No.89 2011年11月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (102)

メジロ(メジロ科)Zosterops  japonica

キンカンを食べるメジロ

 メジロは名が示す如く目の周りが白いことから名前が付いています。古くから飼い鳥として愛好され、鳴きあわせなども盛んに行われていましたが、今年から全国的にメジロの捕獲許可が原則禁止されることになりました。埼玉県では以前より全ての野鳥に関して野鳥の飼育が禁止されていました。

これからは、家庭で飼育しているメジロは全て違法飼育となります。また、落とし籠などで捕獲することも違法捕獲となります。

メジロはヒヨドリと同じように甘いものが好物で、ツバキ、サザンカ、サクラなどの花の蜜はもちろんミカンやキンカンなどの柑橘類、カキ、リンゴなどもよく食べます。また、冬期にはピラカンサ、ツルウメモドキ、ムラサキシキブ等のような小さな木の実を好んで食べます。体の色はウグイスよりももっと鶯色をしています。ウグイス餅の餅の色はメジロの色により近い色をしています。古来より俳句などでもよく詠われています。

    誰やらが口まねすれば目白鳴く 正岡子規

    梅に来て松にあふれし目白かな 木津柳芽

 

自然の記録:

11月 1日 台所の裏に野良猫が吐いた吐物の中に回虫が7隻いました。回虫は小腸に寄生する白い輪ゴムを半分に切ったような形をした寄生虫で、小さい順に犬小回虫、猫回虫、犬回虫という3種類の回虫がいます。これらは、猫にも犬にも人間にも感染します。名前の通り、腸の外にでると丸く回るような形になり、成虫の長さは2〜15pにもなります。

便中に排泄された回虫の卵は、5〜10日で感染性を持つ虫となり、猫の口から体内に入り、ふ化して胃、肝臓、肺へと移行し成長します。これが咳によって吐き出され、再び他のネコの口から入り成長して小腸内に移行し、卵を産み便中に排泄されます。これが公園の砂場などでは幼児に感染する危険性があります。

暖かいので蝶の飛来も多く、キタテハ、ツマグロヒョウモン、キチョウ、ヤマトシジミ、ムラサキツバメ等が飛来しました。このうちムラサキツバメは温暖化に伴い北上中の蝶ですが庭に来たのは初めてです。

安行慈林地区の植え込みでミノウスバという変わった昆虫を見つけました。ミノウスバはマダラガ科に属するガの仲間で、成虫は晩秋から初冬にかけて発生します。雌の成虫には枝先に産んだ卵の塊を守るという、変わった習性があります。

ミノウスバ   日中に咲く月下美人 猫回虫

11月 2日 家の月下美人が11月にはいって3花をつけました。それも、夜間ではなく朝に開いて12時頃まで咲いていました。

11月 3日 ヨツモンマエジロアオシャクという小型の蛾の遺骸が裏庭で見つかりました。その周りに生えているハナダイコンの葉にはヒメナガメという奇麗なカメムシの仲間がいました。

11月 4日 庭のダイコンの葉にモンキクロノメイガという小型の蛾がいました。カキの枯れ葉が散る時にキイロテントウが数匹船に乗ったような形で落ちてきます。

11月 5日 ブロック塀にモンキクロノメイガが留まっていました。小さな茶褐色の蛾で白い帯があるのが特徴です。

11月 7日 桜町6丁目を流れる側溝にタヌキの糞がありました。近くを探すと軟らかい土の上に足跡が2つ、昨夜の雨の後なのではっきりと残っていました。住宅街の中でも夜に徘徊していることが解ります。

タヌキの糞と足跡 飛ぶカワセミ

11月 8日 カモ類の渡来状況を見る目的で旧芝川(天神橋付近の水門〜朝日橋)を歩いてきました。

カルガモ(20)、コガモ(雄7、雌36)、オナガガモ(雄8、雌16)、ヒドリガモ(雌雄各1)、ハシビロガモ(雌2)等、カルガモ以外は殆どエクリプス羽でした。その他、カイツブリ、カワウ、イソシギ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、ゴイサギ、カワセミ、キジバト、ハクセキレイ、ジョウビタキ、スズメ、ヒヨドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバトなど、コサギがハゼの仲間を何度か捕食していました。そのほかにはミシシッピーアカミミガメ、コイ、カダヤシ、アメリカザリガニ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、ホシホウジャクなどが観察されました。

11月 9日 庭の日溜まりにベッコウバエ3匹が休んでいました。ハエとは言え大きさは2〜2.5cmもある黄色で奇麗な昆虫です。

11月10日 陽の当たる網戸にオオカマキリ、郵便受けにコカマキリがそれぞれ休んでいましたが、足がとれたり、羽根の一部が破損したりしていました。自転車の網籠にはコカマキリの卵鞘がありましたが、春にはここから羽化するのでしょうか?

11月12日 11月も中旬というのにダイコンの葉にウラナミジャノメが飛来しました。

11月14日 カモ類の渡来状況を見る目的で旧芝川(天神橋付近の水門〜青木橋)を歩いてきました。

カルガモ(6)、コガモ(雄8、雌32)、オナガガモ(雄12、雌9)、ヒドリガモ(雌雄4、雌3)、ハシビロガモ(雄2、雌2)等、その他、アオサギ、コサギ、ゴイサギ、カワセミ、キジバト、ハクセキレイ、ジョウビタキ、スズメ、ヒヨドリ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバトなどでした。

昆虫類ではキチョウ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、トノサマバッタ、その他ミシシッピーアカミミガメ(5)、テナガエビ等がいました。

庭の下草が大分枯れてきたら太いジグモの巣が数カ所で見つかりました。太いものでは周囲が4cmを越えるものもあります。

11月17日 家の網戸にアカタテハが留まっていました。暖かい日溜まりは蝶にとっても気持がよいのでしょう。

11月19日 雨の中、ツグミが上空を飛んでいきました。今冬の初認です。家の周囲に柿の実が多いのでこれから個体数が増えることでしょう。

11月21日 旧芝川ではツマグロヒョウモン、キチョウ、モンシロチョウ、ヤマトシジミなどの蝶が元気に飛んでいました。ミシシッピーアカミミガメは甲良の後ろに浦島太郎のカメさんのような緑色の藻を乗せておよいでいる個体が数頭見られました。カモ類は6種114羽になりました。15日により狩猟期間に入ったためこれからもう少し個体数が増加するのではないかと思います。

11月22日 葉が落ちた梅の木にシジュウカラとメジロが2羽づつ飛来し、頻りに枯れ枝を突いていました。

11月28日 庭ではサザンカが咲き始め、バラ、アカカタバミの花が満開、ピラカンサ、マンリョウ、ハゼランの赤い実が目立ちます。

 

鳩ヶ谷から消えた生物・消えつつある生物 53

ヒメヤママユ(ヤママユ科)

ヒメヤママユはアゲハチョウと同じくらいの大きさで、上下の翅に目玉模様を持った奇麗な蛾です。頭の上にもう1匹の小さな蛾が羽を広げたような模様があります。蛾というと蝶に比べて嫌われる感じがありますが中には美しいものもいます。そこでつけられたのが夜の蝶。{1957年(昭和32年)7月28日に公開された映画。 銀座 の酒場に生きる女たちの執念あふれる世俗的な作品。この映画化の元は「中央公論」の 川口松太郎の小説である}

10月頃になって発生することが多いが、近年は鳩ヶ谷市内では見る機会は全くありません。

このような大型の蛾の仲間が生息できる環境が無くなってしまったのが原因です。

 

地球温暖化を考える(44)

仮称・はとがやの湧き水の里に関連して(6)

11月 7日 保育園の児童30名が湧水公園を訪れました。法性寺の境内でドングリを拾って来たらしく全員がビニール袋にかなりのドングリを入れていました。メダカを見つけて喜んでいました。

11月14日 湧き公園の掲示板全てに鳩ヶ谷市の上に川口市の表示が添付されました。これにより、湧水公園の管理は川口市に移行したことになります。丁度1ヶ月ほどで張り替えられたことになりますが、この位のスピードで「はとがや湧き水の里」計画が進展すると良いですね。

11月28日 9時から12時30分まで、4人で池の中に大量に増殖したアマゾントチカガミの除去を行いました。アマゾントチカガミはアマゾンフロッグピットあるいはドワーフフロッグピットと呼ばれているアマゾン産のトチカガミです。トチカガミとはスッポンという意味のようです。本来の分布はメキシコ、西インド諸島、パラグァイ、ブラジル等です。

我が国への渡来時期は不明ですが、全国各地で異常な繁殖をしています。殆どの場合、家庭の水槽などで金魚や淡水魚と共に観賞用に入れていたものを廃棄したために増殖したようです。恐らく湧き水公園でも誰かが廃棄したものと思われますが、このまま放置しておくと見沼代用水へ流出して近隣の生態系へ大きな影響を与える可能性があります。

今回は8月に続いて2度目の除去ですが毎年繰り返して作業を行わざるを得ない状況です。除去したアマゾントチカガミの中からアメリカザリガニやヌカエビ等が沢山でてきました。アマゾントチカガミの根がよい隠れ場所になっていたのでしょう。