No.78 2010年12月  

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お知らせ 2011/01/18(2011/01/24 一部変更)

●『郷土はとがや』から転載した記事をすべて横書きから縦書きに変更しました。『郷土はとがや』のオリジナル原稿が縦書きだったからです。従来も、縦書きは可能でしたが、ブラウザによりに対応しないものもあり、不完全なものでした。最近、「涅槃」という縦書きツールが公開され、優れたソフトなので利用させてもらいました。

なお、縦書きの記事を開いても白紙しか表示されない場合は、対処方法をここに示しておきます。

●全記事の目次を常時左側に表示するようにしました。 2011/01/24

●Googleのサイト内検索も新しくしました。検索結果は鳩ヶ谷博物誌のページに挿入され、×をクリックすると消えます。検索結果の冒頭に広告が入りますが、無償版の制約につきご容赦。また、従来の目次を廃止したのでヒットしてもリンクがないケースがありますが、これはGoogleのデータベースに実態が反映されるまで直りません。 2011/01/25

鳩ヶ谷で見られる野鳥シリーズ (91)

エナガ(エナガ科) Aegithalos caudatus

体は薄い葡萄色をしており黒い過眼線があります。尾の長い小型の鳥で嘴は短く、雌雄同色の小鳥。主に森林に生息し群れをつくる習性があります。秋から冬にかけては林の中を他のカラ類やメジロ、コゲラ、ウグイスなどと共に混群で移動します。移動する時には結構賑やかに鳴きながら移動し、混群が去った林の中は静かになります。餌を採る時は枝からぶる下がり、縦に留まったり、軽業師的な行動をよく見かけます。近年では大阪城公園のような都市公園でも繁殖するようになりました。

鳩ヶ谷市内では繁殖記録はありません。冬期に稀に飛来しますが個体数は多くありません。

北海道には別亜種のシマエナガが生息します。

 

自然の記録:

12月 1日 今日は暖かく日中は25℃近くに上昇してルリシジミやモンシロチョウが飛んでいました。

サクラやカキの葉が奇麗に紅葉し落下しましたが下生えの草は青々としています。ヘクソカズラの葉にはホシホウジャクの幼虫がいました。

アメリカスミレサイシン、カタバミ、ノゲシが開花し、まるで春のような感じです。川口市の友人からはナミアゲハの写真が送られてきました。

江川の合流点付近ではオナガガモ雄10羽、雌3羽、カルガモ8羽が共に採餌していました。

本町3丁目の植木畑ではモミジの紅葉が盛りを一寸過ぎたくらいでしたが、まだまだ見応えがありました。

12月 2日 毛長川でキンクロハジロ9羽が採餌していました。ここの所、水量が多いので潜水するには良いのかも知れません。

12月 5日 庭の柿の木にオレンジ色の羽が目立つスズメガの仲間のホシホウジャクが飛び回っていました。ホバリングしながら口を伸ばして吸蜜し、胴体が太く、素早く羽ばたくので小型のハチドリのように見えます。

12月 7日 毛長川調節池付近の毛長川にカルガモ3、コガモ2、オナガガモ雄3、雌1、ホシハジロ雄2、キンクロハジロ8羽、ハクセキレイ3羽、等がいました。

12月 8日 本町2丁目の貸し農園にモズがいました。何か昆虫でも探していたのでしょうか?農園の中央に1m幅ほどの通路を造っていましたが、アスファルトで固めていたのは感心できません。もう少しやり方があるのではないかと思うのですが。

獲物を捕獲したジョロウグモ ボタンクサギの冬芽

12月13日 冷たい雨の降る中、久し振りにジョウビタキの雄が姿を見せてくれました。カキの枝に止まりましたが、一瞬の風と共に飛び去りました。

12月14日 庭隅の植木鉢を移動したところマダラカマドウマが2匹、ブロック塀に留まっていました。ここで冬越しをするのでしょう。普段見かけることはありませんが、こんなところにと思う場所で色々な昆虫類が冬越しをしています。

12月16日 湧き水公園の竹林周辺でシロハラ、キジバト、ヒヨドリなどが採餌していました。また、樹齢400年を越えるといわれている大イチョウにはコサギが1羽とまっていました。樹下には沢山の銀杏と黄葉したイチョウの葉が落ちていました。葉をよく見るとカモの足のような形をしており、鴨脚樹(イチョウ)という言われが理解できます。

12月18日 冷たい風が吹いているものの陽射しは暖かく、アメリカスミレサイシンの花にヤマトシジミが飛来しました。近所の路傍ではコオニタビラコが幾つも開花しました。桜町3丁目の交差点ではハルノノゲシが開花し、アメリカオニアザミが50cmほどの高さに成長していました。これから真冬になるという時期に春の雰囲気が感じられる一日でした。

12月20日 隣家では黄色いツワブキ、白色のヤツデの花が見事に開花しています。また、別の民家の庭では茎の太さがφ3cm、高さが1m近いノゲシが開花しています。

12月21日 垂れ梅の枝を剪定していたところ、蓑虫やコカマキリの卵などがいくつか見つかりました。物置の屋根にもへばり付くようにして蓑虫がありました。最近は、蓑虫を見る機会が少なくなりました。

三光稲荷の林床にキズイセンの小群落があり、多くの蕾を付けていました。年末までには開花することでしょう。

12月22日 昨夜に降ったかなり強い雨の影響か、コンポストの周辺に気持ちが悪くなるほど沢山のアメリカミズアブの蛆が蠢いていました。

天神橋をわたる途中で、バンが芝川の水面を、白いお尻を振って泳いでいました。今年は市内でバンを見たのは初めてでした。

   

鳩ヶ谷から消えた生物・消えつつある生物 42

アサザ

デンジソウと同じように、昭和8年に鳩ヶ谷尋常高等小学校・理科部が纏めた郷土研究の誌上に記載されていますが、現在は全く見ることが出来ません。北海道以外の各地の池や沼に生える多年生の水草です。スイレン(睡蓮)の葉を小型にしたような葉が水面に広がっています。

夏から秋にかけてキュウリの花のような形をした黄色い花を咲かせますが,午後にはしぼむようです。五枚ある花弁の周辺には細かい裂け目が多数あり、花から生産された種子は翌年に発芽するほか、土壌シードバンク(埋土種子)を形成して、数年間休眠することもあるようです。霞ヶ浦ではアサザ基金などの活動も活発で霞ヶ浦護岸浄化の一役を担っているようです。

 

地球温暖化を考える(33)

安行原自然の森 (川口市)

 安行原地区の密造院に接した林地で、以前は鬱蒼とした林でしたが整備されて自然の森に指定されました。この地では春と秋に移動途中の小鳥類が多く観察されていました。キビタキ、オオルリ、サメビタキなどのヒタキ類やセンダイムシクイ、メボソムシクイ等のムシクイ類など、珍しい物ではマミジロキビタキの記録もあります。

数年前に林とその周辺が整備されて、現在の安行原自然の森という名称で公園化されました。広さは2.5haで小高い丘と湿地からなる公園です。雑木林はクヌギや松などがメインですが、湿地との境にヤマブキが植栽されています。花の時期は奇麗ですが、自然のままの方がよかったのではないかと思います。ちなみに、この地は川口市造園業組合が川口市より指定管理者制度により管理されています。

安行原自然の森は、位置的に興禅院の森、万葉植物園、イチリンソウ自生地に続く安行の斜面林であり、市域の緑地面積が25%以下になった川口市にとって大変貴重な場所となっています。

本来ならば、この周辺に隣接する斜面林全域を保存樹林とするくらいの考え方が必要なのではないかと思います。真夏日が続く暑い日中でも、斜面林にはいると全く別世界に来た感じがするほど涼しく、温度差が感じられます。                  

湿性植物園と後背地の林 夏の樹林地
初夏の湿性植物園 冬の湿性植物園  管理が滞った池

 

2010年度に観察された生物

野鳥:カイツブリ、カワウ、コガモ、カルガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、アメリカヒドリ×ヒドリガモの交雑種、ハシビロガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、オオタカ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、オオバン、バン、クサシギ、イソシギ、セグロカモメ、ユリカモメ、フクロウ、カッコウ、ヒヨドリ、モズ、キジバト、カワセミ、ツバメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイ、ジョウビタキ、アカハラ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、コムクドリ、ムクドリ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト(47種類)

 

動物:ハクビシン、タヌキ、イエコウモリ、クサガメ、ミシシッピーアカミミガメ、ヤモリ、トカゲ、カナヘビ、ウシガエル、ヒキガエル、アカガエル、アマガエル、アオダイショウ、シマヘビ、ミスジコウガイビル、ジョロウグモ、ウロコアシナガグモ、ヤサガタアシナガグモ、ササグモ、デーニツエハエトリ、アオオビハエトリ、ミスジハエトリ、ギンメッキゴミグモ、ツユグモ、アリグモ、ジグモ、イエユレイグモ、アメリカザリガニ、テナガエビ、ヌカエビ、ホウネンエビ、メダカ、カダヤシ、モツゴ、コイ、マブナ、ハゼ、クロベンケイガニ、サカマキガイ(40種類)

 

昆虫類:ナミアゲハ、クロアゲハ、アオスジアゲハ、キアゲハ、ナガサキアゲハ、モンシロチョウ、モンキチョウ、キチョウ、スジグロシロチョウ、ヤマトシジミ、ルリシジミ、ウラギンシジミ、ウラナミシジミ、ツマグロヒョウモン、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、ルリタテハ、キタテハ、アカタテハ、ミスジチョウ、コミスジ、キマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ、ダイミュセセリ、ソトウスグロアツバ、キモントガリメイガ、ミツテンノメイガ、クロハネシロヒゲナガ、ホソオビシロヒゲナガ、シロスジクチブサガ、ユウマダラエダシャク、ウリキンウワバ、ハスモンヨトウ、エゾギクキンウワバ、ヒメシロモンドクガ、モンクロシャチホコ、オオスカシバ、ホシヒメホウジャク、クロメンガタスズメ、キノカワガ、シマケンモン、スジモンヒトリ、ミノガ、ハイイロヤハズカミキリ、コクワガタ、スジクワガタ、シロテンハナムグリ、コフキコガネ、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ、ビロードコガネ、センチコガネ、クリイロコガネ、キマワリ、マルガタゴミムシ、ヒメゴミムシ、オオヒラタゴミムシ、アオオサムシ、オオシデムシ、タマムシ、クズノチビタマムシ、サビキコリ、コメツキムシ、シマゲンゴロウ、ミズムシ、クロヒゲナガゾウムシ、スグリゾウムシ、コフキゾウムシ、ヒラタハナムグリ、ヒメマルカツオブシムシ、アメンボ、マルカメムシ、ウシカメムシ、シラホシカメムシ、ホオズキカメムシ、ホソハリカメムシ、ホソヘリカメムシ、ヨツボシカメムシ、アカスジサシガメ、ミツボシツチカメムシ、ツチカメムシ、オオモンシロナガカメムシ、ホソコバネナガカメムシ、ホソハリカメムシ、テントウムシ、ナナホシテントウ、キイロテントウ、ヨツボシテントウ、ヒメカメノコテントウ、ダンダラテントウ、ニジュウヤホシテントウ、チャバネツヤハムシ、キイチゴトビハムシ、ウリハムシ、クロウリハムシ、ヤマイモハムシ、キベリクビボソハムシ、アカクビボソハムシ、トホシクビボソハムシ、ツマキクビボソハムシ、サンゴジュハムシ、ヒラタアブ、マルハナバチ、クマバチ、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、セグロアシナガバチ、キボシトックリバチ、チュウレンジバチ、ルリチュウレンジバチ、アオスジハナバチ、オオモンクロベッコウ、ハラナガツチバチ、ニホンミツバチ、セイヨウミツバチ、サキグロケムシヒキ、ドロバチ、オオハナアブ、アオメムシヒキアブ、アメリカミズアブ、マガリムシヒキ、ケバエ、メスアカケバエ、グンバイの仲間、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ、ノシメトンボ、ウスバキトンボ、ナツアカネ、ギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、アオモンイトトンボ、キイロホソガガンボ、マダラガガンボ、クサカゲロウ、ウスバカゲロウ、アメンボ、ツマグロオオヨコバイ、セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ、トウキョウヒメハンミョウ、ニイニイゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシ、クマゼミ、アオバハゴロモ、ベッコウハゴロ、クサキリ、エンマコオロギ、ハラオカメコオロギ、ツヅレサセコオロギ、アオマツムシ、クサキリ、クビキリギス、カネタタキ、ショウリョウバッタ、オンブバッタ、ハラビロカマキリ、マダラカマドウマ、オオカマキリ、ハラビロカマキリ、コカマキリ(168種類)

 

植物:コハコベ、ミドリハコベ、ハハコグサ、オニタビラコ、コオニタビラコ、ヤブタビラコ、ハキダメギク、ノボロギク、ノゲシ、オニノゲシ、ヨモギ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、ホトケノザ、タネツケバナ、オランダガラシ、セリ、ウシハコベ、キュウリグサ、タガラシ、スズメノカタビラ、スズメノテッポウ、ナズナ、オオアブノメ、イノモトソウ、ツクシ、キケマン、ムラサキケマン、ピラカンサ、マンリョウ、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、レンゲ、ヤブラン、シュンラン、ヤブカンゾウ、タチツボスミレ、アメリカスミレサイシン、ヒゴスミレ、ヤブカンゾウ、ナルコユリ、アメリカオニアザミ、クサイチゴ、ヘビイチゴ、ウラシマソウ、白梅、サザンカ、寒椿、ロウバイ、レンギョウ、カキ、サクラ、アンズ、ヒガンザクラ、モモ、ボケ、ハクモクレン、コブシ、モクレン、イチジク、パンジー、シャガ、スノードロップ、キズイセン、アワユキエリカ、トサミズキ、ヒュウガミズキ、レンギョウ、サンシュウ、オオアラセイトウ、セイヨウカラシナ、セイヨウナノハナ、ユキヤナギ、チンチョウゲ、ニワトコ、ゲッケイジュ、乙女ツバキ、イヌワラビ、ヤブソテツ、ナガミノヒナゲシ、アメリカフウロ、ヘラオオバコ、キランソウ、フタリシズカ、サルトリイバラ、イラクサ、ヤワラスゲ、マスクサ、フジ、ムシクサ、ヤブジラミ、カニクサ、カワジシャ、オオカワジシャ、ミゾカクシ、ムラサキサギゴケ、ヒナキキョウソウ、ミコシガヤ、マツバウンラン、ビロードモウズイカ、ウマノスズクサ、イヌタデ、ハゼラン、サンンゴジュ、ヤブカンゾウ、ニオイクサギ、ヒヨドリジョウゴ、ゲンノショウコ、タカサブロウ、コナギ、オモダカ、ミズキンバイ、アカメガシワ、ヒガンバナ、キンモクセイ、チカラシバ、アキノエノコログサ、ジュズダマ、オヒシバ、メヒシバ、ミズヒキ、ハキダメギク、オギ、イヌホオズキ、アメリカイヌホオズキ、イノコズチ、ケイヌビエ、ハエドクソウ、コセンダングサ(129種類)