No.160 2017年10月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (173)

イカルチドリ(チドリ科) Charadrius placidus

イカルチドリは、夏鳥として渡来するコチドリによく似ていますが、一回り大きい。イカルは古語で「大きい」の意があります。このイカルチドリの名は、多くの野鳥の和名が明治期に決められたのに対して、大正期に定まったようです。「鳥名の由来辞典」によれば「江戸時代にコチドリを“こじゅん”、イカルチドリを“おおじゅん”といって区別されていた」。また、イカルチドリはコチドリに比べて嘴と脚が長く見えます。英名は、長い嘴のチドリLong-billed Ploverです。普通に見ることが出来るシギやチドリは干潟や海岸に飛来しますが、イカルチドリは主に河川の中流域や湖沼の周辺部で繁殖します。河川の中州のような礫地で繁殖するために草が繁茂すると棲めなくなります。しかし、広い中州がある場所には4WD車やバイクなどが入ってくるために、繁殖できる場所が減っています。そのために埼玉県内ではイカルチドリの個体数は減少しています。川口市周辺では繁殖しませんが、芝川第一調節池の工事中にできた浅い干潟状の湿地に何度か飛来した記録があります。

自然の記録:

10月 3日 我が家の庭にアブラゼミ、ツマグロオオヨコバイ、クロウリハムシ、クサギカメムシ、ホウズキカメムシ、キンケハラナガツチバチ等が飛来しました。アブラゼミは終認ですね。

10月 4日 今日はツマグロヒョウモン、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ等が飛来、ツユクサの中に白花と淡いブルーを帯びた花が咲いていました。いつのまに白花のツユクサが侵入したのか不思議です。旧芝川では珍しくチュウサギが1羽休息していました。青木水門付近の小さな干潟ではイソシギ、アオサギ、コサギなどが水際で採餌していました。

ツユクサの色調の変化

10月 8日 買い物の途中、道路で大きなハチの仲間がおりていました。お尻の方が黒いオオハキリバチというベジタリアンのハチの仲間でした。我が家の物干し竿にはノシメトンボとアキアカネが仲良く止まっていました。

10月10日 グリーンセンターで恒例のグリーンフェスティバルに「はとがやに里山をつくる会」のメンバーが参加して、入園者の親子を対象にした自然ビンゴゲームを行いました。雨天のため、来園者が少なく、どこのブースも閑散としていました。ビンゴゲームでは午前中に4組の親子が参加して、雨の中で子供たちが一生懸命虫たちを探していました。どういうわけか、昨年も雨でした。次回は11月11日グリーンセンターの開園50周年記念の行事の一環で、自然ビンゴゲームを行います。

夜はかなり冷え込んできましたが、庭のカキの木でアオマツムシが鳴き続けています。

10月15日 寒露の時期になりましたが毎日降雨、これだけ続くと野外観察には不向き、写真の整理に明け暮れています。芝川で見られるカモメの仲間を紹介します。カモメの仲間は本来、海岸や港湾などの海域に生息していますが、海なし県である埼玉県では利根川や荒川沿いに飛来してきますので川口市域でも数種類の記録があります。川口市域で見ることが出来るカモメの仲間は、普通に見ることが出来るユリカモメ、セグロカモメ、時々ウミネコを見ることがあります。この3種類はいずれも日本国内で、ごく普通に見ることが出来るカモメの仲間です。その他に記録があるカモメの仲間はカモメ、シロカモメ、キアシセグロカモメ、オオセグロカモメの4種類です。キアシセグロカモメはセグロカモメの亜種でしたが、日本産鳥類目録第7版で別種となりました。

飛ぶユリカモメ ユリカモメ 冬羽
ウミネコ ウミネコの下面
カモメ冬羽 カモメの若鳥
セグロカモメ ヒゲブトクロアツバ

10月18日 久しぶりに晴れたが、庭の昆虫類は少なくアカボシゴマダラが飛んでいました。カキの実が色づき始めてスズメ、ムクドリ、キジバト、ハシボソガラス等が飛来しています。

10月21日 19日から台風21号の影響で降雨が続いている、台所のテーブルに小さな蛾の仲間が飛来、ヒゲブトクロアツバという暗色の目立たない蛾でした。

10月22日 午前中、強風が吹いていましたが、ホシホウジャク、ヤマトシジミ、アキアカネ等が飛来しました。プランターのトマトが全て風で倒されて色づき始めたトマトが30個ほど潰れました。

10月26日 台風21号が去ったと思ったら22号が発生、週末ごとに雨が降る。庭のカキは熟しが早く腐りやすい。毎日のようにカキが落ちており、キタテハやアカタテハが飛来してくれています。

10月28日 台風22号の影響で朝から本降りとなりました。豊田の森での銀杏拾いを予定していますが、今回の台風でかなり落下することでしょう。毎年かなりの量の銀杏が収穫できます。多い時は、大きなたらいに3杯ほどになります。樹齢400年を超えるイチョウの木ですので銀杏の落ちる範囲も広いので収穫も大変です。来週あたりは収穫できるかもしれません。

10月30日 台風一過の今日は木枯らし一番とのことで、かなり強い風が吹き荒れました。庭では今冬初記録となるジョウビタキを観察。過去5年間の初認記録では、2012年11月8日、2013年11月12日、2014年10月23日、2015年10月20日でした。

地球温暖化を考える(113)

世界的な水不足・食料危機

近年は春のサクラの開花時期が早まり、今年はヒガンバナが8末に開花、キンモクセイは9月末に開花し10月中旬には花が散り始め、スイセンが発芽しています。ギンナンも9月初旬には落ち始めていました。いずれも、例年に比べて2週間から3週間早めです。近年、ソメイヨシノの開花時期の早まりが確認されており、1960年代では4月1日以前にさくらが開花した地域は、三浦半島から紀伊半島にかけての本州の太平洋沿岸と四国、九州に限られていた。しかし、1998〜2007年の10年間では、同じ時期に関東、東海、近畿、中国地方の広い範囲で開花がみられている。一方、紅葉については見ごろの時期が遅くなっている。気象庁の「紅葉の見ごろ期間予測」では栃木県奥日光における見ごろの時期は、1980年代は10月11日〜25日であったが、2003年から2012年では10月17日〜31日と6日遅くなったとされている。

国連のIPCC報告によれば、地球温暖化の最大の問題は水や食料が世界的に不足してくることです。15年後(2025年)には世界人口の大半にあたる約50億人が水不足になると予測されています。また、今後100年以内に、中国では米の収穫が8割減、ブラジルやインドでは小麦などの収穫が大幅に減少するなど、深刻な食糧不足が警告されています。すでに各地で旱魃や洪水が多発しており、こうした水不足や食糧危機の兆候が現れ始めています。日本においても、コメやリンゴなどに影響が出始めています。日本は、食糧の大部分を他国からの輸入に頼っており、食糧危機の危険性の最も高い国です。