No.156 2017年6月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (169)

アオアシシギ(シギ科)  Tringa nebularia

アオアシシギは、緑味を帯びた黄色の長い脚が特徴です。英語のGreenshank =緑の脚、もそれを指しています。脚と嘴そして体もほっそりと長く、大変スマートなシギです。黒く目立つ長めの嘴は、ちょっと上に反っています。鳴き声はピョー、ピョー、ピョーあるいはチョーチョーチョーと三声で、よく鳴きます。この声だけでアオアシシギが居ることや、飛んできたことが判ります。雌雄同色で冬羽では、下面は真っ白、上面は褐色で、羽の縁取りが白くはっきりしている。夏羽では、胸の上部から首、顔にかけて黒褐色の縦斑が入り、上面の褐色の羽の縁取りは冬羽と比べると不鮮明になる。ユーラシア大陸北部で繁殖し、南半球で越冬するといわれている。

日本には、シベリアで繁殖をした後、秋に東南アジア、オーストラリアで越冬するために、春には越冬地から繁殖地に向かう途中に羽を休めるために立ち寄る旅鳥。関東地方では、晩秋から初冬にかけて、若い個体群が多く、河口、干潟あるいは水田など幅広い環境に飛来する。餌は昆虫類、甲殻類、魚類、カエルなどを捕食し、小さい魚群を追って捕え、砂や泥の中の餌を求めて足早に動きまわる。捕えた場所でそのまま飲み込むのではなく、水のない場所に移動して飲み込む姿を良く見かけます。川口市内では、芝川第一調節池で時折見かける程度ですが、数十年前までは安行領家の休耕田では毎年春と秋には見ることができました。

自然の記録:

 6月 3日 川口市立グリーンセンターで恒例の自然観察ビンゴゲームを行いました。参加者は園内に訪れた子供連れの家族が対象で、小学生以下の子供7名、付き添いの家族10名でした。

観察した種類はハシボソガラス、ハシブトガラス、スズメ、ヒヨドリ等の野鳥、アカミミガメ、クサガメ、オニヤンマ、コシアキトンボ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、コミスジ、ミスジチョウ、ヒメジャノメ、キマダラヒカゲ、クロアゲハ、アオスジアゲハ、ダンゴムシ等。

開花植物はヨウシュヤマゴボウ、ハキダメギク、ノゲシ、オニノゲシ、アイノコタンポポ、オッタチカタバミ、ムラサキカタバミ、コナスビ、ドクダミ、ハルジオン、ヒメジョオン、ヒメオドリコソウ、セリ、イヌタデ、コオニタビラコ、ヤブタビラコ、オニタビラコ、ユキノシタ、クサヨシ、ホソムギ等でした。

外来種の牧草が繁茂した旧芝川 ドライフラワーのようなカラスムギ
土手を彩るタチアオイ 土手に咲いたウチワサボテン

 6月 6日 曇り空でしたが旧芝川を歩き始めると太陽が出てきて暑くなりました。多くの植物が枯れており河川敷内は秋のような風景でした。ホソムギ、ネズミムギ、イヌムギ、カラスムギ、コバンソウ、セイヨウカラシナ、カキネガラシ等の牧草などの植物が枯れているので収穫期の牧場のような風景でした。昆虫類はモンシロチョウ、モンキョウ、ツマグロヒョウモン、ベニシジミ、ウラナミシジミ、アゲハチョウ、シオカラトンボ、ヒメナガメの幼虫、テントウムシ等、ヒメナガメはアジサイやセイヨウカラシナなどの茎や葉などに無数に止まっていました。おそらく数百匹以上と思われます。見た目にはきれいな感じがしますが、あまりにも多いと気持ち悪い感じもします。その他、クロベンケイガニ、アカテガニ、ミシシッピアカミミガメ等がいました。

青木橋付近の護岸では数十株のウチワサボテンが黄色い花を咲かせていました。誰かが植栽したものが増えたものと思われます。

天神橋から塩入橋までの間の土手では100株以上のタチアオイが満開となり土手を彩っていましたが、これも逸出したもので外来植物です。例年、開花している状態の時に土手の除草が始まるので、今年も伐採されることでしょう。しかし、伐採の影響もあって年々広がっていくようです。

 6月 7日 庭の柑橘類に数匹の幼虫がいたのですが、スズメやシジュウカラに食べられてしまったと思っていたところ、プロパンガスボンベにナガサキアゲハの蛹がありました。幼虫は週令ごとに色を変えて擬態をしていますが、多くの天敵によって幼虫の時にかなりのものが捕食されています。蛹になっても寄生蜂にやられるものも多くいます。ヤブガラシの葉上でカツオゾウムシが歩いていました。

アジサイに群れるヒメナガメ プロパンガスボンベのナガサキアゲハ

 6月 9日 湧水公園に行くと保育園の子供たちが15名ほど来ていました。池の中ではカルガモが1羽泳いでおり、子供たちは興味深そうに見ていました。トンボも最盛期を迎え、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ、ウスバキトンボ、クロスジギンヤンマ等が飛び回っていました。菖蒲田も満開となり花を楽しんでいる人たちもいました。帰宅途中の道路上でツマグロヒョウモンの幼虫が道路を歩いていました。蛹になるための場所を探していたのでしょう。家の庭ではクロビロードコガネ、ツツジグンバイ、ササグモ、ギンメッキゴミグモ、ナガサキアゲハの幼虫、等がいました。カブトムシが何かに食べられたらしく頭胸部のみ落ちていました。

 6月10日 赤山歴史自然公園予定地を歩いてきました。奥にある池の周辺は植物で覆われていました。

カラスムギ、ネズミムギ、イヌムギ、ホソムギ、セイバンモロコシ、コバンソウ、アイノコタンポポ、セイヨウアブラナ、セイヨウカラシナ、キショウブ、シロツメクサ、ムラサキツメクサ、コメツブツメクサ、ユウゲショウ、コセンダングサ、アメリカセンダングサ、ヘラオオバコ、ハキダメギク、セイバンモロコシ、ヤナギハナガサ、ケシ、ハルジオン、ヒメジョオン、オニノゲシ、アメリカオニアザミ、アメリカフウロ、オオケタデ、ウラジロチチコグサ、オッタチカタバミ、キクイモ等の外来種が殆どでしたが、ドクダミ、ムラサキエノコロ、エノコログサ、サンカクイ、コガマ、ハハコグサ、ノゲシ、キュウリグサ、アゼトウガラシ、ムラサキサギゴケ、ヒルガオ、タイヌビエ、タガラシ、ミコシガヤ、イヌタデ、等も生育していました。

昆虫類はギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウスバキトンボ、ショウジョウトンボ、ツマグロヒョウモン、キアゲハ、ナミアゲハ、モンシロチョウ、モンキチョウ、キタキチョウ、キタテハ、キマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、等が飛んでいました。

野鳥は、カイツブリのペアが6羽のヒナを連れていました、その他、コチドリ、カワラヒワ、ハクセキレイ、ムクドリ、スズメ、ホオジロ等でした。

帰途、桜町3丁目の民家2軒でツバメが抱卵中でした。2軒ともにツバメの巣の周囲にネットを張って保護していました。一軒の家では表玄関全体にネットを張り、出入りは別の出入り口から行っているようでした。おそらく、雛が無事に巣立つまでの間見守っているようです。今年見つかった巣は6巣でした。そのうち3巣は巣立ち、1巣は途中で失敗(原因不明)。もうじき2回目の営巣が始まるかもしれません。

赤山歴史自然公園予定地の大池と北側の池
カイツブリの親子 網で囲われたツバメの巣

 6月13日 雨戸をあけたところ手の甲にヤモリが落ちてきました。ヤモリも驚いたらしく、縁側に落ちて走っていきました。夕方にはアブラコウモリが庭の周りを飛び回っていました。柑橘類の葉にいたナガサキアゲハの若齢幼虫は全て消失、捕食されたようです。

 6月15日 バス停に行く途中で園芸用として移入された北アメリカ原産の外来種ハルシャギクが数本開花していました。昨年まではなかったのですが何時の間にか侵入してきたようです。コンフォール東鳩ヶ谷のアーケードでは先日巣立つたばかりの巣にツバメ2羽が飛来しました。2回目の繁殖に入るのか?巣の下に置いてあった糞受けは除去されていました。

 6月16日 庭隅に植えたウマノスズクサが蔓を伸ばし始めたと思ったらジャコウアゲハの雄が飛来しました。ほんの少しのウマノスズクサをしっかり見つけてくることに感心します。ジャコウアゲハを見ることさえ珍しいのですから。

 6月17日 今日の庭は蛾の仲間が飛び回っていました。ウメエダシャク、カノコガ、ヨツボシノメイガ、その他小型の蛾の仲間がいくつかいたようですが、葉裏に止まるために中々姿を確認するのが難しい。ブロック塀にはヨモギエダシャクが止まっていました。ブロック塀と同じような色をしていたので見過ごすところでした。ブロック塀の間に落ちている枯れ木にアトモンサビカミキリ数匹がいました。その中で真っ黒に見えるカミキリムシがいたが最初は何カミキリかわかりませんでしたが、かなり上翅が擦れた個体のようでした。このよう個体がいるのかと勉強になりました。植木鉢の影にクロコガネの遺骸がありました

 6月18日 朝からどんよりとして風もあり、ブロック塀にはウメエダシャクとカノコガが並んで止まっていました。竹の葉の中にもウメエダシャクが入り込んで風を避けているようでした。カキの木の周辺では昨日からヒカゲチョウが飛び回っています。

 6月19日 庭のソメイヨシノが枯死したようです。2か月ほど前からアリが沢山登っているのでおかしなと思っていたところ、すべての枝葉が枯れてしまいました。木の周りにはアリの巣が沢山出来ており、木の肌の色とよく似たナガゴマフカミキリが1頭止まっていました。コミスジ、ナミアゲハ、ヤマトシジミ、モンシロチョウが飛び回っていました。6月7日に見つけたナガサキアゲハの蛹は寄生蜂にやられた様子で大きな穴が開いていました。

ヨモギエダシャク ナガゴマフカミキリ ウメエダシャク
寄生蜂にやられた蛹 カノコガ アトモンサビカミキリ

 6月22日 今年初のニイニイゼミの声を聞きました。数日前にも聞いた時は空耳のように感じたのですが、はっきりと聞くことができました。昨年は7月11日でしたので20日ほど早く聞くことが出来ました。東京での昨年の初鳴きは6月26日とのことですので、近年は6月中に鳴くようになってきているようです。

 6月26日 今日は物置の扉、門扉、脚立、ホームダムの裏ブタにそれぞれ3〜5pの小さなヤモリを1匹ずつ見つけました。いずれも、急いで逃げていきました。アジサイの葉上にはトラハナムグリとクロフヒゲナガゾウムシが止まっていました。朝のうちかなり強い雨が降り、その後晴れてきたので乾いた葉の上に出てきたようです。

 

地球温暖化を考える(109)

広げよう!ストップ温暖化-未来の私たちのために-

 

埼玉県では小学生向けの温暖化防止のためのパンフレットを作成しました。

パンフレットの目的は、

地球温暖化の仕組み、原因、影響、対策について知る。

日常生活と二酸化炭素の発生とを関連付けて考える。

二酸化炭素排出量の少ない生活への転換に向けた行動を家庭や地域で工夫し、実践する。

エコライフ活動とは、なんでしょうか?

 地球温暖化を防止するために、私たち自身ができる活動のひとつです。地球環境を破壊しないような電化製品や、自動車を購入することもエコライフ活動のひとつです。そして、それを長く使い続けることも立派なエコライフ活動です。これから先、私たち一人ひとりの協力があってこそ、これからの地球環境を守っていくことができるのです。こうした活動を広げていき、もっと地球に優しいことをしていきましょう。

 

昨年度、埼玉県で行ったエコライフDAY2016(冬)の実積は

 

参加者数 362167人  削減できた二酸化炭素 340860sでした。杉の木が1年間に二酸化炭素を吸収する量は約14sと言われているので、単純に計算すると24347本になります。

 

地球の平均気温が変化することにより、さまざまな変化や影響が生じることが懸念されています。特に、このままの経済活動を続けた場合には、100年後に4度前後の気温上昇が予測されており、その結果として、取り返しのつかない影響が予測されます。気温上昇をいかに抑えるか。現在の国連の国際交渉は、平均気温の上昇を「2度未満」に抑えることをめざして行なわれています。この「2度未満」とは、産業革命の前と比べた気温の上昇幅のことで、それ以内に抑えることができれば、人類は温暖化がもたらすさまざまな影響と、なんとか共存できるレベルと考えられています。

気象庁によると、「2016年の世界の年平均気温(陸域における地表付近の気温と海面水温の平均)の1981〜2010年平均基準における偏差は+0.45℃(20世紀平均基準における偏差は+0.81℃)で、1891年の統計開始以降、最も高い値となりました。世界の年平均気温は、長期的には100年あたり約0.72℃の割合で上昇しており、特に1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっています。」世界の気温は1980年〜2012年の期間に0.85℃上昇しています。何も対策を取らないでおくと21世紀末には最大で4.8℃上昇すると言われています。

現在、アジア地域では海面水位上昇による沿岸浸食、氷河・永久凍土の溶解、洪水や干ばつの増加、食糧生産への影響、等の影響が出ています。