No.146 2016年8月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (159) 

キョウジョシギ(シギ科) Arenaria interpres

キョウジョシギは英名がRuddy Ternstone、くちばしで石をひっくり返して採食する習性を持つところから名づけられている。日本へは春と秋に海岸、干潟、水田などに飛来する。首やくちばしも短め。雌夏羽は背の赤味が薄く、幼鳥や冬羽には赤味がない。ゲレゲレなどと、にぎやかに鳴く。

雌雄ほぼ同色で夏冬異色。嘴は黒く基部が太めで、やや上に湾曲している。脚は短いが、きれいな橙黄色。夏羽の背は茶色に黒色のまだら。額の黒線は眼の下を通り、顎線とつながって下喉、胸の黒帯につながる。頭上は白と黒の縦斑があり、下背、腰、喉、胸から下面は白色。上尾筒は黒色で先端は白色。尾羽は基部から半分と先端が白く、黒帯がある。雌は背の黒色がオスより少なく、背の茶色が淡い。冬羽は、上面、顔、胸が黒褐色で、背の茶色がない。このような派手な色調から狂女鴫あるいは京女鴫と漢字で表記されることもある。

ユーラシア大陸と北アメリカ大陸の北極圏等に繁殖・分布し、冬は赤道周辺の各地に渡って越冬する。

自然の記録:

 8月 1日 昨日から2週間ほど前に蛹になったジャコウアゲハが次々と羽化して、今日は雄4、雌1が無事に飛去しました。これから数日以内に順次羽化することでしょう。5匹の幼虫もまた移動を始めているので蛹化するようです。物干し竿にオオシオカラトンボが飛来しました。

 8月 2日 久しぶりに湧水公園付近を散策、アゲハチョウ、アオスジアゲハ、クロスジギンヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボなどが目立ちました。途中の道路ではツマグロヒョウモンの終齢幼虫が歩いていました。帰宅後、ブロック塀にナガゴマフカミキリという非常に地味なカミキリムシの仲間が留まっていました。

庭では今日もジャコウアゲハの雄が羽化していきました。ボタンクサギの花にキアゲハの雌が飛来し吸蜜していました。キタテハやアゲハチョウも飛んでいました。

 8月 3日 朝7時頃に隣家の庭からツクツクボウシの鳴き声が聞こえてきました。例年は、お盆の頃に鳴きだすが今年は若干早かった。今朝もジャコウアゲハの雄1、雌2が羽化していきました。ツマグロヒョウモンとアカボシゴマダラも久しぶりに飛来し、午後にはジャコウアゲハも数頭飛来してくれました。

 8月 5日 アブラゼミやミンミンゼミの声が賑やかになり、道路や庭先でお腹を上に向けて落ちているセミの姿をよく見かけます。家の庭ではサトキマダラヒカゲが今年も出現しました。毎年出てきてくれますが、どこで生まれているのか確認できません。

久しぶりに秋ヶ瀬公園の自然観察に出かけました。暑い日でしたが昆虫類はさすがに多く楽しんできました。

●蝶・蛾の仲間:ナミアゲハ、キアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ、ツマグロヒョウモン、キタテハ、ルリタテハ、イチモンジチョウ、アサマイチモンジ、コミスジチョウ、アカボシゴマダラ、ゴマダラチョウ、サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメジャノメ、モンシロチョウ、モンキチョウ、キタキチョウ、ルリシジミ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ミドリシジミ、ウラギンシジミ、イチモンジセセリ、ハスミエダシャク、ウコンエダシャク、ツマジロエダシャク、ウスバミスジエダシャク、マエキヒメシャク、モンクロシャチホコ、ヨツボシノメイガ、シロモンメイガ、オオキノメイガ、マドガ、

●甲虫の仲間:クワカミキリ、キボシカミキリ、カナブン、シロテンハナムグリ、アオハナムグリ、ドウガネブイブイ、コイチャコガネ、マメコガネ、ヨツボシオオキスイ、ヨツボシケシキスイ、アカスジキンカメムシ、アオカメムシ、チャバネアオカメムシ、キバラヘリカメムシ、ナガメ、クロウリハムシ、イモサルハムシ、シマゲンゴロウ、トウキョウヒメハンミョウ、ハイイロチョッキリ、オオシデムシ

●トンボの仲間:ノシメトンボ、コノシメトンボ、ナツアカネ、ウスバキトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ギンヤンマ、チョウトンボ、ハグロトンボ

●ハチやアブの仲間:コガタスズメバチ、ヒラタアブ、クロバネツリアブ、スズバチ、オオモンクロベッコウ、キオビツチバチ

●その他の昆虫:ミンミンゼミ、アブラゼミ、ニイニイゼミ、ホウシゼミ、ツマグロオオヨコバイ、アミガサハゴロモ、スケバハゴロモ、ハラビロカマキリ等

●クモの仲間:コガネグモ、ナガコガネグモ、イオウイロハシリグモ

●動物:カナヘビ、アマガエル、スッポン、アライグマの足跡

●野鳥:アオサギ、オオバン、カルガモ、キジバト、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、ホオジロ、ツバメ、ムクドリ、スズメ、オナガ、ハシブトガラス ガビチョウ

ジャコウアゲハの蛹 羽化後のジャコウアゲハ ナガゴマフカミキリ

 8月 8日 庭のヤブガラシが増えすぎたので除草をしていたところ、8p程度の大きさのセスジスズメの幼虫が蔓につかまっていました。そろそろ蛹になりそうなので、そのまま置いておきました。ジャコウアゲハの幼虫も残り3匹になりました。

 8月 9日 今日は家の中でも38℃、ジャコウアゲハ、ナミアゲハ、ツマグロヒョウモン、サトキマダラヒカゲ、コミスジ、ヤマトシジミ、コガタスズメバチ、セグロアシナガバチ、クマバチ、クロウリハムシ、ウリハムシ等が飛び回っていました。

 8月10日 久しぶりにオオスカシバが飛来してくれました。この蛾を見ると外国で見たハチドリを思い出します。ジャコウアゲハが食べていたウマノスズクサは完全に食べつくされましたので来年は食草が育ってくれるか心配です。

イチジクキンウワバの幼虫 恐竜のようなカナヘビ ウスバカゲロウ

 8月13日 台所の入り口にベッコウガガンボという綺麗なガガンボが落ちていました。柑橘類の葉にはナミアゲハの幼虫がいますが、大きくなる前にみな消失してしまいます。鳥が食べているのか蛹になる前に殆どいなくなるようです。ツクツクボウシの声が賑やかになってきました。例年、お盆の頃になると声が賑やかになるようです。(法師蝉)ホウシゼミはツクツクボウシというのが一般的ですが、秋蝉とも呼ばれています。 

 8月14日 安行の花と緑の振興センターへ昆虫の観察に出かけました。百日紅の花が盛りでした。

蝶蛾の仲間:ナミアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ、ツマグロヒョウモン、キタテハ、アカボシゴマダラ、コミスジ、モンシロチョウ、キタキチョウ、ヤマトシジミ、ウラギンシジミ、ムラサキシジミ、ムラサキツバメ、イチモンジセセリ、アケビコノハの幼虫、セスジスズメの幼虫、ホソバシャチホコ、モモノゴマダラメイガ、オビカレハ

甲虫類:カブトムシ、ノコギリクワガタ、ユミアシゴミムシダマシ、タマムシ、コフキコガネ、アオコガネ、ドウガネブイブイ、マメコガネ、アオハナムグリ、トウキョウヒメハンミョウ、ナナホシテントウ、クロウリハムシ、マルカメムシ、

トンボの仲間:オオシオカラトンボ、ノシメトンボ、コノシメトンボ、ナツアカネ

ハチ・アブなど:キンケハラナガツチバチ、オオカバフスドロバチ、ムネアカトゲコマユバチ、アシナガバエ

その他の昆虫:ウスバカゲロウ、アオバハゴロモ、ベッコウハゴロモ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ、オンブバッタ、イボバッタ、ササキリ、トゲナナフシ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシ等

夜になってリッリッリッリッというハラオカメコオロギの声が良く聞こえてきました。ここのところ夜が涼しいので鳴く虫の声も涼しげに聞こえてきます。

 8月15日 台風6号が小笠原諸島に接近とのことで関東地方も降雨の確率が高いとのことでしたが降らずに済みました。庭ではナガサキアゲハ、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、ツマグロヒョウモン、サトキマダラヒカゲが飛び回り、ヤブガラシのツルにはコガネムシ、アオドウガネ、ドウガネブイブイ等のコガネムシの仲間が集まっていました。

 8月17日 台風6号が通過し各地で猛暑日となりました。庭のジャコウアゲハも暑いのか殆どボタンクサギの葉裏に止まっていました。台所の壁にクロハナコヤガという小さな蛾の仲間が留まっていました。

 8月18日 台風11号が接近し、早朝に雷を伴った強い雨が降った。23日にまで11号に続いて9号が接近して関東地方にも大きな影響を及ぼした。台風の影響と思われる珍鳥が、手賀沼でコグンカンドリ、銚子でオオグンカンドリ等の海鳥や埼玉県の伊佐沼ではレンカクが26日にまで観察されたようです。 

 8月26日 台風の影響で庭の手入れをさぼっていたので、キカラスウリ、ヘクソカズラ、ヤブガラシ等のつる性植物が庭の草木をマント状に覆って風通しが悪くなったので除草したところ、アオドウガネ、クロウリハムシ、マルカメムシが沢山止まっていました。

庭のイチジクの実が熟して20個ほど収穫しました。十分に熟れていて砂糖のよう濃い甘さとなっていました。まだ、多くの実をつけているので当分楽しめそうですが、アリ、ハチ、カメムシ、その他の昆虫との取り合いになっています。捨てられていた小枝を拾ってきて挿し木をしてから5年目ですが、今までは数個の結実でした。

夜になってエンマコオロギやサトオカメコオロギなどの鳴く虫の声が大きく聞こえるようになりました。虫の世界では、すでに秋の季節に入っています

 8月30日 台風10号が関東を避けて通りすぎました。時々強い雨が降りましたが止むと同時にサトキマダラヒカゲ、ナミアゲハ、モンシロチョウ、アカボシゴマダラ、ナガサキアゲハ等が姿を見せました。アカボシゴマダラは熟れたイチジクの実に止まって長い間吸蜜していました。

カラフルなアケビコノハの幼虫 カマキリに捕食された

イチジクとアカボシゴマダラ 枯れ枝に似たトゲナナフシ セスジスズメの幼虫

 8月31日 庭の堆肥置き場の袋を移動したところ、タカチホヘビがとぐろを巻いてじっとしていました。タカチホヘビは体の縦方向の中心部分に1本の黒い縞模様が入っているのが特徴。名前の由来は発見者である昆虫学者の高千穂男爵であると言われています。昔は希少な種だと考えられていましたが、半地中性の蛇であり夜行性の蛇でもある事から人目に触れる機会が少なかったというだけで実際にはかなり多くの個体が生息していると言われています。 

地球温暖化を考える(99)

坂田池総合運動公園-水生湿性植物園-

JR成田線下総松崎駅から北へ約1kmの地点にあり、主要地方道成田安食線と成田安食バイパスに挟まれている17haの公園。平成元年のふるさと創生事業をきっかけとして、約5haの水面を有する坂田ヶ池を取り囲み、豊かな自然と水に親しめる市民の憩いの場として整備した総合公園で、北側に隣接する体験博物館「千葉県立房総のむら」と一体となっています。江戸時代に灌漑用として作られた坂田ヶ池には、洪水を防ぐために人柱にされたという悲しい母と子の物語が今に伝えられています。坂田池は大きな池ですが、坂田池に流れ込む谷津田がいくつかあり、その一つが水生湿性植物園となっています。

池の周辺は緑に覆われていて暑い日でも緑の木陰に入ると別世界に来たように涼しくなります。水と緑が一体となった場所は周辺の温度を下げてくれるので街中へ移設したいくらいです。街中の都市公園を改変して、このような環境を増やしてほしいものです。

木道の散策路がある環境
キランソウ チゴユリ キンラン