No.159 2017年9月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (172)

ホオアカ(ホオジロ科)Emberiza fucata

ホオアカは漢字で書くと頬赤ですが、別名アカシトドとも呼ばれています。シトドとはホオジロの仲間の古い名です。英名はGray-hooded Buntingで、英語圏では頭の色から名前を付けており、日本では頬の色から名前をつけています。他の野鳥名でも文化の違いがみられるものが多々あります。ホオアカはホオジロと対比されて頬が赤茶色なのでホオアカ。と言っても頬の色は赤というより褐色なので、それほど目立たない。眉斑、顎線、後頸部につながるラインが灰色なのが大きな特徴。上面は赤茶色に黒い縦斑。下面は胸から脇にかけて黒い縦斑があり、腹は赤茶色を帯びた汚白色。北海道や本州の高原あるいは平野部の草原地帯等で繁殖します。世界的には、南千島からロシアのアムール地方、中国、ヒマラヤなどにひろく分布している。川口市内では春と秋の渡りの時に芝川第一調節池などで観察されますが、近年は減少しているようです。

 

          頬赤の鈴割れ声や空澄む日 堀口 星眠

 

自然の記録:

 9月 1日 庭の叢でシロオビノメイガ、ミツテンノメイガ、ヨツスジノメイガ、ワタヌキノメイガ、ツマジロエダシャク、カノコガ等のガの仲間やヒカゲチョウ、ヒメジャノメ等が飛び回っていました。

 9月 2日 庭のサクラの枯れ木ではナガゴマフカミキリの雌雄、カキの木の樹間ではコミスジ、ヒメジャノメ等が飛び回っていました。

 9月 4日 今日の庭はワタヌキノメイガ、オオウンモンクチバ、ナガゴマフカミキリ雌、コガタスズメバチ、キンケハラナガツチバチ等が見られました。

 9月 5日 ここ数日、天気が安定せず曇りの日が多いが、ルリタテハ、ヒカゲチョウ、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、アカボシゴマダラ、ヤマトシジミ等が飛び回っていました。

 9月 6日 カキの葉にシロオビノメイガ、サクラの木にシロヒゲナガゾウムシ、近所の道路際に毎年生えてくるカラムシの捲かれた葉の中にアカタテハの幼虫がいました。年々見る機会が少なくなっているアカタテハですが、この場所には毎年個体数が少ないものの発生しているようです。

オオウンモンクチバ ミツテンノメイガ
ツマジロエダシャク ヨツスジノメイガ
シロヒゲナガゾウムシの雌 ナミアゲハの雄と雌

 9月 7日 今日は白露、秋に入る頃ですが台風5号以降は夏日が少なく曇天が続いていたためにお盆を過ぎた頃には、コオロギが鳴き始めていたので既に秋に入っている感じであった。夜になってカキの木やツバキの木でアオマツムシがしきりに鳴いています。昨夕から月下美人が咲いており、強い香りが部屋中に漂って来ました。

 9月 8日 旧芝川を散策しました、アカタテハ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、ナミアゲハ、クロアゲハ、アオスジアゲハ、モンシロチョウ、キチョウ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、ベニシジミ、イチモンジセセリ、シロオビノメイガ、ギンヤンマ、シオカラトンボ、ウスバキトンボ、アジアイトトンボ、セグロアシナガバチ、ハラナガツチバチ、オンブバッタ、ショウリョウバッタ、クルマバッタ、トノサマバッタ、エンマコオロギ、ハラオカメコオロギ等の昆虫類、ダイサギ、アオサギ、コサギ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、スズメ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、オナガ、ムクドリ、キジバト、シジュウカラ、ドバト等、カモ類はまだ渡来していないようです。その他、ミシシッピアカミミガメ、アカテガニ、クロベンケイガニ、トカゲ、カナヘビ等、水辺にはタヌキの足跡が沢山ありました。開花植物はマメアサガオ、ホシアサガオ、コマツヨイグサ、ヒメマツヨイグサ、アメリカアサガオ、コセンダングサ、セイバンモロコシ、ヒメムカシヨモギ、オオアレチノギク、ハゼラン、キバナコスモス、アレチヌスビトハギ、等でした。

 9月11日 安行の雑木林を歩いてきました。今年は少し早めの開花らしく白や黄色、赤色のヒガンバナが咲いており、暗い林の中で黒地に1本の太い白帯があるガの仲間がヒラヒラとゆっくり飛んでいました。ホタルガです、頭部は赤く触角が立派で、何となく魔女的な雰囲気があります。クリの葉にはキリギリスの仲間のサトクダマキモドキの雌がいました。体長は6pほどの大きさですが、後ろ足が長く飛んでいるところを見ると、かなり大きく見えます。

ヒガンバナの開花
サトクダマキモドキの雌 ホタルガ

 9月16日 豊田の森の竹林で、はとがやに里山をつくる会のメンバーが竹の間伐や草刈りを行いました。今回は主に枯死した竹の間伐を行うとともに草刈りを行いました。7月の作業時にもあったキヌガサタケ6株が見つかりました。

 9月18日 台風通過後フエーン現象の影響で気温が上昇し35℃を超える暑さとなり、昨日に比べると10℃以上も上昇したことになります。15時30分に庭へ出たところ、スズメが鳴き騒ぐと同時に小型のタカの仲間のツミが頭上を通過しました。今年は庭で2度目の観察です。

 9月20日 庭ではクロオビクロノメイガ、ヒメジャノメ、アオスジアゲハ、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ等が叢を飛び交っていました。

 9月24日 ボタンクサギではクロメンガタスズメの幼虫が4匹かなり大きくなっており、沢山の糞が落ちていました。ムベの枝先にはアケビコノハの幼虫が2匹止まっていました。今年は来ないのかと思っていましたがムベが茂っていたためにわからなかったようです。

 9月25日 庭の木々や土の上にモンクロシャチホコの幼虫が沢山這っていました。サクラの木に多いケムシですが、ピラカンサ、ウメ、等にもモンクロシャチホコの幼虫が集まっています。あまり数が多いと気持ち悪いくらいですが、鳥の餌になっているようです。

モンクロシャチホコの幼虫 キヌガサタケ

 9月27日 旧芝川を散策、キバナコスモス、オシロイバナ、ランタナ等の花にナミアゲハ、アオスジアゲハ、アカタテハ、ツマグロヒョウモン、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ等が群れていました。特に、アカタテハは10頭近く集まっていました。ナカジロシタバ、エビガラスズメの幼虫が歩いていました。ハギの花のカーテンにはウラナミシジミが群がっていました。

アケビコノハの幼虫 ランタナに飛来したアカタテハ ハギのカーテン

地球温暖化を考える(112)

日本の平均気温の変化

今夏の気候の影響か、我が家のプランターのトマトは例年に比べて出来が良く、4月中旬に苗を植えて、6月中旬から収穫し明日から10月になる現在も収穫できています。例年ですと7月中旬からの収穫で8月末には枯れてしまいます。また、カキの葉が9月初旬から紅葉するとともに落下し、アオギリの葉は7月下旬から枯れ始めました。

家のプランターのトマトの壁(左側)

今年は、7月から9月にかけて発生した台風5号および15号の影響で大雨が降り、各地で大きな被害をもたらしました。昨年も8月には北海道で3つの大型台風が直撃して大きな被害をもたらしました。年々、大型台風による被害が多くなる傾向にあるようです。

環境省のレポートによれば、日本の平均気温は1898年(明治31年)以降では100年あたりおよそ1.1℃の割合で上昇しています。特に、1990年代以降、高温となる年が頻繁にあらわれています。気温上昇が世界の平均に比べて大きいのは、日本が、地球温暖化による気温の上昇率が比較的大きい北半球の中緯度に位置しているためと考えられます。  気温の上昇にともなって、熱帯夜(夜間の最低気温が25℃以上の夜)や猛暑日(1日の最高気温が35℃以上の日)は増え、冬日(1日の最低気温が0℃未満の日)は少なくなっています。  1日に降る雨の量が100ミリ以上というような大雨の日数は、長期的に見て増える傾向にあり、地球温暖化が影響している可能性があります。

日本の平均気温の変化

 都市化の気温への影響が比較的少ない15地点のデータをもとに、日本の平均気温の平年差(1981年から2010年までの平均値からの差)の変化を求めた。長期的な変化を見やすくするために、5年の移動平均処理(ある年を中心とする連続する5年の平均値をその年の値とする)を行った。