No.172 2018年9月

Loading

鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (185)

ミヤマガラス(カラス科) Corvus frugilegus

ユーラシア大陸のヨーロッパのほぼ全域、中央アジアおよび東アジア、中東地域などに分布していいる小型のカラスの仲間。関東地方で一般的に見ることが出来るカラスの仲間には、ハシブトガラスとハシボソガラスの2種類いるが、ミヤマガラスは冬季にのみ見ることが出来る。成鳥は全体が黒く、雌雄同色。嘴は黒くて湾曲が少なく細くとがり基部が白い。若鳥はこの白い部分が黒い羽毛で覆われていて、ハシボガラスとの識別が難しいがハシボソガラスよりもひと回り小さい。40年前までは九州方面で越冬していたが、30年ほど前から大阪の枚方市や関ケ原などで観察されるようになり、新幹線の車窓から群れを見ることが出来た。20年ほど前からは埼玉県の見沼田んぼ等で越冬するようになり、近年は数千羽の群れが越冬している。群れをつくって広い田んぼや畑地などで採餌し、一斉に飛び立ち輪を描きながら飛び、ある高さまで行くと急降下して送電線などに止まる。川口市内では2014年12月9日(71羽)、2017年10月27日(15羽)、2018年10月26日(80羽)芝川第一調節池、他の観察記録がある。

自然の記録:

10月 2日 台風24号の影響で自転車置き場の屋根の波板が3枚風に飛ばされて青空天井となりました。どこへ飛んでいったのかはわかりません(修繕してもらうまで1か月もかかるそうです)。一方、錆びたトタン板とテレビのアンテナが庭に飛んできていました。玄関わきに置いてある月下美人の鉢が倒れて花芽が一つ折れましたが、夜になって3つの花が開花しました。ことしは6月に開花してから3度目の開花です。

交接するヤマトシジミ 開花した月下美人

10月 3日 カキの木の枝が動いているように見えたので近づいてみるとコゲラが来ていました。秋から冬にかけて毎年コゲラが来てくれますが、夏の間はあまり見かけなくなりました。近年、宅地化が進み、コゲラが繁殖できる木が少なくなったためコゲラが少なくなったようです。遠くからシジュウカラの声も聞こえてきました。

10月 6日 川口市のグリーンセンターで毎年行われるグリーン・フェステバルに「はとがやに里山をつくる会」も参加。メンバー7名で、自然観察をしながら目当ての生き物を探すゲーム「生きもの探しビンゴ」を行いました。小学生を中心に子供たち80名以上、家族連れの大人を合わせると130名以上の参加となり過去最高の参加者でした。昨年と一昨年は2年続きの雨天で来園者が少なかったのですが、今年は晴天で暑くなったので参加者も多くなったようです。観察された生物は、キジバト、スズメ、ヒヨドリ、カワセミ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、コゲラ等の野鳥、ツマグロヒョウモン、アカボシゴマダラ、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、ヤマトシジミ、ホタルガ、キノカワガの仲間、シロオビノメイガ、コノシメトンボ、アキアカネ、ウスバキトンボ、ミシシッピアカミミガメ、アメリカザリガニ、タニシ、カワニナ、ジョロウグモ、エンマコオロギ、クロゴキブリ、オンブバッタ、イボバッタ、アオマツムシ、ハラビロカマキリ等が観察されました。枯れた木の根元でキクラゲがありました。朝の内は雨に濡れていてキクラゲの本来の姿を見せていましたが、晴れてきて暑くなってきたら乾燥キクラゲになり見栄えがなくなりました。

生き物さがしビンゴのブース 生きもの探しをする家族

10月 9日 夜になり風呂場にアシナガグモが入ってきました。家の中には沢山のクモの仲間がいるようで、朝起きると毎日のように頭や顔にクモの糸がかかります。9月から10月にかけて雨や曇りの天気が多く、生物の活動も全体的に静まっているようです。 

10月15日 雨が上がったので豊田の森へ銀杏拾いを兼ねて、先日の台風で落下したイチョウの大枝やスダジイなどの枯れ枝を拾い集めました。台風が来るたびに何度か入っているのですが、何時いっても枯れ枝は落ちているという感じです。イチョウの木は400年以上の古木で、枝の張りが広く銀杏が広い範囲で落ちているので500個以上拾っても周囲に落ちている銀杏の数は減ったようには見えないくらいの数が落ちています。

10月18日 家の中でニセリンゴハマキという小さな蛾の仲間が飛んでいました、チョウバエかと思ってはたいてしまったので潰れてしまいましたが、虫眼鏡で見るとチョウバエを大きくした感じの蛾でした。我が家では初記録となりました。庭ではシモフリスズメやセスジスズメの幼虫が目立ちます。

10月19日 ムラサキシキブの実がきれいに色づきはじめて初冬の雰囲気であるが、開花している花を見るとボケ、サクラ(種不明)、ホトケノザ、サザンカ等、春の雰囲気もあり季節感が乏しい感じである。庭ではオンブバッタをあちらこちらで見かけます。

10月21日 今朝、ジョウビタキの声が聞こえました。芝川第一調節池では10月15日に観察されましたが、家の周囲で観察されるようになるのは1週間から10日ほどの違いがあります。過去10年間の記録を見ると表のようになり、今年は早めの初認日となりました。ジョウビタキの姿を見ると今年も冬が来たなという感じがします。 

年度

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

初認日

11/4

10/29

11/8

11/8

11/12

10/23

11/3

10/20

10/30

10/22

10月22日 旧芝川を散策、漸くカモ類が姿を見せ始めました。コガモ7羽(雄のエクリプス1羽、雌6羽)、キンクロハジロ雄1羽、干潮で新芝川の干潟がでておりアオサギ、ダイサギ、コサギ、ゴイサギ、イソシギ等が採餌していました。よく晴れたのでツマグロヒョウモン、キタテハ、ナミアゲハ、モンシロチョウ、モンキチョウ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ、クマバチ、ヒメハラナガツチバチ、アキアカネ、シオカラトンボ、ナナホシテントウ等の昆虫類を見ることが出来ました。

10月23日 夜、部屋の床上をサビクチブトゾウムシという小さなゾウムシの仲間が歩いていました。つぶさないようにつまんで外へ出しました。

10月24日 昨日見つけたサビクチブトゾウムシの別個体が出窓に止まっていました。このゾウムシはカキの木などに寄生しているようですが、見るのは初めてでした。夕方に空を見上げると上空をカワウが飛んで行きました。

10月26日 市内各所で増殖した桑の木がカミキリムシの被害にあって枯死するものもあります。クワカミキリやキボシカミキリ等の幼虫によるともの考えられます。

枯れたクワの木 キボシカミキリ

10月29日 買い物のついでに旧芝川を散策、カモ類はまだまだ少なく、コガモの雄3羽、雌4羽のみでした。他の小鳥類も少なく2時間ほど歩いて17種類でした。昆虫類は暖かかったのでキバナコスモスやセイタカアワダチソウにツマグロヒョウモン、ナミアゲハ、キタテハ、ヒメアカタテハ、モンキチョウ、キチョウ、モンシロチョウ、イチモンジセセリ、アキアカネ、ヨーロッパミツバチ(多数)、ハラナガツチバチ、オオハナアブ、オオカマキリ、オンブバッタ等が集まっていました。河川敷内の除草をしているために歩道ではオンブバッタ、クルマバッタモドキ、ヨトウガの幼虫等がいました。セイタカアワダチソウは北アメリカ原産の多年草で花粉症によるアレルギー性鼻炎の花粉アレルゲンの1つとして知られているが、虫媒花なので花粉アレルゲンとして疑問視する向きもあります。

ツマグロヒョウモン キバナコスモス 採餌するゴイサギ

地球温暖化を考える(124)

食品のロスをなくそう-10月16日は世界食糧デー-

今年は例年に比べてカキの実りが1〜2週間早いようです。カキの実が色づき、熟し柿が道路などにボタボタト落ちているのが目につくようになりました。市内ではカキの木を植えている家が多いが、カキの実を収穫せずに放置している家が目立ちます。昔なら『木守柿(コモリガキ)』と言って、来年の柿の豊作を願うために数個ほどカキの実を残していましたが、近年はたわわに稔ったまま鳥の餌になっているカキが多い。理由は幾つか考えられますが、嗜好に合わなくなってきた、収穫しても貰い手が無い、売れない、所有者の高齢化で収穫が難しくなった、干柿などに加工する作り手が居なくなった等、様々な要因が考えられると思います。江戸の昔から旧鳩ヶ谷市内では禅師丸というカキが栽培されて出荷されていました。50年ほど前までは、道路にはみ出しているカキの実をとって食べる人をよく見かけました。子供の頃はシイの実、カヤの実など、あるいはイナゴやアカガエルなどをとって食べていました。

メジロ ムクドリ シジュウカラ

最近、川口市内ではセミの幼虫をとって食べる外国人がいるようで、ある公園ではセミをとらないで下さいという立札があるところもあります。一方で、台風や地震などの影響で農作物の収穫の減少や牛乳などの大量廃棄などが報道さています。また、食べ残しや売れ残りあるいは規格外などの理由で、まだ食べられるものが大量に廃棄されてしまう「食品のロス」も多いようです。日本の年間食品ロス推計量は646万dという、そのうちの45%が家庭での食べ残しや期限切れ食品などで廃棄されている。世界では、約8億人が飢餓や栄養不足に苦しんでいるが、約13億dの食品が廃棄されているという。家庭で食品の廃棄量を減らすにはどうしたらいいのでしょうか。対策としては食品を買い過ぎないこと。買い物に出かける前に自分の家にはどれくらいの食材が残っているかをよく確認すると、余計なものを買わなくて済みます。余分な量を調理しないというのも食品ロス減少につながります。食事で食べきることの出来る量だけ調理することによって廃棄を防ぐことが出来ます。適切な量を調理した後に食材が残ったとしても別の料理で利用することで食品ロスが減らせます。また、賞味期限の記載された食料に関する正確な理解も必要なようです。賞味期限を過ぎたからといって食べられないわけではありません。「消費期限」と異なり、「賞味期限」はおいしく食べたり飲んだりできる期限という意味であり、期限が過ぎたばかりであれば食べたり飲んだり出来ないわけではありません。期限が切れた時点で廃棄せず消費することで食品ロスを減らすことが出来ます。また、生ごみを減らすことで炭酸ガスの排出量を減らすこともでき、温暖化の防止にも僅かですが貢献できます。

                 政府広報on-lineより