No.37 2007年7月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (50)

アカハラ(ツグミ科)Turdus chrysolaus

アカハラの雌
アカハラの雌

お腹の色が赤いツグミということでアカハラという名が付いていますが、よく似た鳥に三宅島や八丈島などの伊豆諸島に生息するアカコッコ、渡りの途中に立ち寄るマミチャジナイ、主に離島を通過するカラアカハラなどがいます。アカハラの雄は頭部が黒味のあるオリーブがかった褐色で、背、翼、腰および尾はオリーブがかった褐色。胸と脇はきつね色〜橙赤色で腹の中央は白色です。

春の渡りの時期や繁殖期にはキョロン、キョロン、チリリといった声で囀ります。本州中部以北の山地に生息し繁殖しますが、冬は市街地の公園や植木畑などに来て、木の実やミミズなどを食べます。

自然の記録:

 7月 1日   昨日の友人からのメールで、本町3丁目でヒキガエルを見たと連絡がありました。今日は、庭にオニヤンマ1、ノシメトンボ2、が飛来しました。ニジュウヤホシテントウが大繁殖してジャガイモやトマトの葉が丸坊主にされてしまいました。30年ほど前から毎年生育していたヤブカンゾウの花が今年始めて開花しました(桜町6丁目)。

オニヤンマ ノシメトンボ
オニヤンマ ノシメトンボ

 7月 5日   午前中、里から三ツ和・坂下町付近を2時間程散策したところ、ツマグロヒョウモンが里地区で雌1,坂下町3丁目で雄雌各1、本町4丁目で雌1を観察しました。いずれも民家の花壇やプランターの花に飛来していました。植物では里地区から鳩ヶ谷駅周辺の空き地でアカバナユウゲショウとタマサンゴ、イヌホオズキ等が生育していました。また、アメリカオニアザミは里の交差点付近と坂下町の“とんでん”前の交差点に大きく成長した株があり、本町3丁目のアパート前には10〜30cmに伸びた株が10株ほどありました。この植物の葉のとげは強く硬いので怪我をすることがあるので要注意です。資料館からの帰り道、本町の路上にスズメの幼鳥が交通事故に遭い死んでいました。小学生が見つけて見つめていたので、袋に入れて帰り庭に埋葬しました。この時期、色々な鳥の雛が事故に遭い死ぬことが多いようです。

桜町6丁目のラクダ坂付近の休耕地ではヨシとタケニグサが大きく成長していました。この場所は40年ほど前には池があった場所なので、ヨシの根や種子が残っていたものと思われます。

桜町の自宅庭では数匹のハラビロカマキリが脱皮した抜け殻と幼生がいました。今年はクチナシの花が沢山開花し、オオスカシバが飛び回っていました。コナスビの黄色い花も開花しました。湿った土の上にはミスジコウガイビルがいました。

午後1時半頃から郷土資料館の職員3名と湧き水公園で自然観察会の下見をしました。昆虫類はナミアゲハ、クロアゲハ、アオスジアゲハ、ツマグロヒョウモン、モンシロチョウ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ウスバキトンボ(ベニガラトンボ)、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ワタムシの仲間、フタモンアシナガバチ、アメンボ、カナブン、アオズキンヨコバイ、クモの仲間のヤサガタアシナガグモ、野鳥はスズメ、ヒヨドリ、メジロ、植物はヒルガオ、ドクダミ、ヘクソカズラ、シロツメクサ、アメリカセンダングサ、ブタクサ、カタバミ、ヨシ、スギナ、クズ、ツルマメ、ハコベ、チチコグサモドキ、アカバナユウゲショウ、ヒメジオン、ヘビイチゴ、ヤブミョウガ、ミョウガ、ミソハギ、エゾギシギシ、ツユクサ、ヤブカンゾウ、コウホネ、等がありました。

湧き水公園観察の後、三ツ和でビオトープを作っている場所を案内してもらいました。

休耕田の中に小さな池があり、アシが生育し、メダカが泳いでいました。周囲にはセリが沢山生育し、ネジバナやアカツメクサなどが開花していました。

 7月 6日   18時頃、プランターのトマトと庭のホオズキにツマグロヒョウモンの雌がそれぞれ飛来し、トマトの葉に止まった個体はそのまま夜を越しました。

休日に湧き水公園で遊ぶ子供達 ザリガニを採る子供達
休日に湧き水公園で遊ぶ子供達 ザリガニを採る子供達
ヒヨドリの巣 桑の木によく似たクワクサ
ヒヨドリの巣 桑の木によく似たクワクサ

 7月 8日   鳩ヶ谷駅西口のゲームセンターの植え込みにヒヨドリが2羽入り込んだので近寄ってみる木の枝にビニールひもを沢山絡ませた巣を作っているところでした。大きなビルを建てた場合は植樹をする事が決まっていますが、大規模に植樹することは稀です。しかし、少しの緑地でも生物は逞しく生きていくようです。

 7月12日  本町の貸し農園沿にフウセンカズラ(北米南部の外来種)、ムラサキエノコロ、エノコログサ、ハキダメギク、カヤツリグサ、ヨウシュヤマゴボウ、ラクダ坂付近の林の縁でオニドコロ、ヤマノイモが生育し、オニドコロやヤマイモノの葉にはルリクビボソハムシ、ルリマルノミハムシが数匹はりついていました。本町の空き地でジュズダマ、アメリカセンダングサが蔓延っていました。

 7月13日   ビンカン容器の中にスジクワガタ、ヒョウタンゴミムシ、シデムシの成虫と幼虫が入っていました。羽根があっても外へ飛び出すのは至難のようです。

 7月15日  今年はまだセミの声を聞かないなと思っていたところ、玄関の前にニイニイゼミの片羽が落ちていました。恐らく羽化直後にでもネコにやられたのであろう。

 7月17日  隣家の庭でキンミズヒキの花が開花しました。我が家の庭では褐色の地に2本の白線が入った羽根を持つベッコウハゴロモがクズやセイタカアワダチソウなどの葉裏に10匹、ツユクサの葉にアオバハゴロモ、ヨスジヒシウンカ、ブロック塀にセンチコガネが止まっていた。庭では桑の葉に似たクワクサが数株生育してきました。

 7月19日  湧き水公園でキタテハ、ヒメアカタテハが飛んでいた。アカカタバミの花が開花していた、27日の観察会のために何度か下見に来ているが、色々と作業をしているので行く度に環境が変わっており、前回あったものがなくなっていたりするので当日がどうなっているのか心配である。地蔵院近くの路上でアブラゼミの羽根が落ちていました。今年、初認である。桜町6丁目の民家の花壇で久し振りにキチョウを観察した、家の庭でヒメウラナミジャノメが昨日から出現しているが、食草がチジミザサなどのイネ科の植物であることから庭に蔓延っているチジミザサで孵ったものと思われる。チジミザサも市内では珍しい植物になってきている。また、エノキには何年振りかでコムラサキが飛来したが、コムラサキの食草はヤナギの木である。

サクラ保育園付近の路上でカブトムシの雌が車に轢かれて死んでいた。市内でもカブトムシが生息しています。

 7月22日  市民より、中央病院の敷地内でミンミンゼミが鳴いていたとの情報が寄せられました(初鳴き)。

 7月24日  久し振りにカワセミの観察報告を頂きました。早朝5時23分にいつもの場所で観察されたようです。26日にも観察されました。何処かで繁殖しているのではないかと期待しています。

 7月26日  農協前でタマムシの遺骸を見つけたとの情報が寄せられました。昨年まで生育していなかったキンミズヒキの花が開花した。探してみたらもう1株(5cmほどの背丈)がありました。

市内各地の路傍や空き地などでエノコログサ、ムラサキエノコロ、メヒシバなどが増加しているようです。

鳩ヶ谷から絶滅した生物、絶滅しつつある生物

ヤブカンゾウの花
ヤブカンゾウの花

40年ほど前までは、市内の道端で比較的普通に見られたユリ科の植物。元は中国から帰化したと言われています。葉は根元から多数群がって出て長さ60cm〜90cmになります。花茎は1m位まで伸びて写真のようなオレンジ色の花を咲かせます。

 7月27日  鳩ヶ谷郷土資料館主催の「夏休み郷土学習教室」で自然観察会を行いました。一時間ほどの観察で観察された生物は、以下の通りでした。

鳥類:スズメ、ハクセキレイ、ツバメ、ヒヨドリ 。

昆虫類:ナミアゲハ、クロアゲハ、アオスジアゲハ、ヒメアカタテハ、イチモンジセセリ、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、ウスバキトンボ(ベニガラトンボ)、ノシメトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、コシアキトンボ、ギンヤンマ、アメンボ、アオズキンヨコバイ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ニイニイゼミ(抜け殻が沢山)、マルカメムシ、ハラビロカメムシ、ヒメジュウジナガカメムシ、ルリマルノミハムシ、イエバエ、スズバチ、ショウリョウバッタモドキ。

クモ類:ナガコガネグモ、動物:カナヘビ、ウシガエル(声のみ)。

池の中の生物:アメリカザリガニ、ドジョウ、ヘラブナ。      以上(34種類)

植物:開花していたもの

ヒルガオ、ドクダミ、ヘクソカズラ、シロツメクサ、カタバミ、チチコグサモドキ、コウホネ、アカバナユウゲショウ、ヒメジオン、ツユクサ、ヤブミョウガ、イヌガラシ、ハキダメギク、ジュズダマ、ムラサキサギゴケ、トキワハゼ、コオニタビラコ、交雑タンポポ、セリ、オオバコ、キュウリグサ、オオアブノメ、スズメノヤリ、ミコシガヤ、ノゲシ、スズメノテッポウ、メヒシバ、ヒメスイバ、アレチギシギシ、ミソハギ、コウホネ

開花していない植物:アメリカセンダングサ、ブタクサ、ヨシ、クズ、ツルマメ、ヘビイチゴ(実)、ミョウガ、マツヨイグサ、キクイモ、オオチドメ、コニシキソウ。    以上(44種類)

 7月29日  我が家の庭もニイニイゼミとアブラゼミがようやく賑やかになってきた。庭で咲いている植物は、キンミズヒキ、ハゼラン、サクラタデ、カタバミ、ヤブガラシ、チチコグサモドキ、ツユクサ、エノコログサ、ヤマノイモ、ヤブカンゾウ、メヒシバ、等。

コンフォール東鳩ヶ谷に営巣したツバメの巣は、近所の人たちが暖かく見守る中、3羽の雛が順調に育っており、間もなく巣立つようです。

 7月30日  夜、風呂場の中にオンブバッタの幼生が紛れ込んでいた。どこから入ってきたのか? 捕まえて外の草むらへ放しました。

 7月31日  川口高校近くの見沼用水にハグロトンボが飛んでいました。30年くらい前までは市内で普通に見られたトンボで、桜町6丁目あたりでも中央病院の池があった頃にはよく見かけたものですが、久し振りに観察することが出来ました。

浅間山近くの見沼用水から本町3丁目あたりにかけての見沼用水には大小様々なコイが沢山泳いでいました。大きいものだけでも200匹以上泳いでいました。
 また、本町3丁目の斜面林付近はニイニイゼミとアブラゼミのセミ時雨がうるさいくらいでした。相当数のセミが羽化したようです。セミ捕りの親子の姿も見られました。

ハグロトンボ 雌 体が緑色をした雄
ハグロトンボ 雌 体が緑色をした雄
見沼用水もこんなに綺麗に見える時もあるのですね
見沼用水もこんなに綺麗に見える時もあるのですね