No.104 2013年2月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (117)

オオコノハズク(フクロウ科)

オオコノハズクは小型のフクロウの仲間で、俗にミミズクと呼ばれる仲間で耳羽を持っています。「ズク」は古くは「ツク」と呼ばれており、「ツク」とは羽角が突き出ていることに由来するようです。鳴き声は「ウーウー」「オーオー」あるいは「ボッボ」という声で鳴くようですが、我が家の裏で筆者が聞いた鳴き声は「オーオー」でした。

北海道では繁殖していますが、関東地方では、冬期に都市公園などで主に樹洞や巣箱などを利用しています。東京都内の公園では新宿御苑や明治神宮などでも観察されたことがあります。日中は殆ど活動せずに目を閉じています。このようなフクロウの仲間は写真家の良い対象になりますが、問題は撮影マナーの悪さです。

今年は川口市内のある場所で、トラフズクが2羽越冬しています。道路沿いで見つかったこともありますが、最初に見つかった場所は写真を撮るために下枝がばっさりと落とされ、トラフズクは他へ移動しました。ところが、移動した先の枝も撮影にじゃまだとのことで早朝に伐採されました。ここではマナー違反が多いということで数名のカメラマンが注意をするために交代で見張りをしていましたが、見張りの隙を盗んで切り取ったようです。

オオコノハズクは鳩ヶ谷・川口市域でも記録がありますが、その殆どが農業用の防鳥網に掛かって保護あるいは落鳥して見つかる場合が多いのが残念です。

 

自然の記録:

 2月 2日 新芝川の白鷺橋下流域でオオジュリン、マガモ(♀)、カルガモ、カイツブリ、毛長川ではカモ類は全く見られませんでしたがハクセキレイとセグロセキレイが見られました。湧水公園の斜面林ではシロハラ、ツグミ等が観察され、竹林の日溜まりにスイセンが1株だけ開花していました。林内にはギンナンが沢山落ちていました。11月と12月に大量に拾ったのですが、拾った数以上のギンナンが落ちている気がしました。我が家でも“のっぺい汁”や“茶碗蒸し”に入れて味わっていますが、すでに1年分くらいのギンナンを確保しています。

 2月 3日 昨日、今日と暖かくなったため、庭のウメとサクラの蕾が急に膨らみをましました。ヒヨドリは膨らみ始めた蕾を食べているようです。

 2月 4日 今日も日中は暖かく20℃を越えました。東縁見沼代用水沿いを散策したところ、鳩ヶ谷本町の斜面林ではタチツボスミレが開花していました。また、鳩ヶ谷中学校から下った辺りの畑地ではナズナ、タネツケバナのお花畑となっており、所々にノボロギクも開花していました。

 2月 6日 今年2回目の降雪となりましたが、天気予報に反して殆ど積雪もなく助かりました。降雪中、柿の残ったヘタを食べるためにオナガ15羽の群れが一日中飛び交っていました。ヒヨドリはオナガに追われたのかキカラスウリの種子を食べていました。

 2月11日 道路脇の水路に落ちた落ち葉を掃除していたところマルガタゴミムシの仲間が1匹でてきました。暖かい日は落ち葉の下で活動しているようです。

コンポストの中ではイエバエやショウジョウバエの仲間が無数に飛び回っていました。外は北風がかなり吹いていましたが、コンポストの中はほんわかとした感じがします。

 2月13日 今朝4度目の降雪がありましたが、10時頃までには殆ど溶けてしまいました。隣家の庭では早くも紅梅が5分咲きとなりました。

 2月14日 久し振りにジョウビタキの雄が庭に飛来しましたが、すぐに何処かへ移動しました。腰のオレンジ色と翼の白色がよく目立っていました。プランターに生えてきたホトケノザが開花し始めました。

 2月15日 小雨降る中、オナガ16羽が飛来しました。相変わらず柿の実のヘタを食べているようです。ツグミ2羽も定着しました。

 2月18日 工事中の湧水公園の駐車場ではオオイヌノフグリがブルーの花をつけていました。ホトケノザも開花し春の兆しが見えてきました。市内各地ではマンサクとロウバイの花が目立ち、ウメの花も5分咲きのところも見られました。

地蔵院の白梅も開花してシロハラが飛来しました。今年はシロハラの姿を市内3か所で見ることが出来ました。例年より多く越冬しているようです。

 2月19日 近所の松の木にハシブトガラスが営巣しました。庭の梅の木にシジュウカラのペアが飛来して囀っていました。巣作りの場所を探しているようです。

 2月21日 日中は暖かい日が続いていますが、鳥達は餌探しに苦労しています。たまたま見つけた残り柿にヒヨドリが来ていました。コンパクトカメラで3mまで近づいても逃げません。柿の中味は全くなく乾燥した皮のみが残っていましたが、それでも執拗に啄んでいました。

川口市前川のS氏より、手乗りヒヨドリの情報を戴きました。とある公園で、試しに手の平に餌を置いてみたらヒヨドリが飛んできて手の平に留まって餌を食べたと驚いていました。2月17日に行った八潮の大曽根ビオトープ脇のキャベツ畑ではヒヨドリが20羽ほど群れていました。残り物のキャベツのようなので被害はなさそうでしたがヒヨドリにとっては御馳走です。

 2月26日 芝川に掛かる境橋付近でオオバン2羽が泳いでいました。オオバンは以前には見かけることが殆どありませんでしたが5年ほど前から冬期のみ観察されるようになりました。

残り柿とヒヨドリ ヒメオドリコソウ

 2月27日 午前中は雨が降っていましたが、庭の垂れ梅が2つ開花しました。クンシランもようやく花芽を持ち始めてきました。

 2月28日 今日は暖かくなったのでジャガイモの種芋を買いに出かけました。以前はメイクインや男爵などの品種が主流でしたが、最近は“とうや“や”インカのめざめ“等と言った種類も出ています。”インカのめざめ”は「アンデスのくりじゃが」とも呼ばれており人気の品種のようです。新タマネギも出ていましたが、タマネギの歴史は古く、古代のエジプトにもあったようです。日本に渡来したのは明治時代、今頃のタマネギはみずみずしく甘みがあり、生食向きと言われていますが丸ごと電子レンジで“チン“すると大変美味しく食べられます。最近のテレビではポリフェノールを多く含むことから血液をさらさらにしてくれるとのこと、健康によい食べ物です。

 

地球温暖化を考える(59)

はとがやの湧き水の里に関連して(20)

 

池の改修工事も進んでおり、下の池に水が入りました。下の池は3段階の深さに改良されました。

上の池の水を下の池にポンプを使って排出しながら、上の池を乾燥させるために生物の移動が必要になってきました。

2月5日の午前10時より、はとがやに里山をつくる会のメンバー4名と公園課の職員1名で、上の池のかいぼりを行いました。池の中の水路では数十尾の鯉や鮒などが足の周りで暴れており驚きました。コイ10尾(約30cm〜70cm)、ニシキゴイ1尾、ニゴイ2尾(約30cm)、ヘラブナ5尾(約20〜25cm)および、小さなフナ10尾、その他としてモツゴの稚魚、メダカ、ヌカエビ多数、ウシガエルのオタマジャクシ等でした。コイ、ニシキゴイ、ニゴイは全て見沼代用水に放流しました。その他の生物は全て下の池に放流しましたが、ウシガエルのオタマジャクシだけは、そのまま放置しておきました。かいぼりを行う前にダイサギが餌を求めて飛来しており、かいぼり終了と共に池に入りウシガエルのオタマジャクシを食べていました。ダイサギは人が近づいても逃げずに少しだけ移動していました。それだけ簡単に取れる餌が魅力的だったのでしょう。その他にハクセキレイやツグミなども飛来しました。

 普段の生活では泥沼の中に足を踏み入れることなど考えられませんので、膝上までつかるヘドロに足を取られながらも胴長をはいた女性陣も奮闘しましたが、かなり楽しんでいたようです。このような作業になると皆さん子供の頃に戻るようで、泥だらけになりながら、あっという間の2時間でした。

(下の写真2枚は、はとがやに里山をつくる会のホームページより引用しました。)

上の池の状況(3月5日) コウホネ用の木枠     コイを追う筆者
早速ダイサギが飛来しました 工事中の下の池

2月12日により上の池の工事が始まり、13日には3か所の島とコウホネの木枠が撤去されました。

夕方近くに、下の池の水を放水されてしまいました。誰がどのような理由で放水したのかわかりませんが、かなりの魚類も流出したようです。今後のこともあり、簡単に放流できないように排水板を強化してもらいました。

上の池の進行状況 下の池の進行状況