No.173 2018年11月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (186)

オカヨシガモ(カモ科) Anas strepera

雌(左)、雄(右)

カモの仲間の中では、もっとも地味な色合いのカモで、他の多くのカモと同様、国内には越冬のため秋にやってきて冬を過ごします。シベリアで繁殖するが例外的に北海道で繁殖例もあります。世界的な分布は、ユーラシア大陸から北米大陸におよびます。大きさは、マガモよりも小さく、ほとんど潜水することはなく、水面採餌型のカモですが上半身を水面下に沈め、尾の先端部と足だけが水面に残す逆立ち状態になる。オカヨシガモはもっぱら淡水域に生息し、少数が汽水域で越冬する。雄の嘴は黒く、黄色の雌とは対照的。雄でも幼鳥期とエクリプス期には嘴が黄色いので注意が必要。雄の幼鳥およびエクリプス期では嘴は黄色いが、黒い部分がかなりあること、また背中の羽根の暗色部は明確である。川口市周辺では、芝川第一調節池に毎年飛来するが、昨年は赤山歴史自然公園(イイナパーク)でも飛来が確認されことから、市内にはカモ類が飛来できる水辺が少ないのが残念である。

自然の記録:

11月 7日 昨晩はかなりの雨が降ったのでぬかるみがあったが、旧芝川を歩いてきた。相変わらずカモ類の渡来数が少ない。コガモ9羽、ホシハジロ1羽のみ、干潟が出ていたのでコサギ、アオサギ、イソシギ等が飛来し、久しぶりにチョウゲンボウが上空を飛翔。河川敷にはキバナコスモス、オシロイバナ、ヒメジョオン等が開花しており、キチョウ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、ヤマトシジミ等が飛来していた。コガモは毎年早めに渡ってくるカモであるが、昔はタカブ、オカベ、コビヨオ等とも呼ばれていたようである。

11月 8日 庭隅にクルマバッタモドキがいました。何年かぶりかの観察ですが、どこから来たのか? 庭で発生したのかもしれません。今年は庭の除草を手抜きをしているので伸び放題なのがよかったのかもしれません。クルマバッタモドキはクルマバッタによく似ているが褐色と薄灰色のまだら模様のバッタで褐色型と緑色型がいる。胸部背面に1対の「く」の字形の白線があり、後翅には半月状の黒帯があるのが特徴。荒れ地などの草丈の低い場所や住宅地周辺の空き地にも生息する。

ジグモの巣 採餌中のコサギ クルマバッタモドキ

11月10日 庭のカキの実をとっていたところ、上空をハイタカが旋回していました。過去にも何回か庭で見たことがありますが、今日はゆっくりと旋回していたのでよく観察できました。カキの枝にはホオズキカメムシの成虫がいました。500個以上のカキを収穫したが、かなり熟しているので残りは野鳥の餌になりそうです。

11月14日 日中に暖かい日が続き、オニノゲシ、ノゲシ、コセンダングサ等が咲いておりモンシロチョウ、モンキチョウ、キチョウ、キタテハ、ヒメアカタテハ、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ等の蝶が飛び交い、キボシカミキリやアキアカネなども飛んでいました。昆虫類の名前を見ると、とても11月中旬とは思えませんがブロック塀にはヤモリが張り付いていました。

11月15日 グリーンセンター付近の第二産業道路沿いの植え込みに、タケニグサが数本伸びて開花していました。旧鳩ヶ谷市内では珍しくなってきた植物です。茎を折ると黄色い乳液がでてきます。乳液は猛毒のアルカロイド成分で、ウジ虫の駆除に使われたこともあるようです。市内に里山があった頃は林縁で繁茂している場所も見られました。

11月21日 庭のブロック塀にジグモが巣をつくっていましたが、いつの間にか増えて61巣にもなっていました。大きなものでは高さが10p以上、太さ2cmほどのものもあります。トタテグモと同じように地中に巣をつくっていますが、トタテグモと異なるのは巣が地上に伸びており、獲物が来ると巣の中からかみついて巣内に引き込み、食べかすは入り口から外へ排出しているようです。

11月23日 旧芝川では漸くオナガガモが飛来しました。まだエクリプス羽で尾は短めですが、今期初認です。コガモはようやくエクリプス羽から雄の姿になってきました。鳥の種類はまだ少なめですが、暖かかったのでヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、モンキチョウ、モンシロチョウ、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、ナナホシテントウなどが飛んでおり、アキアカネも10頭以上が日溜りに止まっていました。昭和33年発行の日本の季節-動物編-(大久保美保著)によると、モンシロチョウが姿を消す時期は、北の地方ほど早く、東北地方では10月末までにみられなくなるが、11月末になると日本の大部分の地方で姿が見られなくなると記載されている。現在は、温暖化が進んでいるために姿を消す時期が遅れているようにも見えるが、昭和33年頃とあまり変わらないようである。

コガモの♂エクリプス 1週間でコガモらしくなった
満潮の新芝川(青木水門) 獲物を狙うカワセミ ハクセキレイ

11月25日 市内各所で皇帝ダリアが開花し始めました。花が少なくなる季節なので木立で大輪のピンクの花はきれいで目立つので植栽するところが増えてきたようです。

11月27日 庭の叢ではハラビロカマキリ、オンブバッタが元気で、ジョロウグモは相変わらずクモの巣を各所に張り巡らしており色々な落ち葉がかかって、まるで“つるし雛”のようです。

11月29日 ブロック塀に10pほどの大きさのオオカマキリが止まっていました。東縁見沼代用水沿いの遊歩道ではイチョウがきれいに黄葉し、サクラの葉は赤やオレンジ色に紅葉したものが僅かに残っていました。

地球温暖化を考える(125)

子ども環境フォーラム2018(鳩ヶ谷小学校)

 11月3日、川口市民環境会議主催の子ども環境フォーラムが行われました。毎年、市内各所の小学校で行われており、15回目となる今年は歴史と伝統のある鳩ヶ谷小学校で行われた。

午前中は環境にやさしい取り組みを行っている活動の発表が行われた。鳩ヶ谷小学校環境委員会、自然っ子クラブ・安行小学校・安行小こどもエコクラブ・その他の発表。

午後はワークショップの体験で、小学校構内の植物観察、エコなクッキング、エネルギーって何?、段ボールコンポスト作り、鳩ヶ谷の地形から環境を知ろう、等が行われた。はとがやに里山をつくる会のメンバーは、氷川神社〜鎌倉街道〜湧水公園〜法性寺を歩いて、「鳩ヶ谷の地形から環境を知ろう」の案内をしてきました。子供たちは鎌倉街道を歩きながら楽しんでいましたが、湧水公園での自然観察に夢中になっていました。ハラビロカマキリ、オンブバッタ、ハラオカメコオロギ等のバッタの仲間やマメタニシなどを見つけて楽しんでいました。終了後は学校に戻って報告会に参加して終了。

鎌倉街道をあるく 湧水公園で自然観察
発表する子供たち 段ボールコンポストの展示 カンボジアの紹介