョウ、ヤマトシジミが雨の合間に庭を飛び交う。カナブンが飛んでいたが止まらずに飛び去ってしまった(桜町6丁目)。

 7月26日 アブラゼミが柿の木に飛来するようになったが、まだ本番には至っていない。先月交接をしていたキバラヘリカメムシ30匹以上がマユミの木に発生。

 7月28日 ニイニイゼミ、アブラゼミがようやく頻繁に鳴き出すようになった。ベッコウハゴロモが葛の葉に、オオモンシロナガカメムシが庭や台所で観察された(桜町6丁目)。

 7月31日 草むしり中にフタモンアシナガバチの巣があるのに気づかず、20匹近くのハチに襲われたが蚊帳を被っていたので頭部はやられなかったが、作業衣の上から腕を刺された。葛の葉にはマルガタカメムシが大発生、庭のあちらこちらにホソヘリカメムシが発生し、草むしりをした後はカメムシの匂いがただよっている。ベッコウハゴロモ、アオバハゴロモ、ヒラタアオコガネ、キアゲハ、クロアゲハ、ゴマダラチョウ、等が観察された(桜町6丁目)。