No.113 2013年11月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (126)

ヤマシギ(シギ科)Scolopax rusticola

採餌中のヤマシギ

ヤマシギは山鴫で江戸時代には、大きくよく太ったシギというところから「ボトシギ」と呼ばれていました。嘴がまっすぐに長く、餌をとるときには体をゆすりながらミミズなどを採ります。本州中部以北や伊豆七島の山地の林などで繁殖し、冬は雪の少ない地方の低地などで越冬します。人や犬などが近づくと羽音を立ててとびたち、チキーチキー、ブーといった声で鳴きます。太った体に似合わず、結構敏捷なようで狭い木の間を巧みに縫うようにして飛びます。

地味な色合いで、目立たないこともあるので目に触れにくい鳥ですが鳩ヶ谷川口地区での記録は、立野百観音の谷地では1974年〜1976年の冬期間に越冬して落ち葉をかき分けてミミズを捕食していました。その後は川口市周辺では1998年2月2日、2002年10月16日芝川第一調節池、2011年3月19日西新井宿松山、旧鳩ヶ谷市内では2011年3月27日桜町の三光稲荷などでの記録があります。

 

自然の記録

11月 1日 庭のフェンスのキカラスウリの実が黄色く色づいてきました。ツルを引くと20個あまりの実が珠数繋ぎになってきました。ツルの間からセスジスズメの終齢幼虫が落ちて、地上を這っていきました。

11月 4日 庭の柿の木でアオマツムシが鳴いていました。盛夏の頃と比べると声のトーンが落ちていますが、冬季に入ってから鳴き声を聴くのは初めてです。

11月 6日 久しぶりの秋晴れの中、コンフォール東鳩ヶ谷のバス停付近にある緋寒桜の花が満開となりました。毎年咲いてくれますが花期が長いので楽しめます。

ヤツデの白い花も各所で咲き始めています。江戸時代には庭木として植えられていたようですが、別名天狗の葉団扇といい、厄除けに用いられることもあるようです。白い球のように見える花をよく見ると、一つ一つの花は五弁に分かれています。

湧水公園ではオナガ10羽とヒヨドリ数羽が群れて水浴びをしていました。

11月12日 旧芝川を散策したところ、ピンク色の花の皇帝ダリアが各所で開花していました。野鳥はジョウビタキとアオジを初認、ヒドリガモ、オナガガモおよびユリカモメも初認となりました。その他、カルガモ、コガモ、カワウ、イソシギ等19種類の野鳥を観察できました。

ミゾソバの種子を食べるヒドリガモの雌 若いオナガガモの雄

コサギは浄化用の枠の上に乗って溢れ出てくる水と共に上がってくるフナやモツゴ等の魚を効率よく獲っていました。

14時過ぎに外が暗くなり、強い雨と風となりましたが、木枯らし1番とのことでした。17時過ぎに、三日月様を眺めていると家の上空をコガモ2羽が飛んでいきました。

溢れる流水で待つコサギ フナをとらえた瞬間
大きな獲物を銜えて思案顔 ようやく飲み込む

11月13日 昨日の木枯らしに続いて、今日もかなり冷たい風が吹いていました。自転車で走っていると首の周りから冷たい風が入ってきて首筋が凍るような感じでした。そんな風の中でアカタテハが飛んでいました。

柿の木の枝では大きな網を張ったジョロウグモが風に揺れていました。庭隅の植え込みの根方ではジグモの太く大きな巣が3か所で見つかりました。

情報ですが、地蔵院や法性寺の社寺林でフクロウが鳴いていたとのことです。どこかで繁殖をしてくれると良いのですが。

11月16日 隣近所のカキの実が熟してきたので、ムクドリ、ヒヨドリ、スズメ、オナガ等の声が賑わしくなってきました。気温が下がると流石に昆虫類の活動も少なくなりますので、野鳥たちもいろいろな木の実を探して飛び回っています。

11月20日 今冬初めてアオジが庭に飛来しました。姿は確認できませんでしたが声のみを数か所で聞くことができました。キカラスウリが黄色くなって目立ってきました。

11月22日 数年前に伐採して横にしてあった庭の桜の木が腐ってきたので崩してみると、多くのヤスデと共にコクワガタの成虫雄2、雌1匹が出てきました。成虫のまま越冬するのでしょう。崩した朽木を被せて越冬させることにしました。おそらく、かなりの個体がいるのかもしれません。カキの葉が落ちてくるとキイロテントウも一緒に落ちてきました。キイロテントウは非常に小さなテントウムシで見落としやすいが、胸部から上は白く、羽が黄色い美しいテントウムシです。

近くの路上ではツマグロヒョウモンの雄の遺骸が落ちていました。

11月23日 ブロック塀についていたアゲハチョウの蛹が数日前までしっかり固定されていましたが、今日は風に吹かれて動いていました。近寄ってみると蛹の体に小さな穴が開いており、殻のみが残っていました。アゲハヒメバチが寄生して体を食べて、成虫になって出ていったようです。

フェンスに絡んだキカラスウリの実 朽木の中のコクワガタ
綺麗なキイロテントウ 空になったアゲハの蛹

11月26日 日中の気温は22℃を超え、温かい一日でした。その影響もあって市内各所で、モンキチョウ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、ウラナミシジミ、ウラギンシジミ、ヒメアカタテハ等の蝶が各所で見ることができました。特にモンキチョウはノゲシの黄色い花に止まって吸蜜していました。

11月27日 庭隅にカマドウマの雌が落ちていました。今年は一度も見かけなかったなと思いながら見ていました。ブロック塀の陽だまりには赤くなったアキアカネが止まっていました。

落ち葉を掃き集めてビニール袋に入れておいてあった袋の口を閉じようと思って中を覗くとカナヘビが冬越しをしていました。

11月28日 ここ数日で柿の葉がすべて落ちました。「朔風葉を払う」冷たい北風が木々の葉を落とす頃、朔風の朔は北風を意味するようですが、葉を落とした幹と枝だけの冬木立は、いかにも寒そうな感じがします。桜の木は赤や黄に紅葉した葉が沢山ついていますが、こちらも毎日落ち始め柿の木の周りに彩を添えています。

 

地球温暖化を考える(68)

仙台堀川公園緑地

東京都江東区にある江東区立の公園です。江東区内を流れている仙台堀川の大部分を埋め立てて造られた親水公園で、総延長は3700メートルになり、都内最大の規模を持つ親水公園です。仙台堀川の流れている一帯は付近にあった工場などからの地下水の汲み上げにより地盤沈下が激しくゼロメートル地帯となっていました。川より低い土地が出来上がり、護岸壁の高さもどんどんと上げていかなくてはならない状況でした。特に仙台堀川一帯は台風の時などは護岸壁を超えて川から水が溢れる危険がありました。このような危険を回避するために、川を埋め立てて埋め立てたスペースを公園とする工事が進められました。

工事は1978年に始まり、1980年4月1日に開園しました。その後も工事は進み、1986年に全面的に完成し、仙台堀川の多くは樹木と川とを身近に感じることのできる親水公園に変わりました。 総延長は約3700メートルの細長い公園で面積は約103,850m²、街を取り囲むような形で防災公園的な役割も。西は大横川の合流地点で、北は小名木川の合流地点までとなっています。西の大横川合流地点より先はまた仙台堀川として河川になっています。途中には同じように河川を埋め立てて作った横10間川親水公園と合流しています。移築された民家有り、釣り堀有りで市民の憩いの場所として多くの人たちが利用しています。

多くの川が暗渠化されていますが、親水化されることにより緑地の増加、公園の確保、子供や高齢者の憩いの場所、ヒートアイランドの緩和等、多くの効用があります。周囲は高層マンションや住宅地に囲まれていますが、公園の中は騒音もなく静かなたたずまいがあります。行政の考え方一つでこのような公園ができる良い事例です。

仙台堀川公園 移築された民家 民家手前の緑道
交差点を挟んだ緑道 交差点そばの湿地 野鳥の写真を写す人々