No.102 2012年12月

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鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (115)

ハイタカ(タカ科)Accipiter nisus

ハイタカはオオタカより小型ですが、体型はよく似ています。雄は翼の上面・尾は青味のかかった灰黒色。雌は上面全体が褐色味のある灰黒色。翼は短めで、丸味もあります。尾は長め。「キッ キッ キッ・・」とよく通る声をだします。北海道と本州の山地の林で繁殖し、秋冬には低山地、平地の林でも見られています。餌の多くは小鳥類で、長い足を伸ばして捕らえる姿をよく見ることができ

ます。羽ばたいては滑空、羽ばたいては滑空を繰り返して飛行します。 タカの仲間は雄より雌の体が大きいのが普通です。ハイタカの名前は「疾き鷹」が語源であり、それが転じて「ハイタカ」となったと言われています。かつては雌は「はしたか」と呼ばれていたことからハイタカとは、ハイタカのメスのことを指す名前で、メスとは体色が異なるオスはコノリと呼ばれていました。

 

自然の記録:

12月 4日 午前中は本降りとなり、柿の木の葉が殆ど落葉し摘果しなかった残りのカキがオレンジ色に輝いて見えました。これからは野鳥の飛来も多くなることでしょう。台所のドアに留まっているジャコウアゲハの蛹の色が退化してきてかなり白っぽくなってきました。

12月 5日 今日は良く晴れて暖かく、菊の花にツマグロヒョウモンの雌とヨーロッパミツバチが飛来しました。ツマグロヒョウモンの羽は全く損傷もなく最近羽化したばかりのように奇麗でした。柿の木にメジロが毎日飛来しますが、柿の実を食べるだけでなくカイガラムシの仲間のツノロウムシをよく食べているようです。メジロやシジュウカラが去った後の地上には鳥の口に入らなかったツノロウムシが幾つも落ちています。全体が灰白のロウ物質で覆われ、ゴツゴツした半球型をしています。一見すると砂糖で覆われた饅頭のような形をしています。ロウ物質の外形は直径6〜9mm。名前にもあるツノは周囲に8本、天辺に1本見られます。ツノは日にちが経過すると丸くなり消失するそうです。幼虫の時期は肢があり、歩いて葉や枝に移動し吸汁します。3齢幼虫になると気に入った樹皮の柔らかい小枝に定着し、成虫となります。雄は見ることが難しいそうですが、翅があり飛ぶことができるそうです。ツノロウムシが沢山寄生すると枝が枯れたり、スス病を発生するそうです。

ツマグロヒョウモン 朽ち木から虫を取り出すジョウビタキ(♂)

12月 6日 鳩ヶ谷大橋下流の芝川でオオバン、江川上流でコガモの雄、湧水公園の斜面林でヒヨドリ10数羽、シロハラ、キジバト等が観察されましたが、午前中3時間ほど走り回って10種類程度の野鳥を見たに過ぎません。いかに自然環境が減少したかということがわかります。庭の片隅でホシホウジャクの2cmほどの小さな幼虫が落ち葉の上を歩いていました。

12月 7日 江川と見沼代用水合流点付近ではカルガモ(10羽)、オナガガモ(雄6、雌3羽)、コガモ(雄1羽)、毛長川調節池付近ではキンクロハジロ(雄2羽)、ホシハジロ(雄1羽)等が見られました。家のブロック塀の上をスジモンヒトリという薄茶色の毛虫が歩いていました。大根の葉には真っ黒な2cmほどのカブラハバチの幼虫が無数に寄生しています。終令に達したような幼虫は家の周りをうろついて越冬する場所を探しています。

12月 8日 湧水公園の斜面林で作業をしていたところ、ケヤキの古木に7cmほどの大きさのクロゴキブリが出てきました。竹の間伐したものを積んでいたので、音に驚いて出てきたようです。家のブロック塀にはオオカマキリが留まっていました。12月になっても結構昆虫類が活動しているので驚いています。

12月 9日 各地で大雪を降らせた寒い一日でしたが、15時過ぎに柿の木にメジロ、シジュウカラ、コゲラ、スズメの混群が飛来し賑やかでした。今年は梢の方に残った柿の実がありますので、メジロやヒヨドリが賑やかです。

11月10日 辻の農家の敷地内にフクロウの巣箱を架設したいというので架設場所を見に行ったところ、柿畑で30羽以上のツグミが飛び回っていました。市内を歩いていても殆ど見かけることがありませんが、ここだけはツグミの天国のようでした。シジュウカラも敷地内を飛び回っていました。

先日、湧水公園の斜面林で拾ってきたギンナンを乾燥中ですが、1年分近く回収できましたので早速、のっぺい汁に入れて旬の味を味わいました。本当は茶碗蒸しに入れたかったのですが、ゆり根が売られていないので販売されるまで茶碗蒸しはお預けです。

ゆり根は大阪に住んでいた時には冬の間、何処のスーパー・マーケットでも売っていたのですが。

12月12日 家のアオギリの葉が枯れて落ちたので、枝を剪定していたところ堆肥場にしている落ち葉の間から焦げ茶色の蛾が這い出してきました。よく見ると羽に3つの紋様があり、ミツボシキリガとわかりました。ミツボシキリガは成虫のまま冬越しする事が知られています。 

12月18日 庭のキカラスウリの実が大夫色づいてきました。キカラスウリの根茎は天花粉として子供用のパウダーに利用されています。キカラスウリの実は普通のカラスウリに比べて倍ぐらいの大きさになります。庭のモクレンから柿の木まで蔓が伸びて20個以上の実がぶら下がって風に揺れています。

12月19日 湧水公園では冬枯れとなったため作業や人の出入りが減少したため、菖蒲田にはツグミ、キジバト、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、ハクセキレイ、ジョウビタキ等で賑わっています。

12月22日 昨年より、市内の農家でフクロウの巣箱を架設したいと頼まれていたのですが、昨年は繁殖期に入っているので、1年間待ってもらいました。あいにくの雨の日でしたが、はとがやに里山をつくる会のメンバー6名が協力して、リンゴの空き箱を利用して巣箱を作製しました。

12月23日 湧水公園は改修工事のために周囲をフェンスで囲まれました。そして、下の池の水抜きが始まりました。しばらくの間、公園の利用が出来なくなります。

12月26日 湧き水公園の工事に伴い、午前中に関係者12名で水が抜かれた下の池の生物を移動させるために捕獲作業を行いました。その結果、コイ4尾、ヘラブナ15尾+、モツゴ150<、ヌカエビ150<でした。トンボのヤゴの捕獲も期待したのですが、ヘドロの堆積が30cm以上もあったので、全てを捕ることが出来ませんでした。コイは見沼代用水へ放流し、残りのものは上の池に放流しました。午後2時より、辻の農家の屋敷林に先日作製したフクロウの巣箱2個をスダジイの樹上に架設しました。巣箱が大きいので架設に時間がかかりましたが何とか4名で行うことが出来ました。フクロウが巣箱に入って繁殖をしてくれることを願っています。

巣箱 架設中の巣箱 巣箱を架設した環境外観

12月28日 旧芝川の鳥を見に出かけましたが、鳥の出現率が今までと異なり最高となりました。33種類も出たのは初めてです。カルガモ、コガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、ホシハジロに加えてトモエガモが見られました。計8種類160羽でした。その他、カワウ、オオバン、セグロカモメ、ユリカモメ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、ゴイサギ、キジバト、カワセミ、アオジ、シジュウカラ、メジロ、ウグイス、ツグミ、アカハラ(亜種のオオアカハラ)、ヒヨドリ、ムクドリ、モズ、ハシボソガラス、ハクセキレイ、スズメ、カワラヒワ等でした。

12月29日 昨日のトモエガモを撮影しようと旧芝川に出かけたが、見ることも出来なかった。観察された種類は34種類でマガモ、イソシギ、オオジュリン、ハシブトガラスの4種類が追加されて2日間で37種類観察されました。カワウは大きなボラを3尾も捕らえて満足そうでした。ヒドリガモの雄も渡ってきた頃に比べて大分奇麗になりました。

ボラを捕らえたカワウ ヒドリガモの雄

地球温暖化を考える(57)

はとがやの湧き水の里に関連して(18)

 

12月8日:先月に続いて湧水公園の斜面林の管理作業とギンナン拾いを行いました。竹の間伐は古いものから10本ほど間伐しましたが、新しい竹と違って切断も簡単、持ち運びも軽くて楽でした。

 今日の作業は5人で行いましたが、林内にはスダジイ、イチョウ、ケヤキなどの枝が落ちているので、集めてカブトムシの住処づくりを行っています。高さは約1m、幅が2m程になりましたので来年以降が楽しみです。まだカブトムシの臭いがするほどの土壌にはなっていませんが、半年もすれば良い寝床になるものと思います。ゲーム機やパソコンに興じている小学生に自然の中で活動して欲しいというのが、はとがやに里山をつくる会の願いでもあります。 

冬枯れの湧水公園 新しく植栽されたハンノキ
竹林内のイチョウの葉が落ちた様子 カブトムシのねどこ造りも進んでいます

12月26日:湧水公園の改修工事が始まります。工事に伴い下の池の水抜き作業を行うので池の生物の捕獲作業を行いました。関係者12名で水が抜かれた下の池の生物を移動させるために捕獲作業を行いました。その結果、コイ4尾、ヘラブナ15尾+、モツゴ150<、ヌカエビ150<でした。トンボのヤゴの捕獲も期待したのですが、ヘドロの堆積が30cm以上もあったので、全てを捕ることが出来ませんでした。コイは東縁見沼代用水へ放流し、残りの生物は上の池に放流しました。

 来年、3月には橋も架設されて利用しやすくなるものと思われます。

放流した後のヘドロ 上下の池の仕切りをしたところ
 生物の捕獲作業中  生物の捕獲作業中

 

2012年度に観察された生物

野鳥:カイツブリ、カワウ、マガモ、コガモ、カルガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、トモエガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、ゴイサギ、コサギ、ダイサギ、ササゴイ、アオサギ、オオタカ、クイナ、バン、オオバン、イソシギ、セグロカモメ、ユリカモメ、フクロウ、オオコノハズク、キジバト、コゲラ、カワセミ、キレンジャク、ヒヨドリ、モズ、イワツバメ、ツバメ、ハクセキレイ、キセキレイ、ジョウビタキ、ルリビタキ、アカハラ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、メジロ、シジュウカラ、アオジ、オオジュリン、カワラヒワ、 スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト(52種類)

 

動物:  アライグマ、タヌキ、イタチ、アブラコウモリ、アオダイショウ、ミシシッピーアカミミガメ、シマヘビ(カラスヘビ)、ウシガエル、アカガエル、ヤモリ、カナヘビ、クロベンケイガニ、アリグモ、オニグモ、ギンメッキゴミグモ、ジョロウグモ、イエユウレイグモ、ササグモ、ナガコガネグモ、コモリグモ、ムカデ、メダカ、カダヤシ、マハゼ、ボラ、モツゴ、ニゴイ、マブナ、コイ、(ニシキゴイ)、ドジョウ、ヌカエビ、ホウネンエビ、アメリカザリガニ (33種類)

 

昆虫類: アオカナブン、 アオカミキリ、アオスジアゲハ、アオドウガネ、アオマツムシ、アカクビボソハムシ、アカシジミ、アカスジカメムシ、アカタテハ、アカボシゴマダラ、アキアカネ、アゲハチョウ、アケビコノハ、アジアイトトンボ、アシブトクチバ、アトモンサビカミキリ、アブラゼミ、イナゴ7ウスバキトンボ、ウスベニヒメシャク、ウスミドリナミシャク、ウズラカメムシ、ウメエダシャク、ウラギンシジミ、ウラナミシジミ、ウラナミジャノメ、エンマコオロギ、オオカマキリ、オオクロコガネ、オオクロハバチ、オオシオカラトンボ、オオホシカメムシ、オオスカシバ、オオセンチコガネ、オオヤマアリ、オオフタオビドロバチ、オンブバッタ、カツオゾウムシ、カナブン、カブラハバチ、カネタタキ、カノコガ、カブトムシ、オニヤンマ、カラスアゲハ、キアゲハ、キイトトンボ、キイロテントウ、キオビベッコウ、キクキンウワバ、キタテハ、キチキチバッタ、キチョウ、キバネカミキリモドキ、キバラヘリカメムシ、キマワリ、キマダラセセリ、キマダラヒカゲ、キンケハラナガツチバチ、ギンヤンマ、クビキリギス、クサギカメムシ、クマバチ、クモヘリカメムシ、クロイトトンボ、クロアゲハ、クロウリハムシ、クロゴキブリ、クロスジギンヤンマ、クロフヒゲナガゾウムシ、クロメンガタスズメ、クワイクビレアブラムシ、コカマキリ、コシアキトンボ、コバネイナゴ、コミスジチョウ、ゴマダラカミキリ、ゴマダラチョウ、ゴマフシロギバガ、コメツキムシ、コンボウヤセバチ、サキグロムシヒキ、シオカラトンボ、シオヤトンボ、ジガバチ、シモフリスズメ、ジャコウアゲハ、ショウジョウトンボ、シロテンハナムグリ、シロオビノメイガ、シロオビアカガネヨトウ、スジグロシロチョウ、スジモンヒトリ、スズメコマユヤドリバチ、セアカヒラタゴミムシ、セグロアシナガバチ、セスジスズメ、ダイコンハムシ、タマムシ、チャハマキ、チャバネアオカメムシ、チビコブカミキリ、チョウトンボ、ツゲノメイガ、ツノロウムシ、ツマキチョウ、ツマグロヒョウモン、ドクガ、トウキョウヒメハンミョウ、トホシクビボソハムシ、ナガサキアゲハ、ナガメ、ナナホシテントウ、ニイニイゼミ、ニジュウヤホシテントウ、ニホンチュウレンジバチ、ノコギリクワガタ、ノシメトンボ、ハグロトンボ、ハラオカメコオロギ、ハラビロカメムシ、ハンノキハムシ、ヒラタゴミムシ、ビロードコガネ、ベッコウバエ、ベニカミキリ、ホウシゼミ、ホシホウジャク、ホタルガ、マエアカスカシノメイガ、マルカメムシ、ミツバチ、ミツボシキリガ、ミツボシツチカメムシ、ミンミンゼミ、ムラサキツマキリヨトウ、モンシロチョウ、モンシロドクガ、ルリシジミ、ルリクビボソハムシ、ルリタテハ、ヤマトシジミ、ヤマトクロアリ、ヨコヅナサシガメ、ヨーロッパミツバチ、(144種類)

 

植物:   アイノコセンダングサ、アオガヤツリ、アカカタバミ、アキノエノコログサ、アセビ、アブラススキ、アメリカスミレサイシン、アマゾントチカガミ、アベリア(園芸種)、アメリカセンダングサ、アイノコセンダングサ、アレチウリ、アレチマツヨイグサ、イタドリ、イチョウ、イヌタデ、イヌキクイモ、イノコヅチ、ウラジロチチコグサ、エノコログサ、オオアレチノギク、オオイヌタデ、オオイヌノフグリ、オオカナダモ、オオケタデ、オオニシキソウ、オオマツヨイグサ、オシロイバナ、オツタチカタバミ、乙女ツバキ、オナモミ、オヒシバ、オモダカ、オランダミミナグサ、寒椿、カキドオシ、カタバミ、カナムグラ、ガマ、カラスウリ、カラスノエンドウ、カラスビシャク、カントウタンポポ、キケマン、キキョウソウ、キュウリグサ、キョウチクトウ、キンミズヒキ、クサイチゴ、クサギ、クズ、ゲンペイコギク、コウテイダリア、コウホネ、コオニタビラコ、ゴキヅル、コケオトギリ、コナギ、コバンソウ、コヒルガオ、紅梅、白梅、サナエタデ、サルスベリ、サンカクイ、サンシュウ、サンショウ、シキミ、シャガ、ジュズダマ、シロザ、スイカズラ、スズメノエンドウ、スズメノカタビラ、スズメノテッポウ、スノードロップ、スベリヒユ、セイバンモロコシ、セリ、センニンソウ、タカサブロウ、タコノアシ、タチツボスミレ、タネツケバナ、チカラシバ、チャ、チョウジタデ、ツクシ、ツボスミレ、ツユクサ、ツルボ、ツルマメ、ツワブキ、テイカカズラ、ドウダンツツジ、ノハカタカラクサ(トキワツユクサ)、菜の花、ナガミノヒナゲシ、ナズナ、ニシキギ、ニリンソウ、ヌマガヤツリ、ネコヤナギ、ノゲシ、ハゼラン、ハギ、ハクモクレン、ハコベ、ハルジオン、ノゲシ、ヒガンバナ、ヒナタイノコヅチ、ヒメオドリコソウ、ヒメガマヒメムカシヨモギ、ヒュウガミズキ、ヒヨドリキョウゴ、ヒルガオ、フキノトウ、フクジュソウ、フトイ、ヘビイチゴ、ヘラオオバコ、ホウキギク、ホシアサガオ、ホソアオゲイトウ、ボタンクサギ、ホトケノザ、マメアサガオ、ミズヒキソウ、ミゾソバ、ミモザ、ムシクサ、ムラサキツユクサ、ムラサキハナナ(オオアラセイトウ)、メヒジバ、ヤブカンゾウ、ヤブミョウガ、ヤツデ、ユウガオ、ユウゲショウ、ユキノシタ、ユキヤナギ、ユズ、ヨウシュヤマゴボウ、ヨメナ、ヨモギ、ヨシ、レンギョウ、レンゲ、トラデスカンティア・シラモンタナ(147種類)