No.136 2015年10月

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鳩ヶ谷周辺で見られる野鳥シリーズ (149) 

ウズラシギ(シギ科) Calidris acuminata

旅鳥として渡来する小型のシギの仲間で、海岸などの海辺よりも水田や蓮田などの内陸性の湿地で見ることが多い。ウズラシギ(鶉鴫)はセキレイぐらいの大きさで体がずんぐりして足が長めである。

夏羽は頭上が赤褐色で、黒く細い縦斑がある。英名のsharp-tailed(尖った尾)とは、尾羽全体の形状ではなく、尾羽の1枚1枚の先端部が尖っていることから付けられている。しかし、手にとってみなければ形状を確認することは難しい。名前の由来は、ウズラぐらいの大きさから、あるいは羽の色が似ているから等諸説あるようです。

かつては群での渡来も見られたが、近年は小群または単独で観察されることがほとんどで秋期よりも春期の方が渡来数が多い傾向にある。ユーラシア北部の北極圏の限られた地域で繁殖し、インドネシアからニューギニア、オーストラリアまでの地域で主に越冬するが、日本国内での越冬例は稀。

川口市周辺では、道の駅“樹里安”のあるあたりが休耕田や蓮田であったころに渡来しましたが、現在では渡来する場所が無くなりました。芝川第一調節池の工事中に一時的に干潟状の湿地が現れた時には各種のシギ・チドリと共に飛来した記録があります。

 

自然の記録:

10月 2日 昨日の夜はかなりの雨量があり、毛長川調節池内にあるテニスコートは泥水に埋もれていました。調節池の周辺ではヒメアカタテハが飛んでいました。

我が家の庭ではルリタテハが飛来し、キボシカミキリが相変わらず交接をして産卵真っ盛りです。窓の網戸にブドウトリバとウスグロアツバ(カヤツリグサを好む)という蛾の仲間が止まっていました。ブロック塀にはルリゴミムシダマシとセスジスズメの幼虫が止まっていました。

ブドウトリバとは聞きなれない名前ですが、トリバガ類はトリバガ科に属し、前翅の先は2つに分かれ、後翅は根元から3本に分かれています。留まる時は、一緒に纏めて畳んでしまうので、翅とは思えない奇妙な格好になってしまいます。しかも、脚には長い棘(脛節の距)が沢山あるので、知らない人は蛾だとは全く思わない様です。今回は、網戸に留まっていたので写すことが出来ましたが、通常は草の葉の裏に止まることが多く中々写真を撮ることが出来ません。

10月 3日 コンフォール東鳩ヶ谷の敷地内をジャコウアゲハが飛んでいました。今年初めての記録ですが、食草であるウマノスズクサがないので偶発的に飛来したものか、どこかにウマノスズクサがあるのか気になりました。家の庭に来てくれれば食草があるのにと思いながら眺めていました。

桜町2丁目のE氏より、自宅にアライグマが久しぶりに現れたとの情報をいただきました。

10月 4日 埼玉植物園ではクリ、カヤ、トチノキの実が豊富に実り、道路上に沢山落ちていました。

ナガサキアゲハ、ツマグロヒョウモンが市内に目立ち、ツマグロヒョウモンの幼虫が道路上を移動しているのをよく見かけます。

ルリゴミムシダマシ ブドウトリバ
スジモンヒトリの幼虫

10月 5日 旧芝川を歩きましたが野鳥も昆虫も少なく寂しい限りでした。それでも、コガモが3羽(エクリプスの雄2羽、雌1羽)キセキレイを見ることが出来ました。

開花植物はアメリカアサガオの青、ホシアサガオの白が目立ち、アキノノゲシとアメリカセンダングサが咲いていました。

アメリカアサガオは葉の形がアイビー(キヅタの一種)に似ているところから、アイビーリーフモーニングローリーと呼ばれるそうです。朝顔よりも一回り小さく朝のみ開花します。

富士見市のS氏からはビン沼でツグミ3羽が通過したとの情報を頂きました。4日にも他の人が1羽を確認したとか。今年の冬鳥は1か月近く早そうです。すでにジョウビタキも山口、広島等で観察されているようです。これらの野鳥は通常10月末から11月初旬にかけて飛来します。

10月 7日 隣家の花壇の花々に色々な蝶が訪れています。アゲハチョウ、ツマグロヒョウモン(雄2)、アカタテハ、キタテハ、イチモンジセセリ(10<)、モンシロチョウ、ヤマトシジミ等、アキアカネも来ていました。

庭のイチジクではキボシカミキリ(4)が相変わらず交接したり産卵したり2週間以上続いています。イチジクの幹はテッポウムシで穴だらけとなり、いずれは枯死してしまいそうですが毎年キボシカミキリが出てくるのを楽しみにしているので悩んでいます。今日は、クロフヒゲナガゾウムシも来ていました。

10月 9日 豊田の森で鳩ケ谷中学校の生徒たちと来週のボランテイア作業の下見をしていたところ、生徒の一人がシロダモの若木にアオスジアゲハの幼虫2匹を見つけました。今年は初めての確認でした。竹林の枯れた竹には沢山の小さな穴が開いており、今年はタケトラカミキリがかなり出たようです。また、自宅庭の柑橘類の葉にはナガサキアゲハの幼虫がいました。これも今年は初めてでした。かなりの数の幼虫類を観察しましたが夏の間は全てアゲハチョウの幼虫でした。濃い緑に白色の帯が何か所かあるので違うなということがわかりました。

ナガサキアゲハの終齢幼虫 4匹のキボシカミキリと食い荒らされたイチジクの木

10月12日 大分少なくなりましたが、夕方になると庭の片隅でアオマツムシやハラオカメコオロギの声が聞こえてきます。バードリサーチの情報では、早くも福島、埼玉の2地点、愛媛、大阪からツグミの情報が。この時期,北海道で夜渡っているツグミの声が聞こえる時期ですが,関東の平野部は通常11月。かなり早い記録です。また、ジョウビタキの情報も島根、山口、兵庫等で記録されており、こちらもかなり早い情報です。今年は全体的に冬鳥の渡りが早いのかもしれません。

10月13日 ブロック塀にチャドクガが止まっていました。今年はサザンカやツバキで見つけた幼虫を処理したので、成虫の姿を見ないなと思っていましたがようやく見ることが出来ました。

4匹のキボシカミキリは相変わらず活発に活動しています。

10月15日 庭のネズミモチにシモフリスズメの終齢幼虫が一生懸命葉を食べていました。隣家の花壇ではホソヘリカメムシ、アオスジアゲハ、イチモンジセセリ等が飛んでいました。

10月18日 カナヘビが孵化したらしく小さなカナヘビが2頭庭を走り回っていました。夜になり、風呂場の窓からアオマツムシの声が聞こえてきました。虫の声も終わりかなと思っていたところでしたので久々に虫の声を聞きながら風呂に入りました。

10月21日 我が家の庭に今年は飛来しないなと思っていたら、クロメンガタスズメの幼虫3頭がボタンクサギの葉の裏にいて、大きな葉を一生懸命に食べていました。ナガサキアゲハの幼虫も柑橘類の葉を食べていました。キボシカミキリ4頭も健在で、イチジクの木の表面がボロボロになってきました。庭隅でツユクサが開花していました。近所ではサクラ、ツツジ、シャクナゲ等がちらほらと咲いています。なんとなく季節感が無くなる感じがします。

9日に豊田の森で拾ってきた銀杏をのっぺい汁に入れて食べましたが、新鮮な香りがしました。

各地から、ツグミ、ジョウビタキ、シメ、等の冬鳥情報が届いてきますが、家の周りではまだ姿はおろか声も聞こえてきません。街中で聞こえるようになるのはもう少し先かも?

10月22日 青木信用金庫から鳩ヶ谷小学校へ行く途中の路傍で、キボシカミキリの雄を拾得、元気に動いていたので近くのナンテンの枝に乗せておいたところ数時間後に見たところ消失していました。裏庭に積んである剪定木が腐って崩れていたので覗いてみるとカブトムシの幼虫が数匹見えました。この中で越冬のようです。ビワの葉にチャドクガが止まっていました。

5年前に植えたビワの木ですが、今年ようやく1つだけ花芽をつけてくれました。

10月23日 ボタンクサギの葉を食べていたクロメンガタスズメの終齢幼虫がいなくなったと思っていたら、夕方になって家の壁に沿って移動していました。土の上ではセアカゴミムシが骸となっていました。ウメの木の枝に蔓を這わせていたヤマノイモ(自然薯)のムカゴがいくつか落ちていました。ムカゴを見て、40年以上前に丹沢札掛にある丹沢ホームでシカの観察を行っていたころ、シカの糞だと言って出されたのがムカゴを炒ったものでした。いろりを囲んでシカの保護や自然保護の話をしていたころが思い出されました。

今日は1時30分から3時まで、はとがやに里山をつくる会が鳩ヶ谷中学校のボランティアの受け入れで、豊田の森で竹の間伐、除草および斜面林に投げ捨てられたビール瓶、飲料缶、その他のゴミなどを回収しました。鳩ヶ谷中学校でのボランティア作業は、初めてのことで引率の先生も率先して竹の伐採を行っていました。

タケの間伐作業 鳩中のボランティア
斜面の除草作業

10月28日 今日は暖かく部屋の中にいても25℃を超えました。天気予報では夏日になったところが多かったとのことですが、モンシロチョウ、キチョウ、キタテハ、クサギカメムシ、クロウリハムシ、チャドクガ等が飛び回り、小さなカナヘビも走り回っていました。

アオマツムシやハラオカメコオロギも健在で夕方になると良く鳴いていました。

ノゲシ、コニタビラコ、カタバミ、イヌタデも開花しており、あと数日で11月とは思えない陽気でした。

 

地球温暖化を考える(89)

川口グリーン・フェスティバル2015

10月10日〜12日まで、川口市グリーンセンターで恒例のグリーン・フェステイバルが行われました。今年のテーマは花と緑の体験ワールドでした。生憎、川口市周辺で各種のイベントが行われており、グリーンセンターへの来園者は少なめでした。今回は植物遊び体験、グリーンアドベンチャー、親子草遊び等が中心でした。

はとがやに里山をつくる会も協力を要請されて、10月10日の一日、自然観察を兼ねた自然ネイチャ−ゲーム(生きもの探しビンゴ)を行いました。4人のスタッフで10時から16時までフル回転、家族連れ32組78名がそれぞれにビンゴゲームを楽しみました。 

生憎の曇り空で昆虫類や動物などが少なく草花の観察が主となりましたが、落ち葉や土を手でかき分けてコオロギやチャバネゴキブリを捕まえようとする元気なお母さんもいました。子供たちもみな熱心で、虫探しに熱中し出てきたものを手づかみして喜んでいました。

殆どの人が家の周りに自然がないので、こういう場所が近くにあると良いと言っていました。とにかく子供たちが安心して自然に接することが出来る場所があると良い勉強になるとも。

   

フェスティバルの会場風景 自然観察する家族

生きもの探しビンゴゲームで観察した生物は、

野鳥:ハシボソガラス、ハシブトガラス、カワセミ、ヒヨドリ、モズ、シジュウカラ、キジバト

その他の動物:ミシシッピアカミミガメ、カナヘビ、カワニナ、ミミズの仲間、ジョロウグモ、ワキグロサツマノミダマシ(クモの仲間)

昆虫:ナガサキアゲハ、キチョウ、ウスキツバメエダシャク(蛾の仲間)、ウスバキトンボ、アキアカネ、エンマコオロギ、ハラオカメコオロギ、ヤブキリ、コバネイナゴ、ヒシバッタ、ノミバッタ、チャバネゴキブリ、オオスズメバチ、ヒメハラナガツチバチ、アブラゼミの抜け殻、クロヤマアリ、アメイロアリ等

植物:イノコズチ、イヌタデ、クワクサ、ツユクサ、ハキダメギク、ムラサキツユクサ、ヨシ、ヒガンバナ、カワラタケ、キクラゲ(キノコの仲間)、園芸種(シオン、フジバカマ、ススキ等)、ハンカチの木の実、ツバキの実、各種のドングリ